2024年卒大学生活動実態調査 (3月1日)
SUMMARY
2024年卒業予定の大学生・大学院生の内々定率は18.1%(前年比3.0pt増)。
企業選択のポイントは「社風や働く社員」が最多で、「安定性」、「待遇面」などが続く。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (3月1日)」の結果を発表しました(調査期間:2023年3月1日~3月3日)。
調査概要
内容 |
マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査(3月1日) |
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調査期間 | 2023年3月1日~3月3日 |
調査対象 | マイナビ2024会員のうち「2024年春」に卒業予定の大学生・大学院生 |
調査方法 | マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答 |
有効回答数 | 3,080件 |
内々定率・平均内々定保有社数
内々定率は18.1%、平均内々定保有社数は1.6社。いずれも前年より増加。
2024年卒業予定の大学生・大学院生の3月1~3日時点での内々定率は18.1%(前年比3.0pt増)、平均内々定保有社数は1.6社(前年比0.1社増)であった【図1】【図2】。「マイナビ 2024年卒 企業新卒採用予定調査」によれば、企業の採用意欲は前年以上に高まっており、こうした背景により3月上旬時点で内々定率・平均内々定保有社数がともに前年よりも増加したと考えられる【図3】。
就職先として企業を選ぶ際のポイント
企業選択のポイントは「社風・働く社員」が最多。「安定性」「待遇面」が続く。
就職先として企業を選ぶ際のポイントとして最も当てはまるものを1つ選んでもらったところ、最も多かった回答は「社風や働く社員が良い・良さそう」で28.7%だった。「安定性がある」が19.0%、「待遇面(給与、休日休暇制度含む)が良い」が18.3% で続いた。【図4】なお、本設問は前年同月調査(「マイナビ2023年卒大学生活動実態調査」:2022年3月1日~3日実施)では当てはまるものをすべて選択してもらう複数回答で実施したが、その際は「安定性がある」が最多となり、「社風や働く社員が良い・良さそう」と僅差となっていた。【図5】
「社風・社員の雰囲気」を選んだ理由には、「長く仕事を続けるうえで必要だから」や「一緒に働く人は仕事のモチベーションを左右する」などの声。
企業を選ぶ際のポイントで「社風や働く社員が良い・良さそう」を選んだ学生にその理由を聞いた。「何十年も働くことを考えると良好な人間関係を築くことはとても大切だと考えているため」や「長く働いていきたいと思っているので、対面でなんとなく感じた社風や実際に働いている人の雰囲気を1番大切にしています」のように、長く働き続けるためのポイントとして社員や職場の雰囲気を重視していることがうかがえるコメントが見られた。また「一緒に働く人次第で仕事に対するモチベーションや踏ん張りが効くと思うから」や「仕事は1人でできるものではなく、多くの人が協力して行うものであると考えているため、会社の雰囲気や環境、社員の方を大事なポイントとしました」のようにモチベーションや業務効率の上でも重要であるという声もあった。【表1】
【表1】企業選びのポイントで「社風や働く社員が良い・良さそう」を選んだ理由(自由回答)属性 | 理由 |
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理系女子 | 何十年も働くことを考えると良好な人間関係を築くことはとても大切だと考えているため。 |
文系女子 | 一緒に働く人次第で仕事に対するモチベーションや踏ん張りが効くと思うから。 |
理系女子 | 長く働いていきたいと思っているので、対面でなんとなく感じた社風や実際に働いている人の雰囲気を1番大切にしています。自分に合いそうな企業という事を気にしています。 |
理系男子 | 仕事は1人でできるものではなく、多くの人が協力して行うものであると考えているため、会社の雰囲気や環境、社員の方を大事なポイントとしました。 |
文系女子 | 人間関係による転職をする人が多いため、長く続けられる環境として社風や人間関係などの雰囲気が良いところが良いから |
ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)
ガクチカとして自己PR出来そうな体験を「積むことができた」という学生は約6割。
ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)に対して、「自己PRできそうな体験を十分に積むことができた」(「ガクチカとして自己PRできそうな体験を十分に積むことができた」と「どちらかというと、ガクチカとして自己PRできそうな体験を積むことができた」の合計)は64.4%となり、6割の学生がガクチカの形成に手ごたえを感じていることがうかがえる。【図6】
ガクチカとしてアピールできそうなポイントでは「学業」「アルバイト」が増加。
一方、コロナ禍の影響で不足を感じるポイントでは「サークル活動」「部活動」が増加。
ガクチカでどのようなポイントをアピールできそうか、複数回答してもらったところ、最も多かった回答は「アルバイト経験について」(60.0%)で、「学業・研究活動・ゼミ活動について」(56.5%)が続いている。【図7】逆に、どのようなポイントにガクチカ不足を感じているかを聞くと、最も多かったのは「サークル活動について」(43.0%)で、次いで「ボランティア活動について」(42.6%)となった。【図8】
学業とアルバイトについては、アピールできそうという回答が前年より増加し【図7】、不足に感じているという回答は前年より減っている【図8】。特にアルバイトについては、学生のアルバイト先として多いと考えられる飲食店に対して、新型コロナウイルス感染症の感染拡大当初に見られたような営業自粛要請といった各種制限がなくなってきており、それにより学生がアルバイト経験を積めるようになってきていることが背景として考えられる。逆にサークル活動や部活動については、アピールできそうという回答が前年より減少し【図7】、不足を感じるという回答が増加している【図8】。2024年卒の学生は入学初年度である2020年にコロナ禍を迎え、サークル活動や部活動といった大学構内での課外活動に制限が多かったと考えられる。サークルや部活動に新入生として加入するタイミングでコロナ禍になったことで、こうした学内の課外活動に参加する機会が得づらかったことが影響している可能性がある。
男性社員の育児休業取得率等の公表義務化について
企業が公表する男性育児休業取得率等の数値は、企業選びにおいて「関心がある」という学生が約8割。
2023年4月より、従業員規模1000人以上の企業に対して男性社員の育児休業取得率等の公表が義務化される。これに際し、従業員規模に関わらず、企業選びにおいて男性社員の育児休業取得率についてどの程度関心を持つかを聞いたところ、「関心がある」(「関心がある」と「どちらかというと関心がある」の合計)は79.2%となり、8割近い学生が企業の男性社員の育児休業取得率に関心を寄せていることがわかった。【図9】男女別に見ても大きな差はなかった。昨年10月より出生時育児休業(産後パパ育休)が施行されるなど男性の育児休業取得が議論されてきている中、学生の企業選びにおいても、取得率は男女関係なく関心の的となっていることがわかる。
【調査担当者コメント】
3月初旬の内々定率は、企業の採用意欲の高まりを受けて前年を上回る18.1%となりました。ただ、ほとんどの学生はこれから本格的に活動を始めるところですので、焦らずに取り組んでいってほしいと思います。また自己分析やエントリーシート作成にも関わってくるガクチカについて、コロナ禍の影響もあってか、サークル活動や部活動の面で不足を感じる学生が多いことがわかりました。ガクチカとは必ずしもきらびやかで目立つエピソードである必要はなく、自身の人柄が伝わるエピソードであることが大切です。ガクチカに自信がないという人も、自己分析と合わせてご自身の経験を改めて振り返ってみてほしいですし、企業側にはエントリーシートの提出を求める際や選考の際に、そうした学生の不安を汲み、聞き方を工夫するなどの配慮をお願いしたいと思います。
学生の属性データ
有効回答数内訳 | 文系男子 | 文系女子 | 理系男子 | 理系女子 | 総計 |
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人数 | 548 | 1,461 | 486 | 585 | 3,080 |
前年(2023年卒)調査結果はこちら▼