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女性管理職比率向上を、「管理職へのステップアップがイメージできる職場」から考える

沖本麻佑
著者
キャリアリサーチLab編集部
MAYU OKIMOTO

政府は企業の女性管理職の比率を2030年までに30%以上にする目標を掲げている。しかし内閣府の『男女共同参画白書(令和6年版)』によると、2023年の女性管理職比率は係長級が23.5%、課長級が13.2%、部長級が8.3%と、いまだ低い水準で推移しているのが現状である。

この課題について、研究レポート『女性管理職を増やすための職場環境と上司のサポート~2030年の女性管理職比率30%達成に向けて~』で、管理職意向がある人の特徴を考察した際、女性の方が男性に比べて管理職に昇進したい年齢が若いことや、「その(昇進を希望する)時期までに管理職になれると思う人」の割合が低い ことがわかった。

その背景について詳細は後述するが、要因の一つに「管理職昇進へのロードマップを描けない」ことがあるとわかった。この「ロードマップを描けず、管理職になりたい時期までに昇進できると思えない」ことは、管理職昇進意欲のモチベーション維持にとって重要なネックとなることは想像に難くない。

そして、女性管理職比率の向上を目指す中で、「管理職意向の維持」は大事なポイントの一つである。そこで本コラムでは、「自身が希望する時期までに管理職になれそうだと思えるかどうか」には、職場環境のどのような要素が影響しているのかについて、研究レポートで実施した『非管理職の管理職意向に関する調査』の結果から考察していく。

管理職意向についての現状

管理職意向の男女差

まずは男女における管理職意向の差について整理する。『非管理職の管理職意向に関する調査』を見ると、非管理職として働いている23‐39歳の正社員のうち、管理職になりたい人の割合は、男性50.5%に対し、女性は33.6%となっており、16.9ptの差が見られた。

【図1】管理職意向
【図1】管理職意向

管理職になりたい年齢の男女差

次に、管理職になりたい男女の「管理職に就きたい年齢の差」について見ると、女性の方が20~30代で管理職になりたい人の割合が高かった。特に20代の回答者においては、30代までに管理職になりたい女性の割合が72.4%で、男性(60.2%)と比べて10pt以上の差が見られた。

【図2】管理職に就きたい年齢
【図2】管理職に就きたい年齢

そこで、この管理職になりたい年齢の違いは、管理職になりたい動機の違いから来るのかを比較した。管理職になりたい理由は「収入を増やしたいから」が、管理職になりたい年齢や性別を問わず最多となっており、管理職になりたい人の多くは収入の増額を求めて管理職昇進を希望していることがわかる。

【図3】【管理職意向がある人】管理職になりたい理由
【図3】【管理職意向がある人】管理職になりたい理由

また、男女の管理職になりたい理由の上位を見ると、男性は「肩書がほしいから」「会社や職場を改革したいから」が入っているのに対し、女性は「女性が活躍できる職場にしたいから」「自分のやりたい仕事であるから」が入っているという違いはあるが、男女ともにおおむね同じ項目が上位に入っている。男女の管理職になりたい理由の差が、管理職に就きたい年齢の違いに影響しているとは考えづらそうだ。

さらに、20~30代で管理職になりたい女性と40~50代で管理職になりたい女性の「管理職になりたい理由」も、割合に差はあるものの同じ項目が上位に入っている。女性の方が管理職になりたい年齢が早いのは、男性と管理職意向の理由が異なるというわけではなく、結婚や出産などのライフイベントによる働き方への影響を考え、早い時期に管理職になりたいと考えている人が男性より多いと推察される。

管理職になりたい時期までに昇進できると思うかの男女差

前述の「自身が管理職になりたい年齢」について、実際にその時期までに管理職になれそうだと感じているか聞いたところ、男性は「そう思う(どちらかといえば含む)」と回答した人が54.6%と半数を超えたのに対して、女性は43.2%と、男女間で11.4ptの差が見られた。

