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2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

SUMMARY

賃上げ企業に対して約7割の学生が「関心も就職先としての志望度も高まる」と回答。メタバースでの就活関連イベントに「興味があり参加してみたい」という学生は27.6%

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年3月卒業予定の全国の大学3年生、大学院1年生(2,108名)を対象に実施した、「マイナビ 2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)」の結果を発表しました。

調査概要

内容 マイナビ 2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
調査期間 2023年1月20日~1月31日
調査対象 マイナビ2024会員のうち2024年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生
調査方法 マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 2,108名

インターンシップ・ワンデー仕事体験 参加率

1月(単月)のインターンシップ・ワンデー仕事体験の参加率は54.8%(前月比8.8pt減)。累計参加率は86.1%(前年比2.1pt増)。

24年卒学生の1月のインターンシップ参加状況を聞いたところ、参加した割合は54.8%となった。前月(12月)からは8.8pt減少、前年同月(23年卒)からは1.1pt減少となった。【図1】また、1月までの累計のインターンシップ参加率は86.1%となり、前年比2.1pt増加した。【図2】 多くの大学が試験期間を迎えている1月だが、インターンシップ参加率は今年も前年並みの水準で推移している。

【図1】今月インターンシップに参加した割合(単月参加率)・月別比較、【図2】これまでインターンシップに参加した割合(累計参加率)・月別比較/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
左【図1】今月インターンシップに参加した割合(単月参加率)・月別比較、右【図2】これまでインターンシップに参加した割合(累計参加率)・月別比較/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

インターンシップ参加・就職準備と、学業・テスト勉強との両立

1月、インターンシップ参加や就活準備と、テスト勉強や学業の両立に悩んだり苦労したことがある学生は72.6%。「どちらにも同じ程度注力している」という学生は前年より増加。

1月の状況について、インターンシップ参加や就職活動の準備と、学業・定期試験の両立で、悩んだり苦労したことがあると回答した学生は72.6%(前年比2.7pt増)となった。【図3】前述のように1月は多くの大学が試験期間となり、また企業の採用広報が解禁される3月を2か月後に控え就職活動準備も大詰めとなる時期と考えられ、多くの学生が学業と就活準備の両立に苦労している様子がうかがえる。

「悩んだり苦労したことがある」と回答した学生を対象に、学業と就活準備の両立状況について聞いたところ、最も多かったのは「就活準備を優先したいが、テスト勉強や学業に忙しい」(32.9%)だった。【図4】多くの学生がテスト勉強や学業に比重を置いているようだが、「特にどちらを優先するということはなく、両方同じ程度力を入れている」が13.0%で、前年比では全項目のうち唯一増加している(前年比4.2pt増)など、学業と就活準備を上手に両立し、どちらにも注力している学生も増えていることがわかる。

1月、インターンシップ参加や就職活動の準備と、学業・定期試験の両立で悩んだり苦労したことはあるか/マイナビ24年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
【図3】1月、インターンシップ参加や就職活動の準備と、学業・定期試験の両立で悩んだり苦労したことはあるか/マイナビ24年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
(両立に悩んだ学生)状況として当てはまるもの/マイナビ24年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
【図4】(両立に悩んだ学生)状況として当てはまるもの/マイナビ24年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

企業の賃上げと、就職先としての志望度

従業員の初任給や給与を増額させる企業の動きについて「その企業に対する関心が高まり、就職先としての志望度も上がる」という回答が約7割。

日本の企業の賃金の伸び悩みや賃上げに関する議論が多くなされているなか、自社の従業員の初任給や給与を増額させる企業の動きについてどのように感じるかを聞いたところ、「その企業に対する関心が高まり、就職先としての志望度も上がる」との回答が68.2%となり、7割近い学生が、その企業に対する関心・就職先としての志望度ともに好意的な影響を受けていることがわかった。【図5】

自社の従業員の初任給や給与を
増額させる企業の動きについてどのように感じるか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
【図5】自社の従業員の初任給や給与を
増額させる企業の動きについてどのように感じるか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

