2025年6月度 中途採用・転職活動の定点調査

朝比奈あかり
調査担当者
キャリアリサーチLab研究員
AKARI ASAHINA
  • 夏季休暇中に転職活動を「積極的に行う」割合は6割以上
  • 転職検討中の正社員の約半数が「地域との定期的な交流」を持つ
  • 特に20代では約8割が転職先決定に地域との交流が影響

株式会社マイナビは、全国の企業・個人を対象に実施した、「中途採用・転職活動の定点調査」の結果を発表した。調査の詳細はページ末尾に記載している。

調査詳細

企業の中途採用活動実施率

  • 2025年4-6月平均の企業の中途採用実施率は40.2%(前期間比1.0pt増)

2025年6月の企業の中途採用実施率は40.2%で前月より増加。2025年4-6月平均は40.2%となり、前期間である2025年1-3月平均(39.2%)から1.0pt増加した。【図1】

【図1】中途採用実施率/中途採用・転職活動の定点調査
【図1】中途採用実施率/中途採用・転職活動の定点調査

個人の転職活動実施率

  • 個人の転職活動実施率は3.3%でやや減少

2025年6月の個人の転職活動実施率は3.4%で前月より0.2pt増加しているが、2025年4-6月平均は3.3%となり、前期間である2025年1-3月平均から0.2pt減少した。直近1年間の推移をみると、転職活動実施率についてはほぼ横ばいとなっている。【図2】

【図2】転職活動実施率/中途採用・転職活動の定点調査
【図2】転職活動実施率/中途採用・転職活動の定点調査

夏季休暇と転職活動

  • 時間確保がしやすく賞与直後の夏季休暇に「積極的に転職活動を行う予定」の正社員は6割以上

今後3カ月以内に転職活動を予定している20-50代の正社員のうち、今年の夏季休暇に転職活動を「積極的に行う予定」は64.8%で、「消極的に行う予定(26.9%)」と合わせると、全体の9割以上が「夏季休暇に転職活動を行う」意向を示していることがわかった。

夏季休暇に転職活動を行う理由については、「自分の時間を確保しやすくなるため」など夏季休暇中の時間を有効活用したいという声が多く見られた。賞与をもらった後のタイミングでもあり、帰省や旅行などの予定と並行して、転職に向けて自身のキャリアと向き合う時間をとっている様子がうかがえる。【図3】

【図3】今年の夏季休暇に転職活動を行う予定か/中途採用・転職活動の定点調査
【図3】今年の夏季休暇に転職活動を行う予定か/中途採用・転職活動の定点調査

地域との関わりについて

地域との定期的な関わり有無

  • 現在転職を考えている正社員の2人に1人が「地域との定期的な関わり」を持っている

夏季休暇には帰省や旅行などを通じて、住んでいる地域以外と関わりを持つ人も少なくないことが想定される。今回の調査では、現在転職を考えている人の49.6%が何かしらの方法で「地域との定期的な関わり」を持っていると回答した。

関わり方の内訳を見ると、ボランティア活動などの「直接寄与型」が最多で、ふるさと納税やクラウドファンディングなど、実際に訪問せずに参加できる「非訪問系」も一定数見られた。【図4】

【図4】地域との定期的な関わりについて/中途採用・転職活動の定点調査
【図4】地域との定期的な関わりについて/中途採用・転職活動の定点調査

定期的な関わりのあるエリア

「地域との定期的な関わり」がある人が、どのエリアと関わっているかを分析したところ、もっとも多かったのは「近畿」エリアで20.1%、次いで「南関東」、「九州・沖縄」となった。【図5】

【図5】関わりのあるエリア/中途採用・転職活動の定点調査
【図5】関わりのあるエリア/中途採用・転職活動の定点調査

地域との定期的な関わりを持ったきっかけ

  • きっかけはSNSでの発信やふるさと納税の返礼品、企業でのボランティア実施など様々

地域との定期的な関わりが始まったきっかけは、「生まれ育った地域の活性化につなげて町おこしをしてみたいと考えていた」など、もともと関心を持っていたという回答が見られる一方で、SNSでの発信やふるさと納税の返礼品、企業でのボランティア実施など様々な回答が見られた。【図6】

