2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)

  • 「給料の少ない週休3日制」と「給料の多い週休2日制」では、約7割が週休2日制を希望。
  • 「将来への経済的な不安」や「仕事に時間をかけて早く成長したい」などが理由に 。

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年3月卒業予定の全国の大学3年生、大学院1年生(1,950名)を対象に実施した、「マイナビ 2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)」の結果を発表しました。

トピックス

  • 12月(単月)のインターンシップ・ワンデー仕事体験の参加率は63.6%(対前月9.9pt増)。累計参加率は88.1%(前年比2.4pt増)。
  • インターンシップ参加や就活準備で最も成長したと感じることは「主体性(物事に進んで取り組む力)」が最多。大学の授業やゼミへの参加にも良い影響があったとする学生も。
  • 週休3日制に対する認知度は前年よりやや上昇。週休3日制の企業に就職してみたいという学生は6割に。
  • 休みは多く、給料の少ない週休3日制」と「休みは少なく、給料は多い週休2日制」では、週休2日制を希望する学生が約7割に。
  • 新卒一括採用という制度に関して「肯定的である」という学生が47.0%

調査詳細

インターンシップ・仕事体験への参加率

  • 12月(単月)のインターンシップ・ワンデー仕事体験の参加率は63.6%(対前月9.9pt増)累計参加率は88.1%(前年比2.4pt増)。

24年卒学生の12月のインターンシップ参加状況を聞いたところ、参加した割合は63.6%と、前年同月比で0.8pt増加し、前月からは9.9pt増加した。【図1、2】 開催期間別では「1日」や「2~4日」、「5日以上」と回答した割合が微増となり、大学が冬休み期間に差し掛かる12月に、開催期間が長いプログラムにも参加可能になった学生が多かったことが背景として考えられる。【図3】 12月時点での累計参加率は88.1%(前年比2.4pt増)で、前年と同程度の水準となっている。【図4】

今月インターンシップに参加した割合(12月単月参加率)・3ヵ年比較、今月インターンシップに参加した割合・月別比較/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)
左【図1】今月インターンシップに参加した割合(12月単月参加率)・3ヵ年比較、右【図2】今月インターンシップに参加した割合・月別比較/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)
今月参加したインターンシップの開催期間・月別比較、これまでインターンシップに参加した割合(累計参加率)・月別比較/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)
左【図3】今月参加したインターンシップの開催期間・月別比較、右【図4】これまでインターンシップに参加した割合(累計参加率)・月別比較/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)

インターンシップ参加・就職準備で最も成長したもの

  • インターンシップ参加や就活準備で最も成長したと感じることは「主体性(物事に進んで取り組む力)」が最多。大学の授業やゼミへの参加にも良い影響があったとする学生も。

これまでのインターンシップ参加や就活準備を通じて、最も自身の成長を感じたものは何かを回答してもらった。選択肢は経済産業省の提唱する「社会人基礎力」をもとに用意したものだが、最も回答が多かったのは「主体性(物事に進んで取り組む力)」(28.7%)であった。【図5】 

これまでのインターンシップ・就活準備を通じて、最も成長を感じるもの/マイナビ24年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)
【図5】これまでのインターンシップ・就活準備を通じて、最も成長を感じるもの/マイナビ24年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)

「主体性」を選択した学生にその理由をあわせて聞いたところ、「以前までのインターンシップでは、自分から司会に立候補したりすることが出来なかった。しかし、直近のインターンシップでは、司会役を務め、褒められた」や「はじめは友達が一緒ならという条件でインターンシップに参加していたが、自分のための就職活動・インターンシップだという目的を思い出し、周りに頼らず自分が参加したいと感じた企業、説明会等に参加するようになった」など、インターンシップに対する意識の変化を成長の理由としてあげる声が見られた。【表1】

