マイナビ キャリアリサーチLab

2024年卒大学生活動実態調査 (6月)


2024年卒業予定の大学生・大学院生の内々定率は79.5%(前月比9.3pt増)。
配属先を「自分で選びたい」という学生が50.4%で最多。内々定先企業に自ら配属希望を伝えた経験のある学生は4割。

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (6月)」の結果を発表しました(調査期間:2023年6月24日~6月30日)。

調査概要

内容

マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査(6月)

調査期間 2023年6月24日~6月30日
調査対象 マイナビ2024会員のうち「2024年春」に卒業予定の大学生・大学院生
調査方法 マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 2,472件

内々定率・平均内々定保有社数

内々定率は79.5%、平均内々定保有社数は2.5社

2024年卒業予定の大学生・大学院生の6月24~30日時点での内々定率は79.5%(前月比9.3pt増)、平均内々定保有社数は2.5社(前月比0.3社増)であった【図1】【図2】。企業の採用意欲の高まりを受け、5月同様、内々定率・平均内々定保有社数ともに高い水準で推移している。

内々定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)
【図1】内々定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)
平均内々定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)
【図2】平均内々定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)

就職活動で困っていること(未内々定者)

未内々定の学生が現在困っていることは「面接を通過できない」が最多。「最終面接を通過できない」「なぜ落とされるのかわからず改善できない」などの悩みを持つ学生も。

未内々定の学生に対して、現在就職活動で困っていることを答えてもらったところ、最も多かったのは「面接を通過できない」(50.9%)で、前年より2.3 pt増加した。次いで「将来やりたい仕事がわからない(わからなくなった)」(37.5%)、「自分にあった企業をどのように探せばいいかわからない(わからなくなった)」(35.4%)が続いた。【図3】

現在就職活動で困っていること/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)(未内々定者)
【図3】(未内々定者)現在就職活動で困っていること/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)

最も多かった「面接を通過できない」を選んだ学生に、困っていることをさらに具体的に補足してもらったところ、「練習通りに面接選考に臨んでいるが、どうしても最終面接まで進むことができない」や「最終面接まではいくが、そこまでしか行けない。緊張しすぎてしまって、面接がうまくいかない」のように、最終面接の前後で選考不合格になってしまうという悩みや、「面接で何故落とされるかが分からず改善のしようがない」のように反省点が見つけられず次回以降の対策に活かせないというものもあった。【表1】企業に不合格の理由を直接聞くことは難しいが、大学のキャリアセンターを活用したり友人・知人に相談するなど、第三者の目線を取り入れるといった対策が有効だと考えられる。また2番目に多かった「将来やりたい仕事がわからない(わからなくなった)」という回答の補足でも「自分が本当にやりたいことが何なのか、少し分からなくなってきたので焦っています。でも、今までの就活を振り返りながら、改めてきちんと自己分析をして志望企業に挑みたいと思う」といった声があったが(【表2】)、自己分析や業界研究・企業研究という基本に一度立ち返ることも有効な対策の1つと言えよう。自分ひとりで準備するだけではなく、周囲の友人や大学のキャリアセンター、キャリアアドバイザーなどに相談し、これまで盲点だった自身の課題を発見することが、次のステップに進むうえでは重要だと考えられる。面接対策で準備してきたことを発揮するためには面接という場・状況に慣れることも大切であり、大学のキャリアセンターやキャリアアドバイザーを積極的に活用することはそうしたうえでも効果的であると言える。

【表1】「面接を通過できない」の具体的な内容(自由記述)
属性 内容
文系女子 練習通りに面接選考に臨んでいるが、どうしても最終面接まで進むことができないこと。
理系女子 最終面接の通過率が悪いこと。
文系男子 緊張で口ごもってしまうからなのか面接を一度も通過できず悩んでいます。また、自分なりに手ごたえがあった面接でも通過出来なかったことで精神的に打ちのめされ、就職ができないのではないかという不安を抱えています。
【表2】「将来やりたい仕事がわからない(わからなくなった)」の具体的な内容(自由記述)
属性 内容
文系女子 自分の軸がわからなくなってしまい自信が持てなくなった
文系女子 自分が本当にやりたいことが何なのか、少し分からなくなってきたので焦っています。でも、今までの就活を振り返りながら、改めてきちんと自己分析をして志望企業に挑みたいと思います。また、就活サポート室の人にも相談するなど、周りの協力も得ながら進めたいです。。
文系女子 第一志望の業種以外の企業に対して、具体的な志望動機が考えつかず、何を書けばいいのか、何を言えばいいのかが分からない。また、公務員志望一筋で6月ごろまできていたため、今からでは民間企業の選考に間に合わないのではないのか、どこにも就職できないのではないかと不安。

