マイナビ キャリアリサーチLab

2024年卒大学生活動実態調査 (9月)


2024年卒業予定の大学生・大学院生の内々定率は86.5%(前月比2.6pt増)。
就職活動中の挫折・失敗は「人生の中でも大きなショックだった」という学生が約3割。

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (9月)」の結果を発表しました(調査期間:2023年9月24日~9月30日)。

調査概要

内容

マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査(9月)

調査期間 2023年9月24日~9月30日
調査対象 マイナビ2024会員のうち「2024年春」に卒業予定の大学生・大学院生
調査方法 マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 1,837件

内々定率・平均内々定保有社数

内々定率は86.5%、平均内々定保有社数は2.6社

2024年卒業予定の大学生・大学院生の9月24~30日時点での内々定率は86.5%(前月比2.6pt増)、平均内々定保有社数は2.6社(前月比0.1社増)であった【図1】【図2】。8月同様、内々定率・平均内々定保有社数ともに高い水準で推移している。

内々定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (9月)
【図1】内々定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (9月)
平均内々定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (9月)
【図2】平均内々定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (9月)

社会人として、入社何年目くらいまでに活躍したいか

「入社3年目くらいまでに活躍したい」という学生が46.1%で最多。「1年目(即戦力として活躍したい)」の回答も約1割で、ほぼ前年同様の傾向。

「入社何年目くらいまでに活躍したいか」を聞いたところ、最も多かったのは3年目」(46.1%)で、次いで「2年目」(20.6%)、「4~5年目」(19.1%)などが続いた。前年と比べて「2年目」が4.3pt減、「4~5年目」が2.9pt増となったが、全体の傾向としては前年とほぼ同程度となった。【図3】

その理由を複数選択で回答してもらったところ、最も多かった「3年目」と回答した学生では「仕事を覚えてなれるまでにそれくらいはかかると思うから」(82.9%)が最も多く、ついで「教育や研修にある程度時間をかけてもらいたいから」(38.0%)が多くなった。【図4】

「早く仕事を任されたいと思うから」「早く出世したいと考えているから」の項目は「1年目」「2年目」と回答した学生ほど多く、「1年目」と回答した学生では「教育や研修にある程度時間をかけてもらいたいから」の割合が特に低くなった。入社後すぐから活躍したい学生ほど、新入社員教育や研修よりも、実務・実践を通じて早く業務遂行スキルを身に着けることを重視している可能性がある。

入社何年目くらいまでに活躍したいと考えているか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (9月)
【図3】入社何年目くらいまでに活躍したいと考えているか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (9月)
「入社何年目くらいまでに活躍したいか」別 その理由/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(9月)
【図4】「入社何年目くらいまでに活躍したいか」別 その理由/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(9月)

就職活動中の挫折・失敗体験について

就職活動中の挫折・失敗体験が「人生の中でも大きなショックだった」という学生は約3割。

就職活動で経験した挫折・失敗が、これまでの人生における挫折・失敗と比べてどの程度のショックだったかを聞いたところ、最も多かったのは「ショックな挫折・失敗だったが、これまでの人生での挫折・失敗と比べると小さなものだと思った」(26.7%)で、「ショックな挫折・失敗だったが、これまでの人生での挫折・失敗と同程度だと思った」(25.1%)、「人生の中でも上位に入るショックな挫折・失敗だったと思う」(22.5%)などが続いた。一方で、「人生の中で最もショックな挫折・失敗だったと思う」と答えた学生は6.8%で、「人生の中でも上位に入るショックな挫折・失敗だったと思う」(22.5%)と合わせると、3の学生は就職活動中の挫折・失敗を人生においてもかなり大きなものとして捉えているようである。

一方で、「就職活動において挫折・失敗を経験したことはない」と答えた学生が19.0%おり、就職活動での挫折・失敗に対する捉え方もさまざまであることがうかがえる。

これまで就職活動で経験した挫折・失敗は、これまでの人生における挫折・失敗と比べて、どの程度のショックなものだったか/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(9月)
【図5】これまで就職活動で経験した挫折・失敗は、これまでの人生における挫折・失敗と比べて、どの程度のショックなものだったか/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(9月)

就職活動での挫折・失敗を経験したものとして最も多かったのは「1次・2次面接」で53.8%。「面接という人柄を見られる場面で落とされる事が辛かった」などの声も。

前述の設問で挫折・失敗を経験した学生に、その挫折・失敗を就職活動中のどの段階で経験したかを答えてもらったところ、最も多かったのは「1次・2次面接(人事・現場社員との面接)」(53.8%)だった。次いで多かったのは「最終面接(役員・社長面接)」(33.5%)で、面接に関する項目が上位となった。

