Z世代とは?価値観や行動の特徴、社会との関わりなどを解説

キャリアリサーチLab編集部
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キャリアリサーチLab編集部

はじめに

近年、「Z世代」という言葉が、ビジネスや教育、社会課題の議論において頻繁に登場している。1990年代後半から2010年代前半に生まれたこの世代は、デジタルネイティブとして育ち、SNSやスマートフォンを通じて世界とつながる感覚を自然に身につけている。彼らの価値観や行動様式は、従来の世代とは異なると言われており、企業活動や社会構造に新たな変化をもたらしている。

本記事では、Z世代の定義や価値観、行動様式、ニーズなど、マイナビキャリアリサーチLabの調査と合わせてさまざまな視点から解説する。単なる世代論にとどまらず、Z世代の本質を理解する一助となればと思う。

Z世代の定義と背景

生年の定義と世代区分

Z世代とは、一般的に1996年頃から2012年頃に生まれた世代を指す。ミレニアル世代(1981〜1995年頃)に続く世代として位置づけられ、アメリカのマーケティング業界を中心にこの呼称が広まった。日本でも近年、企業の採用活動やマーケティング戦略において「Z世代」という言葉が定着している。

この世代は、幼少期からスマートフォンやSNSに触れて育った「デジタルネイティブ」であり、情報へのアクセスが容易な環境で成長した。彼らは、インターネットを通じて世界中の情報や価値観に触れながら、自分自身のアイデンティティを形成してきた。

社会的背景と時代の影響

先行き不透明で将来の予測が困難な状態であるVUCAの時代

Z世代が育った時代は、先行きが不透明で将来の予測が困難なVUCAの時代と呼ばれる。上記は、2026年卒の学生生活を参考にマイナビで作成した図だが、たとえば、2008年のリーマン・ショックや2011年の東日本大震災、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大など、経済的・社会的な不安定さが彼らの価値観に影響を与えている。

また、SDGs(持続可能な開発目標)やジェンダー平等、気候変動といったグローバルな課題が教育やメディアを通じて浸透し、Z世代はこれらの問題に対して高い関心を持つ傾向がある。

デジタルネイティブとしての特徴

Z世代は、情報収集やコミュニケーションにおいてデジタルツールを自然に使いこなす。マイナビで実施した2026年卒大学生のライフスタイル調査にて、よく利用するソーシャルメディアを聞いたところ、LINEやYouTube、Instagram、X(旧Twitter)などの利用が多いことがわかる。

これらのSNSを通じて、リアルタイムで情報を共有し、他者とつながることが日常となっている。彼らにとって、オンラインとオフラインの境界はあいまいであり、常に「つながっている」状態が当たり前となっている。

このような環境で育ったZ世代は、情報の取捨選択に長けており、企業やブランドの発信内容に対しても敏感に反応する。単なる広告ではなく、企業の姿勢や社会的なメッセージに共感できるかどうかが、彼らの支持を得る鍵となるのではないだろうか。

Z世代の価値観と行動様式

自己表現と承認欲求のバランス

Z世代は、自己表現を非常に重視する。InstagramやTikTokなどのSNSを通じて、自分の考えやライフスタイルを発信し、他者からの反応を得ることが日常的な行動となっている。これは単なる承認欲求ではなく、「自分らしさ」を社会と共有する手段として機能している。

また、彼らは「いいね」やコメントといったフィードバックを通じて、自分の存在が認められていると感じる。このような感覚は、職場や学校などのリアルな場面でも求められており、フィードバック文化や心理的安全性のある環境が、Z世代の定着や活躍に直結する。

マイナビで実施したネガティブ・ケイパビリティの調査の中で、「自身の行動に対する他者からの評価・フィードバックを常に求める」という質問に対して、20代前半・20代後半の年齢層は「あてはまる(非常に+まあ)」が3割を超えており、他の年代と比べても高いことがわかる。

体験重視とサステナビリティ志向

Z世代の行動には、モノよりも「体験」を重視する傾向がある。旅行やイベント、オンラインコミュニティへの参加など、記憶に残る体験に価値を見出す。また、SDGsやサステナビリティ、エシカル消費にも関心が高く、環境に配慮した商品や社会貢献活動を行うブランドに対して好意的にみている。

