マイナビ キャリアリサーチLab

アルバイト就業者調査(2022年)

コロナ禍でアルバイトを選ぶ基準の変化について、若年層ほど「変わった」割合が高く、学生においては約半数となった。

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国のアルバイト就業者の実態と意識を明らかにすることを目的に、「アルバイト就業者調査(2022年)」を発表した。

◆ TOPICS

■アルバイト就業実態

・1週間あたりのアルバイト・パート日数は「5日」が最も多く34.7%となった。属性別にみると、高校生・大学生では3日以下が7割を超えた。【図1】
・1日あたりの平均アルバイト時間は「4時間程度」から「8時間以上」まで大幅な偏りなく広く分布している。属性別にみると、高校生・大学生では4時間程度以下がほぼ半数を占めた。【図1】
・1ヶ月あたりのアルバイト収入平均は約10.1万円となった。【図1】
・アルバイトの数は「1つ」が86.9%となった。属性別では、大学生で2つ以上のかけもちが3割を超えている。【図1】
・直近3年間で早期離職経験あり8.5%+直近3年間より前に早期離職経験あり11.8%)。【図1】

【図1】アルバイト就業実態一覧

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

■アルバイト職種(現在・希望・副業/掛け持ち)

・現在のアルバイト職種は「飲食・フード(接客・調理)」が最も高く、次いで「オフィスワーク・事務」、「販売(コンビニ・スーパー)」となった。「飲食・フード(接客・調理)」として働いている割合は若年層ほど高くなっており、学生の3~4割が従事している。
・やってみたいアルバイトの職種は「オフィスワーク・事務」が最も高く、次いで「軽作業」、「飲食・フード(接客・調理)」となった。10代や学生には「イベント」「飲食・フード(接客・調理)」の人気が高いが、20代以上は全年代において「オフィスワーク・事務」がトップとなった。
・副業/掛け持ちのアルバイトの職種は「飲食(接客・調理)」が最も高く、次いで「軽作業」、「教育(塾・家庭教師等)となった。10~30代では「飲食・フード(接客・調理)」が最も高く、40~50代では「軽作業」、60~70代では「医療・介護・福祉」と年代で違いが見られた。「教育(塾・家庭教師等)」を副業としている割合は特に大学生で高かった。

【図2】現在の職種、やってみたい職種、副業/掛け持ちの職種上位

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

コロナ禍におけるアルバイト選びの基準の変化

・コロナ禍でアルバイトを選ぶ基準の変化について、若年層ほど「変わった」割合が高く、学生においては約半数となった。変化した基準の内容は「コロナで経営が左右されないアルバイトを選ぶようになった」「家から通いやすい勤務地を選ぶようになった」が上位。
・職種別にみると、アルバイトを選ぶ基準が変わったと回答した割合が最も高かったのは「イベント」で約6割となった。次いで「ナイトワーク」「飲食(販売)」「アパレル販売」となっており、従事している職種によって意識の変化が大きく異なるようだ。

【図3】コロナ禍におけるアルバイト選びの基準の変化(単一回答)

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

【図4】アルバイト選びの基準が「変わった」職種上位

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

【図5】変化した基準の内容(複数回答)

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

■アルバイトでの就業調整有無

・アルバイトで就業調整をしているのは3割程度。【図6】
・特に、大学生が「自分の所得税の非課税限度額を超えないようにするため(103万円の壁」、主婦が「配偶者の社会保険のふようとなる限度額を超えないようにするため(130万円の壁)」を意識した就業調整をしていることが多い。【図6】

【図6】アルバイトでの就業調整有無(複数回答)

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

■直近1年間のアルバイト探し経験と期間

・現在アルバイトをしている人のうち、直近1年間にアルバイト・パートを探して、新しい仕事に就いたのは31.5%。アルバイト・パートを探したが新しい仕事には就いていないのは13.6%。【図7】
・年代別では、10代・20代の若年層で直近1年間のアルバイト・パートの仕事探しの経験者が多い。またアルバイト・パートを探してから採用されるまでの期間も1週間以内が半数程度になるなど短期間で新しい仕事に就いていることが伺える。【図7】

【図7】直近1年間のアルバイト探し経験と期間(単一回答)

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

■アルバイトの必須条件

・アルバイトの必須条件としては「シフトの融通がきく」「自宅から近い」が半数ほど、次いで「年齢に関係なく活躍できる」「交通費が全額支給されること」「未経験でもできる仕事である」が3割ほどで挙げられている。【図8】
・年代別では10代~40代までは「シフトの融通がきく」、50~60代は「自宅から近い」、70代は「年齢に関係なく活躍できる」が最も高くなった。【図8】

【図8】アルバイトの必須条件(複数回答) 