【図4】【管理職意向がある人】現在の職場で希望通りの時期までに管理職になれると思うか
【図4】【管理職意向がある人】現在の職場で希望通りの時期までに管理職になれると思うか

この点について、女性の方が管理職になりたい時期が早い傾向にある分、希望時期までに管理職になることにハードルを感じる人が多いのかを確認するため、管理職になりたい時期・男女別で比較した。

すると、希望の時期までに管理職になれると思う割合は「20~30代での管理職昇進を希望する男性」がもっとも高く、反対に希望時期までに管理職になれると思う割合がもっとも低いのは「40~50代での管理職昇進を希望する女性」だった。

【図5】【性別・管理職になりたい年齢別】現在の職場で、希望通りの時期までに管理職になれると思うか
【図5】【性別・管理職になりたい年齢別】現在の職場で、希望通りの時期までに管理職になれると思うか

同じ「30代までに管理職昇進を希望する人」でも、その年齢までに管理職になれると思う人の割合は、女性の方が17.5pt低い。また、男女ともに20~30代での管理職昇進を希望する人よりも、40~50代での管理職昇進を希望する人の方が、「その年齢までに管理職になれると思う」人の割合が低いことがわかる。

「管理職昇進を希望する年齢までに管理職になれると思う」人は、女性の方が割合が低いことが見て取れる。また、単純に昇進したい時期が早いことが「その時期までに管理職になれない」と思うことにつながっているわけではないと考えられる。

希望通りの時期までに管理職になれると思わない理由について、女性の上位項目に注目してみると1位「自身のスキルが足りないから」2位「年功序列で昇進していく風土だから」に続いて「昇格基準がわからないから」が3位だった。管理職に必要なスキルについては、自身でも磨いていける可能性があるが、昇格基準がわからないという問題は、「スキルが足りないかどうかもわからない」というさらに根本の課題といえる。

【図6】【希望通りの時期までに管理職になれると思わない人】希望通りの時期までに管理職になれると思わない理由(女性の理由で上位5項目抜粋)
【図6】【希望通りの時期までに管理職になれると思わない人】
希望通りの時期までに管理職になれると思わない理由(女性の理由で上位5項目抜粋)

このような、「どうすれば管理職昇進できるのかわからず、ステップアップのイメージが描けない」ことは、管理職になりたい時期までに昇進できると思うかどうかに影響している要素の一つと考えられる。

管理職になりたかったが意欲がなくなったというケースも

反対に、管理職意向がない人について見ていく。現在管理職になりたいと思わないと回答した人に、過去に管理職意向があったか聞いたところ、男女ともに1割以上の人が「(とても+やや)ある」と回答した。少数ではあるが、一定数の割合で「管理職になりたいと思ったことはあるが、意欲が低下した・諦めた」という人がいることがわかる。

【図7】【管理職意向がない人】過去に管理職になりたいと思ったことがあるか
【図7】【管理職意向がない人】過去に管理職になりたいと思ったことがあるか

管理職意向がなくなった理由について見ると、「責任が重くなりそうだから」という回答がもっとも多くなっているが、前述のような「昇進へのステップアップのイメージ」に関わる項目では「どうしたら昇進できるかわからないから」が、女性は21.2%となっており、男女の差は11.4ptだった。

【図8】【過去に管理職意向があったが、現在は管理職意向がない人】 管理職意向がなくなった理由
【図8】【過去に管理職意向があったが、現在は管理職意向がない人】 管理職意向がなくなった理由

このことからも、管理職になりたいと思ったことがあっても、そのモチベーションが維持できずに管理職昇進を希望しなくなった人がいること、その理由に「昇進までのロードマップが描けないこと」が影響している人がそれぞれ一定数の割合でいることがわかる。

