マイナビ キャリアリサーチLab

学生にとって良いインターンシップとは?【歴代の受賞法人紹介】と合わせて、「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」を振り返る!

片山久也
著者
キャリアリサーチLab編集部
HISANARI KATAYAMA

目次

はじめに

株式会社マイナビでは、学生にとってより社会的・職業的な自立に貢献できるインターンシップの発展を目指し、各省庁や日本経済新聞と共に、キャリアデザインプログラムアワード(旧インターンシップアワード)の後援を行っている。

このコラムでは、受賞法人の取り組みや、過去6回にわたって学術的にインターンシップやキャリア形成支援に係る取り組みの効果等を研究した結果を紹介する。インターンシップの事例を参考したい人、インターンシップの手法や効果について知りたい人にぜひ読んでもらいたい。

学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワードとは?

「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」とは、学生の社会的・職業的自立に貢献したインターンシップやキャリア形成支援に係る取り組みを表彰している。

キャリアデザインプログラムアワードを通じて、学生の職業観涵養を促進する効果的な取り組みを周知することで、プログラムの質的向上および実施企業数の増加を実現し、学生と企業のより精度の高いマッチングを目指している。

主催/後援

  • 主催:「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」実行委員会
  • 後援:経済産業省・厚生労働省・文部科学省・日本経済新聞社・マイナビ(順不同)

インターンシップの定義とアワード名の変更

2022年6月13日に文部科学省・厚生労働省・経済産業省により「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」が示された。

「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」の内容

この考え方に則り、名称を「学生が選ぶインターンシップアワード」から第6回開催より「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」に変更している。

「キャリアデザインプログラム」という言葉は、新たにインターンシップとして定義された「汎用的能力・専門活用型インターンシップ(タイプ3)」「高度専門型インターンシップ(タイプ4)」に限らず、それ以外のキャリア形成支援に係る取り組みを総称する言葉として設定している。

類型性質
タイプ1 オープン・カンパニー個社・業界の情報提供・PR
タイプ2 キャリア教育教育
タイプ3 汎用的能力・専門活用型インターンシップ就業体験/自らの能力の見極め/評価材料の取得
タイプ4 高度専門型インターンシップ就業体験/実践力の向上/評価材料の取得

また、キャリアデザインプログラムアワードにおいては新定義の「インターンシップ」プログラムに限らず、その他キャリア形成支援に係る取り組みも含め、真に学生にとって有益なプログラムの形を模索し、発信することを目的としている。

学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード

歴代の受賞法人紹介

2024年開催(第7回)

キャリアデザインプログラムアワード大賞旭建設株式会社
株式会社伊藤工務店
株式会社K GRIT/株式会社フォトラクション
LINE WORKS株式会社
(共同プログラム)
文部科学大臣賞関西学院大学
地方創生賞久留米工業大学
優秀賞株式会社日本総合研究所
優秀賞日本大学
優秀賞株式会社博報堂
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ

その他の入賞法人に関してはこちら

2023年開催(第6回)

キャリアデザインプログラムアワード大賞株式会社麦の穂・椙山女学園大学
文部科学大臣賞北九州市立大学
地方創生賞燕市
優秀賞島根電工株式会社
優秀賞テンプル大学ジャパンキャンパス

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2022年開催(第5回)

インターンシップアワード大賞ボッシュ株式会社
文部科学大臣賞大東文化大学
地方創生賞滋賀県・株式会社いろあわせ
優秀賞三菱ふそうトラック・バス株式会社
優秀賞株式会社ミルボン

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2021年開催(第4回)

インターンシップアワード大賞沖縄ワタベウェディング株式会社
文部科学大臣賞国立大学法人 鹿児島大学
優秀賞フェリス女学院大学
優秀賞明治大学・関西大学
優秀賞株式会社ロイヤルコーポレーション

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2020年開催(第3回)

インターンシップアワード大賞生和コーポレーション株式会社
文部科学大臣賞東京都市大学
優秀賞株式会社アマダ
優秀賞エステート住宅産業株式会社
優秀賞株式会社東芝
優秀賞新潟大学
優秀賞ボッシュ株式会社
優秀賞明治大学

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2019年開催(第2回)

インターンシップアワード大賞三菱電機株式会社
優秀賞あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
優秀賞旭建設株式会社
優秀賞株式会社昭栄美術
優秀賞株式会社力の源ホールディングス
優秀賞ボッシュ株式会社

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2018年開催(第1回)

インターンシップアワード大賞富士通株式会社
優秀賞株式会社栄水化学
優秀賞株式会社クラウン・パッケージ
優秀賞ボッシュ株式会社
優秀賞三井住友海上火災保険株式会社

その他の入賞法人に関してはこちら

学生にとって有益なインターンシップとは?

