- ワークライフ・インテグレーションの認知度は約3割【詳しくはこちら】
- 正社員の約2割がワークライフ・インテグレーションを実現している【詳しくはこちら】
- 実現している人ほど「働くモチベーションが高い」傾向【詳しくはこちら】
株式会社マイナビは、20~59歳の正社員を対象に実施した「正社員のワークライフ・インテグレーション※調査2026年版(2025年実績)」の結果を発表した。調査の詳細はページ末尾に記載している。
「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」とは
「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」とは、仕事とプライベートの双方を充実させ、人生を豊かにするという考え方である。仕事と私生活の調和を目標とする「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」を前提としつつ、両者が相互に良い影響を与え合う関係を目指す点に特徴がある。
仕事と私生活の関係をめぐっては、これまでワーク・ライフ・バランスという考え方が広く用いられてきた。一方で、仕事と私生活を「バランスを取る対象」として捉えるだけでは、時間やエネルギーを配分する発想にとどまりやすく、双方をより充実させていくという観点では限界があるとの指摘もみられる。
私たちは、ワーク・ライフ・バランスが実現できる柔軟な職場環境を前提としたうえで、仕事と私生活が相互に良い影響を与え合う関係性にも着目し、「ワークライフ・インテグレーション」に注目している。
「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」の認知度
「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」の認知度を聞くと、「知っている計(言葉も意味も知っている+言葉は知っているが意味は知らない)」は28.0%となり、前年から微増している。「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」の認知度は約9割となっている。【図1】
【図1】用語解説/正社員のワークライフ・インテグレーション調査2026年版(2025年実績)
「私生活の充実」と「仕事の充実」のつながり
- 正社員の約7割が「私生活の充実」と「仕事の充実」はつながっていると感じている
- 前年より+0.6ptで微増
20~50代の正社員に、私生活の充実と仕事の充実の関係性について聞いたところ、「私生活の充実と仕事の充実はつながっていると感じる(計)」は69.8%で、前年(69.2%)より微増した。前年から大きな変化は見られなかったが、「私生活と仕事の充実がつながっていると感じる」人が多数いる状況は、今年も継続しているようだ。【図2】
【図2】「私生活の充実」と「仕事の充実」のつながり/正社員のワークライフ・インテグレーション調査2026年版(2025年実績)
「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」の実現
- WLIを実現できている正社員は約2割で昨年とほぼ同値
- 実現の要因は働く時間や場所の柔軟性など
「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」と「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」の実現度合い
WLBについて「実現できている※1」と回答した割合は39.1%(前年比+3.6pt)となり、特に20代は46.7%で最多だった。一方、WLIが「実現できている」割合は20.1%(前年比-0.9pt)で微減したものの、前年から大きな変化は見られなかった。【図3】
【図3】実現割合/正社員のワークライフ・インテグレーション調査2026年版(2025年実績)
※1本調査にける「WLIの実現」とは、「仕事と私生活が相互に良い影響を与え、相乗的に価値が高まるものだと本人が感じている状態」を指す。
「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」を実現できている理由
WLIが「実現できている」理由を見ると、「時間休の取得」や「在宅勤務」の活用など、働く時間や場所の柔軟性を挙げる声が多く見られ、「AIの活用」による業務効率化や、「資格勉強」が仕事に好影響を与えているといった回答もあった。
一方、「実現できていない」理由では、「残業の多さ」や「休日の少なさ」を挙げる回答が目立った。また「休みの日でも連絡が入る」といった、仕事と私生活を切り分けにくい状況を挙げる回答も見られた。
WLIはWLBが実現できる柔軟な職場環境があることが前提となっているため、WLBを実現できている割合が増加していることは、今後WLIを実現できる人を増やす準備が進んでいるとも捉えられる。【図4】
【図4】ワークライフ・インテグレーションを実現できている理由/正社員のワークライフ・インテグレーション調査2026年版(2025年実績)
「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」実現者の特徴
- WLIを実現している人は仕事も私生活も満足し、働くモチベーションが高い傾向
「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」実現者の仕事と私生活の満足度
WLIの実現有無別に仕事と私生活の満足度を聞いたところ、「仕事も私生活も満足」と回答した割合は、WLIを実現できている人(55.5%)が実現できていない人(13.9%)を40pt以上上回った。 WLIを実現できていない人は、仕事も私生活も「どちらも満足ではない」割合が53.2%だった。【図5】
【図5】ワークライフ・インテグレーション実現有無別に見た仕事と私生活の満足度/正社員のワークライフ・インテグレーション調査2026年版(2025年実績)
「ワークライフ・インテグレーション(WLI)」実現者の働くモチベーション
また、WLIを実現できている人では、働くモチベーションが「高い」割合が55.8%と半数を超えたが、実現できていない人では14.4%にとどまった。WLIを実現できている人は、仕事と私生活の満足度や働くモチベーションが高い傾向にあることがわかる。【図6】
【図5】ワークライフ・インテグレーション実現有無別に見た働くモチベーション/正社員のワークライフ・インテグレーション調査2026年版(2025年実績)
総評
今回の調査では、WLIを実現できている人は、その背景に働く時間や場所に柔軟性があることが、前年に引き続き確認できた。
WLIの実現は仕事と私生活を常につなげることによって生じるものではなく、私生活は私生活、仕事は仕事としてそれぞれ充実させたうえで、双方が良い影響を与え合う状態になった結果である。近年注目されている「つながらない権利※2」のように、勤務時間外に仕事から意図的に距離を取ることができる環境も、私生活の充実を支え、結果的に仕事の充実も支える可能性がある。
企業には、柔軟な働き方を可能にする環境の整備が引き続き求められると考えられる。併せて、従業員の働くモチベーションを高める一つの手段として、WLIの実現を支えるために、仕事だけではなく私生活も充実させられるような支援も重要になってくるのではないだろうか。
※2 つながらない権利:労働者が勤務時間外(休日や深夜など)に、仕事のメール・電話・チャットなどの業務連絡に対応しなくてもよいと選択できる権利のこと。
キャリアリサーチLab研究員 朝比奈 あかり
調査概要
| 内容 |
正社員のワークライフ・インテグレーション調査2026年版(2025年実績)」 |
| 調査期間 |
2025年11月18日~21日 |
| 調査対象 |
20~59歳の正社員の男女
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| 調査方法 |
外部パネルによるインターネット調査 |
| 有効回答数 |
3,000件
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