マイナビ キャリアリサーチLab

2024年卒企業新卒採用予定調査

SUMMARY

24年卒の採用を増やす企業は約3割で意欲が増進。
応募者へのPRのために初任給の引き上げを実施・検討している企業は約6割

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒採用の見通しなどをまとめた「マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査」の結果を発表しました。

調査概要

内容 マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査
調査期間 2023年2月1日~2月14日
調査対象 マイナビ2024利用企業担当者
調査方法 WEB上のアンケートフォームより入力
有効回答数 のべ2,036社

24年卒の採用計画

24年卒の採用を増やす企業は約3割で、採用意欲はさらに増進。
採用実施の理由は「経営状態の好転」や「前年に新卒を採用できなかった」が増加

24年卒の採用予定数は「前年並み」が最多であるものの、「増やす」は文系で8.6pt増の27.7%、理系で6.9pt増の29.8%となった。22年卒から23年卒にかけても採用数を「増やす」企業は増加していたが、24年卒はさらに大きな増加幅となっており、採用意欲がより増進していることが分かる。【図1】

【図1】採用予定数(経年比較)/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査
【図1】採用予定数(経年比較)/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査

新卒採用実施の理由を見ると、「経営状態の好転・既存事業の拡大」や「前年に新卒を採用できなかった」が2年連続で増加した。【図2】
前述の採用予定数増加の背景には、景気が持ち直しつつあることによって経営状態が好転し、より採用人数を増そうと考えている企業があることや、採用意欲が高く競争が激しかった23年卒の新卒採用に苦戦した企業が、その結果を踏まえて採用予定数を多く設定していることなども考えられる。

【図2】新卒採用実施の理由(経年比較)/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査
【図2】新卒採用実施の理由(経年比較)/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査

採用活動の見通し

文系採用、理系採用ともに約半数の企業が「厳しくなる」見通しと回答
背景にあるのは母集団確保の難しさ

採用環境の見通しについては、文理ともに「(非常に)厳しくなる」と回答した企業が約半数だった。【図3】 22年卒から23年卒にかけては、採用環境が厳しくなるという見方をする企業は微増に留まっていたが、24年卒は23年卒と比べて、「(非常に)厳しくなる」と回答した企業の割合が文系採用については21.7pt、理系採用については19.8ptの大幅な増加となった。

【図3】採用環境の見通し(経年変化)/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査
【図3】採用環境の見通し(経年変化)/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査

採用環境が厳しくなると考える理由は、「母集団(エントリー数)の不足」がもっとも多いことに変わりはないが、2年連続で割合が増加しており、文理ともにコロナ禍前の21年卒を上回った。採用意欲が高まっていることなどから学生の獲得競争が激化していることを実感しており、多くの企業で特にエントリー学生の確保が最大の懸念点となっていることがうかがえる。【図4】

【図4】採用環境が「(非常に)厳しくなる」と考える理由(文系の上位5項目にあわせて抜粋)/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査
【図4】採用環境が「(非常に)厳しくなる」と考える理由(文系の上位5項目にあわせて抜粋)
/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査

採用のための取り組み

応募者へのPRのために初任給の引き上げを実施・検討している企業が約6割

新卒採用における応募者へのPRのために、初任給や基本給(入社済み社員の賃金含む)の引き上げを実施・検討しているか聞いたところ、初任給については59.2%、基本給については56.1%の企業が実施(予定)または検討していると回答した。また、残りの4割程度の企業のうち、「まだ検討もしていないが必要性を感じている」企業は初任給については19.1%、基本給については22.1%となっており、賃金の引き上げについて企業全体で関心が高いことが分かる。【図5】

【図5】応募者へのPRのために導入・改正した、もしくは導入・改正を検討していること/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査
【図5】応募者へのPRのために導入・改正した、もしくは導入・改正を検討していること
/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査

24年卒学生への調査では、初任給や給与の引き上げの動きがあると「企業への関心と志望度が高まる」と回答した学生が68.2%となっている。【図6】このような賃金引き上げの動きは、競争が厳しくなっている新卒採用活動において重要なポイントになりそうだ。

【図6】(参考)自社の従業員の初任給や給与を増額させる企業の動きについてどのように感じるか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
【図6】(参考)自社の従業員の初任給や給与を増額させる企業の動きについてどのように感じるか
マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

新卒採用での職種別採用や勤務地/地域限定採用を導入・検討している企業が約半数

新卒採用における取り組みについて聞いたところ、「職種別コースの導入」を実施または検討している企業は51.5%、「勤務地/地域限定採用」を実施または検討している企業は50.3%となった。【図7】

【図7】新卒採用における取り組みの実施・検討状況/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査
【図7】新卒採用における取り組みの実施・検討状況/マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査

24年卒学生に、配属時の職種や勤務地について聞いた結果をみると、応募時に最初に配属される職種が決まっていると「(とても)+(他の条件によるが)応募意欲が高まると思う」学生は74.1%、応募時に最初の勤務地が決まっていると「(とても)+(他の条件によるが)応募意欲が高まると思う」学生は79.7%となっている。【図8】

賃金の引き上げ以外に、新卒社員の初職配属の在り方についても注目されており、こういった取り組みも広がっていきそうだ。

【図8】(参考)応募時に「最初の勤務地」や「最初に配属される職種」が限定されていると、応募意欲が高まると思うか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(11月)
【図8】(参考)応募時に「最初の勤務地」や「最初に配属される職種」が限定されていると、応募意欲が高まると思うか
マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(11月)

調査担当者コメント

24年卒の新卒採用は「厳しくなる」という見方の企業が大きく増加しました。多くの企業で採用意欲が回復し、採用競争が激しくなっていることで、学生からの応募を集めることに難しさを感じていることがうかがえます。そのような背景を受け、賃金の引き上げなど学生へのPRポイントを増やそうとする動きもあるようです。採用広報や採用手法の工夫だけでなく企業の魅力そのものを高めようとするこれらの施策は、社員全体の働きやすさにも繋がりますので、今後ますます企業に求められると考えられます。

【0227グラフ訂正】
P54:「インターンシップを実施した月」
グラフの7月以降のデータに不備がございましたため、修正しております。
【0327修正】
P114:インターンシップに類する取り組みのうち、
 「タイプ3」「タイプ4」で必須となっている項目についての実施状況
数値に誤りがありましたため修正しております。
お手数をおかけし申し訳ございませんが、最新データを参照いただきますようお願いいたします。

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