同一労働同一賃金の認知度は8割と高いものの、内容を理解している派遣社員は4割にとどまる
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)は、現在派遣社員として対象職種(※)のいずれかで働く、男女20~59歳を対象とした「派遣社員の意識・就労実態調査(2020年)」を発表しました。
◆ 調査概要
内容 | 派遣社員の意識・就労実態調査(2020年) |
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調査期間 | 2020年6月26日~6月30日 |
調査対象 | 現在派遣社員として対象職種のいずれかで働く男女20~59歳 ※対象職種:オフィスワーク・事務/販売/サービス/テレオペ・テレマーケティング/機械・電気・IT技術・通信系/介護・福祉関連業務/製造/配送・輸送・物流 |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,404名 |
◆ TOPICS
派遣雇用を選んだ理由を聞いたところ、女性は「働く日数・時間を自分で選べるから」が最も高く36.8%、次いで「すぐに仕事に就けるから」が35.7%となった。一方男性では「正社員として就職できなかったから」が43.0%と突出して高い結果となった【図1】。
【図1】派遣社員を選んだ理由(複数回答)

今後も現在の派遣会社を経由して働きたいか聞いたところ、77.6%(昨年比+5.8pt)が「現在の派遣会社経由で働きたい」(「現在の派遣会社経由で働きたい」と「どちらかというと現在の派遣会社経由で働きたい」の合計)と回答した【図2】。理由は「通勤費を支給しているから(33.6%)」が最も高く、次いで「派遣期間中もフォローを行ってくれる(27.2%)」があがった【図3】。同一労働同一賃金により正社員との待遇差が見直され、通勤費を支給する企業が増えたことが、派遣社員の派遣会社に対する継続意向を高めた一因となっていると考えられる。
【図2】今後も同じ派遣会社経由で働きたいか(単一回答)

【図3】現在の派遣会社経由で働きたい理由(複数回答)

同一労働同一賃金の認知度(「知っており、内容も理解している」と「聞いたことはあるが、内容は理解していない」の合計)は80.6%となった。しかし内訳をみると、「知っており、内容も理解している」としたのは全体の40.6%にとどまり、「聞いたことあるが、内容は理解していない」が40.0%となった。今年4月に派遣労働者における同一労働同一賃金が開始したが、新型コロナウイルス感染拡大へ関心が高まったことも内容理解が4割にとどまった背景に含まれると考えられる【図4】。
【図4】同一労働同一賃金の認知度(単一回答)

同一労働同一賃金の認知者に対し、制度が開始したことで良かった点を聞くと「交通費が支給される」が37.5%、次いで「給与が上がる」が32.1%となった。また、制度が開始したことによる不安点は「雇い止めが増えるのではないか」が36.7%、次いで「派遣会社から紹介してもらえる仕事が減るのではないか」が22.8%となり、制度の導入には一長一短があるといえる【図5】。
【図5】同一労働同一賃金の良い点・不安点(複数回答)

◆ INDEX
1,回答者プロフィール
2,就労実態
3,派遣会社選びの実態
4,就労意識
5,派遣会社の定着につながるポイント
6,今後の就労意向
7,同一労働同一賃金について