マイナビ キャリアリサーチLab

2024年卒大学生活動実態調査 (10月中旬)


内定式は約8割の学生が「対面で全員集まって参加」と回答。
人生100年時代「就職活動を通じて楽しみになった」という学生が3割以上

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (10月中旬)」の結果を発表しました(調査期間:2023年10月10日~10月14日)。

目次

調査概要

内容

マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査(10月中旬)

調査期間 2023年10月10日~10月14日
調査対象 マイナビ2024会員のうち「2024年春」に卒業予定の大学生・大学院生
調査方法 マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 1,543件

内定率・平均内定保有社数

内定率は86.0%、平均内定保有社数は2.6社

2024年卒業予定の大学生・大学院生の10月10日~14日時点での内定率は86.0%、平均内定保有社数は2.6社であった。【図1】【図2】9月同様、内定率・平均内定保有社数ともに高い水準で推移している。

内定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)
【図1】内定保有率の推移/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)
平均内定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)
【図2】平均内定保有社数/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)

内定式について

内定式の実施・参加は10月最初の平日である「10月2日」が最多。

内定式への参加状況を聞いたところ、最も多かったのは「10月2日に内定式があって参加した」(54.7%)で、前年同様、10月に入って最初の平日に内定式が行われ、参加したという学生が多かった。

内定式に参加したか・いつ実施されたか(内定辞退で内定式不参加の学生は除く)/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)
【図3】内定式に参加したか・いつ実施されたか(内定辞退で内定式不参加の学生は除く)/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)

実施形式は「対面形式で、全員集まって実施」が約8割で最多。コロナ禍以降、2年連続で増加。

内定式の参加形式は「直接対面形式で実施され、全員集まって参加した」(79.3%)が最も多く、前年比で大幅に増加した(前年比21.2pt増)。それ以外の項目である「オンライン形式で実施され、全員オンラインで参加した」「オンライン形式と直接対面形式の両方で実施され、オンライン形式で参加した」「オンライン形式と直接対面形式の両方で実施され、直接対面形式で参加した」などは前年より減少しており、コロナ禍の影響がまだ大きかった2022年卒調査以降、内定式は対面での実施が増加している

内定式にどのように参加したか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)
【図4】内定式にどのように参加したか/マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)

内定式に参加した感想

約6割の学生が、内定式に参加したことで「他の内定者と仲良くなれるか」という不安が軽減・解消したと回答。

内定式に参加した学生を対象に、内定式に出席するまでに抱いていた不安・懸念・疑問で、出席して解消・軽減したものを答えてもらったところ、最も多かったのは「他の内定者と仲良くなれるか」(59.8%)で、内定式に実際に参加したことで、約6割の学生が内定者同士の交流について抱いていた不安が軽減・解消されたと答えた。また「内定先の社員や役員とうまく話せるか」(39.2%)や「入社式までの今後のながれについて知ることができるか」(33.7%)など、内定式当日のコミュニケーションや入社までのスケジュールなどに関する項目も、内定式に参加したことで不安が軽減されたと答えた学生が比較的多かった。

内定式に出席するまでに抱いていた不安・懸念・疑問で、出席して解消・軽減したもの(内定式に参加した学生)/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(10月中旬)
【図5】内定式に出席するまでに抱いていた不安・懸念・疑問で、出席して解消・軽減したもの/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(10月中旬)

一方、「入社後の配属や業務に関して知ることができるか」(23.0%)や「本当にこの会社でいいのか」(20.7%)、「福利厚生など社内制度に関して知ることができるか」(16.0%)など、入社後の流れや社内環境に関する項目は、不安が軽減されたという回答が比較的少なかった。これらの項目に対して元々不安を感じている学生が少なかったという可能性も考えられるものの、8月の調査(※)では「福利厚生や配属先に関する情報が少なく、それを内定式で知りたい」という趣旨のコメントが学生から寄せられていた。【表1】内定式においては、当日の流れやコミュニケーションだけでなく、入社にいたるまでの流れや、入社後の流れに関する情報を開示することで、内定式後から入社後にいたるまでの期間に対して学生の抱いている不安を軽減させることができると考えられる。

マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(8月)

【表1】内定式に関して「こんなことをやってほしい」という希望(自由記述)
※配属や福利厚生に関する希望を一部抜粋
属性 内容
文系男子 働き方や福利厚生などをこれまでよりも詳細に、できる限りギャップを感じないように取り繕わずに教えて欲しい。
文系女子 業務や福利厚生、手当などについて、懇談会や会社説明会では詳しく聞けなかったことをより細かく教えて欲しいです。オンラインでの開催なので他の内定者との交流と言うよりは会社のことや働くイメージがより湧くような内容にして頂きたいと考えています。
文系男子 配属先についての詳細な情報を知りたいです。
理系男子 勤務地や配属部署が不明瞭なので、部門と勤務地の内容など詳しい説明がほしい
文系女子 今後の配属の流れなども、わからない部分が多いので、教えていただきたいなと思う。

「人生100年時代」への見通しと就職活動の影響

人生100年時代について、36.2%の学生が「就職活動を通じて人生が楽しみになった」と回答。

「人生100年時代」と言われ、長い人生をより充実したものにするために必要なものについてさまざまな提唱がなされている中で、これからの人生について不安と楽しみのどちらが大きいか、また就職活動を通じて今後の人生についての考えは変わったかを聞いた。最も多かったのは「元々不安の方が大きかったが、就職活動を通じて楽しみになった」(21.4%)で、「元々楽しみの方が大きかったが、就職活動を通じてより楽しみになった」(14.8%)と合わせると36.2%の学生が「就職活動を通じて人生100年時代が楽しみになった」と回答した

人生100年時代、不安と楽しみのどちらが大きいか。また就職活動を通じて今後の人生についての考えは変わったか/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(10月中旬)
【図6】人生100年時代、不安と楽しみのどちらが大きいか。また就職活動を通じて今後の人生についての考えは変わったか/マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(10月中旬)

「自身の得意不得意を把握できたことで生きやすくなった」「成功体験を得た」「働くということへの解像度が上がった」などの声。

「元々不安の方が大きかったが、就職活動を通じて楽しみになった」と答えた学生からは、その理由として「これまで人生について考えたことが正直なかったが、就職活動を通じて自身の得意不得意を把握できたことで生きやすくなったから」や「就活を通じて業界や企業の解像度が上がり、社会の仕組みやそこに自分の仕事がどう影響していくかイメージが持てるようになったから」などの声があった。また「元々楽しみの方が大きかったが、就職活動を通じてより楽しみになった」という学生からは「働くということへの解像度がすこしだけ上がり、自分の人生の中で働くということの役割が定まったため」といったコメントがあり、就職活動を通じて自分自身への理解が深まったり、あるいは社会や働くことへの理解が深まったことで将来が楽しみになったといった声が寄せられた。

【表2】人生100年時代への見通しとその理由(自由記述)
※「元々不安の方が大きかったが、就職活動を通じて楽しみになった」「元々楽しみの方が大きかったが、就職活動を通じてより楽しみになった」という学生
属性 内容
文系女子 これまで人生について考えたことが正直なかったが、就職活動を通じて自身の得意不得意を把握できたことで生きやすくなったから。面接を体験したことでメンタルが強くなり、何があっても落ち込みすぎず、ポジティブな考え方ができるようになったから。
文系女子 就活を通じて業界や企業の解像度が上がり、社会の仕組みやそこに自分の仕事がどう影響していくかイメージが持てるようになったから。
文系男子 働くということへの解像度がすこしだけ上がり、自分の人生の中で働くということの役割が定まったため。あくまで仮決めではあるが、ふわふわとしていた働くことへの考えがカチっと音を立ててハマった感覚があり安心したため。 しかった。そういった場合には企業側に見る目がないんだと思いこみ、自分を責めないようにした。

