- 派遣社員の約7割が「派遣社員として働くこと」に満足
- AIによって、仕事が減少する不安を感じている派遣社員は約3人に1人
- 一方で、不安を感じつつもリスキリングを行う割合は2割に留まる
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、派遣社員として勤務する20〜59歳の男女を対象に実施した、「派遣社員の意識・就労実態調査(2025年版)」の結果を発表しました。なお、本調査は2019年から実施し、今回で7回目となります。調査結果の概要(一部抜粋)は以下の通りです。(有効回答数:1,400名)
トピックス
- 派遣社員の約7割が「派遣社員として働くこと」に満足と回答。理由は「有給休暇や休日が取得しやすい」「業務の責任が重くないから」
- 約4人に1人の派遣社員は前職の雇用形態が「正社員」。派遣社員を選んだ理由は、時間的・精神的余裕を得るため
- 今後、正社員を希望する割合は29.9%で、前年から3.3pt増加。背景には「賞与」「賃金」など報酬と雇用の安定性を希望する声も
- AIの進化により、仕事が減少することに不安を感じている割合は約3人に1人。特に[テレオペ・テレマーケティング][オフィスワーク・事務]では4割超
調査詳細
派遣社員の現状
- 派遣社員の約7割が「派遣社員として働くこと」に満足
- 理由は「有給休暇や休日が取得しやすい」「業務の責任が重くないから」
派遣社員として働いていることに対する満足度
現在、派遣社員として働いていることに満足している割合は69.3%(「満足(24.4%)」+「やや満足(44.9%)」)だった。【図1】
【図1】派遣社員として働いていることに対する満足度/派遣社員の意識・就労実態調査(2025年度)
満足と回答した理由・不満と回答した理由
「満足」している理由は、「有給休暇や休日を取得しやすい(33.0%)」が最も高く、「業務の責任が重くないから(24.5%)」と続いた。一方、「不満」の理由は、「賞与がない・少ない(54.9%)」が最も高く、次いで「給与が低い(48.1%)」だった。【図2】
【図2】派遣社員として働いていることに「満足」「不満」と回答した理由(複数回答)/派遣社員の意識・就労実態調査(2025年度)
現在の時給と理想の時給
また、派遣社員の平均時給は1,488円で、前年(1,475円)から13円増加した。理想の時給との差は156円で、前年(175円差)から19円縮小したものの、現実と理想の報酬には依然として乖離がある。【図3】
派遣という働き方には、プライベートを重視しやすい点や、責任の範囲が明確で過度な負担を避けやすいといった利点がある一方で、賞与や給与など報酬面に関して不満を抱く人も一定数いるようだ。
【図3】「現在の時給」と「理想の時給」のギャップ/派遣社員の意識・就労実態調査(2025年度)
正社員から派遣社員に雇用形態を変えた理由
- 約4人に1人は前職の雇用形態が「正社員」
- 派遣社員を選んだ理由は、時間的・精神的余裕を得るため
前職の雇用形態
前職の雇用形態は、「派遣社員(59.3%)」が最多で、次いで「正社員(24.3%)」だった。
前職が「正社員」だった人に、派遣雇用を選んだ理由を聞くと、「責任が重くないから(26.2%)」「すぐ仕事に就けるから(23.5%)」がトップとなり、心理的負担の軽減や就業までのスピード感を重視していることがうかがえる。【図4】
【図4】前職の雇用形態と派遣雇用を選んだ理由/派遣社員の意識・就労実態調査(2025年度)
正社員と派遣社員における「ゆとり」の差
前職が「正社員」だった人に対して、「正社員」と「派遣社員」のゆとりの差を聞くと、「経済的なゆとり」については「正社員(73.3%)」が高い一方で、「時間的なゆとり」では「派遣社員(55.9%)」の方が高く、「精神的なゆとり」でも「派遣社員(40.0%)」の方が高い結果となった。【図5】
雇用形態の選択においては、経済的な側面と、時間的・精神的なゆとりの側面を照らし合わせながら、それぞれの価値観や生活状況に応じた最適な判断がなされていると考えられる。
【図5】正社員と派遣社員における「ゆとり」の比較/派遣社員の意識・就労実態調査(2025年度)
今後の意向
- 今後、正社員を希望する割合は29.9%で、前年から3.3pt増加
- 背景には「賞与」「賃金」など報酬と雇用の安定性を希望する声も
今後希望する働き方
