2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(10月)
半数以上の学生が、やりがいのない「ゆるブラック」な職場では「働きたくない」と回答
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2025年3月卒業予定の全国の大学3年生、大学院1年生(2,067名)を対象に実施した、「マイナビ 2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(10月)」の結果を発表しました。
調査概要
内容 | マイナビ 2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(10月) |
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調査期間 | 2023年10月20日~10月31日 |
調査対象 | マイナビ2025会員のうち2025年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生 |
調査方法 | マイナビ2025会員にメール告知・WEBフォームにて回答 |
有効回答数 | 2,067名 |
目次
TOPICS
10月(単月)のインターンシップ・仕事体験の参加率は49.9%(対前年比2.1pt増)
25年卒学生の10月(単月)のインターンシップ・仕事体験の参加割合は49.9%(対前年比2.1pt増)
【図1】、10月時点でこれまでにインターンシップ・仕事体験に参加した割合は84.7%(対前年比2.0pt増)となり、いずれも前年を上回った。【図2】
有償インターンシップに参加したことがある割合は17.8%(対前年比3.1pt増)
交通費や昼食代以外で報酬(給与)が支払われる有償インターンシップにへの関心と参加経験を聞いたところ、最多なのは前年と同様に「興味はあるが、参加経験なし」で71.0%(対前年比2.1pt減)だったが、「参加経験あり」との回答が17.8%(「興味があり、参加経験がある(15.7%)+「興味はないが、参加経験あり(2.1%)」の合算)で、前年から3.1pt増加していた。【図3】
有償インターンシップはまだ一般的ではないが、25年卒からインターンシップの定義が改正されたことにより、職場におけるより実際的で、また長期間の就業体験をする機会が増えてきていると推察される。そのため、その業務状況に応じた報酬が支払われる有償インターンシップも増加傾向にあるようだ。
今後インターンシップ等参加後に企業から定期的に連絡を受けている割合は82.6%(対前年比7.8pt増)
インターンシップ・仕事体験に参加した後、企業から定期的に連絡を受けている割合は82.6%で前年から7.8pt増加していた。また、その頻度については「1ヶ月に1回程度」が最多で44.6%(対前年3.3pt増)、次いで「1ヶ月に2回程度」が22.0%で前年から6.3pt増加しており、全体的に企業から学生への接触機会が増えていることがわかった。【図4】
その内容については「次回もしくは別のインターンシップ・仕事体験情報」が前年と同様に最多で78.5%(対前年比1.1pt減)だった。前年から大きく増加しているのは「インターンシップ・仕事体験参加者限定の採用選考の案内」で38.3%(対前年比6.3pt増)、「採用選考のスケジュール案内」で35.5%(対前年比6.3pt増)となっていた。【図5】
インターンシップ・仕事体験や就活準備の情報収集のためにSNS・ソーシャルメディアを使っている割合は68.7%(対前年比1.5pt増)
インターンシップ・仕事体験や就活準備の情報収集のためにSNS・ソーシャルメディアを使っている割合は68.7%で前年からは1.5pt増となっている。【図6】
インターンシップや就職活動に向けてSNSの利用方法を見直したかと聞いたところ、「今までも匿名や非公開で使っていたため見直しはしていない」が最多で47.7%(対前年比6.5pt増)、次いで、「(見られて困ることは無いので)今まで通り実名で利用している」が27.7%(対前年比5.2pt減)となった。【図7】
上記2項目の割合変化から、インターンシップや就職活動の準備のためというだけでなく、そもそも、匿名や非公開で使う人の割合が増えているようだ。
やりがいやキャリアアップがない「ゆるブラック」な職場では「どちらかというと働きたくない」の割合が高い傾向
特に若手社員の離職の一因と言われるようになっている「ゆるブラック(※1)」だが、25年卒学生への認知度は低く、言葉としては「知らない、聞いたことがない」という回答が82.2%だった。【図8】
次に、様々な職場の特徴を並べて、「どちらかというと働きたい」と思う職場、「どちらかというと働きたくない」職場を選択してもらった。項目の頭に「★」を記した項目が「ゆるブラック」と言われる職場にみられるとされる特徴(※2)だが、「どちらかというとのんびりとした雰囲気の職場である」「毎日定時で帰ることができる」といった働きやすさを感じさせる項目では「どちらかというと働きたい」という回答が多くなった。一方で、「つらさをまったく感じないが、やりがいもない」「仕事で特にスキルアップは求められない」は「どちらかというと働きたくない」が高くなっており、仕事に対するやりがいや成長などを求める傾向が見られた。また、「高い目標達成のために、厳しく指導される」と「特に高い目標などは設定されず、あまり指導もされない」はどちらも「どちらかというと働きたくない」が高くなっており、指導については適切な程度が求められている様子がうかがえた。【図9】
(※1)「ゆるブラック」:労働環境は厳しくないが、やりがいや成長を感じられない職場を示す言葉
(※2)こうした特徴があるから必ずしも「ゆるブラック」だというわけではありません。
<調査者コメント
<調査者コメント>
本調査ではインターンシップ・仕事体験に参加した後に企業から連絡を受けている割合とその内容について聞きましたが、企業からの連絡機会が全体的に増加しているようです。また、その内容については、他のインターンシップ・仕事体験プログラムの案内が最多ではある一方、「採用選考の案内」や「採用選考のスケジュール案内」など採用選考に関わる連絡が増えるという結果になりました。25年卒からインターンシップの定義が改正され、一定の条件を満たすプログラムについてはインターンシップ参加時の情報を採用選考に利用できると明記されましたが、それはあくまで「広報活動開始後(2024年3月1日以降)」の利用とされています(※3)。本調査の結果だけでは、具体的な連絡の内容は把握できませんが、学生の学業を圧迫しないよう、企業側には節度のあるコミュニケーションが求められます。
(※3)文部科学省・厚生労働省・経済産業省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」
学生の属性データ
有効回答数内訳 | 文系男子 | 文系女子 | 理系男子 | 理系女子 | 総計 |
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人数 | 361 | 819 | 472 | 415 |
2,067 |