マイナビ キャリアリサーチLab

2024年卒大学生活動実態調査 (7月)


2024年卒業予定の大学生・大学院生の内々定率は81.9%(前月比2.4pt増)。
SNSでの企業情報の収集について「SNSの投稿を参考にしない」という学生が4割。参考にする投稿は「企業の公式アカウントの投稿」が33.7%。

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (7月)」の結果を発表しました(調査期間:2023年7月25日~7月31日)。

調査概要

内容

マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査(7月)

調査期間 2023年7月25日~7月31日
調査対象 マイナビ2024会員のうち「2024年春」に卒業予定の大学生・大学院生
調査方法 マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 2,521件

内々定率・平均内々定保有社数

内々定率は81.9%、平均内々定保有社数は2.5社

2024年卒業予定の大学生・大学院生の7月25~31日時点での内々定率は81.9%(前月比2.4pt増)、平均内々定保有社数は2.5社(前月同値)であった【図1】【図2】。企業の採用意欲の高まりを受け、5月同様、内々定率・平均内々定保有社数ともに高い水準で推移している。

内々定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)
【図1】内々定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)
平均内々定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)
【図2】平均内々定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)

対面の就職活動でのマスクの着用

就職活動でマスクを外して臨んだものは「個人面接」が最多で60.0%。一方で「マスクを外したことはない」という学生も27.3%。

2023年の3月13日よりマスクの着用が原則個人の判断となって4ヶ月、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行して2ヶ月が経過したが、対面の就職活動でマスクを外して臨んだ活動を聞いたところ、最も多かったのは「個人面接」(60.0%)であった。【図3】

マスク着用が個人の判断となった直後に行った「マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(3月)」(2023年3月実施)では、対面面接でマスクを外すことについての考えとして最も多かった回答は「どちらかといえば外すことに抵抗はない」(37.4%)で、「外して面接したい」(16.6%)と合わせると54.0%の学生がマスクを外すことに抵抗がないという回答を示していた。【図4】3月の調査では設問の対象を対面面接に限定しているため今月の調査結果と単純比較はできないが、個人面接においては、3月調査で「抵抗がない」と回答した割合とほぼ同程度である6割の学生がマスクを外して臨んでいた。

対面での就職活動においてマスクを外して臨んだシーン/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)
【図3】対面での就職活動においてマスクを外して臨んだシーン/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)
対面面接でマスクを外すことについての考え/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(3月)
【図4】(参考)対面面接でマスクを外すことについての考え/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(3月)

一方で「個人面接」に次いで多かったのは「マスクを外したことはない」(27.3%)で、3割近くの学生は対面の就職活動においてマスクを外さずに臨んでおり、これも3月調査においてマスクを外すことに「抵抗がある」と答えた割合と近い。以降は「集団面接」(19.6%)、「個別企業説明会」(6.2%)、「合同企業説明会」(4.8%)、「OB・OG訪問」(2.5%)となり、面接や説明会のように複数の人が一堂に会するような活動や、OB・OG訪問のように少数で行うものであっても相手との距離が近い活動では割合が低かった。ただ、学生には対面での活動に限って質問しているため、オンラインでの参加が比較的多いとされる企業説明会や、OB・OG訪問のように学生の誰しもが必ず行うわけではない活動は回答が少なくなる可能性もあり、その点は留意したい。応募企業の業種によってはマスクの着用が必要な場面もあると思われるが、学生は熱中症対策や自身の体調など踏まえて着脱を判断し、企業は学生が判断しやすいように状況に応じた声掛けなど行うことが重要である。

企業情報の収集におけるSNSの活用

SNSでの企業情報の収集では「SNSでの投稿を参考にしない」という学生が4割以上で最多。参考にする投稿としては「企業の公式アカウントによる投稿」が33.7%。

SNS上で企業情報を探すときにどのような投稿を参考にするかを聞いたところ、最も多かったものは「SNSでの投稿を参考にしていない」(41.9%)であった。【図5】参考にする投稿として最も回答が多かったものは「企業の公式アカウントによる投稿」(33.7%)で、「知り合いではないが、その企業に関して投稿している就活生以外(社会人)の投稿」(24.8%)、「知り合いではないが、その企業に関して投稿している就活生の投稿」(24.3%)、「就職活動をしている友人・知人による投稿」(11.3%)が続いた。SNSでの情報源としては企業の公式アカウントのような1次情報を第1に参考にしつつも、知り合いではない人の投稿などにも範囲を広げて参考にしていることがわかる。逆に「就職活動をしている友人・知人による投稿」は比較的に回答が少なかったが、これには、友人・知人であればSNSでなく直接やり取りする機会があること、あるいは、友人・知人のように自分とある程度同質な環境の人ではない人(直接知らない就活生や社会人)の意見を知りたいという心理が背景にあると考えられる。