「今後も派遣社員として働くことを希望する」割合は42.9%で、前年(48.2%)から5.3pt減少した。一方、「今後、正社員を希望する」割合は29.9%で、前年(26.6%)から3.3pt増加している。【図6】
【図6】今後希望する働き方/派遣社員の意識・就労実態調査(2025年度)
正社員を希望する理由
正社員を希望する理由では「賞与(ボーナス)が欲しいから(69.9%)」が最も高く、次いで「雇用が安定しているから(57.7%)」、「賃金が高いから(48.3%)」だった。【図7】
【図7】今後、正社員を希望する理由/派遣社員の意識・就労実態調査(2025年度)
厚生労働省によると、派遣社員のうち、過半数(57.3%)は労働契約期間が決まっている有期雇用派遣で勤務しており※、賞与などは時給に含まれる形で支給されるケースが多い。このような待遇形態は、賞与の有無や金額が明示されないため、手当の透明性や納得感に欠ける側面がある。
加えて、有期雇用では雇用の継続性に対する不安が常につきまとう。こうした不安定な雇用環境が、経済的な安定を求めて正社員を志望する人材の増加につながっていると考えられる。
※厚生労働省「労働者派遣事業の事業報告の集計結果について」
AIに対する不安
- AIの進化により、仕事が減少することに不安を感じている割合は約3人に1人
- 一方で、不安を感じつつもリスキリングを行う割合は2割に留まる
仕事減少への不安感
AIの進化により、仕事が減少することに不安を感じている派遣社員は35.3%(「不安があ(11.8%)」+「どちらかといえば不安がある(23.5%)」)だった。
職種別では[テレオペ・テレマーケティング(42.6%)]や[オフィスワーク・事務(42.0%)]など定型業務が中心となる職種で不安感が高い。
一方で、人間的な判断やケアが求められ、定型業務となりづらい[医療・介護・福祉・教育(26.5%)]では相対的に低く、職種によって不安の程度に差がみられた【図8】
【図8】AIの進化による仕事減少への不安感/派遣社員の意識・就労実態調査(2025年度)
AIに対する不安×リスキリング
また、仕事の減少に不安を感じている派遣社員のうち、将来に向けてリスキリングを行っている割合は19.8%にとどまり、不安を感じながらも具体的な行動をしている人は限られていることが明らかとなった。【図9】
【図9】AIによる仕事減少への不安を感じる派遣社員のリスキリング状況/派遣社員の意識・就労実態調査(2025年度)
調査担当者コメント
今回の調査では、派遣社員の働き方に、時間的・精神的なゆとりという利点がある一方で、時給に関しては、理想との乖離が依然として存在する実態が明らかになりました。報酬面への不安は、生活の将来的な安定性への懸念につながり、雇用形態の変更意欲にも影響を及ぼしていると考えられます。
また、AIによる業務代替への不安が一部の職種で高まっているものの、リスキリングなどの具体的な行動に移している人は少数にとどまっています。将来への備えという観点では、支援体制や環境整備を通じて行動を促す仕組みづくりに改善の余地があるのではないでしょうか。
2025年10月には最低賃金が過去最大の引上げ幅となる見込みであり、非正規雇用者の待遇改善が期待される一方で、企業側では人件費抑制を目的としたAI導入や業務の自動化が加速する可能性もあります。派遣社員としての就業を継続したいと考える層が一定数存在する中で、個人が将来にわたって安心して働き続けられるためには、リスキリング支援の強化や待遇改善が求められると考えます。
キャリアリサーチラボ 研究員 嘉嶋麻友美
調査概要
| 内容 |
派遣社員の意識・就労実態調査(2025年版) |
| 調査期間 |
2025年7月8日(火)~2025年7月16日(水) |
| 調査対象 |
派遣社員として対象職種※で勤務する20~59歳の男女
※対象職種:オフィスワーク・事務/販売/サービス/テレオペ・テレマーケティング/機械・電気・IT・エンジニア技術・開発・通信系/クリエイティブ系/医療・介護・福祉関連業務/製造/配送・輸送・物流
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| 調査方法 |
インターネット調査 |
| 有効回答数 |
1,400件 |
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