転職動向調査2023年版(2022年実績)
- 2022年の正社員転職率は7.6%で2016年以降もっとも高い水準
- 転職で年収が上がった人は39.5%で19年以降増加傾向
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、現在正社員として働いており、2022年に転職した20代~50代の男女1,500名を対象に、転職者の傾向や変化を調査した『転職動向調査2023年版』を発表した。調査結果の概要(一部抜粋)は以下の通りとなっている。
トピックス
- 2022年の正社員転職率は7.6%で2016年以降もっとも高い水準【図1】
- 転職理由と入社の決め手、ともに「給与」がトップに【図2、3】
- 転職で年収が上がった人は39.5%。2019年以降増加傾向に【図4】
- 自身の経験・希望職種において、今後必要になる能力がわかっている人はリスキリングに積極的【図5、6、7】
調査詳細
正社員転職率
- 転職率は2016年以降最高の7.6%に
2022年の20代~50代正社員の転職率※は7.6%で、前回(7.0%)から上昇した。2016年以降でもっとも高い水準となり、転職活動が積極的に行われていたと考えられる。また、性年代別にみると、特に20~40代男性は、過去7年間で最も高い転職率となった。【図1】
※国勢調査における正規雇用者全体の構成比に合わせたスクリーニング全回収数のうち、該当期間(各1年間)に転職したサンプルの割合
【図1】正社員転職率
転職を始めた理由と入社を決めた理由
- 転職理由・入社の決め手は「給与」
転職活動を始めた理由(ひとつ)は、「給与が低かった」「職場の人間関係が悪かった」「仕事内容に不満があった」の順。上位項目は2019年以降同様だが、「給与が低かった」は21年から増加しトップとなった。物価上昇により現状の給与への不満が高まったことが要因として考えられる。【図2】
【図2】転職を始めた理由(単一回答)上位
入社を決めた理由(ひとつ)は、「給与が良い」がもっとも高く、「休日や残業時間が適正範囲内で生活にゆとりができる」「希望の勤務地である」が続く。2021年までは「勤務地」「休日・残業」などの勤務環境がより強い決め手となっていたが、それよりも生活に必要な収入が優先されるようになったことがわかる。【図3】
【図3】入社を決めた理由(単一回答)上位
転職後の年収の変化
- 転職で給与が増えている人が増加している
転職後の年収については、年収が上がった割合が全体で39.5%、2019年以降増加傾向となった。性年代別では男性20代、30代が約半数の割合で上がっており、職種別では「クリエイター・エンジニア職」で増加した割合が高くなった。【図4】
【図4】転職後の年収の変化
今後リスキリングが必要になりそうな職種と必要となると考えられる能力
- 自身の経験・希望職種において、今後必要になる能力がわかっている人はリスキリングに積極的
今後リスキリングが必要になりそうな職種は、「管理・事務」が25.1%で最も高く、次いで「医療・福祉」「営業」となった。実際に「管理・事務」の経験または希望していた・している人が、今後必要となると考えられる能力は「情報セキュリティ能力」で26.0%。次いで「ビジネス課題設定・解説する能力」が24.5%、「ビッグデータの分析・処理能力」が21.4%と続いた。職種問わず、ビジネス課題を設定・解決する能力は必要となると考えている人が多いようだ。【図5】
【図5】今後リスキリングが必要になりそうな職種 上位抜粋(回答数1,500)
自身の経験・希望職種で必要になると答えた能力で、実際にリスキリングをしたかを聞いた。リスキリングの経験率が最も高かったのは「ブロックチェーンを扱う能力」で73.0%、その他の能力においても約半数がリスキリングを行ったと回答した。【図6】
【図6】必要となると考えられる能力(職種別)
また「今後行いたいと思っている」人も多く、経験がある人・今後行いたい人合わせて8割以上がリスキリングに前向きな姿勢を見せている。経験・希望職種について必要になりそうな能力がわかっている人はリスキリングに積極的であると考えられる。【図7】
【図7】必要になりそうだと答えた能力について、リスキリングをしたか
調査担当者のコメント
今回の調査では、2022年の転職者は例年よりも「給与」を重要視していたことがわかりました。
転職理由のトップが「給与が低かった」、入社の決め手については「給与が良い」と、両方とも給与に関する結果になったのは調査を開始してから初めてのことです。また、選考を辞退した理由についても「給与が低かった」がトップになっています(転職動向調査2023年版 P.74-75)。物価上昇により現状の給与への不満が高まり、生活に必要な収入の確保を目的に転職をする人が増加していることがうかがえます。
そこで今後の転職でポイントとなるのが「リスキリング」です。将来必要になりそうな能力を見極め、リスキリングを行うことが年収アップの近道になるかもしれません。リスキングというとハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、まずは気になる分野の書籍を読んだり、社内外の研修に参加したりと、できるところから挑戦してみてはいかがでしょうか。
調査概要
調査期間 | スクリーニング調査:2022年12月14日(水)~12月16日(金) 本調査:2022年12月16日(金)~12月20日(火) |
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調査方法 | インターネット調査 |
調査対象 | 正社員として働いている20代~50代の男女のうち、2022年に転職した方 |
有効回答数 | 1,500名(男性20代305名、男性30代350名、男性40代228名、男性50代113名、女性20代219名、女性30代121名、女性40代105名、女性50代59名) ※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。 |
レポート内目次
■調査概要・・・P4~
■TOPICS・・・P6~
1.2022年転職の実態・・・P15~
2.前職から現職の変化・・・P33~
3.現職の状況・・・P42~
4.これまでの転職経験・・・P47~
5.仕事や転職に対する意識・関連項目・・・P62~
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