2022年3月度 中途採用・転職活動の定点調査
- 男女の育休に関する制度を今後積極的に環境整備していく企業は約5割、従業員数301名以上の企業では7割超。
- 子供がいる女性の6割は育児を理由に退職検討した経験あり。男女の育休・介護取得に積極的な企業への応募意欲は、若年層ほど高まる傾向。
株式会社マイナビは、全国の企業・個人を対象に実施した、「中途採用・転職活動の定点調査」の結果を発表した。調査の詳細はページ末尾に記載している。
トピックス
- 3月の企業の中途採用活動実施率は年度末で活発化、業種別の実施率では「医療・福祉・介護」が最も高く、次いで、IT・通信・インターネット」「環境・エネルギー」となった。
- 3月の正社員の転職活動実施率は前月比で増加、応募した業種は「メーカー」が最も高く、次いで「IT・通信・インターネット」、「サービス」となった。
- 企業の新規採用の難度は12月時点より微増。求職者の動きが活発になったことで、中途入社者に対する「量」への不満は減ったが「質」に不満を持つ企業が増加した。
- 転職者の勤め先に決めた理由トップは「休日や残業時間が適正」。転職後の変化上位は「年収が上がった」「労働時間が減った」。
- 男女の育休に関する制度を今後積極的に環境整備していく企業は約5割、従業員数301名以上の企業では7割超。
- 子供がいる女性の6割は育児を理由に退職検討した経験あり。男女の育休・介護休暇取得に積極的な企業への応募意欲は、若年層ほど高まる傾向。
調査詳細
中途採用活動実施率
- 3月の企業の中途採用活動実施率は年度末で活発化、業種別の実施率では「医療・福祉・介護」が最も高く、次いで、IT・通信・インターネット」「環境・エネルギー」となった。
3月の企業の中途採用活動実施率は42.1%(前月比:3.5pt増)。【図1】
業種別の実施率では、「医療・福祉・介護」が最も高く58.8%。次いで「IT・通信・インターネット」が58.0%、「環境・エネルギー」が46.9%となった。【図2】
中途採用活動を実施した理由は、「退職者・休職者の補填」が最も高く48.4%、次いで「組織の存続と強化」が41.5%となった。【図3】
転職活動実施率
- 3月の正社員の転職活動実施率は前月比で増加、応募した業種は「メーカー」が最も高く、次いで「IT・通信・インターネット」、「サービス」となった。
3月の正社員の転職活動実施率は4.7%(前月比:0.1pt増)。【図1】転職活動実施者が応募した業種は、「メーカー」が最も高く29.0%、次いで「IT・通信・インターネット」が23.4%、「サービス」が16.0%となった。【図4】
転職活動を実施した理由は、「給与を高くしたい」が最も高く58.1%、次いで「仕事内容を変えたい」が38.2%となった。【図5】
中途採用の難度
- 企業の新規採用の難度は12月時点より微増。求職者の動きが活発になったことで、中途入社者に対する「量」への不満は減ったが「質」に不満を持つ企業が増加した。
新規採用が「難しい」と感じた企業は93.0%と、12月比で0.7pt増加した。【図6】
入社した中途社員に対する満足度で「質・量ともに満足」は19.5%と12月比で7.8pt増加した。「質不満計」(=質的に不満だが、量的には満足+質・量ともに不満)は56.7%と12月比で8.4pt増加、年度末で求職者の動きが活発化したことにより量は確保できたが、質の面で難度が上がったようだ。【図7】
採用した人材で最も高かったのが「現場で即戦力となってくれる人材」で69.5%、次いで「若手人材層(20-30代)」で45.9%となった。採用した人材のうち、最も満足度が高い人材トップも「現場で即戦力となってくれる人材」で45.5%となった。【図8】
転職先の決定理由と転職後の変化
- 転職者の勤め先に決めた理由トップは「休日や残業時間が適正」。
- 転職後の変化上位は「年収が上がった」「労働時間が減った」。
現在の勤め先に決めた理由は「休日や残業時間が適正、生活にゆとりができる」が最も高く10.6%、次いで「給与が良い」が9.7%となった。【図9】
転職後の変化としてあてはまるものは、「年収が上がった」が28.3%と最も高く、次いで「労働時間が減少した」が26.5%、「人間関係が良くなった」が19.8%となった。「転職に満足している」は18.7%と、「満足していない」の6.7%を上回っており、全体的に転職で状況が好転したと感じている人が多い様子がうかがえる。【図10】
育児休業への企業の取り組み状況
- 男女の育休に関する制度を今後積極的に環境整備していく企業は約5割。従業員数301名以上の企業では7割超。
4月より改正「育児・介護休業法」の施行が始まったが、企業に現在実施している育児休業取得のための環境整備の内容を聞いたところ、「育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施」が最も高く40.5%となった。実施の有無は従業員規模により大きく差が見られ、従業員数301名以上の企業では約9割が何らかの環境整備を実施している。【図11】
男女の育休に関する制度を今後積極的に環境整備していく予定の企業は52.7%、介護休暇/休業取得に関する制度は48.2%となった。いずれの制度も従業員数301名以上の企業では約7割が積極的に実施予定としている。【図12】
育児休業と退職・応募意欲の関係
- 子供がいる女性の6割は育児を理由に退職した経験あり。
- 男女の育休・介護休暇取得に積極的な企業への応募意欲は、若年層ほど高まる傾向。
育児を理由に退職検討したことがある割合は全体では17.1%、子供がいる女性では6割以上となった。【図13】
介護を理由に退職検討したことがある割合は全体では18.2%、要介護者がいる人では男女ともに約6割となった。【図14】
男女の育休・介護休暇取得に積極的な企業へ応募意欲が高まる割合は74.7%。子供や要介護者の有無に関わらず高めの傾向、特に若年層ほど高くなる結果となった。【図15】
調査概要
内容 | 中途採用・転職活動の定点調査(2022年2月) |
---|---|
調査期間 | <企業調査>:2022年4月5日 <個人調査>:2022年4月5日~6日 |
調査対象 | <企業調査> ・スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人 ・本調査:上記のうち、前月採用活動を行った人、今後3か月で採用活動を行う予定の人、直近3か月に中途入社者がいた人 <個人調査> ・スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20-50代の正社員 ・本調査:上記のうち、前月転職活動を行った人、今後3か月で転職活動を行う予定の人、直近3か月に中途入社した人 |
調査方法 | 外部パネルによるインターネット調査 |
有効回答数 | <企業調査> スクリーニング調査:2,327名 本調査:850名 <個人調査> スクリーニング調査:19,922名 本調査:1,319名 |
レポート内目次
【TOPICS】
・企業・正社員の動向概要
【企業調査】
・中途採用活動を行った企業の動向
・今後3か月以内に中途採用活動を行う企業の動向
・中途採用活動を行わず、今後も予定のない企業の動向
・中途入社者がいた企業の動向
【個人調査】
・転職活動を行った正社員の動向
・今後3か月以内に転職活動を行う正社員の動向
・転職活動を行わず、今後も予定のない正社員の動向
・中途入社した正社員の動向
詳しくはPDFデータをご覧ください