2024年卒大学生活動実態調査 (3月)
- 2024年卒業予定の大学生・大学院生の内々定率は30.0%(前年比3.6pt増)。
- 企業に安定性を感じるポイントは「福利厚生が充実している」が最多で58.8%。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (3月)」の結果を発表しました(調査期間:2023年3月25日~3月31日)。
トピックス
- 内々定率は30.0%で前年比増、平均内々定保有社数は1.7社で前年と同値。
- 「福利厚生が充実している」が58.8%で最多。「離職率や平均勤続年数」なども前年より回答を伸ばし、長く働ける環境を重視する傾向。
- 「対面のインターンシップ・仕事体験」の回答が最多。一方で、オンラインの活動も同時に重視する傾向。
- 「どちらかといえば外すことに抵抗はない」が37.4%で最多。一方で、着脱の判断に関して「企業側からのアナウンス」を求める学生が6割超。
調査詳細
内々定率・平均内々定保有社数
- 内々定率は30.0%で前年比増、平均内々定保有社数は1.7社で前年と同値。
2024年卒業予定の大学生・大学院生の3月25~31日時点での内々定率は30.0%(前年比3.6pt増)、平均内々定保有社数は1.7社(前年と同値)であった【図1】【図2】。企業の採用意欲の高まりを受け、内々定率・平均内々定保有社数ともに高い水準で推移している。
企業に安定性を感じるポイント
- 「福利厚生が充実している」が58.8%で最多。「離職率や平均勤続年数」なども前年より回答を伸ばし、長く働ける環境を重視する傾向。
企業に安定性を感じるポイントを複数回答で答えてもらったところ、もっとも多かったのは「福利厚生が充実している」の58.8%で、次いで「安心して働ける環境である」(49.3%)、「売上高」(37.7%)、「離職率や平均勤続年数」(37.5%)などが続いた。【図3】
さらに、「最も安定性を感じるポイント」に絞り1つ選んでもらったところ、こちらも「福利厚生が充実している」が最多となった。【図4】
前年の結果と比較しても、複数回答・単一回答いずれも上位の項目に大きな違いはなく、福利厚生や働く環境が安心できるかどうかという”就労環境そのものへの安心感”を示す項目が上位になった。さらに「離職率や平均勤続年数」が複数回答・単一回答択いずれにおいても順位を上げており、長く働ける環境であるかどうかが安定性を感じる項目として重視されていることもわかる。
企業の社風や社員の雰囲気を感じるために参考にするもの
- 「対面のインターンシップ・仕事体験」の回答が最多。一方で、オンラインの活動も同時に重視する傾向。
3月初旬の調査において、就職先として企業を選ぶ際のポイントとして最も回答が多かったのは「社風や働く社員が良い・良さそう」であったが、今回、企業の社風や社員の雰囲気を感じるために、参加したり参考にするものを複数回答してもらった。最も回答が多かったのは「インターンシップ・仕事体験(対面)」で57.9%だった。【図5】以降、「個別企業説明会(オンライン)」(50.7%)、「インターンシップ・仕事体験(オンライン)」(47.9%)、「個別企業説明会(対面)」(41.8%)などが続いている。
インターンシップ・仕事体験や個別説明会などでオンライン形式の項目が上位に上がっている背景としては、オンライン形式は対面形式に比べて移動時間など参加にかかる負担が少なく参加がしやすいため、参加回数自体が対面形式より多いということが考えられる。「2024年卒 広報活動開始前の活動調査」(2023年2月)によれば、これまで参加したインターンシップの約7割は「WEB形式に参加した方が多い」という回答であり、また「マイナビ 2024年卒 企業新卒採用予定調査」(2023年2月)によれば、インターンシップ、合同企業セミナー、個別企業セミナーなどでは対面とオンラインのハイブリッド化が進んでいる。
一方で、「匿名であれば聞きにくい質問もしやすいので、その質問に回答してくれるかで社内雰囲気を察する」や「チャット等で気軽に匿名で質問ができる」など、オンラインならではのメリットを感じている学生もいることもわかったほか、「オンラインの説明会の最後に社内を歩き、見かけた社員の方に声をかけて質問の機会を設けてくださったりしたので、実際の社内の様子や社員様の雰囲気を感じ取りやすかった」のようにオンラインであっても学生に社風や雰囲気を伝えようと企業側が工夫していることがわかるコメントが寄せられた。【表1】こうした企業側の工夫などもあり、学生は実施形式に関わらず、様々なシーンでその企業の社風や社員の雰囲気を感じ取っているようである。
【表1】どのような内容であれば社風や社員の雰囲気を感じられると思いますか(自由回答)属性 | 理由 |
