2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(10月)
67.2%の学生が情報収集にSNSを活用しているが、情報の見極めには慎重、就職活動などに向けて「SNSの運用は特に見直さない」が7割以上
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年3月卒業予定の全国の大学3年生、大学院1年生(2,267名)を対象に実施した、「マイナビ 2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(10月)」の結果を発表しました。
調査概要
内容 | マイナビ 2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(10月) |
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調査期間 | 2022年10月20日~10月31日 |
調査対象 | マイナビ2024会員のうち2024年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生 |
調査方法 | マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答 |
有効回答数 | 2,267名 |
目次
- 67.2%の学生が情報収集にSNSを活用しているが、情報の見極めには慎重、就職活動などに向けて「SNSの運用は特に見直さない」が7割以上
- 調査概要
- TOPICS
- 10月(単月)のインターンシップ・ワンデー仕事体験の参加率は47.8%(対前月19.7pt減)
- 有償インターンシップに興味がある学生は85.9%だが、実際に参加経験がある学生は14.7%
- インターンシップ等参加後に企業から定期的に連絡を受けている割合は74.8%、その内容は次回のインターンシップ等の案内や、参加者限定のイベントなどが多い
- 企業と個別に連絡を取る際、便利だと思うツールは「メール」が最多で、マイナビなどの専用アプリ、LINEが続く
- SNSで情報収集を行っているのは67.2%(対前年4.5pt増)で、その内訳をみると「LINE」が最多で、「Twitter」「Instagram」が続く
- インターンシップ・就活準備専用のSNSアカウントを持っているのは16.4%と少数派。7割以上は「持っておらず、今後も作らない予定」と回答
TOPICS
10月(単月)のインターンシップ・ワンデー仕事体験の参加率は47.8%(対前月19.7pt減)
24年卒学生の10月のインターンシップ参加状況を聞いたところ、参加した割合は47.8%と、前年同月比で0.8pt増加し, 前月からは19.7pt減少した。【図1】また、その開催期間を見ると、「半日」に参加した割合が69.1%と前月よりも10.7pt増加していた。【図2】 授業が開始され、時間の調整が難しいなかではあるが、短期間のプログラムを活用している様子がうかがえる。
有償インターンシップに興味がある学生は85.9%だが、実際に参加経験がある学生は14.7%
報酬が支払われる有償インターンシップに興味があるか、また参加状況について聞いたところ、「興味がある(「興味があり、参加経験がある」と「興味はあるが、参加経験なし」の合計)」と回答した学生は85.9%だったが、「参加したことがある(「興味があり」と「興味はないが」の計)」割合は14.7%だった。【図4】 文理別でみると、理系学生のほうが「参加したことがある」割合が19.3%と文系よりも高い傾向にあり、特に「機電系」「土木・建築系」「化学系」では2割を超えていた。【図5】
一方、企業に対して行った「2023年卒企業内定状況調査」によると、こちらは交通費が含まれる内容となるが、なんらかの日当を支払ったことのある割合は22.3%で、業種別でみると「建築」が43.0%、製造が28.1%と特に高い割合になっていた。これらのことより、建築、製造業界で実施される理系学生を対象とした技術系プログラムで有償インターンシップが実施される傾向が高いと推察される。
インターンシップ等参加後に企業から定期的に連絡を受けている割合は74.8%、その内容は次回のインターンシップ等の案内や、参加者限定のイベントなどが多い
インターンシップ等に参加した後、企業から定期的に連絡を受けている割合は74.8%で、その頻度は「1ヶ月に1回程度」が最多で47.9%だった。【図6】 その内容については「次回もしくは別のインターンシップ・ワンデー仕事体験情報」が最多で79.6%だった。特に、連絡頻度の高い企業(ほぼ毎週)では「インターンシップ・ワンデー仕事体験参加者限定のイベント(社員座談会など)」が半数を超えている。【図7】 また、参加後の連絡を受けたことによる心境の変化については、その頻度によらず「良い方に変化し、その企業の選考を受けたいと思った」が最多だった。【図8】
