マイナビ キャリアリサーチLab

2024年卒大学生活動実態調査 (4月)


2024年卒業予定の大学生・大学院生の内々定率は52.0%(前年比4.7pt増)。
企業の福利厚生は「勤務地・仕事内容・給料と同じくらい関心がある」という学生が63.4%。

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (4月)」の結果を発表しました(調査期間:2023年4月24日~4月30日)。

調査概要

内容

マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査(4月)

調査期間 2023年4月24日~4月30日
調査対象 マイナビ2024会員のうち「2024年春」に卒業予定の大学生・大学院生
調査方法 マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 3,895件

目次

内々定率・平均内々定保有社数

内々定率は52.0%で前年比増、平均内々定保有社数は1.9社で前年と同値

2024年卒業予定の大学生・大学院生の4月24~30日時点での内々定率は52.0%(前年比4.7pt増)、平均内々定保有社数は1.9社(前年と同値)であった【図1】【図2】。企業の採用意欲の高まりを受け、3月同様、内々定率は前年比増で推移している。

内々定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
【図1】内々定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
平均内々定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
【図2】平均内々定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)

企業の福利厚生について(就職先にあったら嬉しいもの・求めるもの)

あったら嬉しい福利厚生は「休暇制度」が最多。「諸手当」、「各種補助」などが続き、ワークライフバランスや生活の負担軽減につながる福利厚生を求める傾向。

「福利厚生」と聞いて、就職する企業にあったら嬉しいもの・求めるものを複数選択してもらったところ、もっとも多かったのは「休暇制度(特別休暇、リフレッシュ休暇、介護・看護休暇など)」の77.5%で、「諸手当(住宅手当、子ども手当、食事手当など)」(74.1%)、「各種補助(通勤費、通信費など) 」(53.0%)が続いた。前年とほぼ同じ並びになり、「レクリエーション(社員旅行、懇親会、部活動、レジャー施設等の利用補助など) 」(17.0% )、「保養所」(8.1%)のようにアトラクション要素が強く、かつての福利厚生の定番とみなされるような項目は前年同様回答が少なかった。【図3】

「福利厚生」と聞いて、就職する企業にあったら嬉しいもの・求めるもの/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
【図3】「福利厚生」と聞いて、就職する企業にあったら嬉しいもの・求めるもの/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)

企業の福利厚生ついて(関心度)

企業の福利厚生には「勤務地・仕事内容・給料と同程度関心がある」という学生が63.4%で最多。

企業の福利厚生に関する情報について、勤務地・仕事内容・給料といった情報と比べてどの程度関心があるかを聞いたところ、「勤務地・仕事内容・給料と同程度関心がある」がもっとも多く63.4%となった。【図4】勤務地や仕事内容、給料と言った仕事選びにとって重要視される要素と比べても同じ関心を寄せているという学生が多いことがわかった。

企業の福利厚生に関する情報について、勤務地・仕事内容・給料の情報を比べてどの程度関心があるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
【図4】企業の福利厚生に関する情報について、勤務地・仕事内容・給料の情報を比べてどの程度関心があるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (3月)

企業の福利厚生ついて(関心のあるポイント)

「種類や数」や「利用実績」に関心がある学生が多数

福利厚生のどのようなポイントに関心があるかについては、もっとも多かったのは「種類や数(どのような福利厚生があるのか)」の70.0%で、次いで多かったのは「利用実績(どれくらいの社員が利用しているか) 」で53.8%だった。【図5】会社として福利厚生の内容を充実させていることと同時に、その福利厚生が実際にどの程度活用されているのかという実態についても学生の多くが関心を持っていることがわかった。

福利厚生に関して関心のあるポイント/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
【図5】福利厚生に関して関心のあるポイント/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)

企業の福利厚生について(企業に直接確認したことがあるか)

福利厚生について詳しく知りたいときに「企業に直接確認しづらい」という学生が7割。口コミやSNS等で情報を集める学生も17.5%。

福利厚生に関する情報をさらに詳しく知りたいと思ったとき、企業に直接確認(質問や問い合わせ)をしたことがあるという学生は20.5%で、「直接確認しづらい」(「直接確認しづらいので、採用ページや就職情報サイト等で確認している」と「直接確認しづらいので、口コミサイトやSNS等で情報収集している」の合計)は70.8%となった。【図6】前述の通り、福利厚生に関しては勤務地・仕事内容・給料と同じ程度の関心を持っている学生が多い中、企業に詳細を確認することに関してはハードルの高さを感じていることがわかった。最も回答が多かったのは「直接確認しづらいので、採用ページや就職情報サイト等で確認している」(53.3%)だが、「直接確認しづらいので、口コミサイトやSNS等で情報収集している」という回答も17.5%あり、口コミやSNSといった不確定な情報を含む場合がある情報源を利用している学生も一部いるようである。

