働きながら育児・介護・治療を行うための国の支援とは？行政が運営するポータルサイトなども紹介！

育児休暇・育児休業

公開日：2024.08.29

著者

キャリアリサーチLab編集部

片山久也

HISANARI KATAYAMA

現代社会では、育児や介護を行ったり、時には自分自身の治療と向き合ったりしながら働き続けるための支援が求められている。これらの課題に対応するため、政府・行政はさまざまな施策を実施している。

このコラムでは、働きながら介護・育児・治療をしていくことに関してそれぞれの施策や政府・行政が運営するポータルサイトなどについてまとめている。あわせて、これまでマイナビキャリアリサーチLabで公開している有識者への取材記事やコラム、寄稿記事もまとめている。

育児・介護・治療に関する国の取り組み

まず、介護や育児、治療をしながら働く上で、それぞれの取り組み事例の一部をみていく。
ここで紹介している内容は、2024年8月時点の内容となっているため、最新の情報は厚生労働省のページを参照してほしい。

育児と仕事の両立

育児と仕事を両立するためには、国の支援が不可欠だ。

たとえば、「育児休業制度」は、子育てをしながら働く親にとって大きな支えとなっている。原則1歳未満の子どもを養育するための休業制度で、子どもが最大2歳に達するまでの間、1年まで男女ともに親は仕事を休むことができる。また、雇用期間の定めがある方も一定の条件を満たすことで利用することが可能だ。

また、「パパ・ママ育休プラス」という制度は、両親がともに育児休業をする場合に、子どもが1歳2か月に達するまで1年間休業ができ、「産後パパ育休」という制度は、子どもが生まれてから8週間以内に4週間の休業を取得できる。

その他にも、3歳未満の子どもがいる労働者が1日の勤務時間を短縮できる「短時間勤務制度」や、3歳未満の子どもがいる労働者の残業を免除できる「所定外労働の制限」、小学生入学前の子どもがいる労働者が病気や怪我の世話をする時に取得できる「子の看護休暇」などがある。

法律では、これらの育児休業などを取得したことにより、企業は不利益な取り扱うことを禁止されており、ハラスメントの防止対策も会社の義務となっている。

詳しくは、下記のサイトを参照してほしい。

育児休業制度特設サイト

介護と仕事の両立

介護と仕事の両立もまた、多くの人々が直面する課題だ。

「介護休業制度」は、介護を必要とする家族を持つ労働者が、一定期間の休業を取得できるようにする制度だ。この制度は、対象の家族1人につき、3回まで利用することができ、通算93日まで休業が可能だ。

また、労働者が要介護状態にある対象家族の介護や世話をするために取得できる「介護休暇」や、会社によっては要介護状態にある家族を介護するために所定労働時間の短縮ができる「時短勤務等の措置」や要介護状態にある対象家族を介護するために1か月につき24時間、1年間で150時間を超える時間外労働を制限する「時間外労働の制限」などがある。

詳しくは、下記のサイトを参照してほしい。

介護休業制度

治療と仕事の両立

治療と仕事を両立する上でも、国の支援が不可欠だ。

たとえば、「労働者災害補償保険制度（労災保険）」は、労働者が仕事中に病気や怪我をした場合に、治療費や社会復帰を促進する制度だ。これにより、労働者は安心して治療に専念することができる。労働者であれば、アルバイトやパートタイマーなど雇用形態は問われない。

また、「病気休暇制度」は、労働者が病気や怪我で一定期間以上働けない場合に、年次有給休暇とは別に休暇を取得でいる制度だ。取得期間や期間に関しては、労使による協議や使用者が決定することが一般的だ。

詳しくは、下記のサイトを参照してほしい。

働き方・休み方改善ポータルサイト
 治療と仕事の両立支援ナビ

介護・育児・治療のための制度や施策は一定の条件があり、すべての労働者に適用できるわけではないが、国の支援は大きな支えとなっている。制度をうまく利用することで、働きながら育児や介護を行い、自身の健康を管理することも可能になるのではないだろうか。