評価制度と「希望時期までに管理職になれそうか」

管理職にステップアップする方法がわからないことやロードマップが描けないことが、管理職昇進への意欲喪失につながるのであれば、前述の「管理職になりたい時期までに昇進できそうかどうか」という感覚も、昇進についてのモチベーションを保つうえで重要な要素になりえるだろう。

では、希望の時期までに昇進できると思う人と思えない人との違いはどのような点にあるのか。希望時期までに管理職になれそうかということについて「管理職昇進の目途が立つかどうか」と捉えて、さまざまな点から比較してみた。

昇進基準の透明性

「どうしたら昇進できるかわからない」という理由で管理職意向がなくなってしまう女性もいたことから、まずは昇進基準の透明性と管理職昇進の目途を比較した。男女ともに、希望時期までに管理職になれると思う人の方が、職場で昇格・昇進基準の開示がされている割合が高いことがわかる。

【図9】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×職場で昇格・昇進基準が開示されているか
【図9】【管理職意向がある人】
希望の時期までに管理職になれると思うか×職場で昇格・昇進基準が開示されているか

評価の納得度

次に、職場の評価制度や自身の評価への納得度と希望時期までに管理職になれると思うかどうかを比較した。男女ともに、希望時期までに管理職になれると思う人の方が、そうでない人に比べて職場の評価制度への納得度が高かった。

【図10】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×職場の評価制度への納得度
【図10】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×職場の評価制度への納得度

自身への評価の納得度について見てみると、特に女性の方が、希望時期までに管理職になれると思う人とそうでない人とで、評価に納得している人の割合の差が大きいことが見て取れる。

【図11】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×自身の評価への納得度
【図11】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×自身の評価への納得度

評価の納得度に影響するもの

では自身の評価への納得度は何によって変わるのか。男性よりも納得度の差が大きかった女性に限定して、評価に納得している理由を見ると、希望時期までに管理職になれると思う人とそうでない人とで差が大きかったのは、「評価基準が明確である」「評価基準が昇進・昇格に反映されている」という点だった。

【図12】【管理職意向がある人・自身の評価に納得している人】自分の評価に納得している理由
【図12】【管理職意向がある人・自身の評価に納得している人】自分の評価に納得している理由

評価においては、評価基準が明確であることや、その結果が昇進・昇格に反映されていることが自身の評価への納得度にもつながり、そうした評価が「希望時期までに管理職になれると思えるかどうか」ということにも影響している可能性がある。

「どうしたら昇進できるかわからない」という意識が管理職意向の喪失にもつながっていたことから、裏を返せば、「評価基準を明確にして非管理職にも透明化すること」や「評価を昇進に反映する仕組みをつくること」によって、管理職に昇進したいと考える人のモチベーションの維持や、管理職昇進へのロードマップを描きやすくすることにつながると考えられる。

キャリアプランと「希望時期までに管理職になれそうか」

キャリアプランや目標の有無

「希望時期までに管理職になれると思えるかどうか」には、「管理職になりたい時期」や「その時期までに昇進するために何に取り組むか」という、自身のキャリアプランをどの程度明確に持っているかも影響していると考えられる。

そこで、仕事においてキャリアプランや目標があるかどうかと、希望の時期までに管理職になれると思うかどうかを比較したところ、男女ともに、「希望年齢までに管理職になれそう」と思う人の方が、キャリアプランや目標を持っている割合が高いことがわかった。

【図13】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×現在、キャリアプランや目標があるか
【図13】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×現在、キャリアプランや目標があるか

一方、参考値ではあるが、現在子どもがいる人に子どもが生まれる前のキャリアプランや目標について聞いたところ、希望時期までに管理職になれると思う女性は、そうでない女性に比べて、子どもが生まれる前にキャリアプランや目標を持っていた人の割合が32.1pt多かった。男性はその差がわずかなのに対して、女性は大きく差がある様子がわかる。