【就職活動で挫折・失敗を経験した学生限定】その挫折・失敗は、就職活動のどの段階でのものだったか/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(9月)
【図6】【就職活動で挫折・失敗を経験した学生限定】その挫折・失敗は、就職活動のどの段階でのものだったか/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(9月)

経験した挫折・失敗の具体的な内容と、そこからどのように気分を持ち直したかを自由記述で答えてもらったが、面接に関しては「面接官からいい反応をもらえたのに不合格をくらったこと。一生立ち直れる気がしなかったので、初めて自分のことで他人を頼ってキャリアセンターの人に相談しに行った」や「憧れの企業の2次面接で落ちた挫折感。ずっと働きたいと思っていたところから拒絶された感覚。落とした企業を後悔させてやるという気持ちでその企業より大手に入ることだけを考えて気持ちを切り替えた」、「6月に最終面接で落ち続けた事。1か月くらい休みつつも自己分析を行い夏採用に向けての対策をする事で徐々に乗り越えていったと思います」などのコメントがあった。【表1】

また「面接という人柄を見られる場面で落とされる事が辛かったです。面接に落ちると自分の人格を否定されたような気分になり、実際にそれに近い事を言われることもありました」というコメントもあった。同様の趣旨のコメントも他にいくつか見られ、学生にとっては面接での挫折・失敗は「人柄・人格の否定」と捉えられてしまうことがわかる。ただ、一方で「受験勉強と違い、どんなに頑張ってもどうしようもない相性がある」というコメントなども寄せられており、たとえ面接に不合格になったとしてもそれはあくまで学生・企業間の「マッチングの問題」であり、学生本人の問題ではないということを冷静に捉えることが大切である。

挫折・失敗からどのように立ち直ったり気分を切り替えたりしたかについては、「大学のキャリアセンターから紹介された新卒応援ハローワークで一対一で相談したことで、1人では深くできていなかった自己分析や企業研究を一緒にしっかり行うことができ、内定につなげることができた」や「友人などに面接の手伝いをしてもらい、自信をつけて気持ちを切り替えた」のように、周囲にアドバイスを求めたり相談することで対策を講じたというものや、「切り替えるためには、一度就職活動から離れるのが自分にとっては有効だった(少しの間就職活動を全くしない、一旦忘れる)」のように就職活動から一時的に距離を置くというもの、「反省や振り返りはするがいちいち落ち込みすぎず、縁がなかったんだなとある程度割り切ることも大事」のように、あくまでマッチングの問題であるとして割り切って考える、といったものなどが寄せられた。【表2】

