ガクチカとは?書き方や見つけ方、自己PRとの違いなどを解説

キャリアリサーチLab編集部
著者
キャリアリサーチLab編集部

就職活動において頻出の質問である「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」。エントリーシートや面接で必ずといっていいほど問われる項目である。

しかし、「ガクチカがない」「何を書けばいいかがわからない」と悩む学生も少なくない。 

本記事では、ガクチカの基本的な意味から書き方、見つけ方、さらに自己PRとの違いまでを解説。加えて、マイナビの調査データから見える最新の傾向にも触れながら、今の就活に求められるガクチカの考え方を整理していく。

ガクチカとは

まずは、「ガクチカ」の言葉の意味や企業が重視する理由を解説する。

ガクチカの意味と就活における位置づけ

ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」を省略した就活用語である。学業をはじめ、アルバイトや部活動、ゼミ、課外活動など、自ら考え行動した経験が重視される。

企業がガクチカを問うのは、単なる実績や成果を見るためではない。その人の行動特性や価値観、課題に対する向き合い方を知るための重要な判断材料として活用されている。

マイナビが学生に対して行った「2026年卒 大学生キャリア意向調査7月<就職活動・進路決定>」では、周りで流行った「就活用語」について聞いたところ1位が「ガクチカ」であった。「ガクチカ」は、2018年卒から毎年ランクインしており、2024年卒以降は3年連続で1位となっている。 

このことから、就職活動を行う学生にとって大変なじみ深い言葉であるといえる。 

企業がガクチカを重視する理由

企業がガクチカを重視する理由は、これまでの経験やスキルを評価できる中途採用と違い、新卒採用では将来の活躍を見据えた「ポテンシャル」を見極める必要があるからだ。学生時代の経験を通して発揮された考え方や行動パターンが、入社後にも活かされるかどうか、といった再現性を見ていることが多い。

たとえば、課題に直面したときにどのように分析し、どのような工夫をしたのか。そのプロセスにこそ評価の軸がある。

ガクチカと自己PRの違い

ガクチカとよく混同されるものとして、「自己PR」がある。しかし、その役割は異なり、ガクチカは「経験」を軸に、その人の行動や思考を伝えるもの。一方、自己PRは「強み」を軸に、自身の能力や特性をアピールするものである。

ガクチカでは、無理に強みを前面に出すのではなく、あくまで自身の経験の中でどのような工夫や努力をしたのかを伝えることが重要となる。そのうえで、自己PRではその経験から導き出される強みを整理して提示すると、より説得力が増す。

マイナビ調査からわかる近年の傾向―「ガクチカがない」と感じる学生は減少傾向

ここからは、マイナビが学生に対して行った調査結果から近年の傾向を見ていく。

マイナビが毎年行っている「内定者意識調査」では、「コロナ禍で過ごしたのでガクチカとしてPRできるものが経験ができなかった」と思うか思わないかと聞いている。

新型コロナウイルス感染症の流行でさまざまな規制が始まったのが2020年であり、2020年に大学入学を迎えた人が多い2024年卒の学生に対する調査結果では、「そう思う(非常にそう思う+ややそう思うの計)」と回答したのが38.6%であった。

本記事執筆時点の最新データである2026年卒学生に対する調査結果は、「そう思う(非常にそう思う+ややそう思うの計)」が29.8%であり、2年で約9pt減少した。【図1】

【図1】コロナ禍で過ごしたのでガクチカとしてPRできる経験が少なかった/マイナビ内定者意識調査
【図1】コロナ禍で過ごしたのでガクチカとしてPRできる経験が少なかった/マイナビ内定者意識調査

特に文系学生が顕著であり、「そう思う計」の回答者割合を見ると、2024年卒で45.0%と半数近くの学生が「ガクチカがない」と思っていたのに対し、2026年卒は25.7%となり、約20pt減少している。

これらの結果から、近年では「コロナ禍によりガクチカがない」と思っている学生が減少傾向にあるということがわかる。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを「5類」とした2023年を区切りとし、学生の経験に対する制限も緩和されたことが大きな要因だろう。 

ガクチカの見つけ方

就職活動をする学生の中には「ガクチカが本当にない」と困っている人もいるだろう。ここからは、ガクチカの見つけ方を紹介する。

ガクチカがないと感じる理由

ガクチカがないと感じる理由の多くは、「特別な経験でなければならない」という思い込みにある。

しかし、企業が知りたいのは華やかな実績ではなく、日常の中での工夫や課題解決の姿勢である。「ガクチカがない」と悩む人は、ないのではなくまだ言語化できていないだけなのだろう。 