企業と個別に連絡を取る際、便利だと思うツールは「メール」が最多で、マイナビなどの専用アプリ、LINEが続く
企業と個別に連絡を取る際、便利だと思うツールは「メール(大学メールアドレス)」が前年に続いて最多となり43.2%(対前年2.1pt増)だった。同じメールでも「メール(携帯のアドレス)」は23.1%を半分程度である。企業とのやり取りについては”オフィシャルなもの”としてプライベートと分けたり、見落とさないようにするために、大学や専用のメールアドレスを用意したり、専用アプリを使うなどして工夫をしているようだ。一方、「電話」については18.5%と前年から4.9pt減少していた。【図9】
昨今は、企業の担当者がリモートワーク等で出社していないケースもあるため、メールのほうが確実に連絡が取りやすいということも影響していると推察される。
SNSで情報収集を行っているのは67.2%(対前年4.5pt増)で、その内訳をみると「LINE」が最多で、「Twitter」「Instagram」が続く
インターンシップ等の情報収集にSNSを使っていると回答した割合は67.2%(対前年4.5pt増)で【図10】、使われているツールとしては「LINE(公式アカウントなどのトーク機能)」が47.3%と最多だった。24年卒調査より「LINE(オープンチャット)」を別の選択肢にしたため、前年との比較はできないが、前年と同様にLINEの利用割合が高いようだ。【図11】
※よく見る情報の発信者や、検索ワードについて
SNSを使って情報収集をしている学生によく見る発信者や検索ワードについて自由記入で聞いたところ、大きく分けて3つのタイプに分けられる回答が得られた。1つ目はいわゆる「就活仲間」として「今、活動している人の情報」、2つ目は「就活支援(活動のサポート)」として「就活の参考になる情報・就活支援に関する情報」、そして3つ目は「企業の情報」だった。
この中で最もコメントが多かったのは「就活の参考になる情報・就活支援に関する情報」に関するものだったが、初めて経験することも多く、なるべく多くの情報を求めている様子がうかがえた。
また、よりリアルな情報を求めてSNSからも広く情報収集を行っているようだが、その情報の信憑性に対する懸念などもコメントの中には見受けられ、「企業情報」については公式を中心に確認しているようだった。しかし、採用担当者のものだけでなく、企業がサービス提供者などに向けて発信しているアカウントも併せて確認するなど、多面的に理解しようとする姿勢が見られた。
インターンシップ・就活準備専用のSNSアカウントを持っているのは16.4%と少数派。7割以上は「持っておらず、今後も作らない予定」と回答
インターンシップ・就活準備専用のアカウントを持っているか聞いたところ、「持っている」と回答したのは16.4%(対前年4.9pt増)だった。一方、「持っておらず、今後も作らない予定」との回答は71.2%(対前年6.4pt減)だった。【図14】また、SNSの利用方法について見直したことがあるかと聞いたところ、「今までも匿名や非公開で使っていたため見直しはしていない」が最多で41.2%、「(見られて困ることは無いので)今まで通り実名で利用している」が次いで32.9%だった。【図15】就職活動にまつわる活動とプライベートを分けたいという層も一定程度いることが推察される。
ただし、24年卒学生は「SNSネイティブ」と呼ばれるZ世代に当たるが、もともとSNSリテラシーが高いこともあり、多くは特別な対応なく使い続けるようだ。
【調査者コメント】
本調査では、情報収集を目的としたSNSの活用状況について詳しく聞きましたが、24年卒の学生はSNSネイティブのZ世代ということもあり、SNSを積極的に活用しているようです。インターンシップや就職活動準備など初めて経験することも多く、少しでも参考にできる、そしてリアルな情報を収集しようとする姿勢が見られました。SNSには誰もが自由に発信できるメリットがある一方で、その情報が信頼できるかを見極める難しさを伴います。リスクも理解した上で利用している点は学生のSNSリテラシーの高さが見受けられます。しかし、情報過多になったりネガティブな意見に触れたりして、SNS疲れを感じる可能性もありますので、SNSから離れる時間を作ったり、信頼できる相手と話したりするなど、うまく距離をとることも必要でしょう。
学生の属性データ
有効回答数内訳 | 文系男子 | 文系女子 | 理系男子 | 理系女子 | 総計 |
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人数 | 427 | 950 | 436 | 454 |
2,267 |