2024年4月度アルバイト・パート平均時給レポート

2024.05.16

24年4月の全国平均時給は1,230円。
「2024年問題」の影響を受ける[工場・倉庫・建築・土木]は1,341円で過去最高額。

株式会社マイナビ（本社：東京都千代田区、代表取締役社長執行役員：土屋芳明）は、「2024年4月度アルバイト・パート平均時給レポート」を発表しました。本調査は、アルバイト・パート求人情報サイト『マイナビバイト』（https://baito.mynavi.jp/）に掲載された求人広告データを集計したものです。

調査概要
トピックス
調査詳細
調査担当者コメント
レポート内目次

調査概要

調査期間	2024年4月1日～4月30日
集計対象	弊社アルバイト情報サイト『マイナビバイト』に掲載された求人情報から、除外対象データを除き集計。※除外対象：給与区分が時給以外、給与金額が3,001円以上、雇用形態がアルバイト・パート以外
エリア区分	全国47都道府県関東：東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、茨城県、群馬県関西：大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県東海：愛知県、静岡県、岐阜県、三重県北海道・東北：北海道、宮城県、青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県甲信越・北陸：新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県中国・四国：広島県、岡山県、鳥取県、島根県、山口県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県九州・沖縄：福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

トピックス

24年4月の全国平均時給は1,230円。「2024年問題」の影響を受ける[工場・倉庫・建築・土木]の時給は1,341円で、調査開始以来最高額に。サービスとしての荷役作業の提供撤廃など、ドライバーの負担軽減のために採用が活発化

エリア別平均時給は、全7エリア中5エリアで前月比・前年同月比ともに増加。「北海道・東北」では初めて1,100円を超える

三大都市圏の平均時給は1,268円で前月比は減少、前年同月比は増加。[工場・倉庫・建築・土木]は1,364円と全国同様過去最高額を更新

調査詳細

全国の平均時給

2024年4月の全国平均時給は1,230円。「2024年問題」の影響を受ける[工場・倉庫・建築・土木]の時給は1,341円で、調査開始以来最高額にサービスとしての荷役作業の提供撤廃など、ドライバーの負担軽減のために採用が活発化。

2024年4月の全国平均時給は1,230円（前月比：0円、前年同月比：43円増）。2023年7月以降は1,200円以上で推移しており、前年同月比は20カ月連続で増加した。【図1】

職種（大分類）別では、[工場・倉庫・建築・土木]が1,341円（前月比：63円増、前年同月比：127円増）となり、2020年1月の調査開始以来の過去最高額となり、求人件数は前月比で1.28倍増、前年同月比で1.67倍増となった。

「2024年問題」によるトラックドライバーの負担軽減に協力するため、トラックドライバーの荷待ち時間の短縮や、サービスとしての荷役作業の提供撤廃など、工場・倉庫業者側でも積極的な採用が行われていたことが考えられる。

そのほか、職種（大分類）別の平均時給の前月比は全16職種中、7職種が増加、9職種が減少。前年同月比は、全16職種中11職種が増加、5職種が減少となった。【図2、3】

エリア別の平均時給

エリア別平均時給は、全7エリア中5エリアで前月比・前年同月比ともに増加。
「北海道・東北」では初めて1,100円を超える。

エリア別平均時給をみると、全7エリア中で「北海道・東北」「東海」など5エリアで前月比・前年同月比ともに増加した。

「北海道・東北」は1,108円で、前月比は14円の増加、前年同月比は53円の増加（増減率：+5.0%）となり、調査開始以来はじめて1,100円台となり、2カ月連続で過去最高額を更新した。

「東海」は1,177円で、前月比は23円の増加、前年同月比は42円の増加（増減率：+3.7%）となり、前年同月比は25カ月連続の増加となった。【図4】

三大都市圏の平均時給

三大都市圏の平均時給は1,268円で前月比は減少、前年同月比は増加。
[工場・倉庫・建築・土木]は1,364円と全国同様過去最高額を更新。

2024年4月の三大都市圏の平均時給は1,268円で、前月比は3円の減少、前年同月比は43円の増加（増減率：+3.5%）となり、求人件数は前年同月比で1.20倍に増加した。【図5】

職種（大分類）別では、[工場・倉庫・建築・土木]が1,364円（前月比：68円増、前年同月比：117円増）で、2020年1月の調査開始以降で過去最高額となった。また、求人件数は前月比で1.30倍増、前年同月比で2.01倍増と、トラックドライバーの負担軽減を見据えた採用活動が三大都市圏でより活発化していることが考えられる。

そのほか、職種（大分類）別の平均時給の前月比は全16職種中、7職種が増加、9職種が減少。前年同月比は、全16職種中11職種が増加、5職種が減少した。【図6、7】

※:三大都市圏：日本の三大都市（東京・名古屋・大阪）が位置する首都圏・東海・関西の総称

調査担当者コメント

22024年4月のアルバイト平均時給は前月比横ばいの1,230円で、直近3カ月でみると時給の伸長は落ち着きをみせています。ただ、求人件数は前月比・前年同月比ともに増加傾向にあり、企業が積極的かつ継続的にアルバイト採用を行っている様子がうかがえます。

職種別でみると、[工場・倉庫・建築・土木]が前年同月比100円以上の増加で過去最高額となり、求人件数も前月比・前年同月比とも顕著に増加しています。

物流業界の労働時間削減を目指した「2024年問題」ではトラックドライバーだけが注目されがちですが、物流に関係する工場や倉庫業者側においても、トラックドライバーの荷待ち時間の短縮や、サービスとしての荷役作業の提供撤廃など、ドライバーの負担軽減に協力するための人員確保として、アルバイト採用を活発化させていたことが考えられます。

マイナビキャリアリサーチLab　主任研究員　関根貴広