2025年卒企業新卒内定状況調査
- 2025年卒の採用充足率は70.0%で過去最低
- 上場企業の2割近くが、内定辞退学生等が将来中途採用を受ける際に優遇する「就職ファストパス」の導入を検討
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、「マイナビ2025年卒 企業新卒内定状況調査」を発表しました。
目次
トピックス
- 2025年卒の採用充足率は70.0%で同時期の調査と比較して過去最低に
- 「母集団の確保」に難しさを感じた企業が3年連続で増加
- 2024年新卒入社社員ですでに退職者がいる企業は28.1%。2020年新入社員では「5割以上が退職者」という企業が2割近くに
- 上場企業の2割近くが、内定辞退学生等が将来中途採用を受ける際に優遇する「就職ファストパス」の導入を検討
調査詳細
2025年卒の採用活動の振り返り
- 2025年卒の採用充足率は75.8%で同時期の調査では過去最低
採用充足率と内定者満足度
2025年卒の採用充足率(内定者数/募集人数)は70.0%(前年比5.8pt減)で3年連続の減少となり、採用スケジュールが変更された2017年卒以降、同時期の調査と比較して過去最低の結果となった。
内定者満足度に関しても「質・量とも満足」の割合が22.5%で、過去最低となった前年(2024年卒)の割合と同水準となるなど、直近数年の採用難度の高さが見てとれる。【図1】
採用活動で厳しかったのは「母集団の確保」
採用活動が「前年より厳しかった」の回答割合は46.5%と半数を割ったものの、直近2、3年とほぼ同様の水準となった。【図2】
「厳しくなる」と回答した理由では「母集団の確保」が3年連続で増加した。【図3】
2026年卒の採用予定
- 2026年卒の採用は79.5%が実施予定。採用予定数を「増やす」予定の企業は微減し「今年度並み」が増加
- 8割以上の企業が採用活動の見通しは「厳しくなる」と予想
2026年卒向け採用計画の策定状況を聞いたところ、採用予定数が決まっていない状態も含めると79.5%が実施すると回答し、前年並みとなっている。【図4】
採用予定数については2022年卒から「増やす」が増加傾向にあったが、2026年卒では減少し、前年比2.6pt減となった。対して「今年度並み」が前年より2.8pt増加しており、採用充足率の低下を受けて採用予定数を増やさず現状維持とする企業が多くなっているようだ。【図5】
また、採用スケジュールについては「2025年卒より早める」という企業が42.8%となり、採用予定数の確保に向けて今年より前倒しで採用実施を検討する企業が多い。【図6】
新入社員の早期離職・退職の状況
- 約3割の企業で2024年新卒入社社員の退職あり
- 2020年入社(4年前)の新入社員の「5割以上が退職者」という企業は2割近くに
卒業・入社年次別の新入社員の退職状況
社員の退職について、2024年の新入社員で、入社から調査時点(9~10月)までの約半年間に退職者がいたと回答した企業は28.1%で、そのうちの退職割合でもっとも多いのは「1割未満(18.9%)」だった。【図7】
卒業・入社年次別の新入社員の退職割合
2020年~2024年に新卒入社した社員の現在の退職割合を見ると、「5割以上」が退職したという企業の割合は、2024年・2023年の新入社員ではわずかだが、2022年の新入社員(2年前に入社)では9.8%と1割近くになり、2021年の新入社員(3年前に入社)では15.3%、2020年の新入社員(4年前に入社)では17.5%と増え、4年前に入社した社員が現在半分以下になっているという企業が2割近くあることがわかった。【図8】
退職代行サービス
- 退職代行業者から連絡を受けたことのある企業は3割
これまで自社の社員(新入社員に限定せず)が退職する際に、本人からではなく退職代行業者から連絡を受けたことがあると答えた企業は31.0%と3割に上った。【図9】
上場企業に限定するとその割合は4割以上となったほか、業種別でみると「小売」が52.9%と非常に高くなり、小売業の約半数の企業が退職代行業者から連絡を経験していることがわかった。マイナビによる「退職代行サービスに関する調査レポート」によると、退職代行利用による退職者は年々増加傾向にあることがわかっている。