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

■アルバイトの目的

・アルバイトの目的は、「自分の生活費のため」「貯金をするため」「家族の生活費のため」のお金を目的としている回答が上位に挙げられた。「お金のため(計)」は複数回答で92.2%、単一回答でも80.3%と大部分を占めている。【図9】
・属性別にみると、高校生・大学生では「貯金をするため」、就業フリーターでは「自分の生活費のため」、主婦では「家族の生活費のため」がそれぞれ最も多くなった。【図9】

【図9】アルバイトの目的(複数回答/単一回答) 

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

■アルバイトのやりがい

・やりがいを感じるときは「仲間と楽しく仕事ができたとき」「一緒に働く人から感謝の言葉をもらったとき」「仕事の成果を褒められたとき」が上位となった。【図10】
・性別でみると、「やりがいはない」が男性では25.5%になるのに対し、女性では13.8%に留まり、女性の方が男性よりも何かしらやりがいを感じてアルバイト・パートに臨んでいる。【図10】
・属性別にみると、「自分の成長を感じたとき」は若年層になるほどより強くやりがいとして感じられている。【図10】

【図10】アルバイトのやりがい(複数回答/単一回答) 

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

■希望していた働き方・今後希望する働き方

・希望していた働き方は元々「アルバイト・パート」だったのが最も高く65.7%となった。今後希望する働き方も「アルバイト・パート」が最も高く66%となっている。【図11】
・年代別では、10代20代で「アルバイト・パート」を希望していた割合が低く、今後「フルタイム正社員」として働きたい割合が高い。50代以上では今後も「アルバイト・パート」希望割合が高く、7割を超えている。【図11】
・今後正社員で働きたい理由としては「固定給が欲しいから」 「雇用が安定しているから」 「正社員の方が福利厚生が充実していることが多いから」が上位となった。【図12】
・今後非正規雇用で働きたい理由としては「自宅の近くで働きたいから」 「家事・育児・介護等との両立がしやすいから」 「趣味や他の時間との両立をしやすいから」が上位となった。【図12】
・今後非正規雇用で働きたい理由を年代別でみると、20代は「趣味や他の時間との両立をしやすいから」、30~40代は「家事・育児・介護等との両立がしやすいから」、50代以上は「自宅の近くで働きたいから」がそれぞれ最も高くなった。【図12】

【図11】希望していた働き方・今後希望する働き方(複数回答/単一回答)

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

【図12】今後正社員・非正規雇用(アルバイト等)で働きたい理由(複数回答/単一回答) 

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

■非就業理由

・現在アルバイトをしていない理由は、「育児との両立が難しい」「希望する条件のアルバイト・パートがない」「プライベートを大事にしたい」が上位となった。【図13】
・年代別にみると、全体と比較して10代では「学校生活との両立が難しい」「学校で禁止されている」が高く、20代30代では「育児との両立が難しい」「家事との両立が難しい」等が高い。50代では「病気・怪我のために働けないから」、60代70代では「希望する仕事内容のアルバイト・パートがない」が高めとなっており、年代によって非就業理由が異なる。【図13】

【図13】現在アルバイト・パートとして働いていない理由(複数回答/単一回答)
ベース:非就業者のうち、高校生/大学生または希望する雇用形態がアルバイト・パート

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

■新しいスキルを身に付けること/学びなおしの実施状況

・学びなおしの状況としては「必要性を感じている(計)」が半数となるものの、「取り組んでいる(計)」は2割程度に留まった。【図14】
・学び直しの必要性は若年層の方がより強く感じている傾向にある。【図14】
・学びなおしが必要と思う理由は「自分ができる仕事の幅を広げたいため」「収入を増やしたいため」が上位になった。【図15】
・学びなおしが必要と思わない理由は「転職をする予定がないため」が特出しているが次いで「負担する費用が重いため」「どのようなことを学びなおしたら仕事に活かせるか分からないため」となった。【図15】
・新しいスキルの身に着け方・学びなおし方法として現在の実施方法は「個人での実施」がおよそ8割を占める。【図16】
・望ましい実施方法としては「個人での実施」はおよそ6割となり、現在の実施方法よりも勤務先の関わる実施方法を望む人が多くなった。【図16】

【図14】学びなおしをすることについて、あなたの考えや実施状況に最も近いものをお選びください。(単一回答)

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

【図15】新しいスキルを身に付けること、学びなおしをすることの必要性を感じる理由・必要性を感じない理由をお選びください。(複数回答/単一回答)

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

【図16】将来のために新しいスキルを身に着けたり学びなおしをする方法について、最も近いものをお選びください。(単一回答)

出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」
出典:マイナビ「アルバイト就業者調査(2022年)」

◆ INDEX

1,就業実態
2,アルバイト探しについて
3,就業意識
4,学びなおしについて
5,Appendix

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