SNSで企業に関する情報を探すときに、どのような投稿を参考にするか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)
【図5】SNSで企業に関する情報を探すときに、どのような投稿を参考にするか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)

SNSで企業に対するポジティブな投稿を見てその企業に「興味を持った」という学生は43.1%。そのうち「その企業に応募したことがある」という学生は12.0%。

SNS等でシェアされた企業に対するポジティブな投稿を目にしたことで、その企業に興味を持ったり選考を受けたことがあるかを聞いたところ、「興味を持った」と答えた割合(「興味を持ったことはあるが、次のステップに進んだ企業はない」「興味を持ち、その企業に応募したことがある」「興味を持ち、その企業の選考に進んだことがある」「興味を持ち、その企業で最終的に内々定を得たことがある」「興味を持ち、その企業を入社予定先に決めた」の合計)は43.1%となった。「その企業に応募したことがある」という回答は12.0%で、「その企業の選考に進んだことがある」は5.6%、中には「その企業を入社予定先に決めた」(1.5%)という回答もわずかながらあった。最も多かったのは「興味を持ったり、選考を受けた経験はない」(56.9%)であったものの、企業に対するポジティブな投稿を目にしたことで、その企業に興味持ったり、選考に進んだという学生が一部いることがわかった。

SNS等でシェアされた企業に対するポジティブな投稿を見たことで、企業に興味を持ったり選考を受けたりした経験はあるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)
【図6】SNS等でシェアされた企業に対するポジティブな投稿を見たことで、企業に興味を持ったり選考を受けたりした経験はあるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)

ネガティブな投稿を受けて「応募をやめたことがある」学生は13.0%。

一方、SNS等でシェアされた企業に対するネガティブな投稿を目にしたことで、その企業に対して不安を覚えたり、選考を辞退したことはあるかを聞いたところ、こちらも最も多かったのは「不安をおぼえたり、選考を辞退した経験はない」(62.7%)であったが、「応募をやめたことがある」(13.0%)、「選考を辞退したことがある」(4.0%)という学生も一部いることがわかった。

ポジティブな投稿、ネガティブな投稿にかかわらず、それによって企業選択に影響を受けた学生は一定数存在するものの、影響を受けていない学生が大半を占めている。SNSではあらゆる種類の情報に接することがあるが、就職活動(特に企業情報の収集)に関しては一定の距離感で接している様子がうかがえる。

SNS等でシェアされた企業に対するネガティブな投稿を見たことで、企業のことが不安になったり選考を辞退した経験はあるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)
【図7】SNS等でシェアされた企業に対するネガティブな投稿を見たことで、企業のことが不安になったり選考を辞退した経験はあるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (7月)

【調査担当者コメント】
今回はSNSでの学生の情報収集についての質問をし、SNSで企業のポジティブな情報を目にしたことで、その企業に実際に応募したり、選考に進んだ経験がある学生が一定数いることがわかりました。とは言え回答としては「興味を持ったり、選考を受けた経験はない」というものが最も多く、その内容がポジティブなものネガティブなものに関わらず、一定の距離感をもって接しているようです。学生たちはZ世代と呼ばれ、その購買行動や交友関係はSNSと緊密に関わっている印象を抱かれることもあるかと思いますが、就職活動というパーソナルかつ将来のキャリアに関わる活動に関しては、SNSの情報に対して少し慎重な立場をとっているのかもしれません。投稿された内容の真偽を確認しながら、SNSに対しては引き続き冷静に向き合ってほしいと思います。

学生の属性データ

有効回答数内訳文系男子文系女子理系男子理系女子総計
人数5561,0444634582,521

2024年卒の調査結果はこちら▼
3月1日調査
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6月調査

前年(2023年卒)調査結果はこちら▼

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