先月行った調査(※)で「週休2日制(週休3日制より休みは少なく、給料は多い)」と「週休3日制(週休2日制より給料は少なく、休みは多い)」ではどちらがいいかを選んでもらったところ、約7割の学生が「週休2日制」を選択し、その理由として「金銭面での不安が大きいからです。物価高が続くと思われている中で、ある程度の給与が見込めないと生活が厳しい」や「物価の高騰や定年後の貯金が危惧される今、給料が多く貯金できる環境が重要」などがあがっていた。企業の賃上げも物価高などの影響と合わせて議論される場合が多いが、率先して賃上げに踏み切る企業に対して多くの学生が好意的な判断をすることには、学生が昨今の経済状況や自身が社会人になった後の生活を冷静に観察・分析している、ということが背景としてあると考えられる。

マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)

メタバースでの就活準備イベント・就活イベントについて

「興味があり参加してみたい」学生は27.6%。顔が見えないコミュニケーションについては「アバターだったら気兼ねなく質問できそう」や「顔が見えないのが怖い」など賛否の意見。

インターネット上に構築される3次元仮想空間「メタバース」にて行われる就活準備イベントおよび就活イベントについてどのように感じるかを聞いたところ、最も多かった回答は「興味はあるが参加してみたいかはわからない」で50.0%となり、「興味があり参加してみたい」(27.6%)と「興味がなく参加したいとも思わない」(22.5%)の回答はそれぞれ同程度の割合となった。

メタバースでの就活準備イベント・就活イベントについてどう感じるか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
【図6】メタバースでの就活準備イベント・就活イベントについてどう感じるか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

あわせてその理由についても自由回答してもらった。「興味があり参加してみたい」と回答した理由では、「オンラインでありながらも対面のような臨場感を感じられ、また質問など社員の方との交流がとりやすいと思うから」や「リアル(対面)とウェブの中間に当たるものだと自分は考えており、リアルにより近い感覚でイベントに参加できるのと実際の自分はどこにいても参加することができることから、両方のいいとこ取りができると思うから」のように、対面とオンラインの良い部分を兼ね備えた新しいイベントの形として好意的に捉えているものや、「現地に行かなくて良いし、対面だと緊張する。オンラインでも顔を出すのは緊張するため」や「アバターだったら気兼ねなく質問できそうだから」、「メタバースだと、対面よりも自分の意見などが言えそうだから」のように、顔を見せないことでコミュニケーションのハードルが下がるとしている声もあった。【表1】

【表1】「興味があり参加してみたい」と回答した理由(自由回答)
属性 理由
文系女子 オンラインでありながらも対面のような臨場感を感じられ、また質問など社員の方との交流がとりやすいと思うから。
理系男子 リアル(対面)とウェブの中間に当たるものだと自分は考えており、リアルにより近い感覚でイベントに参加できるのと実際の自分はどこにいても参加することができることから、両方のいいとこ取りができると思うから
文系女子 現地に行かなくて良いし、対面だと緊張する。オンラインでも顔を出すのは緊張するため。
文系女子 アバターだったら気兼ねなく質問できそうだから。また、新たな形で面白いと感じるから。
文系女子 メタバースだと、対面よりも自分の意見などが言えそうだから。

「興味はあるが参加してみたいかはわからない」と回答した理由では、「webと対面のいいとこ取りが出来そうで良いと思う反面、PCやスマホ、周辺機器がないと参加できなさそうだから心配」のように、専用の通信機器を準備しないと参加できないのではないかと心配する声や、「フラットな評価がされそうな上、自己開示が少なくて済むという気軽さを感じるため興味はある。しかし、それで表情から伝わるものがなく、自分自身の気持ちが伝わるかが不安である」のように、アバターを通すことによる一長一短を述べるものもあった。【表2】