【表1】「主体性」に成長を感じた理由やエピソード(自由回答)
属性 主体性が成長したと感じた理由
文系女子 グループディスカッションを何度も重ねる中で、最初にミュートを外したり、中心となって進めることが多くなったから。例えば、授業でプレゼンテーションの準備をする時、リーダーがおらず、ぐだっていた。しかし、参加後、タイムマネジメントをしたり、役割分担をしたり、自ら動くことができるようになった。
文系男子 以前までのインターンシップでは、自分から司会に立候補したりすることが出来なかった。しかし、直近のインターンシップでは、司会役を務め、褒められた
文系女子 はじめは友達が一緒ならという条件でインターンシップに参加していたが、自分のための就職活動・インターンシップだという目的を思い出し、周りに頼らず自分が参加したいと感じた企業、説明会等に参加するようになったところに主体性における成長を感じた。
文系女子 今までは「誰かがしてくれるから」という他人任せだったが、グループ面接の練習などを通して、如何に自分を見せれるかという壁にぶつかった時、自分から行動したり、発言するような主体性があると気づき、面接練習を重ねるうちに自然と力がついていた。その力がついた事に気づいたきっかけはゼミの先生から、「いつも率先して、行動してくれてありがとう」だった。

週休3日制の学生への浸透度・就業希望度

  • 週休3日制に対する認知度は前年よりやや上昇。週休3日制の企業に就職してみたいという学生は6割に。

週休3日制についてどの程度知っているかを聞いたところ、「人に説明できる程度に知っている」は7.3%(前年比0.4pt増)、「おおよその意味は分かっているが説明する自信はない」は36.3%(前年比5.4pt増)と、認知度は前年より微増となった。【図6】 導入を検討・発表する企業が増えているなか、学生における認知度も若干の向上が見られたが、「おおよその意味は分かっているが説明する自信はない」や「聞いたことがあるが詳しくは知らない」(37.1%)と回答する割合が多く、学生に十分に浸透しているとは言えない。

週休3日制についてどの程度知っているか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)
【図6】週休3日制についてどの程度知っているか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)


「週休3日制の企業に就職してみたいか」という質問でも、前年同様「どちらでもない・わからない」が34.5%(前年比0.7pt減)が最多回答であったが、「どちらかというと就職してみたい」が次いで33.2%(前年比3.9pt増)となり、「ぜひ就職してみたい」(26.8%)と合わせると週休3日制の企業に就職してみたいと考える学生は60.0%となり、前年より増加した。【図7】

週休3日制の企業に就職してみたいと思うか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)
【図7】週休3日制の企業に就職してみたいと思うか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)

賃金と休日数のどちらに重きを置いているか

  • 休みは多く、給料の少ない週休3日制」と「休みは少なく、給料は多い週休2日制」では、週休2日制を希望する学生が約7割に。

週休3日制の導入をめぐっては、おもに次の3つのパターンで検討される場合が一般的である。

  1. 総労働時間が変わらず、賃金も変わらない(休みが増える分、1日あたりの勤務時間が増える)
  2. 総労働時間が減少し、賃金も減少する(休みが増え、1日あたりの勤務時間が変わらない)
  3. 総労働時間が減少するが、賃金は変わらない(休みが増え、1日あたりの勤務時間も変わらない)

賃金が減らずに休日が純粋に増える(3)が多くの人にとって最も好ましい理想的なパターンだと思われるが、(1)や(2)のように、労働時間と賃金がトレードオフになるケースも十分想定される。そうしたケースを踏まえ、学生が賃金と休日のどちらに重きを置いているかを調査すべく、上記(2)を「週休3日制(週休2日制より給料は少なく、休みは多い)」とし、「週休2日制(週休3日制より休みは少なく、給料は多い)」とどちらがいいかを選択してもらった。結果、「週休2日制(休み:少、給料:多)」と回答した学生が68.6%、「週休3日制(給料:少、休:多)」と回答した学生は31.4%であった。【図8】

週休2日制(週休3日制より休みは少なく、給料は多い)と週休3日制(週休2日制より給料は少なく、休みは多い)ではどちらの勤務体系が良いか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)
【図8】週休2日制(週休3日制より休みは少なく、給料は多い)と週休3日制(週休2日制より給料は少なく、休みは多い)ではどちらの勤務体系が良いか/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)