多摩大学 経営情報学部 准教授である初見康行氏

ここからは、これまでに開催したアワードの参加学生に調査した結果をもとにした多摩大学 経営情報学部 准教授である初見康行氏による研究結果について紹介する。

※第5回(24年卒対象)までのものは改正前の定義で「インターンシップ」という用語を用いている。

低学年の学生たちの注目も集め、参加者は多様化(第7回より)

「キャリア形成活動の発展に向けて」というテーマで、アワードに参加した学生などに実施した調査や分析をもとにしながら、今後のキャリア形成活動のあり方について語っている。

【トピック】

  • 学生のインターンシップ参加率は過去最高の85.7%!
  • プログラム全体の50%以上を就業体験にすることが重要、5日間以上のプログラムは学生にも企業にも有益
  • 低学年を対象としたキャリア形成支援は企業側にも大きなメリットがある
  • 産学官民がしっかり連携することで無理なく低学年向けのキャリア形成支援を実現できる

研究結果のコラムを読む

キャリア形成活動と卒業後の活躍について(第6回より)

「キャリア形成活動と卒業後の活躍について」というテーマで、アワードに参加した学生などに実施した調査や分析をもとにしながら、今後のキャリア形成活動のあり方について語っている。

【トピック】

  • 社会人基礎力が高い学生ほど、入社後の「ワーク・エンゲージメント」が高まる
  • 社会人基礎力や自律的キャリア観を育むためには、キャリア形成活動の内容が重要
  • 就業体験と低学年次からのキャリア形成活動がキャリアデザインプログラム発展のヒントに

研究結果のコラムを読む

インターンシップの効果と発展に向けて(第5回より)

「インターンシップの効果と発展に向けて」というテーマで、インターンシップの持つ役割と未来について考察と示唆を論じている。

【トピック】

  • インターンシップ参加の経験が大学生活や企業選びの納得感につながる
  • フォローアップや社員との交流が学生にとって大切な価値となる
  • 学生・企業・大学が意識を新たにしインターンシップの概念を更新していく必要がある

研究結果のコラムを読む

インターンシップの内容・手法の改善に向けて(第4回より)

「インターンシップの内容・手法の改善に向けて」というテーマで、専門家の視点から今後のインターンシップのあり方を考察している。

【トピック】

  • 教育効果や志望度を高めるうえで知っておくべきこととは?
  • 「実務を体験=満足度の向上」という単純な構造ではない?
  • オンライン・オフラインによる大きな差は確認されなかった

研究結果のコラムを読む

教育効果を向上させるインターンシップとは(第3回より)

インターンシップを大学(学生)と企業双方にとってより意義のあるものにするために、共通した目的になるものなにか?分析を通して、この問いにひとつの答えを出している。

【トピック】

  • 教育効果を向上させるインターンシップとは?
  • 教育効果とは?
  • 教育効果を高める4要因とは?
  • インターンシップの教育効果モデル

研究結果のコラムを読む

企業への志望度を向上させるインターンシップとは(第3回より)

インターンシップを大学(学生)と企業双方にとってより意義のあるものにするために、共通した目的になるものなにか?
共分散構造分析(SEM)という統計手法を使って、この問いにひとつの答えを出している。

【トピック】

  • 企業への志望度を向上させるインターンシップとは?
  • 志望度を高める4要因とは?
  • インターンシップの志望度モデル
  • 大学と企業の接点について

研究結果のコラムを読む  

インターンシップアワードから紐解く学生の価値観(第2回より)

「インターンシップアワードから紐解く学生の価値観」について、調査を通してインターンシップと企業に対する志望度の関係を分析している。

【トピック】

  • インターンシップは志望度向上に有効である
  • 実施時期や期間は志望度に影響しない
  • インターンシップで学生が得られる5つの効果とは?
  • 志望度を高めるインターンシップに共通していたコンテンツとは?
  • 量的拡大と質的向上が課題に?有意義なインターンシップとは

研究結果のコラムを読む  

これまでの歩みを振り返る

これまで選考委員を務めている「法政大学 キャリアデザイン学部 梅崎修教授」と「法政大学 キャリアデザイン学部 坂爪洋美教授」そして、さまざまな角度から調査研究を進めていただいた「多摩大学 経営情報学部 初見康行准教授」の三名にこれまで取り組みや成果を振り返っていただいた。

「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」7年の歩みを振り返る—学生と企業への効果とは

  • 「キャリアの焦点化」と「キャリアの展望化」
  • インターンシップ体験と企業への志望度
  • インターンシップの効果を測定する尺度開発

“良いインターンシップ”とキャリアデザインのこれから—「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」7年の歩み

  • インターンシップの満足感
  • 学生にとっての「良いインターンシップ」
  • 大学生低学年向けのインターンシップ
  • インターンシップのこれから

第7回学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード開催報告

第6回学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード開催報告

第5回学生が選ぶインターンシップアワード開催報告

第4回学生が選ぶインターンシップアワード開催報告

まとめ

上記のような分析の過程で、「インターンシップに関する効果測定尺度」を開発するなど、幅広く社会で活用いただける発信も行っていただいている。

これからも株式会社マイナビは、「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」の後援を継続していく。毎年、さまざまな法人が受賞し、取り組みもアップデートしている。受賞法人から得られる気づきや学びもあるので、ぜひ注目してほしい。

その中で、学生の社会的・職業的自立に貢献するインターンシップとはなにか、新しい研究結果も出てくるだろう。マイナビキャリアリサーチLabでは、引き続き本アワードを通してインターンシップについて考え、情報発信をしていく。

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