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アルバイト先の理想の上司とは?離職理由などの調査結果からみえる上司像を探る 

片山久也
著者
キャリアリサーチLab編集部
HISANARI KATAYAMA

アルバイトをする際には、アルバイト先の上司や同僚との関係が気になる人もいるだろう。良い上司や同僚に恵まれれば、仕事のやりがいも高まり、職場での充実感につながるかもしれない。逆に、人間関係に悩まされると、早期の離職につながる可能性もある。

このコラムでは、マイナビキャリアリサーチLabで実施している「アルバイト就業者調査」の結果を基に、アルバイト先の(早期)退職理由や理想の上司像について探っていく。

アルバイト先の早期離職要因(理由)とは?

まずは、「アルバイト就業者調査(2024年)」の結果を基に、アルバイト先の早期離職要因をみていくの理由をみていく。

「早期離職要因」の回答をみると、上位から「職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった」(39.4%)、「想定よりも仕事がきつかった」(32.5%)、「上司/同僚など職場の人間関係が合わなかった」(31.4%)「上司/先輩から理不尽な指摘や指導があった」(29.1%)が上位となっていた。

仕事内容に関する「想定よりも仕事がきつかった」という回答を除くと、「職場の雰囲気」や「上司・同僚・先輩など職場の人間関係」が合わなかったという理由が上位にきていることがわかる。

アルバイト先を辞める理由の決定打は人それぞれだと思うが、早期離職の原因として職場の雰囲気や上司・先輩・同僚との人間関係が大きく影響しているようだ。

年代別の早期離職要因(理由) 

年代別の早期退職要因をみていく。詳細は、「アルバイト就業者調査(2024年)」を確認してほしい。

各年代で差はあるものの、全体でも上位に来ていた「職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった」「想定よりも仕事がきつかった」「上司/同僚など職場の人間関係が合わなかった」「上司/先輩から理不尽な指摘や指導があった」といった理由が10代~50代は高い結果となった。

仕事内容に関する「想定していた仕事内容ではなかった」は、30代~60代が高い傾向があり、サポート面を指摘する「働き始めたばかりの際、受け入れサポートが不十分だった」が、10代~20代が高い傾向にあるようだ。

年代別を含めて調査の詳細は下記を確認してほしい。

属性別の早期離職要因(理由)

高校生・大学生・主婦といった属性別の早期退職要因をみていく。詳細は、それぞれの調査を確認してほしい。

全体の早期離職要因(理由)の上位であった「職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった」「上司/同僚など職場の人間関係が合わなかった」「上司/先輩から理不尽な指摘や指導があった」は特にフリーターや主婦、ミドルシニア/シニアで高い傾向となっている。

一方で、高校生や大学生は、「シフトや休みが希望通りにならないことが多かった」「学生生活との両立に理解がなかった」といった回答が高い傾向にあるようだ。全体の結果と大きな差はないものの、立場や状況によって若干の差があることがわかる。

高校生・大学生・主婦・フリーター・ミドルシニア/シニアといった属性別の調査の詳細は下記を確認してほしい。

アルバイト先の理想の上司像とは? 

次に、どのような上司だと一緒に働きたいと思うのかについて「アルバイト就業者調査(2024年)」の結果を基に、アルバイト先の理想の上司像についてみていく。

アルバイト先の理想の上司像
アルバイト先の理想の上司像/アルバイト就業者調査(2024年)

「アルバイト先の理想の上司像」の回答をみると、上位から「いつでも相談できる雰囲気がある/親しみやすい」(59.9%)、「指示が的確」(57 .2%)、「感情的にならない/穏やか」(56.9%)となっており、理想の上司には「人柄」や「的確な指示」を求めていることがわかる。

また、「えこひいいきをしない」「リーダーシップがある」は過去3年で上昇しており、上記の人柄や仕事の的確さだけでなく、「公正に引っ張ってくれる」という部分も求められているようだ。離職要因で上位であった「職場の雰囲気」や「職場の人間関係」という結果を考えると、アルバイト先の上司の人柄や対応によっては、離職を防ぐことにつながるかもしれない。

年代別の理想の上司像

年代別にアルバイト先の理想の上司像をみていく。詳細は、「アルバイト就業者調査(2024年)」を確認してほしい。

アルバイト先の理想の上司像(年代別)

アルバイト先の理想の上司像/アルバイト就業者調査(2024年)

アルバイト先の理想の上司像は、全体の結果に各年代の差はそれほど大きくはないが、10~50代で回答割合の高い「いつでも相談できる雰囲気がある/親しみやすい」「感情的にならない/穏やか」が、60~70代が他の年代と比べ低い傾向があるようだ。一方で、60~70代では「指示が的確」が最多となっている。

また、「自分の仕事に誇りを持っている」は、10代・70代が高く、「人脈が広い」は10代が高い傾向があるようだ。

年代別を含めて調査の詳細は下記を確認してほしい。

属性別の理想の上司像

高校生・大学生・主婦といった属性別の理想の上司像をみていく。詳細は、それぞれの調査を確認してほしい。

アルバイト先の理想の上司像(属性別)
アルバイト先の理想の上司像/アルバイト就業者調査(2024年)

「いつでも相談できる雰囲気がある/親しみやすい」「指示が的確」「感情的にならない/穏やか」といった全体でも上位の回答は、フリーター・主婦・ミドルシニア・シニアといった属性が高くなっている一方で、「自分の仕事に誇りを持っている」「人脈が広い」といった回答は、高校生や大学生が高い傾向があるようだ。

高校生・大学生・主婦・フリーター・ミドルシニア/シニアといった属性別の調査の詳細は下記を確認してほしい。

まとめ

今回は、「アルバイト就業者調査」を基に、アルバイト先の(早期)退職理由や理想の上司像についてみてきた。

早期退職理由としては、年代・属性によって若干の差はあるものの、

  • 職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった
  • 想定よりも仕事がきつかった
  • 上司/同僚など職場の人間関係が合わなかった
  • 上司/先輩から理不尽な指摘や指導があった

といった点があげられ、一方でアルバイト先の理想の上司として求められているものは、年代や属性問わず、

  • いつでも相談できる雰囲気がある
  • 指示が的確である
  • 感情的にならない
  • えこひいきをしない

という点が重要にあげられている。アルバイトを雇用する立場の人は、上記の点を念頭に置きながら関わることで、アルバイトの離職を防ぐことができるのはないだろうか。

ただ、高校生や大学生といった年齢の若い世代には、上司に対して

  • 仕事への誇りの有無
  • 人脈の広さ

といった要素も求めていることがわかる。年代や属性によって、関わり方を変えていくことも離職防止として重要であるといえるかもしれない。

アルバイト市場・平均時給の最新動向

アルバイト市場や平均時給に関する調査は下記にまとめている。動向やトレンド把握に活用してほしい。

マイナビキャリアリサーチLabで実施しているその他の調査結果は下記を参照してほしい。

調査・データ

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