週休2日制(週休3日制より休みは少なく、給料は多い)を選んだ理由

  • 「将来への金銭面での不安」「早く成長したい」「より良い休日のためにしっかり稼ぐ」などの声

「週休2日制(休み:少、給料:多)」を選んだ学生からは、「物価高が続くと思われている中で、ある程度の給与が見込めないと生活が厳しいため、現状では休みよりも給料を取らざるを得ない状況」や「物価の高騰や定年後の貯金が危惧される今、給料が多く貯金できる環境が重要であると考えるため」のように経済的な不安を理由とする声や、「早く成長したいからです。可能な限り早い段階でキャリアアップしてより責任の生じる仕事を任せてもらえる存在になりたい」、「まずはしっかりと仕事に時間をかけて、社会人として成長したい」のように自身の成長やスキルアップのために仕事の時間が多い方がいいという声があった。

また「可処分所得が少ないと、せっかく休みが多くてもできることに制限ができるから。たくさんの給料で休日1日あたりの質を上げられるようにしたい」や「働いていて家にいない時間が多ければ多いほど、水道光熱費の節約になるから。家にいると何かとお金がかかる」、「休日や自分磨きのためにはお金が必要であると考えている」など、休日が増える分出費も増えたり、先立つものがなければ自己投資もできず余暇も楽しめない、というコメントも見られた。【表2】

【表2】週休2日制を選んだ理由(自由回答)
属性 理由
文系女子 金銭面での不安が大きいからです。物価高が続くと思われている中で、ある程度の給与が見込めないと生活が厳しいため、現状では休みよりも給料を取らざるを得ない状況です。
理系男子 物価の高騰や定年後の貯金が危惧される今、給料が多く貯金できる環境が重要であると考えるため。
文系女子 1つは早く成長したいからです。可能な限り早い段階でキャリアアップしてより責任の生じる仕事を任せてもらえる存在になりたいからです。2つ目はより多くのお給料が欲しいからです。首都圏で働きたいと考えているので、地方勤務に比べて物価等の関係からお金は多いに越したことは無いと思うからです。
理系女子 まずはしっかりと仕事に時間をかけて,社会人として成長したいから. 結婚や出産などでライフステージが変わったら,べつの勤務体系を希望するかもしれない.
文系男子 可処分所得が少ないと、せっかく休みが多くてもできることに制限できるから。たくさんの給料で休日1日あたりの質を上げられるようにしたい。
文系男子 働いていて家にいない時間が多ければ多いほど、水道光熱費の節約になるから。家にいると何かとお金がかかる

週休3日制(週休2日制より給料は少なく、休みは多い)を選んだ理由

  • 「しっかり休むことが仕事の能率につながる」「副業やスキルアップの時間がほしい」 「人生100年時代、長く働き続けるため休みは大切」などの意見

一方「週休3日制(給料:少、休:多)」を選んだ学生からは、「お金を多く受け取れたとしても、働きすぎてストレスを感じてしまい、仕事の効率が悪くなりそうなため、給料が安くても自分の自由時間を確保した方がいい」や「休みが多いと肉体的にも精神的にも安定するので、仕事に対するモチベーションやパフォーマンスが向上すると考えるから」のように、休日の多さが仕事の効率に良い影響を与えるとするコメントがあった。

また、「休みが多い分副業や兼業がしやすそうだから。それによって、収入の低さはカバーできそうであり、自分のスキルアップの機会が週休2日制より多くなると思った」や「仕事が生活の中心にはしたくないため。プライベートや副業など、主業ではできないことをしたい」、「会社に所属をしていなくても、お金を稼ぐ方法はあるのと、時間を会社以外のところでも充実させたい」のように、副業などによって会社以外の場でも活躍の場を持ちたいというもの、資格の勉強やスキルアップへ向けた自己研鑽をしたいというものなども寄せられた。

さらに「今求められているのは『身体・心ともに健康で長く働き続けることができる環境』であると思う」や「人生100年時代といわれる中で、働く時間は年々増えていくことが予想されるため、楽しく健康であることが最も大切であると感じる」など、人生100年時代やシニア世代の就労を見据えたものなど、さまざまなコメントがあった。【表3】