【図14】【管理職意向がある人・子どもがいる人】希望の時期までに管理職になれると思うか×子どもが生まれる前に、キャリアプランや目標があったか
【図14】【管理職意向がある人・子どもがいる人】
希望の時期までに管理職になれると思うか×子どもが生まれる前に、キャリアプランや目標があったか

ライフイベントによる変化はそれぞれの家庭の事情も影響している可能性があるため一概には考えづらいが、希望時期までに管理職になれると思えるかどうかについて、女性の場合は出産や育児というライフスタイルの変化の前にキャリアプランを検討しておくことが、一つの重要な要素となっている可能性がある。

キャリアプランや目標を共有する機会の有無

キャリアプランや目標に関して、自身で明確に持っていることがポイントの一つであるとわかったが、会社や上司への申告機会などについてはどうなのだろうか。

まずは、会社に対するキャリアプランや目標の共有の機会が、個人のキャリアプランに影響するのか比較した。会社に対してキャリアプラン・目標共有の機会がある人は、ない人に比べてキャリアプランや目標を持っている割合が高く、特に月に1回会社に共有している人は、キャリアプランの共有機会がない人に比べて、キャリアプランや目標を持っている割合が54.3pt高かった。

【図15】会社にキャリアプランや目標を共有する機会の頻度×現在のキャリアプランや目標
【図15】会社にキャリアプランや目標を共有する機会の頻度×現在のキャリアプランや目標

また、会社に対する共有頻度が高い人の方が、キャリアプランなどが「明確にある」人の割合が高い傾向にあり、機会がない人は「まったくない」割合が33.1%となっていることから、定期的に会社に対してキャリアプランを共有する機会が多いほど、自身のキャリアを考える機会が増え、キャリアプランが明確になっている傾向も見て取れる。

さらに、希望時期までに管理職になれると思うかどうかと、会社に対してキャリア申告などのキャリアプランや目標を共有する機会の頻度を比較すると、「希望時期までに管理職になれそう」と思う人の職場の方が、会社へのキャリアプラン等の共有機会が提供されており、「機会はない」と回答している人の割合が低かった。

【図16】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×会社に対してキャリアプランや目標を共有する機会の頻度
【図16】【管理職意向がある人】
希望の時期までに管理職になれると思うか×会社に対してキャリアプランや目標を共有する機会の頻度

同様に、上司に対するキャリアプラン等の共有機会とキャリアプランの有無について見ても、上司とキャリアプランを共有する機会がある人の方がキャリアプランを持っている割合が高く、さらに、機会がない人はキャリアプランや目標が「まったくない」人が37.1%と、会社に対する共有機会がない場合よりも高かった。

【図17】上司にキャリアプランや目標を共有する機会の頻度×現在のキャリアプランや目標
【図17】上司にキャリアプランや目標を共有する機会の頻度×現在のキャリアプランや目標

また、希望時期までに管理職になれると思う人の職場では、そうでない人に比べて上司にキャリアプランを共有する機会が確保されており、「機会はない」人の割合が低いという傾向が見られた。

【図18】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×上司に対してキャリアプランや目標を共有する機会の頻度
【図18】【管理職意向がある人】
希望の時期までに管理職になれると思うか×上司に対してキャリアプランや目標を共有する機会の頻度

自身のキャリアプランや目標を考える機会や、それを会社・上司に伝える機会をつくることによって、「管理職になりたい時期までに管理職になれそう」と感じられるような、管理職昇進への具体的なロードマップの作成につながるのではないだろうか。

上司からのサポートと「希望時期までに管理職になれそうか」

研究レポート『女性管理職を増やすための職場環境と上司のサポート~2030年の女性管理職比率30%達成に向けて~』では、女性部下を管理職に昇進させた経験のある上司は、部下を育成・サポートする姿勢があることがわかった。そのため今回の「管理職になりたい時期までに昇進できると思えるかどうか」にも、上司のサポートが影響しているのかを見ていく。