福利厚生に関する情報をさらに詳しく知りたいと思ったとき、企業に直接確認したことはあるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
【図6】福利厚生に関する情報をさらに詳しく知りたいと思ったとき、企業に直接確認したことはあるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)

Z世代として就職活動で感じた「世代間ギャップ」

「親に『エントリーシート』の言葉が通じなかった」や「先輩社員に就活当時のキャリアプランを聞くと『自分たちの時代はそのようなこと考えたことがなかった』と言われた」などのエピソード。

いわゆる「Z世代」という世代に属すると言われる2024年卒の学生に対し、就職活動で世代間ギャップを感じた経験があるかどうかを聞いたところ、88.2%は「いいえ(世代間ギャップを感じた経験はない)」をと回答し、世代間ギャップを感じたと回答したのは11.8%と少なかった。

あなたは一般的に「Z世代」と言われる世代に該当しますが、就職活動において世代間ギャップを感じた経験はあるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
【図7】あなたは一般的に「Z世代」と言われる世代に該当しますが、就職活動において世代間ギャップを感じた経験はあるか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (4月)

世代間ギャップを感じたと回答した約1割の学生にその体験談を自由回答してもらったところ「母と話していて、就活の時期や、インターンシップ参加など、就職活動に割く時間やエネルギーの違いを感じた。家族との就活に対する温度感の違いが少しストレスに感じるときがある」や「親は現在50代前半ですが、『エントリーシート』という言葉すら通じなかった時は驚きました。『履歴書』と言い換えないと分からなかったみたいです」のように両親・保護者との間に感じたギャップに関するコメントのほか、「今後のキャリアプランを聞かれることが多いので、今働いている人たちが就活時代どんな感じのキャリアを描いていたのか聞いたが、自分たちの時代にはそのようなものはなかったと言われた」のように企業の先輩社員のキャリア意識に関するギャップに関するもの、「自分はワークライフバランスを気にするが、面接官等には悪印象になる可能性があるから質問しない方が良い、と先輩から聞いたこと」のようなものなどが寄せられた。

【表1】就職活動において世代間ギャップを感じたエピソード(自由回答)
ギャップを感じた対象 内容
保護者 母と話していて、就活の時期や、インターンシップ参加など、就職活動に割く時間やエネルギーの違いを感じた。家族との就活に対する温度感の違いが少しストレスに感じるときがある。
保護者 親世代は福利厚生は二の次と感じた。私が給与は低いが福利厚生がしっかりしているところを選んだら理解できないといった感じだった。残業時間が少ないところが良いといったら残業して稼いでなんぼだと言われた。私は自分の生活のために働くのであって、自分の生活を犠牲にしてまで働きたくは無い
保護者 親は現在50代前半ですが、「エントリーシート」という言葉すら通じなかった時は驚きました。「履歴書」と言い換えないと分からなかったみたいです。
企業 今後のキャリアプランを聞かれることが多いので、今働いている人たちが就活時代どんな感じのキャリアを描いていたのか聞いたが、自分たちの時代にはそのようなものはなかったと言われたこと。
企業 「僕のときは違ったけど…」と言われると、ああ違ったんだ、と感じます。その次に「これからは…」とポジティブに捉えてお話をされる方だと好感が持て、「今の時代はね…」と多少なりともネガティブにお話しされると会社としての魅力度が下がります。そういった、担当者の方々を含むこれまで社会を形成されてきた社会人の方の意見に対して、ギャップを良くも悪くも感じます。
企業 自分含めて24卒の大学生は大学入学当初からコロナ禍に直面していたため、企業の人事の方が経験されている楽しげな大学生活と、自分たちの遠隔授業による経験とで大きくギャップがあった。そのため、説明会や座談会等で話をしている際に、お互いに驚いた経験がある。

【調査担当者コメント】
今回の調査では福利厚生に関して多くの学生が「勤務地・仕事内容・給料と同程度関心がある」と回答した一方で、7割の学生が「企業には直接確認しづらい」と感じていることがわかりました。企業に確認する代わりに口コミやSNSを参照する学生も一定数いましたが、正確さや信ぴょう性のある情報源なのかどうか判断する必要があります。このような状況を踏まえ、企業においては福利厚生も学生の関心事であることを前提に、情報をわかりやすく開示したり、学生が直接確認しやすいような雰囲気をつくるなどの配慮が求められるでしょう。

学生の属性データ

有効回答数内訳文系男子文系女子理系男子理系女子総計
人数7881,7736137213,895

2024年卒の調査結果はこちら▼
3月1日調査
3月調査

前年(2023年卒)調査結果はこちら▼

3月1日調査
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