【表3】週休3日制を選んだ理由(自由回答)
属性 理由
文系女子 お金を多く受け取れたとしても、働きすぎてストレスを感じてしまい、仕事の効率が悪くなりそうなため、給料が安くても自分の自由時間を確保した方がいいと考えた。また、社会人になると年休制度があると思うが、実際には使われない企業もあるとよく耳にするため、確実に休めるように、予め週休3日制がいいと考えた。
理系男子 休みが多いと肉体的にも精神的にも安定するので、仕事に対するモチベーションやパフォーマンスが向上すると考えるから。
文系男子 休みが多い分副業や兼業がしやすそうだから。それによって、収入の低さはカバーできそうであり、自分のスキルアップの機会が週休2日制より多くなると思ったから。
文系女子 会社に所属をしていなくても、お金を稼ぐ方法はあるのと、時間を会社以外のところでも充実させたい。
理系男子 休みの日には日商簿記、FPなど資格取得に向けた学習をしたいため
文系男子 人生100年時代といわれる中で、働く時間は年々増えていくことが予想されるため、楽しく健康であることが最も大切であると感じる。さらに、海外の事例を見ても自由度の高い職場の方が幸せ度が高く、経済力だけが幸せの定義ではないと感じるため。

新卒一括採用についての意見

  • 新卒一括採用という制度に関して「肯定的である」という学生が47.0%

新卒一括採用の見直しや通年採用の導入といった議論がなされるなか、新卒一括採用という制度について就活準備を行う学生としてどのように考えているかを聞いたところ、最も多かったのは「わからない・どちらともいえない」(42.1%)であったが、「肯定的である」(「肯定的である」と「どちらかといえば肯定的である」の合計)は47.0%となり、「否定的である」(「どちらかといえば否定的である」と「否定的である」の合計)は10.8%となった。【図9】

新卒一括採用という制度に対する考えとして最も近いもの/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)
【図9】新卒一括採用という制度に対する考えとして最も近いもの/マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)

肯定的な学生の意見

  • 「同期と一緒に成長できる」「採用時期を定めることで学業の時間が確保できる」などの声。

肯定的な学生からは「新卒一括採用のメリットは同時期に同期と知り合うことができ、同じタイミングで研修などを経験できることであると考える。同じタイミングでのスタートであれば、同期の間での先輩後輩などの位置関係も気にせずに接することができる」のように、同期入社の存在を理由としてあげる声や、「ある程度日程を決めないと学業が疎かになる」のように、時期を定めることで学業の時間を確保できるというものもあった。

また「欧米の学生の就職活動の話などを聞くと、日本よりもシビアだと感じるため。日本のシステムのほうが、取り残される学生が少なく、社会も安定すると感じる」のように、海外の就職活動と比較したうえで見解を述べるものもあった。【表4】

【表4】新卒一括採用という制度について「肯定的」「どちらかといえば肯定的」と答えた理由(自由回答)
属性 理由
理系男子 新卒一括採用のメリットは同時期に同期と知り合うことができ、同じタイミングで研修などを経験できることであると考える。同じタイミングでのスタートであれば、同期の間での先輩後輩などの位置関係も気にせずに接することができる。
文系女子 ある程度日程を決めないと学業が疎かになる
文系女子 欧米の学生の就職活動の話などを聞くと、日本よりもシビアだと感じるため。日本のシステムのほうが、取り残される学生が少なく、社会も安定すると感じる。
文系男子 在学中に、就職が決まることで心に余裕が生まれ、勉学に励むことができるから。
文系女子 当事者としては、大学生は新卒一括採用の恩恵をとても受けていると感じます。新卒一括採用は、まだあまり社会人基礎力のない学生を卒業後すぐに雇ってもらえることはとてもありがたいことだと感じています

「わからない・どちらともいえない」という意見

  • 「既卒で就職活動する際の不安」「活動時の社会的・経済的状況から影響を受ける」といった声

「わからない・どちらともいえない」とする学生からは、「自分たちの身としては新卒一括採用の方が嬉しいが、既卒者の中で能力の高い人がいるから」のように既卒で就職活動をする際への不安についてや、「就職氷河期など、年ごとの経済状況などに翻弄される世代が丸ごと一つ生まれたり、新卒時に就職活動がうまくいかないとその後のキャリアにまで影響がある」のように就職活動時の社会的・経済的状況から受ける影響を踏まえたコメントなどが寄せられた。【表5】