特別な実績がなくても普段の経験から見つけられる

ガクチカの見つけ方として重要なのは、「経験の種類」ではなく「取り組み方」に注目することである。たとえば、アルバイトで業務効率を改善した経験、サークルや部活動での役割・工夫、資格勉強や語学学習の継続といった身近な経験も、十分にガクチカとして活用できる。

ここで、マイナビが行った「2027年卒大学生キャリア意向調査5月<インターンシップ・キャリア形成活動>」の結果を見る。「現時点(大学2年生までの活動)で、ガクチカでどのようなポイントをアピールできそうですか」という設問では、もっとも多かった回答が「アルバイト経験について」で62.4%、次いで「学業・研究活動・ゼミ活動について」が46.3%、「サークル活動について」が28.4%となっている。【図2】

【図2】ガクチカでどのようなポイントをアピールできそうか/マイナビ「2027年卒大学生キャリア意向調査5月<インターンシップ・キャリア形成活動>」
【図2】ガクチカでどのようなポイントをアピールできそうか/マイナビ「2027年卒大学生キャリア意向調査5月<インターンシップ・キャリア形成活動>

ポイントとなるのは「自分なりの課題意識を持って取り組んだかどうか」であり、主体的に考えて動いたエピソードであれば、十分にガクチカとしてアピールできる。

エピソードを深掘りして差別化ポイントを見つける

ガクチカの質を高めるには、エピソードを深掘りすることが重要となる。特に有効なのが「なぜ」を繰り返す方法だ。 

  • なぜその課題に気づいたのか
  • なぜその行動を選んだのか
  • なぜ他の方法ではなくそのやり方にしたのか

このように思考プロセスを掘り下げることで、「その人ならではの考え方」が見えるようになる。また、うまくいかなかった経験や試行錯誤の過程も重要であり、単なる成功談ではなく、困難にどう向き合ったか、どう乗り越えたかを語れると良い。周囲を巻き込んだ経験があれば、その点もアピールすると良いだろう。

第三者(友人や家族など)に聞く、AIとの壁打ちなどで客観的に見つける

ガクチカの見つけ方として意外と効果的なのが、第三者に自分の経験を聞いてもらうこと。自分では「当たり前」と思っていることでも、他人から見ると強みや特徴として映るケースは少なくないからである。友人や家族、大学のキャリアセンターなどに相談し、「印象に残ったエピソードはあるか」「強みとして伝わる行動はどれか」というような観点でフィードバックをもらうと良い。

特に「それってすごいね」と言われたポイントは、ガクチカとしてのヒントになる可能性が高いだろう。

また、生成AIとの壁打ちで客観的な視点のヒントをもらうこともできる。身近な人に聞くことが難しい場合は、AIの活用もおすすめだ。

キャリアリサーチLab研究員が、生成AIを使用してエントリーシートを書けるのかを検証した記事もあるので、あわせてご覧いただきたい。 

そして、実際の選考では「他人に伝わるかどうか」も重要になる。第三者に話して整理するプロセスそのものが、ガクチカのブラッシュアップにもつながる。

ガクチカの書き方―基本構成STAR法

ここからは、ガクチカの基本的な書き方について方法のひとつを紹介する。ガクチカは、「STAR法」といわれる方法で構成すると良いと言われている。

STAR法とは、「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」の頭文字を取ったもので、具体的な経験から考えを伝えるためのフレームワークとして用いられる。

ガクチカにおいては、まず「私が学生時代に力を入れたことは、○○です。」と初めに説明したうえで、それがどんな状況で起きたことなのか(Situation)、どんな課題があったのか(Task)、どんな行動を取ったのか(Action)、結果どうなったのか(Result)の順で整理していく。

より相手に伝わりやすいようにするには、具体的な数値を用いて説明することが効果的である。また、一文を長くしすぎず、論理的に整理することが重要となる。

ガクチカは特別な経験でなくていい

ガクチカは、特別な経験である必要はない。重要なのは、その経験にどのように向き合い、何を考え、どう行動したのかというプロセスである。

また、マイナビの調査からもわかるように、現在は多くの学生が何らかのガクチカになる経験をしている。その中で差をつけるためには、経験の質と伝え方を磨くことが重要だろう。

自分の過去を丁寧に振り返り、納得感のある言葉で語れるガクチカを準備しておきたい。

矢部栞
担当者
キャリアリサーチLab編集部
SHIORI YABE

関連記事

AI時代の新卒面接~「調整プロセス」で見極める資質の再現性~

コラム

AI時代の新卒面接~「調整プロセス」で見極める資質の再現性~

新卒採用の「早期化」は何が問題なのか

コラム

新卒採用の「早期化」は何が問題なのか

コロナ禍で、大学生の「ガクチカ」はどう作るのか

コラム

コロナ禍で、大学生の「ガクチカ」はどう作るのか