ブランドの理念や社会的な取り組みを伝えることが、Z世代の共感を得るためには不可欠である。彼らは、企業の「姿勢」や「物語」に共鳴することで、支持につながる。

しかし、就職活動中の企業選びの視点からみると、「SDGsに熱心に取り組んでいる」ことより待遇面、給与面を重視しているようだ。マイナビで実施した2025年卒 学生就職モニター調査 6月の活動状況によると、企業を選ぶときに注目するポイントとして「SDGsに熱心に取り組んでいる」が最下位の結果となっている。

働き方への価値観

ワークライフバランスの重要性

Z世代は、働くことに対して「意味」を求める傾向が強い。単なる収入源としての仕事ではなく、自分の価値観や人生観に合致した仕事を選びたいと考える。また、ワークライフバランスを重視し、柔軟な働き方を希望する傾向も顕著である。

マイナビで実施した2026年卒 大学生キャリア意向調査3月の中で、ワークライフバランスについて聞いたところ、20代は「ワーク重視」が57.7%と半数を占めていたが、ワーク重視の学生に許容できる残業時間を聞いたところ、「1時間~5時間」が最多という結果になった。仮にワークを重視する学生であっても、「長時間の残業をしても良い」というわけではないようだ。

柔軟な働き方

副業やフリーランス、リモートワークなど、多様な働き方に対する理解と関心が高く、企業に対しても柔軟性を求める。

副業に関して、マイナビで実施した2026年卒 大学生キャリア意向調査10月中旬<就職後の副業・投資意欲>によると、就職後に「副業を行いたい」と回答した学生は58.8%と約6割の学生が副業を希望していることがわかる。

また、学生のリモートワークに対するイメージに関して、マイナビで実施した2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<学生のテレワーク意向>によると、「テレワークでワークライフバランスが良くなる」という質問に対して8割以上が「そう思う(80.5%)」と回答した。

一方で、安定性や福利厚生は、企業選択における重要なポイントであり、「自由」と「安心」のバランスを重視する姿勢がみられる。

企業選びの際に学生が求めていることに関して、マイナビで実施した2026年卒大学生就職意識調査によると、「安定している会社(51.9%)」が5割を超えている。また、企業に安定性を感じるポイントに関して、2026年卒 大学生キャリア意向調査3月<就活生のワークライフバランス意識>で聞いたところ「福利厚生が充実している(57.3%)」が最多となっている。

これには、将来に対する不安があるのかもしれない。マイナビで実施した2025年卒大学生活動実態調査(9月)にて、将来の不安について漠然と感じていることや考えていることについて聞いたところ、「老後の貯蓄(生活費)が足りない(39.4%)」「日本の景気が悪くなる(35.9%)」「年金がもらえないかもしれない(30.8%)」が高い結果となっている。

Z世代と企業や社会の接点

採用・人材育成におけるZ世代

企業がZ世代を採用・育成する際には、従来の画一的な制度や価値観では対応しきれない場面が増えている。Z世代は、仕事に対して「意味」や「納得感」を求める傾向が強く、単なる給与や福利厚生だけではモチベーションを維持しづらい。企業は、個人の価値観やキャリア志向に寄り添った柔軟な制度設計が求められる。

たとえば、近年ではジョブ型雇用やプロジェクトベースの働き方、キャリア自律支援などが注目されている。マイナビで実施した2026年卒 大学生キャリア意向調査7月<就職活動・進路決定>の中で、ジョブ型雇用の認知度について聞いたところ、約4割が「知っている」と回答した。

また、フィードバック文化や心理的安全性の確保も重要であり、上司や同僚との信頼関係が、Z世代の定着率やパフォーマンスに直結する。マイナビで実施したマイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査3月<就職活動・進路決定>にて、業務外での職場の人との関わり方についてどう思うかを聞いたところ、肯定的な回答率が高かったのは、「同期とは友人のように仲良くしたい(74.6%)」や「職場の人とLINEなどの連絡先を交換することに抵抗がない(66.7%)」となった。

