マイナビ キャリアリサーチLab

2023年3月度 中途採用・転職活動の定点調査

  • 企業の正社員不足感は全体で58.2%と過半数を超える。
  • 求職者の33.1%が年収交渉を実施。そのうち交渉したことで年収アップした人は90.3%

株式会社マイナビは、全国の企業・個人を対象に実施した、「中途採用・転職活動の定点調査」の結果を発表した。調査の詳細はページ末尾に記載している。

TOPICS

  • 中途採用活動実施率は43.5%で前年同月比+1.4ptと微増。大企業の実施率は微減し、既存社員の労働や非正規社員の採用で労働力・人員を補填する割合が増加
  • 企業の正社員不足感は全体で58.2%と半数を超える結果に。特に運輸・交通・物流・倉庫(70.9%)では人材不足がうかがえ、応募者集めが課題
  • 直近3カ月以内の中途入社者で、企業と年収交渉を行った人の割合は33.1%。そのうち交渉し、企業が提示していた金額よりも年収が上がったと答えた人は90.3%
  • 年収交渉があった場合、年収を上げる余地があると回答した企業は半数超え。一方で、「選考通過が難しくなる」と答えた企業は約7割

調査詳細

3月の中途採用活動実施率

  • 中途採用活動実施率は43.5%で前年同月比+1.4ptと微増。大企業の実施率は微減し、既存社員の労働や非正規社員の採用で労働力・人員を補填する割合が増加

23年3月に中途採用活動を実施した企業は全体で43.5%と前年同月比+1.4ptの微増となった。従業員規模別に見ると、「50名以下(29.8%)」で前年同月比+2.4pt、「51~300名以下(50.8%)」では前年同月比+5.0pt、「301名以上(53.6%)」の大企業では前年同月比-1.9ptとなった。【図1】

【図1】企業の3月に中途採用活動をした割合/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図1】企業の3月に中途採用活動をした割合/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査

中途採用を行わなかった大企業に対してその理由を聞いたところ、「アルバイトや派遣社員など非正社員の採用で代替したため(16.6%、前年比+4.0pt)」、「既存社員の労働力で補ったため(36.9%、前年比+2.4pt)」の項目で前年比での増加幅が大きかった。【図2】

【図2】従業員数301名以上の企業の中途採用を行わなかった理由/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図2】従業員数301名以上の企業の中途採用を行わなかった理由/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査

正社員不足感

  • 企業の正社員不足感は全体で58.2%と半数を超える結果に。特に運輸・交通・物流・倉庫(70.9%)では人材不足がうかがえ、応募者集めが課題。

正社員の過不足感について、不足していると感じている企業は58.2%と半数を超えた。業界別では「運輸・交通・物流・倉庫」が70.9%で最も不足を感じている結果となった。【図3】

【図3】業界別の正社員全体の過不足感/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図3】業界別の正社員全体の過不足感/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査

「運輸・交通・物流・倉庫」業界の企業に対して募集に関する悩みを聞くと、「応募が集まらない」が全体平均比+10.7pt の57.1%で最多。迫る“2024年問題”への対策として、求職者への認知や関心を高める方法の模索や給与・休日水準の底上げなど、抜本的な改善が業界全体として期待される。【図4】

※)2024年問題:2024年4月以降からドライバーの年間時間外労働の上限が960時間に制限され、それに伴って発生が予想されるドライバー不足の問題を指す

【図4】前月採用活動を実施した企業の採用に関する悩み/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図4】前月採用活動を実施した企業の採用に関する悩み/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査

中途入社者の年収交渉と年収アップの状況

  • 直近3カ月以内の中途入社者で、企業と年収交渉を行った人の割合は33.1%。そのうち交渉し、企業が提示していた金額よりも年収が上がったと答えた人は90.3%。

直近3カ月以内の中途入社者で、企業と年収の交渉を行った人は33.1%で、そのうち交渉し、企業が提示していた金額よりも年収が上がった人は90.3%だった。【図5、6】

【図5】直近3カ月中途入社者(n=320)の年収交渉実施率/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図5】直近3カ月中途入社者(n=320)の年収交渉実施率/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図6】交渉実施者(n=106)の交渉結果と転職後平均年収の増減率/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図6】交渉実施者(n=106)の交渉結果と転職後平均年収の増減率/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査

役職別で見ると、「直近3カ月以内で中途入社した部長クラス」の割合は7.5%なのに対し、「交渉した金額以上の年収額になった部長クラス」の割合は20.8%となり、部長クラスで構成比が大きく上昇した。【図7】

【図7】交渉実施者の役職構成/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図7】交渉実施者の役職構成/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査

年収交渉と選考への影響

  • 年収交渉があった場合、年収を上げる余地があると回答した企業は半数超え。一方で、「選考通過が難しくなる」と答えた企業は約7割。

また、直近3カ月以内に中途入社者がいた企業のうち、年収交渉があった場合に年収を上げる余地があったと回答した企業は54.8%と半数を超えた。【図8】

【図8】直近3カ月以内に中途入社者がいた企業(n=568)のうち
年収を上げる余地はあったか/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図8】直近3カ月以内に中途入社者がいた企業(n=568)のうち
年収を上げる余地はあったか/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査

一方で、もしも求職者から年収交渉があった場合、選考への影響があるかを聞いたところ、「選考の通過が難しくなる」「選考の通過がやや難しくなる」と答えた割合の合計は68.8%だった。【図9】

【図9】年収を上げる余地があった企業(n=311)の選考への影響/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査
【図9】年収を上げる余地があった企業(n=311)の選考への影響/マイナビ 2023年3月度 中途採用・転職活動定点調査

調査概要

内容 中途採用・転職活動の定点調査
調査期間 <企業調査>:2023年4月4日~7日
<個人調査>:2023年4月4日~7日
調査対象  <企業調査>
・スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人
・本調査:上記のうち、前月採用活動を行った人、今後3か月で採用活動を行う予定の人、直近3カ月に中途入社者がいた人
<個人調査>
・スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20-50代の正社員
・本調査:上記のうち、前月転職活動を行った人、今後3か月で転職活動を行う予定の人、直近3か月以内に中途入社した人
調査方法 外部パネルによるインターネット調査
有効回答数 <企業調査>
スクリーニング調査:2,277名 本調査:862名
<個人調査>
スクリーニング調査:23,472名 本調査:1,372名

レポート内目次

【TOPICS】
・企業・正社員の動向概要
【企業調査】
・中途採用活動を行った企業の動向
・今後3か月以内に中途採用活動を行う企業の動向
・中途採用活動を行わず、今後も予定のない企業の動向
・中途入社者がいた企業の動向
【個人調査】
・転職活動を行った正社員の動向
・今後3か月以内に転職活動を行う正社員の動向
・転職活動を行わず、今後も予定のない正社員の動向
・中途入社した正社員の動向

詳しくはPDFデータをご覧ください

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