上司からのキャリアプランの提示

上司からの「管理職へのキャリアプランの提示」について見ると、希望時期までに管理職になれると思う人の方が、管理職昇進というキャリアプランの話をしているとわかる。

昇進の目途が立っている人だからこそ、上司もキャリアプランとして提示しているとも考えられるが、上司から管理職昇進というキャリアプランを示されることで、それを受け入れたかどうかにかかわらず、「管理職になる」ということについて具体的なイメージが持てるようになっていることもあるのではないだろうか。

【図19】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×管理職へのキャリアプランの提示を上司から受けた経験
【図19】【管理職意向がある人】
希望の時期までに管理職になれると思うか×管理職へのキャリアプランの提示を上司から受けた経験

昇進に向けた、上司からのサポートの有無

また、よりシンプルに「管理職昇進に向けて、上司からサポートを受けていることがあるか」聞いたところ、「希望時期までに管理職になれると思う」人の方が、上司からサポートを受けている割合が高いことがわかる。特に、女性は31.5ptの差が見られ、上司のサポートは、希望時期までに管理職になれると思えるかどうかの意識に影響している一つの要素といえそうだ。

【図20】【管理職意向がある人】希望の時期までに管理職になれると思うか×現在、管理職になるために上司からのサポートがあるか
【図20】【管理職意向がある人】
希望の時期までに管理職になれると思うか×現在、管理職になるために上司からのサポートがあるか

上司からのサポートの内容

具体的にどのようなサポートを受けているのかを見てみると、「キャリアプランを一緒に考える」や「成長を考えた業務の采配」が3割を超えており、上位となっている。上司からのサポートとしてはこのようなことに取り組まれるケースが多いようだ。

希望の時期までに管理職になれると思えるかどうかにおいて差が見られたのは、「自身を成長させるような立場や役割への抜擢」や「昇進までのロードマップの作成」で、どちらも10pt以上の差となった。

【図21】【管理職意向がある人・上司からサポートを受けている人】上司からのサポートの内容
【図21】【管理職意向がある人・上司からサポートを受けている人】上司からのサポートの内容

管理職へのキャリアプランの提示によって「管理職昇進」について現実味を持って考えることや、昇進に向けたロードマップの作成、スキルアップのための抜擢など、管理職昇進に向けた具体的な戦略を考えて実行していく上司からのサポートも、希望時期までに管理職になれるかどうかというイメージにつながりそうだ。

まとめ

本コラムでは、女性管理職比率向上について「管理職になりたい時期までに昇進できると思えるかどうか」に着目して評価制度やキャリアプラン、上司からのサポートとの関係を見てきた。

今回の調査では、管理職昇進において、評価・昇進基準の明確さやキャリアプランの有無、上司からのサポートなどが、昇進に向けたロードマップをイメージしてそれに向けて努力することにつながり、「管理職になりたい時期までに昇進できそう」と思えることにもつながっていると推察される。さらにこの点についてはおおむね男女問わず見られる傾向とわかった。

昇進に向けてどのようなスキルアップが必要なのか明確にすることや、ステップアップの目標などを会社や上司に共有する機会をつくり、上司がそのサポートとして仕事の采配を工夫するなどの取り組みは、管理職になりたい人のモチベーション維持や背中を押すことにつながりそうだ。

女性の管理職比率向上を目指す職場においては、前述のように女性の方が管理職になりたい年齢が早い傾向にあることや、「管理職になりたい年齢までに昇進できそう」と思う人が少ないという特徴も踏まえながら、キャリアプランの提示のタイミングやサポートを工夫し、取り組んでいけるとよいのではないだろうか。

研究レポート『女性管理職を増やすための職場環境と上司のサポート~2030年の女性管理職比率30%達成に向けて~』では、今回考察した「管理職になりたい時期」に関すること以外にも、「管理職意向がある人とない人の職場の違い」「女性を管理職にした経験のある上司と職場の特徴」などについても検討している。女性管理職比率の向上については、そちらも参考にしてほしい。

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