マイナビ キャリアリサーチLab

2023年6月度 中途採用・転職活動の定点調査

  • 30代以上の未経験ITエンジニアでも採用する可能性がある企業は52.3%と半数越え

株式会社マイナビは、全国の企業・個人を対象に実施した、「中途採用・転職活動の定点調査」の結果を発表した。調査の詳細はページ末尾に記載している。

トピックス

  • 中途採用活動実施率は42.7%で前年同月比+4.4ptと増加。実施理由は「経営状態の好転・既存事業の拡大(35.4%)」が前年同月比+6.2pt。
  • 現在勤めている企業が社員を評価する際に何を重視しているかでは、20代では「本人の年齢や勤続年数」が52.3%で最多。一方50代では「本人が持っている能力」が37.2%で最多。
  • ITエンジニアを募集予定の企業の未経験者採用について31歳以上でも採用可能性がある企業は52.3%と半数以上。

調査詳細

6月の中途採用活動状況

  • 中途採用活動実施率は42.7%で前年同月比+4.4ptと増加。実施理由は「経営状態の好転・既存事業の拡大(35.4%)」が前年同月比+6.2pt。

23年6月に中途採用活動を実施した企業は全体で42.7%と前年同月比+4.4ptと増加した。従業員規模別に見ると、「50名以下(27.6%)」で前年同月比+2.0pt、「51~300名以下(48.0%)」で前年同月比+7.8pt、「301名以上(54.7%)」で前年同月比+4.5ptとなった。【図1】

【図1】6月に企業が中途採用活動を行った割合 / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図1】6月に企業が中途採用活動を行った割合 / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)

中途採用の実施理由は、「退職者・休職者(産休・育休含む)の補填(45.2%)」が最も高く、「年齢など人員構成の適正化(42.9%)」、「組織の存続と強化(活性化)(41.7%)」と続いた。前年同月比では「経営状態の好転・既存事業の拡大(35.4%)」が+6.2ptとなり、企業の良好な経営状況が積極的な採用活動に結びついていることがうかがえた。【図2】

【図2】企業が中途採用活動を行った理由 / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図2】企業が中途採用活動を行った理由 / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)

現在の勤務先の評価基準

  • 現在勤めている企業が社員を評価する際に何を重視しているかでは、20代では「本人の年齢や勤続年数」が52.3%で最多。一方50代では「本人が持っている能力」が37.2%で最多。

今後3カ月間で転職活動を行う予定の人に、現在勤めている企業が給与や賞与を決定する際に重視していると思うものを聞いたところ、「本人の年齢や勤続年数(36.6%)」が最も多く、次いで「本人が持っている能力(31.6%)」となった。年代別にみると、「本人の年齢や勤続年数」が20代で52.3%、30代でも36.1%と若年層で高くなった。一方「本人が持っている能力」は40代で35.1%、50代でも37.2%と最多になり、年代によって異なる結果となった。【図3】

【図3】現在勤めている企業が給与や賞与の評価の際に重視していると思うもの / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図3】現在勤めている企業が給与や賞与の評価の際に重視していると思うもの / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)

また、転職先の企業に評価の際に重視していて欲しい要素を聞くと、「本人が持っている能力」が最も高く45.0%、「本人が目標達成に向けて行った、行動・プロセス」が20.9%で続いた。

年代別でも「本人が持っている能力」が全年齢で最多となり、特に40代では51.1%、50代で53.0%と、年齢が上がるにつれて割合が高くなった。20代、30代の若年層では、転職先企業に対して、現在の評価要素の年齢や勤続年数とは異なる、スキルや能力で評価をして欲しいと感じていると考えられる。【図4】

【図4】転職先の企業に給与や賞与の評価の際に重視していて欲しいもの / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図4】転職先の企業に給与や賞与の評価の際に重視していて欲しいもの / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)