【表2】「興味はあるが参加してみたいかはわからない」と回答した理由(自由回答)
属性 理由
文系男子 webと対面のいいとこ取りが出来そうで良いと思う反面、PCやスマホ、周辺機器がないと参加できなさそうだから心配。
文系女子 段々とリアルで会えるようになってきたため、そこまで必要性を感じていないから。1回先輩座談会に参加した経験があるため、もういいかなと思う。
文系男子 フラットな評価がされそうな上、自己開示が少なくて済むという気軽さを感じるため興味はある。しかし、それで表情から伝わるものがなく、自分自身の気持ちが伝わるかが不安である。
理系女子 メタバースだから参加するというのではなく、興味を持ったものがメタバースだったら嬉しい、ぐらいの感覚。

「興味がなく参加したいとも思わない」と回答した理由では、「以前合同説明会でメタバース形式のものがあったが,あまり良さを感じなかった.使い慣れていないだけかもしれないが,普通にZoomで良いと感じた」や「オンラインで行うことが目的なのであれば、従来行われているオンラインミーティングで十分だから」のように、すでに定着しているオンライン形式の実施方法で十分事足りるとするものや、「メタバース内を歩くときに、画面酔いをしやすい、目が疲れやすく気持ち悪くなりやすいため」のようなメタバース空間特有の事情、また「顔が見えないのが怖いから」のようにアバターを通したコミュニケーションへの抵抗感を述べるものもあった。【表3】

【表3】(自由回答)「興味がなく参加したいとも思わない」と回答した理由
属性 理由
文系男子 webと対面のいいとこ取りが出来そうで良いと思う反面、PCやスマホ、周辺機器がないと参加できなさそうだから心配。
文系女子 オンラインで行うことが目的なのであれば、従来行われているオンラインミーティングで十分だから。
文系女子 メタバース内を歩くときに、画面酔いをしやすい、目が疲れやすく気持ち悪くなりやすいため。
文系女子 顔が見えないのが怖いから

就職活動の方向性・準備度

1月時点で「就職活動の方向性(志望業種や企業、職種、大事にしたい価値観など)が固まっている」学生は56.4%。「方向性は検討中」の学生も42.4%。

就職活動の方向性として当てはまるものを聞いたところ、「就職活動の方向性(志望業種や企業、職種、大事にしたい価値観など)が固まっている」の回答が最も多く、56.4%であった。【図6】本設問は2022年7月以降毎月聞き取りを行っているもので月ごとの結果を比較すると、7月から1月にかけて「方向性が固まっている」の回答が徐々に増加していることがわかる。ただ「就職活動の方向性は検討中」という学生も42.4%おり、これから3月の広報活動開始に向けて自身の方向性や軸を固めていくものと考えられる。

就職活動の方向性について/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
【図6】就職活動の方向性について/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

現在の就活準備レベルを自己採点してもらったところ、多かったのは「41点~60点(どちらともいえない)」(36.6%)や「21点~40点(あまりできていない)」(28.7%)であり、自己評価も控えめであるが、これもこれまでの結果(2022年7月から隔月で聞き取りを行った)を比較すると、「0点~20点(全くできていない)」や「21点~40点(あまりできていない)」の低評価の項目は徐々に減少し、「81点~100点(十分できている)」や「61点~80点(ある程度できている)」の高評価の項目は増加していることがわかる。

現在の就活準備レベル/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
【図7】現在の就活準備レベル/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)

調査担当者コメント

今回の調査では、賃上げを行う企業の動きに対して、関心も志望度も高まる学生が約7割に上るという結果が出ました。前月の調査では物価高や将来の年金・貯金に関する不安を述べる学生の声を紹介しましたが、こうした企業への評価の背景には将来への経済的不安があると推察できます。また、メタバースでの就活イベントについては、対面とオンラインの良い面を兼ね備えているという点がある一方で、顔を見せないコミュニケーションに対する賛否もありました。新しいテクノロジーにより企業と学生の接点も多様化していきますが、学生と企業の間で安心できる対話・情報交換が行われることを原点に、学生・企業双方で適切なコミュニケーション方法を選択してほしいと思います。


学生の属性データ

有効回答数内訳 文系男子 文系女子 理系男子 理系女子 総計
人数 383 879 384 462

2,108



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