仕事と育児を両立するために求められている制度や職場環境とは【マイナビ社員に聞いた】

キャリアリサーチLab編集部
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キャリアリサーチLab編集部

企業の子育て支援に注目したシリーズ第4弾。前回前々回は子育て支援に力を入れている企業にインタビューを行った。今回は実際に子育てをしながら働いている従業員目線の話を伺うべく、弊社マイナビで働く子育て中の社員にリアルな声を聞いた。

マイナビに勤務する社員の産後・育休取得後の復帰率は89.81%(2023年10月1日~2024年9月30日実績)となっており、育児をしながら働いているママパパ社員も多い。テレワークや時短勤務、時差出勤、子の看護等休暇など、仕事と育児の両立を支援する制度や環境を整えており、時短勤務や時差出勤を子が小学校4年の始期を迎えるまで利用できるなど、なかには法定基準を上回る制度もある。

では、仕事と育児の両立に励む社員たちは、実際にどのように制度を活用し、どんな働き方を実践しているのか。職場のサポートや育児への理解をどう感じているのだろうか。その実態を探るべく、部署や役職、子の年齢がさまざまな社員5名に集まってもらい、ざっくばらんに話してもらった。

  • Aさん(法務/課長/0~2歳・1児のパパ)
  • Bさん(マーケティング/一般社員/0~2歳・1児のママ)
  • Cさん(事業推進/一般社員/0~2歳・1児のパパ)
  • Dさん(企画/一般社員/小学校低学年・1児のママ)
  • Eさん(事業開発/課長/3~6歳、小学校中学年、中学生以上・3児のママ)
座談会に参加した5人のイメージイラスト/マイナビ作成

社員が仕事と育児を両立しやすいと感じるポイントは?

時差出勤制度を柔軟に活用し、保育園の送り迎えに対応

Aさん:保育園の送り迎えの時間に応じて時差勤務を柔軟に活用できることです。
私たち夫婦は日によって送り迎えを分担しています。

たとえば、私が朝の送りを担当するとき。うちの子の朝は早く、5時には目を覚ますため、7時には保育園に預けることができます。しかし、定時勤務では9時15分始業のため、勤務まで2時間以上の“空き”が生じてしまいます。

そこで、時差出勤制度を活用して7時半出勤もしくは8時勤務に切り替え、早く仕事を始めて早く切り上げるようにしています。定時に合わせるのではなく、柔軟に勤務時間をスライドできるので、時間の無駄がなく助かっています

Dさん:私も時差出勤を有効的に活用しています。今小学校1年生の娘を保育園に預けていた間は、8時半~17時の勤務にし、できるだけ早めに保育園へ迎えに行くようにしていました。逆に朝の出勤が早くなってしまうので、送りは夫に任せるというかたちで分担していました。

小学校に入学後は、長い放課後を持て余さないよう、さらに出勤時間を早め、8時から16時半の勤務を基本としています。午後休みを取って娘と過ごしたいときには、その日だけ定時に出社し、半日休暇を取得したりということもあって、上司の理解があるため、こうした柔軟な働き方を実践できています。 

Bさん:私の場合、夫が早朝から深夜まで仕事で家を空けるので、育児・家事はほぼ私のワンオペ状態。毎日時間が目まぐるしく過ぎ去るのですが、時差出勤で8時半~17時の出勤にして、保育園の送り迎えに対応しています。

Eさん:皆さん、制度をうまく活用していますね。振り返ってみると、私が1人目を出産した13年前には、あまり前例がなかったため産休育休に関して相談できる相手を探すのにも苦労しました。

2人目の妊娠中には随分と風向きが変わり、上司や同僚が協力的にサポートしてくれました。
そして3人目を授かったときには、隔世の念を抱いたほど、制度面が大幅に拡充されました。しかも、管理職に妊娠・産休・育休・復職への対応に関するマニュアルが行き渡り、上司が制度の活用を後押ししてくれたので、ストレスフリーで産休・育休に入ることができました。 