内々定先企業とのコミュニケーション・内々定フォロー

人事担当者や先輩社員と話したことで不安が軽減された内容は「具体的な業務内容(入社1年目の業務内容など)」が最多。

内々定を得たことのある学生を対象に、企業の人事担当者や先輩社員とどのような内容を話したことで不安が軽減されたかを聞いたところ、もっとも多かったのは「具体的な業務内容(入社1年目の業務内容など)」(67.7%)であった。次いで「待遇(給与・福利厚生)について」や「勤務地について」、「ワークライフバランスについて(休暇制度や残業時間)」、「将来のキャリアプランについて(異動、昇進など)」といった項目が続き、入社後すぐ担当することになる業務内容や勤務地といった配属先に関する情報や、ワークライフバランスや待遇といった働きやすさを示す情報などが上位となった。【図4】前年は質問内容を「面談や座談会」に限定して調査したためあくまで参考値ではあるが、今年は交流会などよりカジュアルな場面を含めて調査を行ったため、「ワークライフバランス」や「社内の人間関係について」、「企業の社風・企業文化について」といった、働く環境に関する項目を回答する割合が増加した。

人事や先輩社員との面談・座談会や交流会などで話したことで、不安が軽減された内容(内々定保有者)
【図4】(内々定保有者)人事や先輩社員との面談・座談会や交流会などで話したことで、不安が軽減された内容/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)

入社後の配属(勤務地・職種)に関する希望

配属先は「勤務地・職種ともに自分で判断して選びたい」という学生が50.4%で今年も最多。

入社後の配属先(勤務地・職種)に対する考えについて、最も多かったのは前年同様「勤務地・職種ともに自分で適性を判断して、選びたい」(54.0%)であった。【図5】高いインターンシップ・仕事体験参加率を背景としたキャリア感の醸成(※1)と、共働き志向の高まりといったライフスタイルへの考え方の変化(※2)に伴い、今年も多くの学生が入社後の勤務地や職種を自分で判断して決めたいと考えているようだ。

※1…「マイナビ2024年卒 大学生 広報活動開始前の活動調査」より
※2…「マイナビ2024年卒大学生のライフスタイル調査」より

入社後の配属先(勤務地・職種)に対する考え/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)
【図5】入社後の配属先(勤務地・職種)に対する考え/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)

配属先を「入社前」に知りたい学生は前年より増加。特に「内定通知前の面談・面接」「内定通知と同時」など、より早い段階で知りたいと考える学生が増えている。

入社後の配属をいつ知りたいかを聞いたところ、入社前(「内定通知前の面談・面接」、「内定通知と同時」、「内定式」、「内定通知後から入社前まで(内定通知時、内定式は除く)」の合計)は87.7%で、前年より1.7pt増加した。【図6】勤務地や職種を自分で決めたいという考え方に伴い、配属先について入社前に知りたいと考える学生が今年も多く見られた。特に「内定通知前の面談・面接」や「内定通知と同時」の割合が前年より増加しており、配属先に関してより早い段階で知りたいと考える学生が増えているようである。【図6】

入社後の配属をどの時点で知りたいか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)
【図6】入社後の配属をどの時点で知りたいか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)

内々定先に自分から配属希望を伝えたことがある学生は40.9%。「企業側から希望を聞かれた」という学生も27.3%と多数。

内々定を得ている学生に対して、内々定先企業に入社後の配属希望を伝えたことがあるかを聞いたところ、最も多かったのは「伝えやすい雰囲気だったので、伝えた」(38.3%)であり、「伝えやすい雰囲気ではなかったが、伝えた」(2.6%)と合わせると40.9%の学生自分から配属希望を伝えた経験があった。【図7】「企業側から希望を聞かれたので、それに答えた」という学生も27.3%おり、多くの学生が、自ら、もしくは企業側からの働きかけにより、入社後の配属希望に関して話し合う機会を得ていたことがわかった。前述の通り、入社後の具体的な業務内容を知ることで不安が軽減される学生が多いことや、配属先(勤務地・職種)に関して自分自身で選択したいと考える学生が多いことなどから、入社前の早い段階で配属先への希望などを話し合う場を設けることは、入社にいたるまでの不安の軽減や入社後のミスマッチ等を防止する上で非常に重要であると言える。

【図7】(内々定保有者)内々定を得た企業に対し、入社後の配属先について希望を伝えたことはあるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (6月)

【調査担当者コメント】
配属先について「勤務地も職種も自分で決めたい」「入社前に知りたい」という学生が前年よりも増加し、今年も多く見られました。また、内々定保有者の中には入社後の配属先について内々定先企業に自ら伝えたり、逆に配属希望を聞かれたという学生が多数いることもわかりました。「配属ガチャ」という言葉にもある通り、入社後の配属が不透明であることは学生にとって不安材料の1つとなります。そうした不安や、配属に関する入社後のミスマッチを解消する上でも、学生・企業間で配属先について話す場を早い段階で設けることは重要で、こうしたコミュニケーションをより積極的に取っていってほしいと考えます。

学生の属性データ

有効回答数内訳文系男子文系女子理系男子理系女子総計
人数5171,0624234702,472

2024年卒の調査結果はこちら▼
3月1日調査
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6月15日調査

前年(2023年卒)調査結果はこちら▼

3月1日調査
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