一方「就職活動を通じて不安になった」という学生からは、「選考に落ちて、ものの見方がネガティブになった」や「就職活動が自分の予想以上に大変だったため、社会に出てからはもっと大変なのでは」などの声が。

一方「元々楽しみの方が大きかったが、就職活動を通じて不安が大きくなった」や「元々不安の方が大きかったが、就職活動を通じてより不安が大きくなった」回答した学生からは、「選考に落ちて自分に自信が持てなくなり、もともとの考え方もあってより、ネガティブに物事を見るようになったから」や「就職活動が自分の予想以上に大変だったため、社会に出てからはもっと大変なことが多いのでは無いかと思ったため」のように就職活動での経験によりネガティブな影響を受けてしまったという声や、「大手企業であったり安定職といわれていても、コロナ禍のようなことがあれば生活が不安定になってしまうことが往々にしてあると思ったため」のようにコロナ禍の影響に触れるものもあった。また「就活前は将来に対する漠然とした不安があったが、就活を経て、金銭問題や居住地、親の将来、自身の結婚といった具体的な不安に変わった」のように人生への解像度が上がった結果かえって不安が増してしまったというものや、「時代の変化により、現在は終身雇用ではなく、転職が当たり前の時代になったり、Youtubeで生計を立てるなど生き方の多様化を実感しました。そのため、就活をしているとなぜ、企業に就職するのかさえも考えさせられることがあった」のように、働き方や生き方の選択肢が多くなったことでかえって選択が難しくなってしまった、というものもあった。

【表3】人生100年時代への見通しとその理由(自由記述)
※「元々楽しみの方が大きかったが、就職活動を通じて不安が大きくなった」「元々不安の方が大きかったが、就職活動を通じてより不安が大きくなった」という学生
属性 内容
文系男子 企業を選ぶというのは、思っていた以上に難しかったです。
文系男子 選考に落ちて自分に自信が持てなくなり、もともとの考え方もあってより、ネガティブに物事を見るようになったから。
文系女子 就職活動が自分の予想以上に大変だったため、社会に出てからはもっと大変なことが多いのでは無いかと思ったため
文系男子 私は不安の方が大きい印象を受けました。理由は時代の変化による選択肢の多様化を実感したからです。一昔前は偏差値の高い大学生は一流企業に就職したり、新卒で入社した会社に長く務める終身雇用制などが主流でした。しかし、時代の変化により、現在は終身雇用ではなく、転職が当たり前の時代になったり、Youtubeで生計を立てるなど生き方の多様化を実感しました。そのため、就活をしているとなぜ、企業に就職するのかさえも考えさせられることがありました。
文系女子 大手企業であったり安定職といわれていても、コロナ禍のようなことがあれば生活が不安定になってしまうことが往々にしてあると思ったため。また、これから先、自分の就職先がこれまで通り必要とされる企業であるかは不明で、先行きが見えない部分があるため。
理系女子 就活前は将来に対する漠然とした不安があったが、就活を経て、金銭問題や居住地、親の将来、自身の結婚といった具体的な不安に変わった。

2025年卒の就職活動生へのメッセージ

「自分の今までの成功体験だけでなく、失敗体験も振り返って」や「就活が辛くなったら親や周りにいる信頼できる大人に相談」、「SNSで就活や他の人の状況を検索しないほうがいい」といったアドバイスの声が

入社予定先を決めた学生に対して、2025年卒の就職活動生に向けた自身の後悔や成功例を踏まえたアドバイスを自由記述してもらった。
就職活動に対してどのような心持で臨むべきかというアドバイスでは、「自分の能力も大切だけどその会社との相性というものがあるため、落ちてもそこまで落ち込まなくても大丈夫だと思います」や「あまり周りの就職活動を気にしすぎると焦ってしまい不安になるので、あまり気にしすぎず自分のペースで就職活動を進めていってください」のように、選考に不合格になった時の気持ちの切り替えや、辛くなった時に周囲に相談すべきである、というものが見られた。周囲の活動状況については「SNSで就活や他の人の状況を検索することはあまりしない方がいい」のようなアドバイスもあった。

