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【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年(2023年実績)

共働き世帯の約半数は「家計が苦しい」と感じている
仕事と私生活の満足度は男性では年収900万円台、女性では年収400万円台が最も高い
~年収が高いほど、仕事と私生活の満足度が上がるわけではない~

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、現在正社員として働く20~59歳の男女3,000名を対象に、「【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年(2023年実績)」の結果を発表した。調査結果の概要(一部抜粋)は以下の通りとなっている。

調査概要

調査期間2023年11月17日(金)~11月20日(月)
調査方法インターネット調査
調査対象20~59歳の正社員の男女
有効回答数  3,000件
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります

トピックス

  • 共働き世帯の46.1%は家計が苦しいと感じている。家計が苦しい世帯年収平均は711.9万円、苦しくない世帯の平均は878.2万円となり、166.3万円の差【図1、2、3】
  • 共働き世帯において私生活と仕事の両方の満足度が最も高い男性の個人年収は「900万円台」、女性では「400万円台」だった【図4】
  • 共働き女性の管理職割合は6.8%。男性で40.6%、女性で19.8%が「今後出世したい」と回答。【図5、6、7】
  • 「家庭のために仕事を休んだり遅刻や早退をしている」割合は、未就学児のいる女性が最多で60.7%【図8】

調査詳細

家計への意識と年収

共働き正社員の46.1%が家計が苦しいと感じている
家計が苦しい人の平均世帯年収は711.9万円、苦しくない世帯の平均は878.2万円で、166.3万円の差

20~50代の正社員男女の51.6%が「家計が苦しい」と回答した。働き方別で比較すると、「家計が苦しい」と回答した割合は、「共働きでない」人で57.5%、「共働きである」人では46.1%となった。

また、共働きで、「家計が苦しい」と回答した人の平均個人年収は501.8万円、「苦しくない」と回答した人の平均個人年収は582.2万円で、80.4万円の差があった。

世帯年収については、家計が苦しい人は平均711.9万円、家計が苦しくない人の平均は878.2万円で、166.3万円の差があった。家計が苦しい人の理想の世帯年収は平均1034.4万円だった。【図1、2、3】

【図1】家計が苦しいと感じる割合/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図1】家計が苦しいと感じる割合/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図2】家計への意識別個人年収/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図2】家計への意識別個人年収/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図3】家計への意識別世帯年収/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図3】家計への意識別世帯年収/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年

仕事・私生活の満足度と年収

共働き世帯において私生活と仕事の両方の満足度が最も高い男性の個人年収は「900万円台」、女性では「400万円台」だった

年収と私生活および仕事の満足度の相関を見ると、男性は「900万円台」、女性は「400万円台」の年収を得ている人の満足度が最も高くなった。また、男性「400万円台」と女性「300万円台」では、私生活の満足度が男性「1,000万円以上」と近くなった。

私生活と仕事の満足度と個人年収の関係を調べると、年収が高ければ高いほど私生活と仕事の満足度が高まるわけではないことが分かった。ある程度まで年収が高まったあとは、キャリアの納得感や自己効力感など、ほかの要素が影響すると予想される。【図4】

【図4】仕事・私生活の満足度と個人年収の関係/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図4】仕事・私生活の満足度と個人年収の関係/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年

管理職割合と今後の出世意向

共働き女性の管理職割合は6.8%
男性で40.6%、女性で19.8%が「今後出世したい」と回答

共働きの正社員に対し、管理職の割合を聞くと男性は29.3%、女性は6.8%となり、男女で大きな差がみられた。出世意欲については、「出世したい」と回答したのは男性が40.6%、女性が19.8%となった。

「これ以上出世は望まない」と回答した割合は、男性では53.1%、女性は73.3%。理由を自由回答で聞いたところ「業務量に対して賃金が見合っていない」という意見が目立った。【図5、6、7】

【図5】役職分布/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図5】役職分布/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図6】今後の出世意向/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図6】今後の出世意向/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図7】出世意向理由/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図7】出世意向理由/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年

共働き正社員の仕事と私生活の両立

「家庭のために仕事を休んだり遅刻や早退をしているか」を性別・子どもの有無別でみると、
「あてはまる」がもっとも多かったのは、未就学児がいる女性で60.7%

「家庭のために仕事を休んだり遅刻や早退をしているか」を性別・子どもの有無別でみると、未就学児がいる女性が60.7%で最多で、男性は52.0%で半数を超えた。一方、小学生の子どもがいる場合では女性が56.6%、男性が37.2%と、男女で大きく差が開いた。

未就学児の時点では、男性育休などの制度活用が進んでいる(※)影響もあると考えられ、男女差は大幅ではない。しかし子どもが小学生になると、子の看護休暇の取得時期から外れるなど制度面の影響が生じ、差が広がっていると考えられる。【図8】
※企業による多様な働き方実現に関するレポート 2023年版

【図8】家庭のために仕事を休んだり遅刻や早退をしているか/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年
【図8】家庭のために仕事を休んだり遅刻や早退をしているか/【共働き世帯の正社員に聞いた】仕事・私生活の意識調査2024年

調査担当者コメント

今回の調査では「家計が苦しい」と感じている共働き正社員は約半数いるという結果になった。実質賃金の連続マイナスが続くなか、賃上げの重要性が感じられる。

私生活と仕事の満足度と個人年収の関係を調べると、年収が高ければ高いほど満足度が高まるわけではないことが分かった。ある程度まで年収が高まったあとは、キャリアの納得感や自己効力感など他の要素の影響が強まることが予想される。今後も調査を続け、私生活も仕事も双方充実したキャリアを築けるような支援について考えていきたい。

マイナビキャリアリサーチラボ 研究員  朝比奈 あかり

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