【表6】新卒一括採用という制度について「わからない・どちらともいえない」と答えた理由(自由回答)
属性 理由
文系女子 自分たちの身としては新卒一括採用の方が嬉しいが、既卒者の中で能力の高い人がいるから。
理系女子 新卒一括採用であれば、全員が同じタイミングで同じ条件で就活できるとも見ることができるが、結局は自分がその時までにどれだけ準備ができているかだから、採用の制度は関係がないと感じるから。
文系男子 就職氷河期など、年ごとの経済状況などに翻弄される世代が丸ごと一つ生まれたり、新卒時に就職活動がうまくいかないとその後のキャリアにまで影響がある、既卒者の就活が困難など、新卒一括採用制度に対する批判はよく耳にする。一方で、ジョブ型の求職活動は手に職をつけていなければさらにシビアだという話も聞く。

否定形な意見

  • 「働きたいと思える時期はひとそれぞれ」「留学や病気など個人により事情が異なる」などの声。

「否定的である」とした学生からは、「働きたい!と思える時期は人それぞれだと思うから、一括スタートでプレッシャーをかけない方がのびのび就活に取り組めると思う」のように個々人のペースを尊重してほしいというものや、「留学や病気など個人によって事情が異なる。年に一度のタイミングに合わせなければならないのは、窮屈な考えのように感じる」のように学生個々の抱える事情を加味した対応を希望するものが寄せられた。また「雇用の流動性を低くし、ブラック企業をはびこらせる重要な要因になっていると考えるから」のように、新卒での就職を特別視しすぎることの弊害を指摘するものもあった。【表6】

【表6】新卒一括採用という制度について「どちらかといえば肯定的」「否定的」と答えた理由(自由回答)
属性 理由
文系女子 働きたい!と思える時期は人それぞれだと思うから、一括スタートでプレッシャーをかけない方がのびのび就活に取り組めると思う。
理系女子 留学や病気など個人によって事情が異なる。 年に一度のタイミングに合わせなければならないのは、窮屈な考えのように感じる。
文系女子 雇用の流動性を低くし、ブラック企業をはびこらせる重要な要因になっていると考えるから。転職することを前提としたキャリアが普通になってきているのに、現状の中途・新卒比率は実情に即していないと思うから。また、就職氷河期世代を考えても、新卒一括採用では、新卒時の景気がその後の人生を左右してしまうことがあまりにも多いように思われ、かつ国が納得感のある対処法を打ち出せなかったことからも、こうした慣習を改めるべきではないか、とも思う。
理系男子 近年、生き方は多様化しているため、卒業後すぐにやりたいこと(働きたい場所)が見つかるとは限らない。そのため、自分の人生について、どのようにしていきたいかを考える時間も必要となり、自分のペースで就職活動をすることで、より多くの人が豊かな人生を送れると思うから。

調査担当者コメント

本調査では、休日と賃金の観点から、週休2日制か週休3日制どちらがいいかという質問をしましたが、物価高や貯蓄を気にするシビアな理由で、週休2日制を選択する学生が見られました。また新卒一括採用制度の是非については、学業との兼ね合いや海外との比較も交えながらメリットとデメリットを述べる学生の姿も見受けられ、社会的状況や自身の意向など踏まえて冷静に物事を捉えていることがわかります。インターンシップ参加や就活準備を通じて「主体性が増した」と感じた学生が多いという結果も出ましたが、このように物事を自分事として進んで取り組んでいく力も、就職活動に限らず今後さまざまな場面で重要になってきます。まもなく試験期間を終え春休みに入る学生も多いですが、就活準備や自身の将来についてより主体的に考え、取り組んでいってほしいと思います。


調査概要

内容 マイナビ 2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)
調査期間 2022年12月20日~12月31日
調査対象 マイナビ2024会員のうち2024年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生
調査方法 マイナビ2024会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 1,950名

 

学生の属性データ

有効回答数内訳 文系男子 文系女子 理系男子 理系女子 総計
人数 604 600 480 266

1,950

詳しくは「PDFデータをダウンロードする」をご覧ください


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