【図6】地域と関わるようになったきっかけ/中途採用・転職活動の定点調査
【図6】地域と関わるようになったきっかけ/中途採用・転職活動の定点調査

U・Iターンのハードル

  • 転職を考えている正社員全体のうち「U・Iターンいずれにも興味はない」は65.1%にのぼる

2025年5月の調査では、転職を考えている正社員のうち「Uターン転職」に興味がある割合は26.6%、「Iターン転職」に興味がある割合は27.6%であった。

一方で「U・Iターンいずれにも興味はない」と回答した割合は65.1%にのぼった。移住を前提とした「U・Iターン転職」は、ハードルが高いと感じる人が一定数いることがわかった。【図7】

【図7】UIターンに興味がある割合/中途採用・転職活動の定点調査
【図7】UIターンに興味がある割合/中途採用・転職活動の定点調査

地域との関わりがキャリア形成に与える影響

  • 居住地以外の地域との関わりを持つ20代の約8割が今後の転職先決定に地域との関わりが影響すると回答

一方で、居住地以外の地域との定期的な関わりがある人のうち66.1%が、今後の「転職先決定」にもその関わりが影響すると回答し、20代では約8割となった。今後の「副業実施」への影響についても、全体の6割以上が影響すると回答しており、キャリア形成に少なからず作用していることが示唆される。

今回の調査上での「地域との関わり」は、仕事に直結するものだけではなく趣味や交流、「ふるさと納税」など日常の延長線上にある活動も含まれているにもかかわらず、6割以上の正社員が「地域との関わり」が転職先や副業などのキャリアに影響していると回答した。幅広い種類の地域交流が、キャリア形成にもつながる可能性が考えられる。【図8】

【図8】地域との関わりがキャリアに与える影響/中途採用・転職活動の定点調査
【図8】地域との関わりがキャリアに与える影響/中途採用・転職活動の定点調査

U・Iターン転職へのハードルは高いと考えられるものの、「地域との関わり」がキャリア選択に影響を与えると考える人が過半数いることから、定期的な地域との関わりの延長線上に「U・Iターン転職」という選択肢が生まれる可能性もある。こうした地域との関わりは 地域活性の第一歩となり得ると考えられる。

調査担当者コメント

夏季休暇を目前に控えたこの時期、普段とは異なる地域との接点を持つという人も多いのではないだろうか。今回の調査では、地域との定期的な関わりがキャリアに影響を与えている可能性があることが明らかになった。また、その地域と定期的に関わることが地域活性につながる可能性も示唆された。

このような「地域との関わり」として注目されているキーワードが「関係人口※」だ。政府は「地方創生2.0」の実現に向け、関係人口を増やすための政策を展開している。

U・Iターン転職には一定の関心が見られる一方で、移住にはハードルを感じる人も少なくない。だからこそ、関係人口として地域と関わることは、地方創生へのスモールステップとして有効な手段といえるのではないだろうか。

※「関係人口」・・・移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す(総務省/二地域居住・関係人口ポータルサイトより抜粋)

マイナビキャリアリサーチラボ 研究員 朝比奈 あかり

調査概要

内容 中途採用・転職活動の定点調査
調査期間 2025年7月1日~6日
調査対象  <企業調査>
・スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人
・本調査:上記のうち、前月採用活動を行った人、今後3か月で採用活動を行う予定の人
<個人調査>
・スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20-50代の正社員
・本調査:上記のうち、前月転職活動を行った人、今後3か月で転職活動を行う予定の人(3か月以内に中途入社した人を除く)
調査方法 外部パネルによるインターネット調査
有効回答数

<企業調査> 845件

<個人調査>  1,364件

※個人向け調査結果は、スクリーニング調査から算出した年代別の構成比を基にウェイトバックを行っており、調査結果の回答数はウェイトバック後の回答数を記載している
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある

レポート内目次

【TOPICS】
・企業・正社員の動向概要
【企業調査】
・中途採用活動を行った企業の動向
・今後3か月以内に中途採用活動を行う企業の動向
・中途採用活動を行わず、今後も予定のない企業の動向
・中途入社者がいた企業の動向
・月次追加トピック
【個人調査】
・転職活動を行った正社員の動向
・今後3か月以内に転職活動を行う正社員の動向
・転職活動を行わず、今後も予定のない正社員の動向
・中途入社した正社員の動向
・月次追加トピック