「小1の壁」に直面し、休暇制度やテレワークを活用

Dさん:娘が小1の今、まさに壁に直面し、どう乗り越えたらいいのか模索しているところです。1学期中は何とか乗り切ったのですが、夏休みに入ると朝から学童に送り、昼食の弁当もつくって持たせないといけないため、朝が本当に慌ただしくなりました。

子どもにとってはせっかくの夏休みに毎日学童に預けることに対して、親として罪悪感にもさいなまれます。そうした思いもあって、時間休や半日休暇、テレワークなどを有効に活用しながら、できるだけ子どもと一緒に過ごす時間をつくるようにしています

Eさん:私も小1の壁を3回経験したので、大変さがわかります。学年にかかわらず、小学校では台風や大雨の際に登校時間を遅くしたり、下校時間を早めたりするので、出社が基本だった当時は対応に困り、子どもを半ば追い立てるように登校させてしまったこともあります。

親として反省するばかりですが、今は在宅勤務に柔軟に切り替えられるので、随分と助かっています。

職場の仲間がサポートしてくれるので、制度も使いやすい

Cさん:そう思います。私の職場には時短勤務や時差勤務を活用しているママパパ社員が多く、産休・育休を取得中の社員も3名います。私もまもなく2人目の子が生まれる予定で、3カ月間の育休を取得しようと考えています。

そうした環境ということもあって、職場には子育てに対する理解が浸透しています。子どもが急に発熱し、保育園から「迎えに来てください」と急に呼び出されることも、ママパパ社員にとってはよくある話。皆さんが経験してきたことなので、嫌な顔一つせず「早く付き添ってあげな」と快く送り出してくれます。

Bさん:私の職場にもママパパ社員が多く、子育ての大変さを共有しあっているので、時差出勤も気兼ねなく活用できています。


Aさん:私が心強いと思うのは、職場に柔軟性があることです。子どもの看病のために急に休むとき、急ぎの仕事を代行してもらうだけでなく、私がやるべき仕事については後日、しっかりと取り組めるように時間を設けてくれます

上司の的確なマネジメントによってそうしたメリハリの利いた対応をしてくれるので、周囲に対して「申し訳ない」という気持ちが減り、気兼ねなく休みを取ることができています。

Eさん:産休・育休からの復職を3度経験してきた私から見て、マイナビは本当に仕事と育児を両立しやすい会社になったと思います。

子育て世代が要職に就き、自身の経験を活かしながら、現場の声を拾い、制度を整えてくれたこと、そして、皆さんがいうように、職場に子育て中の上司や同僚が増え、子育てに対する理解が浸透したからだと思います。

育児と両立しながら長く働きたいと思える職場とは 

座談会の様子のイラスト/マイナビ作成

男性の育休取得が安心感を生み、働きがいも向上

Aさん:はい、そう思います。時差出勤とテレワークを組み合わせることで時間を柔軟に活用できるので、小学校に入学しても仕事と育児を両立できると感じています。


Cさん:テレワークは子育て中の身には本当にありがたいですね。私の場合、出社日の保育園への迎えは妻に任せていますが、在宅勤務の日には私が迎えに行き、夕食の準備やお風呂、寝かしつけもすべて行っています。テレワークのおかげで現在3歳の子どもの成長に寄り添う時間が増え、妻も喜んでいます。

Dさん:私も時差出勤やテレワークを実践できる点がとても気に入っています。加えて、有給休暇を時間単位で取得できることもありがたいです。

子どもが幼稚園に通い始めてからは、保育園とは違って月1、2回のペースで平日に親参加のイベントが組まれ、正直これは大変だと思いました。でも、マイナビでは時間休の取得が可能なので、イベントに参加する時間だけ休みを取得し、帰宅後にテレワークで仕事を再開するなど、うまくやりくりして乗り切ることができました。小学校に入学した今も、これから先も、柔軟に利用し続けたいと思っています。

