正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)

朝比奈あかり
調査担当者
キャリアリサーチLab研究員
AKARI ASAHINA
  • 正社員の4割以上が「静かな退職」をしており、前年より2.2pt増詳しくはこちら
  • 「今後も静かな退職を続けたい」人は7割超詳しくはこちら
  • 4割以上の企業が静かな退職に賛成、理由は「そういう社員も必要」など詳しくはこちら

株式会社マイナビは、全国の企業・個人を対象に実施した、「正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)」の結果を発表した。調査の詳細はページ末尾に記載している。

※「静かな退職」とは、やりがいやキャリアアップは求めずに、決められた仕事を淡々とこなすことを指す。近年のワークライフバランスを重視する動きが加速化したことによって、この働き方が注目されている

「静かな退職」とは

「静かな退職」とは、やりがいやキャリアアップは求めずに、決められた仕事を淡々とこなすことを指す。2022年にTikTokでアメリカのキャリアコーチが提唱したことをきっかけに、この考え方がアメリカを中心にトレンドになっている。静かな退職が注目されている背景については以下のコラムで詳しく解説している。

「静かな退職」の実態

「静かな退職」をしている割合

  • 正社員の4割以上が「静かな退職」をしており、前年より2.2pt増加
  • 20代・30代では約半数が実施

20~50代の正社員に「静かな退職」をしているか聞いたところ、46.7%がしていると回答しており、前年より2.2pt微増した。【図1】

【図1】「静かな退職」をしている割合/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)
【図1】「静かな退職」をしている割合/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)

年代別では、20代が50.5%で最多となり、30代(49.1%)、50代(46.7%)、40代(42.3%)と続いた。「静かな退職」をしている割合は全年代で4割を超えており、幅広い年代に存在しているようだ。【図2】

【図2】年代別「静かな退職」をしている割合/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)
【図2】年代別「静かな退職」をしている割合/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)

「静かな退職」のきっかけ

前年の調査結果※から、静かな退職をするようになったきっかけを4つのタイプに分類し、「静かな退職をしている」人に、どのタイプにあてはまるかを聞いたところ、「D 無関心タイプ(20.6%)」が最多で、「C 損得重視タイプ(18.8%)」、「B 評価不満タイプ(17.0%)」、「A 不一致タイプ(16.0%)」と続いた。【図3】

【図3】「静かな退職」のきっかけ/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)
【図3】「静かな退職」のきっかけ/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)

「静かな退職」を続けたいか

  • 全年代の7割以上が「静かな退職を今後も続けたい」
  • 「働いている間はずっと続けたい」は約3割

静かな退職をしている人に、「静かな退職を今後も続けたいか」を聞いたところ、「働いている間はずっと続けたい(28.8%)」が最多となり、「できるだけ続けたい(23.9%)」、「どちらかといえば続けたい(21.1%)」と続いた。「静かな退職を続けたい(計)」は73.7%で前年(70.4%)から微増した。

年代別では「静かな退職を続けたい(計)」割合は50代(76.7%)が最も高く、「静かな退職を続けたくない(計)」は20代(29.4%)が高い結果となった。年代別に差はみられるものの、全ての年代で「静かな退職を続けたい」割合が7割以上となっていることから、今後も「静かな退職」は働き方のひとつの選択肢として根付いていく可能性がうかがえる。【図4】

【図4】「静かな退職」を続けたい割合/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)
【図4】「静かな退職」を続けたい割合/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)

企業側の実態

異動や転勤、キャリアパス選択の実態について

  • 約4割の企業が「異動や転勤は会社の指示が強い」傾向
  • 外発的な要因で不本意な静かな退職が起こっている可能性も

企業の中途採用担当者に異動や転勤、キャリアパスの選択の実態について聞いたところ、いずれも「個人の希望(12.4%)」より「会社の指示(41.9%)」が強い傾向があることがわかった。静かな退職のきっかけの「不一致タイプ」には、こういった企業の実態が要因として影響している可能性が考えられる。

