• 2024年の年間平均時給は前年より49円増加し、1,252円に
• 2024年12月の全国平均時給は1,278円で、9カ月ぶりに減少
• [工場・倉庫・建築・土木]は１,428円の過去最高額。クリスマス・年末の需要対策か

株式会社マイナビ（本社：東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員：土屋芳明）は、「2024年12月度 アルバイト・パート平均時給レポート」を発表しました。本調査は、アルバイト・パート求人情報サイト『マイナビバイト』（https://baito.mynavi.jp/）に掲載された求人広告データを集計したものです。

トピックス

• 2024年12月の全国平均時給は1,278円で、9カ月ぶりに減少。 [工場・倉庫・建築・土木]は1,428円で過去最高額

• エリア別平均時給は、全7エリア中5エリアで前月比・前年同月比ともに増加。「東海」「北海道・東北」「甲信越・北陸」「中国・四国」「九州・沖縄」で過去最高額

• 三大都市圏の平均時給は1,324円で前月比4円減。[工場・倉庫・建築・土木][販売・接客・サービス]で過去最高額

• 【今月の都道府県TOPIC】震災から1年が経った「石川県」に注目。石川県の平均時給は1,145円で、2024年10月に並ぶ最高額に

調査詳細

全国の平均時給

• 2024年12月の全国平均時給は1,278円で、9カ月ぶりに減少
• [工場・倉庫・建築・土木]は1,428円で過去最高額

全国の平均時給推移

2024年12月の全国平均時給は1,278円（前月比3円減、前年同月比37円増）と9カ月ぶりに減少した。 また、2024年の年間平均時給は1,252円（前年比49円増）となった。【図1】

職種別の平均時給

職種（大分類）別では、前月比で減少する職種が多いなか、[工場・倉庫・建築・土木]は1,428円（前月比2円増、前年同月比128円増）で調査開始以来最高金額を更新した。クリスマスや年末年始シーズンに対応するため食品製造や加工のアルバイトで通常より時給を上げて募集が行われたと考えられる。求人件数では[教育]が前年同月比で2.70倍となった。

そのほか職種（大分類）別の平均時給は、前月比で全16職種中5種が増加、1職種が横ばい、10職種が減少。前年同月比は全16職種中12職種が増加、2職種が横ばい、2職種が減少した。【図2、3】

エリア別の平均時給

• エリア別平均時給は、全7エリア中5エリアで前月比・前年同月比ともに増加
• 「東海」「北海道・東北」「甲信越・北陸」「中国・四国」「九州・沖縄」で過去最高額

エリア別平均時給をみると、全7エリア中「東海」「北海道・東北」「甲信越・北陸」「中国・四国」「九州・沖縄」で前月比・前年同月比ともに増加し、いずれも調査開始以来最高金額となる。

ニセコをはじめ観光地のアルバイト時給上昇が話題となっている「北海道・東北」は1,144円（前月比5円増、前年同月比70円増）で調査開始以来最高金額となり、9カ月連続で前年同月比約50円以上増加している。「甲信越・北陸」エリアは1,181円（前月比22円増、前年同月比62円増）となり、4カ月連続で前月比10円以上増加した。【図4】

三大都市圏の平均時給

• 三大都市圏の平均時給は1,324円で前月比4円減
• [工場・倉庫・建築・土木][販売・接客・サービス]で過去最高額

三大都市圏の平均時給推移

三大都市圏※の平均時給は1,324円（前月比4円減、前年同月比36円増）となった。2024年前半は1,200円台だったアルバイト時給は8月から1,300円台を維持した。2024年の年間平均は1,296円（前年比51円増）で、1,300円に迫る金額となった。【図5】

※:三大都市圏：日本の三大都市（東京・名古屋・大阪）が位置する首都圏・東海・関西の総称

三大都市圏の職種別の平均時給

職種（大分類）別では、[工場・倉庫・建築・土木]が1,519円（前月比35円増、前年同月比173円増）で過去最高額となり、初めて1,500円台となった。[販売・接客・サービス]も1,219円（前月比4円増、前年同月比78円増）で過去最高額となる。

そのほか、前月比は全16職種のうち7職種が増加、9職種が減少。前年同月比は全16職種のうち14職種が増加、2職種が減少となった。【図6、7】

今月の注目トピック

震災から1年がたった「石川県」に注目

• 石川県の平均時給は1,145円で、2024年10月に並ぶ最高額に

令和6年能登半島地震発生から1年が経つ「石川県」に注目。石川県の平均時給は1,145円（前月比7円増、前年同月比56円増）。2024年の年間推移をみると、北陸応援割第一弾（2024年3月16日～4月26日）の実施期間を含む2024年4月に1,100円を超え、最低賃金改定があった2024年10月に1,145円となり、その後堅調に推移している。12月は10月に並ぶ最高金額だった。

震災の傷跡が残るなかで、雇用創出・時給上昇により経済を底上げする地元企業の努力がうかがえる。【図8】

調査担当者コメント

2024年12月のアルバイト平均時給は1,278円でした。5月から続いていた時給の上昇は一旦落ち着いたものの、1,280円付近で例年より高い水準を維持しています。職種別では、食品製造・加工を含む[工場・倉庫・建築・土木]や、パン・スイーツ・食品販売を含む[販売・接客・サービス]で時給の上昇が見られました。クリスマスや年末年始シーズンに合わせた人材確保のため、時給を上げて募集する企業が多いことが考えられます。

2024年の年間平均時給は1,252円で、2023年平均より49円増加しました。背景には最低賃金の大幅な引き上げや人手不足による賃金引き上げの動きが考えられます。

非正規春闘の実行委員会は2025年も10％以上の賃上げを求める方針を示しており、賃上げの機運は続くと予想されます。一方で、米国新大統領就任の影響など経済の先行き不透明感もあり、企業の対応力が試されます。物価高に対応できる時給が実現されるか、今後に注目が集まります。

マイナビキャリアリサーチLab　研究員　元山春香

調査概要

レポート内目次

1.全国概要
2.都道府県別平均時給
3.エリア別詳細（職種別平均時給、月別平均時給推移）

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