比較的に多く見られたのは「自己分析」に関するアドバイスで、「自分の今までの成功体験だけでなく、失敗体験に対しても十分振り返って自己分析に繋げてください」や「早く始めるに越したことはないが、内定を取ることを目的にしてしまうと後悔してしまう場合があるため、企業研究や自己分析は深く行っていた方が良い」などがあった。「早めに活動を始めた方がいい」という趣旨のアドバイスには、「早めに始めれば始めるほど自分のペースで余裕を持って活動ができるので、早めに始めることをオススメします」というものもあったが、一方で「焦って就活するより、大学での学業を優先にするべきだと感じた。将来を見据えた学習や大学でしかできないことに時間を費やす方が、おのずと面接で話すことが見つかると思う」のように、本業である学業を大切にすることが、めぐりめぐって就職活動に良い影響があるというものなど、さまざまな声が寄せられた。

【表4】2025年卒の学生へのアドバイス(自由記述)
属性 内容
文系女子 自分の能力も大切だけどその会社との相性というものがあるため、落ちてもそこまで落ち込まなくても大丈夫だと思います。
文系女子 就活が辛くなったら親や周りにいる信頼できる大人に相談したり、1週間でもいいので休むことがすごく大切だと思う。
文系女子 あまり周りの就職活動を気にしすぎると焦ってしまい不安になるので、あまり気にしすぎず自分のペースで就職活動を進めていってください。
文系女子 SNSで就活や他の人の状況を検索することはあまりしない方がいい。
文系女子 自分の今までの成功体験だけでなく、失敗体験に対しても十分振り返って自己分析に繋げてください。
文系男子 焦って就活するより、大学での学業を優先にするべきだと感じた。アルバイトは必要最低限、もしくは全くしなくとも問題はない。それより、将来を見据えた学習や大学でしかできないことに時間を費やす方が、おのずと面接で話すことが見つかると思う。
理系女子 早めに始めれば始めるほど自分のペースで余裕を持って活動ができるので、早めに始めることをオススメします。就活が上手くいかなくても自分を責める必要はないです。周りの人を頼ってみてください。手を貸してくれる人はたくさんいます。
理系男子 早く始めるに越したことはないが、内定を取ることを目的にしてしまうと後悔してしまう場合があるため、企業研究や自己分析は深く行っていた方が良い。
理系男子 自身の就職活動の後悔は、もっと企業研究であったり自己分析をしておけばもっと幅が広がったと感じているので、特に企業研究と自己分析は大事です。また面接についてですが、面接は練習をした方がいいのとたくさん数をこなして慣れることが重要になってくると思ったので、できるだけ頑張ってください。 就職活動はとても忙しく大変で、いやになることもあると思いますが、とても大事な期間ですので、何か困ったことがあればすぐに周りの人に相談をして、自分がこの会社に入れることができてよかったと思えるように頑張ってください。応援しています。

【調査担当者コメント】
3人に1人の学生が「就職活動を通じて人生が楽しみになった」と感じ、理由として、自己理解が深まったことや、社会や働くことへの解像度が上がったという声がありました。自己分析や業界研究などを通じ「決まった正解のない、わからないこと」を自分なりに分析・研究したという経験は、VUCAの現代を生きていく学生にとって貴重な経験になったはずです。来年就職活動をする2025年卒の学生に向けたアドバイスでも、自己分析や業界研究の重要さを強調する声がありましたが、自分のやりたいことや社会の仕組みについて考えることは、社会人になってからも求められます。これからの人生においても就職活動の経験を活かし、自身をとりまく環境や社会について理解を深め、さらなる活躍につなげてほしいと思います。

学生の属性データ

有効回答数内訳文系男子文系女子理系男子理系女子総計
人数3875783042741,543

2024年卒の調査結果はこちら▼
3月1日調査
3月調査
4月調査
5月調査
6月15日調査
6月調査
7月調査
8月調査
9月調査

前年(2023年卒)調査結果はこちら▼

3月1日調査
3月調査
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6月15日調査
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9月調査
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