また、評価における目標設定者や、評価結果の透明性について聞いたところ、目標設定は「会社や上司の決定(33.7%)」で行われる割合が高く、さらに「評価基準や結果は公表されない(27.6%)」が「オープンで説明がある(26.8%)」よりもやや高い結果となり、評価の透明性が低い企業も一定数存在していることが示唆された。こうした実態から「評価不満タイプ」の静かな退職者が発生してしまう可能性がうかがえる。【図5】

【図5】企業側の制度の実態/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)
【図5】企業側の制度の実態/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)

企業側は「静かな退職」に賛成か

  • 企業の中途採用担当者の4割以上は「静かな退職」に賛成
  • 賛成意見は「人それぞれ」「静かな退職のように決められたことをきっちりとこなす社員も必要」など
  • 反対派は会社の将来性や個人の成長機会に関する懸念

企業の中途採用担当者に「静かな退職」に賛成か反対かを聞いたところ、「賛成(計)」は42.2%で、「反対(計)」の30.1%を12.1pt上回り、前年から3.3pt増加した。

業種別では、特に[流通・小売(56.5%)]、[運輸・交通・物流・倉庫(47.4%)]は賛成の割合が高く、一方で[商社(44.7%)]や[不動産・建設・設備・住宅関連(33.8%)]は反対の割合が高い傾向が見られた。業種全体で反対割合の方が多かったのは[商社]のみで、その他の業種は賛成割合の方が多い結果となった。【図6】

【図6】企業側は静かな退職に賛成か/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)
【図6】企業側は静かな退職に賛成か/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)

賛成理由では、「人それぞれにあった仕事をしてほしい」、「決められたことをきちっとこなせる社員も一定数いないと経営が成り立たない」といった意見がみられた。一方、反対意見では「企業としての成長や技術への適応が遅れる懸念がある」、「全体の生産性や精神面での悪い影響の伝播」など、会社や個人の将来、周囲への影響などの懸念に関する意見があがった。

個人の価値観を尊重し、「静かな退職」という働き方に理解を示す声がある一方で、長期的な視点では懸念に感じる意見もあるようだ。【図7】

【図7】静かな退職に賛成・反対である理由/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)
【図7】静かな退職に賛成・反対である理由/正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)

総評

今回の調査では、正社員の46.7%が「静かな退職」をしており、そのうち7割以上が「今後も続けたい」と回答した。企業側も一定の理解を示してはいるものの、企業や個人の将来に対する不安の声も見られた。

人にとっての「静かな退職」は、必ずしもキャリアの選択肢を狭めるものではない。副業の普及などにより「就社」意識が薄れつつある中、働くことを通じた自己実現のあり方は多様化しており、価値観に応じたさまざまな働き方が広がっている。しかし、「静かな退職」には外的な要因が影響しているケースもあり、“不本意な”形で選択している人がいることも明らかになった。

異動や評価制度など、日本型雇用を前提とした仕組みが残る中で、企業と個人の意向にズレが生じている可能性もうかがえる。こうした不本意な「静かな退職」は、個人・企業双方にとって望ましい状態とは言い難いだろう。企業は、こうしたズレを見直し、個人の価値観やライフスタイルに応じた柔軟な働き方を受け入れるとともに、自律的なキャリア形成を支える環境づくりをしていく必要があるのではないだろうか。

キャリアリサーチLab研究員 朝比奈 あかり

調査概要

内容 正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)
調査期間  個人…2025年11月18日~21日  企業…2026年1月5日~8日
調査対象

<個人向け調査>
調査方法 インターネット調査
調査対象 20~59歳の正社員の男女

<企業向け調査>
調査方法 インターネット調査
調査対象 従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人のうち、前月採用活動を行った人、今後3カ月で採用活動を行う予定の人、直近3カ月に中途入社者がいた人

調査方法 外部パネルによるインターネット調査
有効回答数

<個人調査>有効回答数  3,000件
<企業調査>有効回答数  807件

静かな退職に関する連載コラム

以下は昨年版のデータを使用しております。

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