Z世代の顕在ニーズと潜在ニーズ

自己成長と柔軟な働き方への期待

Z世代が企業や社会に対して明確に示しているニーズの一つが「自己成長の機会」である。マイナビで実施した2026年卒 大学生キャリア意向調査3月<就職活動・進路決定>にて、企業を選ぶときにあなたがもっとも注目するポイントを聞いたところ、「希望する勤務地で働ける(15.5%)」「社員の人間関係が良い(12.0%)」「給与や賞与が高い(12.0%)」といった条件面に次いで、「自分が成長できる環境がある(10.1%)」が高い結果になっている。

彼らは、自分のスキルや知識を高めることに強い関心を持ち、キャリア形成においても「成長実感」を重視する。研修制度やキャリア支援、資格取得の補助など、学び続けられる環境が整っているかどうかが、企業選びの重要な判断材料となる。

マイナビで実施した2027年卒大学生キャリア意向調査8月<インターンシップ・キャリア形成活動>にて、社会人になったとき、自身のキャリアに対して自己投資をしたいと思うかを聞いたところ、「はい(91.8%)」と高い結果となっている。

推し活人気と消費傾向

消費傾向からみると「推し活」に対するニーズが高い。マイナビで実施したマイナビ 2026年卒大学生のライフスタイル調査にて、推しがいるかと聞いたところ、「推しがいる(61.7%)」で、高い数値になっている。

また、マイナビで実施した正社員2万人に聞いた「推し活と仕事」に関する意識調査によると、推し活に使う金額は、20代は平均1万4,026円と30代に次いで高い数値となっている。

H3:安心感とつながりの再構築
一方で、潜在的なニーズとして浮かび上がるのが、精神的な安心感や人とのつながりである。SNSを通じて常に誰かとつながっているようにみえる彼らだが、実際には孤独感や不安を抱えるケースも少なくない。

マイナビで実施したマイナビ ライフキャリア実態調査 2025年版にて、私生活について孤独や孤立を感じている理由を聞いたところ、「オンラインコミュニケーションが増え対面で人と会うことが少なくなった(無くなった)ため」が10代(11.8%)、20代(10.2%)と他の年代より高い数値となっている。

情報過多の時代に育った彼らは、常に比較され、評価される環境に身を置いているため、自己肯定感を保つことが難しい場面もある。

また、マイナビで実施したマイナビ 2026年卒内定者意識調査にて、就職先決定の際に誰かの助言や意見を聞いたかを聞いたところ、「親・保護者(65.1%)」と高い数値になっており、家族とのつながりも重視していることがわかる。

企業や社会がこの潜在ニーズに応えるためには、単なる制度設計だけでなく、「居場所」としての組織文化の醸成が求められる。心理的安全性のある職場、共感を得られるコミュニケーション、個人の価値を認める風土などが、Z世代の安心感につながる。また、メンタルヘルスへの配慮や相談しやすい環境づくりも重要な要素となるだろう。

おわりに

Z世代は、単なる若者層ではなく、これからの社会や経済を先導する中心的な存在である。彼らの価値観や行動様式は、従来の枠組みとは異なり、柔軟性・多様性・共感・社会性といったキーワードで語られる。

Z世代は、働くことに意味を求め、社会課題に対しても積極的な関心を持っている。このような特徴は、企業の採用・育成・マーケティング・組織文化に大きな影響を与えており、これらの視点を踏まえることで人材の流出の防止やブランド価値の向上につなげる可能性もある。

他の世代と価値観や働き方においてギャップが存在するかもしれないが、それは対立ではなく、相互理解と補完によって乗り越えられるものである。ミレニアム世代や他の世代が持つ経験と、Z世代の柔軟性や社会性が融合することで、より強固で多様な組織が形成できるだろう。

制度や仕組みだけでなく、文化や姿勢が問われる時代において、Z世代を理解することは、企業の未来を左右する重要な要素となるのではないだろうか。

片山久也
担当者
キャリアリサーチLab編集部
HISANARI KATAYAMA

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