就職ファストパス
- 上場企業の2割近くが、内定辞退学生等が将来中途採用を受ける際に優遇する「就職ファストパス」の導入を検討
内定や入社を辞退した学生に対し、将来その学生が中途採用で再び自社に応募する際に選考を一部免除するといったいわゆる「就職ファストパス」について、現時点では87.3%の企業が「実施しておらず、検討もしていない」と回答し、実施企業は2.0%とわずかであった。【図10】
一方で「実施していないが、実施を検討している」という企業も10.7%と1割超存在しており、上場企業では17.0%と2割近い企業が今後実施を検討していることがわかった。内定辞退による母集団不足も問題視されるなかで、新卒採用では入社にいたらなかった優秀な人材に対して、中長期的な視野でアプローチをしていく施策の1つとして、一部の企業で導入・検討されているようだ。
調査担当者コメント
2025年卒の新卒採用充足率は現行スケジュールで過去最低の70.0%となり、母集団の確保や内定辞退という課題を抱える中で、内定辞退者を中途採用に結び付ける「就職ファストパス」のような試みを検討する企業もあるほか、激化する人材獲得競争を背景に次年度は採用を早めると回答する企業が4割以上となるなど、手法・スケジュールなどさまざまな観点から対応が検討されているようです。
また今年入社した新入社員からすでに退職者が出ているという結果もあり、採用のみならず、採用後の人材の定着・長期的な活躍への取り組みもなお一層重要になってきています。
調査概要
内容 | 2025年卒マイナビ企業新卒内定状況調査 |
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調査期間 | 2024年9月6日~10月4日 |
調査方法 | 採用・育成・組織戦略に関するマイナビの情報メディア「HUMAN CAPITALサポネット」掲載のWEBフォームへ入力 |
有効回答数 | 1,616社(上場 126社・非上場 1,490社|製造 588社・非製造 1,028 社) |
更新・修正情報
2024.11.14
PDF3ページ目の【図4】採用活動を終了する時期 内の表「11月以降に終了予定」の数値に誤りがあり、下記の通り修正させていただきました。ご迷惑をお掛け申し訳ございません
(誤)24年卒:57.3% 25年卒55.5%
(正)24年卒55.5% 25年卒57.3%
レポート内目次
PDFデータ内の主なトピックを記載しています。
- 採用充足率 / 2025年卒募集人数対2024年卒入社実績数比 / 2025年卒内定者数対2024年卒入社実績数比
- 内定者への満足度
- 採用活動の印象
- 採用活動が厳しかったと回答した理由
- エントリー学生の印象
- 内定を出す基準
- 今年度(2025年卒)インターンシップ参加学生数/ 日当の有無/ 参加者へのフォロー
- 応募学生数(エントリー数)/ エントリーシート提出学生数
- 説明会参加学生数 / 説明会で力を入れて説明した点
- 1次面接受験学生数
- 選考回数
- 新卒採用担当部署について
- 採用活動の業務について
- 選考途中の辞退率 / 内々定辞退率
- 内定者1人あたりの応募学生数・説明会参加学生数等平均
- 内定後の対応
- 内定者研修
- 採用活動進捗状況 / 採用活動を終了した(する)時期 / 採用活動期間
- 採用スケジュール<全体>
- 採用スケジュール<エントリー受付開始>
- 採用スケジュール<エントリーシート受付締切>
- 採用スケジュール<エントリーシート結果通知>
- 採用スケジュール<個別企業セミナー開始>
- 採用スケジュール<面接開始>
- 採用スケジュール<内々定出し開始>
- 入社式について
- 障がい者雇用について
- 外国人留学生の採用
- ジョブ型雇用導入の実態
- 採用活動について
- インターンシップ(2025年卒の現状と予定)
- インターンシップの方針について
- 次年度(2026年卒)重点を置くこと
- その他の取り組み
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