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文系女子 | オンライン上の座談会では、匿名であれば聞きにくい質問もしやすいので、その質問に回答してくれるかで社内雰囲気を察する。 |
文系女子 | 最近受けた会社ですと、オンラインの説明会の最後に社内を歩き、見かけた社員の方に声をかけて質問の機会を設けてくださったりしたので、実際の社内の様子や社員様の雰囲気を感じ取りやすかったです。 |
文系女子 | チャット等で気軽に匿名で質問ができる内容 |
文系男子 | 採用担当の方だけでなく、入社したばかりの年齢が近い人と話すことができると会社について聞きやすいと思う。また、複数回参加することができると1回だけでは感じることができなかったものに気づくことができるのではないかと思う。 |
文系女子 | 座談会において、NGなしの質問交流会があった企業はとても雰囲気が良く、社員の方々が仲が良いということがとても伝わりました。 |
理系男子 | 説明会で、職場見学する機会を必須で設けて欲しいと思いました。職場の雰囲気を知り、日々の仕事内容を知ることで、志望動機が具体的になったり、入社後のギャップも少なくなると思いました。 |
対面面接におけるマスク着用に関して
- 「どちらかといえば外すことに抵抗はない」が37.4%で最多。一方で、着脱の判断に関して「企業側からのアナウンス」を求める学生が6割超。
3月13日以降マスクの着用は個人の判断が基本とされるようになったが、対面面接でマスクを外すことについて「どちらかといえば外すことに抵抗はない」が37.4%で最も回答が多かった。【図6】「どちらかといえば外すことに抵抗がある」が21.1%、「外して面接したい」が16.6%、「わからない・どちらともいえない」が15.3%、「外して面接したくない」が9.6%となり、着脱に関しては意見にばらつきがみられた。
一方で「企業との面接におけるマスクの着脱について、どのような形で行ってほしいと思うか」という質問に対しては、「着用するか外すかは個人の判断なので、自分で判断して決めたい」が38.0%、「自分だけでは判断が難しいので、着用する・外す・どちらでもよい、など企業側からのアナウンスの下で判断して決めたい」が62.0%となった。【図7】
4割近い学生は自分の判断で着脱を決めたいと回答した一方、何かしらのアナウンスを希望する学生が6割超となった。2024年卒の学生は大学入学と同時にコロナ禍となり、公私にわたってマスクを着用する生活を送ってきているため、着脱に関する判断が難しいと感じている可能性がある。
また業種・職種によっては、いまだに感染拡大防止の観点からマスク着用を奨励している企業や事業所などもあることが想定され、その点も学生の判断を難しくしている可能性がある。着脱に関して学生の意見にばらつきがあることから、対面面接に臨む際にどのように対応すべきか迷いが生じる可能性が高く、企業は対面面接実施の際、学生に対し何かしらアナウンスを行うなどの配慮が必要になると考えられる。
調査担当者コメント
3月13日以降、マスクの着用は個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となりました。しかし、2024年卒の学生は大学入学時からコロナ禍が始まり、常にマスク着用を求められてきた経験から、自己判断に戸惑っていることも予想されます。対面面接でのマスク着脱についての設問では、学生の意見にばらつきが見られる結果となりました。就職活動においても、企業・学生ともに状況に応じて感染防止対策は意識しながらも、企業として学生の意思に任せることや、学生が着脱しやすいようアナウンスするなど、配慮が求められるでしょう。
調査概要
内容 |
マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査(3月) |
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調査期間 | 2023年3月25日~3月31日 |
調査対象 | マイナビ2024会員のうち「2024年春」に卒業予定の大学生・大学院生 |
調査方法 | マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答 |
有効回答数 | 2,963件 |
学生の属性データ
有効回答数内訳 | 文系男子 | 文系女子 | 理系男子 | 理系女子 | 総計 |
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人数 | 586 | 1,355 | 441 | 581 | 2,963 |
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3月1日調査
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