ITエンジニア希望者の状況

  • ITエンジニアの求人に応募したい人で現職がITエンジニアではない人は37.1%

ITエンジニアの求人に応募したい人の中で、現職がITエンジニアでない人は37.1%。ITエンジニアではない人に開発経験の有無を聞くと、仕事あるいはプライベートで経験がある人は51.1%と半数を超えた。また開発経験は無いが学習経験がある人は3割ほどで、開発も学習も全くしていない人は約2割だった。【図5】

【図5】ITエンジニア職への応募意向者(n=148)の内訳 / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図5】ITエンジニア職への応募意向者(n=148)の内訳 /
マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図6】ITエンジニア職への応募希望者のうち開発・学習経験(n=55)の有無 / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図6】ITエンジニア職への応募希望者のうち開発・学習経験(n=55)の有無 /
マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
  • ITエンジニアを募集予定の企業の未経験者採用について31歳以上でも採用可能性がある企業は52.3%と半数以上

今後3カ月以内に「ITエンジニア」を募集予定の企業に対して、応募者が開発未経験の際、採用の可能性があるかを聞いたところ、31歳以上でも採用の可能性がある企業は52.3%と半数以上であった。【図6、7】

【図7】応募者が開発未経験の場合、何歳までなら採用の可能性があるか / マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図7】応募者が開発未経験の場合、何歳までなら採用の可能性があるか /
マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)

グローバル採用について

  • グローバル採用※を実施している企業は36.4%、従業員数301名以上では半数
    ※正社員(特定技能含む)・国内勤務のグローバル採用に限る。

グローバル採用の積極性は、全体では昨年と比較して「積極的になった」が36.4%。従業員規模が大きくなるにつれて積極性は増していき、301名以上の大企業では「積極的になった」が50.0%となった【図8】

【図8】昨年と比較したグローバル採用の積極性/ マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図8】昨年と比較したグローバル採用の積極性/
マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)

転職活動をする際に企業がグローバル採用に取り組んでいることは「応募/入社意欲が非常に高まる」は44.6%となった。【図5】グローバル採用実施企業の「応募/入社意欲が上がる」理由についてあてはまるものを聞くと、「給与水準が高い印象があるから」が48.2%と最も高く、次いで「能力の高い社員が多い印象があるから」37.6%、「グローバル系企業の働き方(ワークライフバランスなど)に興味があるから」36.5%という順番だった。【図6】

【図9】企業がグローバル採用を実施していることは応募/入社意欲にどのように影響するか/ マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図9】企業がグローバル採用を実施していることは応募/入社意欲にどのように影響するか/
マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
【図10】グローバル採用実施企業の「応募/入社意欲が上がる」を選んだ理由/マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)
 【図10】グローバル採用実施企業の「応募/入社意欲が上がる」を選んだ理由/
マイナビ中途採用・転職活動定点調査(2023年6月)

調査概要

内容 中途採用・転職活動の定点調査
調査期間 <企業調査>:2023年7月3日~6日
<個人調査>:2023年7月3日~6日
調査対象  <企業調査>
・スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人
・本調査:上記のうち、前月採用活動を行った人、今後3か月で採用活動を行う予定の人
<個人調査>
・スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20-50代の正社員
・本調査:上記のうち、前月転職活動を行った人、今後3か月で転職活動を行う予定の人(3か月以内に中途入社した人を除く)
調査方法 外部パネルによるインターネット調査
有効回答数 <企業調査>
スクリーニング調査:2,417名 本調査:854名
<個人調査>
スクリーニング調査:28,312名 本調査:1,370名

レポート内目次

【TOPICS】
・企業・正社員の動向概要
【企業調査】
・中途採用活動を行った企業の動向
・今後3か月以内に中途採用活動を行う企業の動向
・中途採用活動を行わず、今後も予定のない企業の動向
・中途入社者がいた企業の動向
【個人調査】
・転職活動を行った正社員の動向
・今後3か月以内に転職活動を行う正社員の動向
・転職活動を行わず、今後も予定のない正社員の動向
・中途入社した正社員の動向

詳しくはPDFデータをご覧ください

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