それから、育休を取得する男性社員が増え、仕事と育児の両立を大切にする風土が性別にかかわらず育まれていることにも、今後働き続ける上で安心感を覚えています。

Eさん:私も男性の育休取得が進んでいるのはとてもいいことだと思います。出産時の女性の心身の負担は想像以上に大きく、出産後も子の首がすわるまでの約3カ月間は気を抜けなくて大変です。

そうした日々が続き、精神状態が追い込まれているとき、夫が一緒に子育てに励んでくれると、気持ちが和らぐと思います。

育休中には子育ての大変さをリアルに実感できるため、育休から復帰後には、子育て中の同僚へのサポートの仕方や言葉のかけ方も変わってくるはずです。私が接してきた上司や同僚がそうでした。

また、男性も女性のように育休を取って子どもに寄り添いたいという気持ちがあった人も多いのではと思います。そういう面では、男性の育児休暇取得を推進することで、男女がより平等になったといえます。

Cさん:私はまもなく育休に入りますが、上司が業務の引き継ぎや取得のタイミングを考慮してくれて、休みやすい状況をつくってくれています。第一子の出産前後に妻の負担の大きさを痛感しましたので、育休を有効に活用してしっかりと妻を支えたいと思っています。

テレワークや有給休暇の取りやすさ、さらには育休取得と、マイナビは育児支援が手厚いので、妻も「いい会社だね」といってくれています。そうした会社で働いていることに自分自身も誇りを抱き、働きがいを感じることができています

今後に向けた課題は、リモートワークの利用拡充

Bさん:私もずっとマイナビで働きたいと思っています。その理由の一つは、時短勤務の適用が広いことです。法定では3歳未満の子に対して適用が義務づけられていますが、マイナビでは小学生4年生まで時短勤務を行うことが可能です。

私の子どもはまだ1歳半ですが、これから幼稚園、小学校と進級することを考えると、時短勤務を続けられることに安心感を覚えています

もう一つ、ワンオペ状態の私にとって、リモートワークによって通勤にかかっていた時間を育児・家事に充てられるのは大きなメリットです。出社日はやることに追われ、ずっと慌ただしく過ごしているのですが、テレワークの日にはゆっくりと子どもと一緒にごはんを食べられ、食後も楽しく遊んでいます。

ただ、現在、リモートワークができるのは労働日数の50%に限られているので、週2、3回の利用が限度。リモートワークの割合をもう少し引き上げてくれると、もっと子どもと一緒に過ごす時間ができてうれしいです。

Eさん:リモートワークの利用拡大は、私も希望しています。職場のコミュニケーションや勤怠管理などを考えて50%を上限にしていると思いますが、子育て中の身としては厳しいなというのが率直な意見です。

特に学校の夏休みや冬休み、春休みの時期は、育児に費やす時間が増えるので、週2、3回のリモートワークだけで乗り切るのは大変です。また、私は妊娠中のつわりがひどくて、特に3人目妊娠中は2人を育てながらつわりに悩まされ、出社するのが本当につらかった。そうした経験をしなくて済むように、フルリモートは難しいとしても、80%くらいまで在宅でできるとより仕事と育児の両立がしやすいのではと思います

もう一つ、時短勤務を小学校卒業まで利用できるようになるといいなと思います。上の子が小学校高学年に進級したとき、私としては手がかからなくなったと思い込んでいました。しかし、子どもはとても多感で、まだまだ親に頼りたい時期。

相談したいことがあっても、私は仕事中心でそばにいる時間が少なく、頼れないもどかしさがあったと思います。そうした微妙な心境に気づいてあげられなかった反省もあって、希望すれば小学校卒業まで寄り添えるように、時短勤務の拡充がされるとさらに働きやすくなると思います。

仕事と育児を両立するために工夫していること

職場、家庭、地域…周囲を頼ることで、気持ちもラクになる

Aさん:限られた時間に仕事を終え、育児に切り替えられるよう、業務に優先順位をつけることを意識しています。誰かにお願いしたり、力を借りたりする必要がある仕事から先に手配を済ませ、その上で自分の仕事に取りかかるという感じです。