【表1】面接における挫折・失敗経験(自由記述)
属性 内容
文系女子 面接官からいい反応をもらえたのに不合格をくらったこと。一生立ち直れる気がしなかったので、初めて自分のことで他人を頼ってキャリアセンターの人に相談しに行った。
文系女子 面接で思うように自分のことを話せなく挫折した。友人などに面接の手伝いをしてもらい、自信をつけて気持ちを切り替えた
理系男子 面接という人柄を見られる場面で落とされる事が辛かったです。 面接に落ちると自分の人格を否定されたような気分になり、実際にそれに近い事を言われることもありました。特に最終面接まで行って落とされた時は掛けた時間も相まってショックが大きかったです。 これに関しては、失敗を分析して次の企業に意識を向ける事で落ちた企業のことを忘れるようにしていました。むしろ、その会社よりも大きい規模の会社に就職することで見返してやるというマインドで頑張りました
文系女子 憧れの企業の2次面接で落ちた挫折感。ずっと働きたいと思っていたところから拒絶された感覚。落とした企業を後悔させてやるという気持ちでその企業より大手に入ることだけを考えて気持ちを切り替えた。
文系女子 自分と人と比べて焦ったり落ち込んだりしました。エントリーシートや、適性検査、面接で落とされるたびに人格を否定されているような気分になった。自分は自分と言い聞かせて乗り越えた。たまに気分転換に友達と会ったりして現実逃避をしたりして、乗り越えた。
文系男子 6月に最終面接で落ち続けた事。1か月くらい休みつつも自己分析を行い夏採用に向けての対策をする事で徐々に乗り越えていったと思います。
文系女子 反省はするが、自分にはあわなかっただけだと考えるようにすること。
理系女子 ・本気で入社したいと思い、使った時間と労力と気持ちが返信一つで無に帰したときのやるせなさ
・受験勉強と違い、どんなに頑張ってもどうしようもない相性があること
・とくに内々定直前まで進んだ企業からのお祈りが一番悲しかった
・何社か選考を進めると、クヨクヨしてもしょうがないという気持ちになった
・一方で、行き先が無いという別の不安感は高まっていった
・一社内定が出ると全く心地が違う
理系女子 これまで頑張ってきたのに志望理由も聞かれないまま落とされたり面接官の態度が気に食わなかったりして悔しかった。そういった場合には企業側に見る目がないんだと思いこみ、自分を責めないようにした。
【表2】挫折・失敗を乗り越えた・気持ちを切り替えた方法(自由記述)
挫折・失敗の内容 乗り越え方・気分の切り替え方
全然面接で上手く話せず、一次面接に落ち続けてしまい、本当に就職できるのか先が見えなくなってしまった。 そこで、大学のキャリアセンターから紹介された新卒応援ハローワークで一対一で相談したことで、1人では深くできていなかった自己分析や企業研究を一緒にしっかり行うことができ、内定につなげることができた。
面接という緊張感のある場で自分を表現、アピールするのが苦手だった。今振り返れば気にせず喋ればよかったのだが、面接官の振る舞いや態度で萎縮してしまうこともあった。また、最終面接まで来て、これ以上ないくらい上手く話せたと思っても不採用になってしまうこともあったので、それは大きな挫折だった。 切り替えるためには、一度就職活動から離れるのが自分にとっては有効だった(少しの間就職活動を全くしない、一旦忘れる)。
ESがなかなか通らず、仮に通ってもその後のSPIで落とされることが多く非常に悔しかったこと ESは社会人の方にしっかりと添削してもらい、SPIはひたすら勉強して自信をつけました。
今考えた時に、自己分析や企業分析がまだしっかりと行えていない段階で面接を受けたことがあり、その際に面接官に自分の大学生活の事や、自分の考えを馬鹿にされてしまったことがあり、その時に就活に対して気分が落ちてしまった事がありました。 気分は良くなくとも自己分析をもっとしっかり行う等、やれることは徐々に進めていきました。また、その中で自分の就活に対しての向き合い方や、どのように就活を進める事が自分にとって最善なのか、今の自分を踏まえた上で考えました。その結果、私は何社も多く受けるより、自己分析をしっかりと行なう事に時間をかけ、自分の行きたい企業をなるべく絞って受けるようにしました。そうしている内に、就活も自分のやり方に納得のいくようなものになっていき、少しずつ気分も良くなり、就活に対してやる気をしっかりと持てるようになりました。
自分の中ではこれ以上ないほど完成度を高めて提出したESや、自信のあった面接でもダメな時はダメで、フィードバックなどをもらえないため何がダメだったのかわからず困ってしまった。自分のこれまでの経験やスキル、性格などをPRしながら就活を行うため、その結果が失敗だと自分自身が否定されているような気分になった。 しっかり反省や振り返りはするがいちいち落ち込みすぎず、縁がなかったんだなとある程度割り切ることも大事だと思った。自分を悲観しすぎず、たまたまマッチングしなかったんだなと前向きに考えすぐに立ち直り次に活かすことが大切。

【調査担当者コメント】
約3割の学生が、就職活動での挫折・失敗を人生においても非常に大きな挫折・失敗であったと感じており、その多くを面接の場で経験したことがわかりました。面接に不合格になったことで人格を否定された気分になったという声もありましたが、面接の合否はあくまで学生と企業のマッチングの結果であり、自分自身の資質や人格の問題ではないと冷静に捉えることが大切です。また、大きな挫折・失敗を経験し、それと向き合い、自分なりに克服するサイクルは今後社会に出ていくうえで欠かせないものであり、社会人として成長するための貴重な第一歩であるとも言えます。就職活動をすでに終えた学生だけでなく、今後も就職活動を継続する学生や現在就職活動の準備をしている学生にも、挫折・失敗の経験を次のステップに活かす気持ちを大切にしてもらいたいと思います。


学生の属性データ

有効回答数内訳文系男子文系女子理系男子理系女子総計
人数4467463233221,837

2024年卒の調査結果はこちら▼
3月1日調査
3月調査
4月調査
5月調査
6月15日調査
6月調査
7月調査
8月調査

前年(2023年卒)調査結果はこちら▼

3月1日調査
3月調査
4月調査
5月調査
6月15日調査
6月調査
7月調査
8月調査
9月調査
10月中旬

同一調査一覧

同カテゴリの調査一覧