働きながら学ぶ、社会人になってからの学び方とは?リスキリングやアンラーンといった関連用語をまとめて解説!
社会にでるまでは、
- 社会人になったら勉強をしなくても良い
- 資格を取得したら勉強から解放される
社会人からすると「勉強」という言葉よりも「教育・研修」「学びなおし(リスキリング)」という言葉の方がしっくりくるかもしれない。
このコラムでは、そんな「学び」に関する用語の解説をまとめている。
目次
社会人の学びとは?
たとえば、
- 社内で新たな業務に従事する
- 転職して新しいことに挑戦する
- 子育て後に再就職する
- 定年後にいままでとは違う仕事に就く
過去の「学校→就職→リタイヤ」という一連の流れではなく、社会人になった後の「学び」がこれまで以上に求められているのだ。
また、経済産業省が人生100年時代に向けて社会人の基礎スキルとして身に着けておく必要があると提唱している 「社会人基礎力」でも、社会人としての基礎能力をアップデートし続けることが重要としている。
外部サイト:「学び」に遅すぎはない!社会人の学び直し「リカレント教育」(政府広報オンライン)
外部サイト:社会人基礎力(経済産業省)
人生100年時代の社会人基礎力とは?
- 前に踏み出す力(主体性/働きかけ力/実行力)
- 考え抜く力(課題発見力/計画力/創造力)
- チームで働く力(発信力/傾聴力/柔軟性/状況把握力/規律性/ストレスコントロール力)
社会人基礎力はこれまで、大学教育や新入社員、内定者向けに活用するという位置づけにあったが、人生100年時代に向けて、経済産業省が「一億総学び」社会の下で、すべての年代に向けて絶えず学び直しを通じたアップデート・新たなスキルの獲得が必要不可欠であると内容を改めた。
これは、社会人としての共有能力である社会人基礎力を土台として、後述するOJTやOFF JTなどを活用することで得られる「職場ごとのスキル」「専門スキル」の獲得やアップデートがいままで以上に重要となることを意味している。
また、マイナビキャリアリサーチLabでは、経験や学びで変化しやすい意欲やコミュニケーション力といった、数値では測れない能力である「非認知能力」についても取り上げている。
社会人として学び直し(リスキリング)を考える際に参考にしてもらいたい。
社会人の学び方の種類と用語を紹介
ここでは、マイナビキャリアリサーチLab内で掲載している関連用語について紹介する。
OJT
OJTとは、「On the Job Training」の略称で、企業に属した場合、上司や先輩にあたる社員が部下や後輩に、実務を通して技術や知識を指導する教育手法を指す。
OJTを受ける側(部下や後輩)は、現場での実務を通して仕事のやり方を学ぶため、座学だけでは知ることのできない実践的な技術や知識を習得でき、即戦力人材になることが期待できる。
一方で、育成体制が整っていない場合は、効果は想定以下になる可能性がある。OJT対象の社員が業務中に放置されてしまうなどの事象が起きたり、教育担当者によって教育のばらつきが生じてしまったりすると、生産性やモチベーションが低下し、結果として退職につながってしまうリスクもある。
防止策としては、OJT担当者に研修を実施することや期間中の情報共有などを行うなどして、現場の環境を調整することも必要となる。
OFF JT
OFF JTとは「Off-the-Job Training」の略称であり、通常の業務や職場から離れ、別途時間や場所を確保して行う教育、学習制度である。
OFF JTは一般的に、業務を行う上で必要な知識や技術をセミナーやeラーニングを通して、職能別・階層別に分けた教育を行う。
日常の仕事を通じて実践的に教育を行うOJTに対し、専門的なスキルや知識を体系的に集中して学習できるメリットがある。
そして、体系的な形で学習を行うOFF JTと、体系的な学習はしにくいが社員一人ひとりにあわせた教育が行えるOJTを組み合わせることによって、社員の成長や定着に効果が期待できる。
用語解説:OFF JT(Off the Job Training)
リスキリング
リスキリングとは、「学び直し」を指す言葉で、ビジネスモデルの変化や技術革新への対応を目的に、必要なスキルや知識を学習することを意味する。
近年では企業のDX推進や社会情勢の変化により、世界中で業務内容や経営戦略の転換が求められるようになり、日本国内でも経済産業省の主導で推進されている。
2022年の新語・流行語大賞にノミネートされるなど注目が高まっている。
また、リスキリングは、自主的に職務を離れ、大学などの教育機関で知識を獲得するリカレント教育とは異なり、企業側が従業員に対して、教育を実施することを主軸に置いている。
用語解説:リスキリング
リカレント教育
学校教育を終えて働いている人が必要に応じて学び直し、仕事に役立つスキルを磨き続ける教育制度のことである。
「リカレント(recurrent)」には「反復する」「循環する」という意味があり、生涯にわたって就労と就学を繰り返すサイクルを指す。
リスキリングとの違いは、一度業務から離れて教育機関などで学び直すことにある。
ただし、欧米では休職や離職をして就学するのが一般的だが、日本では経済を取り巻く環境の変化とともに就業しながら学ぶ人も出始めている。
仕事と学習の両立をしやすい環境を整える企業に加え、リカレント講座を開設する教育機関が徐々に増えている。
用語解説:リカレント教育
越境学習
越境学習とは、企業や部署といった自分が所属する組織を離れ、日常とは異なる環境に身を置いて学ぶことである。
社会人大学やビジネススクール受講のほか、他企業や非営利法人への出向、ワーケーションなど、さまざまな越境学習の方法がある。
新たな価値観や発想を得ることは、自身のキャリア形成やモチベーションの維持につながり、組織にとっては人材育成や社内のイノベーションが活性化するといったメリットが期待できることから、社員教育の一環として越境学習制度を導入する企業が増えている。
用語解説:越境学習
アンラーン
アンラーン(unlearn)とは、すでに持っている知識・価値観などを破棄することで、思考をリセットさせる学習方法である。
新しいスキルを追加取得する「リスキリング」に対して、アンラーンは既存の知識などを捨てることが主眼となっており、既存のやり方・価値観に囚われにくくなるため、新しい学びを受け入れやすく、柔軟な思考ができるようになる。
「人生100年時代」を背景に、個人・企業共に変化への対応と成長が求められる昨今、この学習法の必要性も高まっている。
用語解説:アンラーン(unlearn)
社会人の学びに関するコラムの紹介
マイナビキャリアリサーチLab内で掲載している、社会人の学びに関するコラムを紹介する。
人生100年時代。なぜ、いま キャリア自律が求められるのか?
人生100年時代、これまでのように「学び→仕事→老後」という単線的なものから変化を迎えている。
なぜ今、キャリア自律が求められているのか、背景や個人にできることがまとめられている。
リスキリングで乖離する企業と個人の意識
ビジネスモデルの変化や技術革新への対応が必要な昨今、今、必要なスキルや知識を働きながら学習するというリスキリングにおける企業と個人の視点を解説している。
その他の用語の紹介
上記で、取り上げていない用語についても、下記にまとめている。
また、新しい用語の解説も随時更新している。
用語解説:用語集
まとめ
このコラムでは、社会人の「学び」に関する用語やコラムを紹介した。
人生100年世代において、ますます「学び」が重要になる昨今、継続した学びや知識のアップデートが非常に重要になる。
今後もマイナビキャリアリサーチLabでは、新しい考え方や用語についても取り上げていく予定だ。