Cさん:私も業務上の工夫として、1人だけで抱え込まないように意識しています。できるだけ2人1組で業務を進め、日頃からコミュニケーションを取りあっているので、子どもの急病等で急に休みに入った際も、お互いにスムーズにフォローしあえるようにしています。

Dさん:私も急な早退や休みの取得をせざるを得ない状況に備え、自分の仕事をオープンにするようにしています。たとえば、自分の担当業務についてマニュアルをつくり、周りにすぐに頼める状態をつくっています。また、私は多拠点の人たちとチャットでやりとりすることが多いのですが、そのすべてを上司も閲覧できるようにし、進捗を共有しています。

家庭内では、夫と家事を分担し、負担が一方に偏らないようにしています。料理は夫に任せているのですが、ミールキットの宅配サービスを利用し始めてから料理の負担が大幅に軽減され、しかもおいしく、食生活を充実できています。そのおかげで、家事・育児全体がうまく回り始めた感覚があります。

Bさん:私の場合、育児・家事の外注サービスを活用しています。自治体の支援を活用してシッターさんに来ていただき、自分の時間をつくってリフレッシュしています。また、家事代行サービスを2週間に1回利用し、プロの手で家中をキレイに掃除していただくことで、気持ちをスッキリさせています。

仕事の面で意識しているのは、オンオフの切り替えです。育休から復職した当初は、「頑張らなきゃ」という気持ちが強く、仕事を抱え込み、退勤後もチャットを見たり、仕事のことを考えたりしていました。そうすると疲弊する一方で、子どもと心から向き合えない日々が続きました。そこで、上司に相談して業務量を調整し、退勤後や休日には一切仕事に触れないように徹底しています。それ以来、気持ちが軽くなりました。

Eさん:私が実践しているのは、「ママ友を頼る」ということです。長男は保育園で流行った病気のほとんどをもらい、私はそのたびに看病で仕事を休むということを繰り返していました。この状態が続くと仕事に支障が出てしまいます。そこで、頼れる仲間を増やそうと考え、保育園で出会ったママ友同士で助け合うためのコミュニティをつくりました。

急に迎えが必要になった際、ママ友にお願いすると快く引き受けてくれます。仕事で疲れ切った金曜の夜には、ママ友の祖父母の家に息子を預け、食事をごちそうになったことも。逆に私の自宅に息子の友達が集まり、学童のような状態になることもあります。

そうやってお互いに支えあい、「頼ることは恥ずかしいことじゃない」と考えられるようになってから、随分と気持ちがラクになりました。

仕事と育児の両立には、柔軟な働き方と職場の理解が重要

本座談会を行うにあたり、事前に子育て中の社員にアンケートを行ったところ、テレワークや時差出勤といった柔軟な働き方を実現できる制度や、子の看護等休暇や時間休といったお休みを取りやすい制度を利用して仕事と育児の両立をしている社員が多かった。また、上司や同僚など職場の理解があるからこそ気兼ねなく制度を利用して働けているという声も多かった。

本座談会の内容からもわかるように、従業員が子育てしやすい環境を企業がつくるには、柔軟な働き方ができる制度を整えること、また子育て中の社員もそうでない社員もお互いが助け合い理解し合えるような風土をつくることが求められている

また、マイナビの例を提示したのは従業員規模の大きな企業の例を提示したかったわけではない。今回の話のなかで出てきたように、制度を導入・充実はできたとしても、それを受け入れる社内の共通認識をアップデートしていくには一定の時間がかかる。

マイナビにおいても一定期間を経て徐々に社内の共通認識が変化し、現在に至っている。その変化を促すには、トップの決断と不断の努力が必要になるのではないだろうか。まずは社員と協力しながら、社内に制度が定着するよう、一歩ずつ変革していくことが大事であろう。

矢部栞
担当者
キャリアリサーチLab編集部
SHIORI YABE

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