詳しくは「PDFデータをダウンロードする」をご覧ください

同一調査一覧

同カテゴリの調査一覧

最新調査更新日:2025.06.06

調査対象:
  • 企業
  • 個人
  • その他
中途採用・転職 総括レポート

企業の中途採用と個人の転職動向について、転職市場の1年間を総括した調査レポート
【主な項目】
雇用市場の概観/企業の動向/求職者の転職動向

最新調査更新日:2026.01.09

調査対象:
  • 個人
転職動向調査

直近1年間に転職した求職者の転職実態やその意識を把握できる調査レポート
【主な項目】
転職の実態/前職から現職の変化/現職の状況/これまでの転職経験/仕事や転職に対する意識/PickUpトピック

最新調査更新日:2025.03.26

調査対象:
  • 企業
中途採用状況調査

直近1年間の企業中途採用状況や今後の採用動向を把握できる調査レポート
【主な項目】
社内状況と中途採用状況/中途採用の選考状況/中途採用数・退職者人数/中途採用の印象/今後の中途採用の見通し/利用サービス・手法/中途採用費用/PickUpトピック

最新調査更新日:2026.01.26

調査対象:
  • 企業
  • その他
正社員の平均初年度年収推移レポート

マイナビ転職の掲載求人における正社員の平均初年度年収の推移をまとめた調査レポート
【主な項目】
業種別推移/職種別推移/エリア別推移

最新調査更新日:2026.01.26

調査対象:
  • 企業
  • その他
正社員の求人件数・応募数推移レポート

マイナビ転職の掲載求人における正社員の求人件数/応募数の推移をまとめた調査レポート
【主な項目】
業種別の推移/職種別の推移/本社所在地別の推移

最新調査更新日:2026.01.30

調査対象:
  • 企業
  • 個人
中途採用・転職活動の定点調査

企業の中途採用状況と個人の転職活動状況などを月次で把握できる毎月実施される定点調査レポート
【主な項目】
企業の中途採用動向/転職活動を行った正社員の動向/PickUpトピック

最新調査更新日:2025.09.24

調査対象:
  • 個人
転職活動実態調査

直近1年間に転職活動を行った求職者の転職行動の特性や意識を把握できる調査レポート
【主な項目】
転職活動の実態/転職活動の動機・印象/転職後の実態/転職サービス利用実態/PickUpトピック

最新調査更新日:2025.09.30

調査対象:
  • 企業
中途採用実態調査

直近半年から今後の採用意向など、企業の中途採用実態が把握できる調査レポート
【主な項目】
社内状況と中途採用状況/中途採用者について/今後の中途採用/利用サービス・手法/中途採用の選考/PickUpトピック

最新調査更新日:2025.03.28

調査対象:
  • 企業
企業の雇用施策に関するレポート

直近1年間に中途採用を行った企業の雇用施策実施状況を把握できる調査レポート
【主な項目】
実施済みの施策・今後実施予定の施策/教育訓練費用/賃上げ/定年延長/PickUpトピック

最新調査更新日:2025.12.18

調査対象:
  • 企業
  • 個人
  • その他
正規・中途市場のトレンド分析

正社員の中途採用市場/転職市場のトレンドを把握できるテーマ別調査レポート
【主な項目】
ボーナスに関する調査レポート/退職代行サービスに関する調査レポートなど

最新調査更新日:2024.04.02

調査対象:
  • 個人
エリア別の個人向け調査レポート

転職動向調査/転職活動における行動特性調査それぞれを10の「エリア別」に分析した詳細レポート

最新調査更新日:2024.04.02

調査対象:
  • 個人
業種別の個人向け調査レポート

転職動向調査/転職活動における行動特性調査それぞれを11の「業種別」に分析した詳細レポート

最新調査更新日:2024.04.02

調査対象:
  • 個人
職種別の個人向け調査レポート

転職動向調査/転職活動における行動特性調査それぞれを9の「職種別」に分析した詳細レポート

最新調査更新日:2024.04.02

調査対象:
  • 企業
エリア別の企業向け調査レポート

中途採用状況調査/中途採用実態調査それぞれを10の「エリア別」に分析した詳細レポート

最新調査更新日:2024.04.02

調査対象:
  • 企業
業種別の企業向け調査レポート

中途採用状況調査/中途採用実態調査それぞれを11の「業種別」に分析した詳細レポート

最新調査更新日:2023.10.12

調査対象:
  • 企業
企業による多様な働き方実現に関するレポート

直近半年間に中途採用を行った企業の多様な働き方施策を把握できる調査レポート
【主な項目】
男性育休/副業・兼業/週休3日制度/人的資本/女性役員割合