マイナビ キャリアリサーチLab

2023年7-9月総評
「正社員の平均初年度年収推移レポート」と「正社員の求人件数・応募数推移レポート」

2023年7-9月の平均初年度年収は455.5万円。業種別では「IT・通信・インターネット」が最も高く511.4万円
求人件数は2019年平均比149.7%で前年同時期から15.9ptの大幅増加

本調査は、総合転職情報サイト『マイナビ転職』(https://tenshoku.mynavi.jp/)に掲載された求人の「平均初年度年収(未経験・経験者求人別)」、「求人件数・応募数」の推移を調査したものである。

調査概要

調査期間 2023年7月1日~2023年9月30日
集計対象 該当月における、総合転職情報サイト「マイナビ転職」に掲載開始された求人情報から、下記除外対象データを除き集計
※除外対象:雇用形態が正社員以外
※厚生労働省「国民生活基礎調査 所得の分布状況」を元に、所得金額上側1%を本レポートでは外れ値として設定
計算方法 マイナビ転職では、初年度年収は各求人ごとに幅をもって記載されている。当レポートでは各求人に掲載されている初年度年収の下限と上限の中間の値を平均値として「初年度年収」を算出した。(例:マイナビ転職上で初年度年収が400万~550万円だった場合、当レポート上の1案件あたりの初年度年収は475万円と計算)
未経験者・
経験者募集求人
の区分方法
マイナビ転職内で設定されたコードに基づいて、以下のように区分した。
未経験者募集求人:職種・業種ともに未経験OKの求人
経験者募集求人:職種・業種いずれか、または両方の経験を問う求人
本社所在地
設定方法
マイナビ転職の求人内において、本社窓口として設定された県をもとにエリア区分を行った(不明分を除く)。
エリア区分 全国47都道府県
関東:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、茨城県、群馬県
近畿:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県
東海:愛知県、静岡県、岐阜県、三重県
北海道・東北:北海道、宮城県、青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県
甲信越・北陸:新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県
中国・四国:広島県、岡山県、鳥取県、島根県、山口県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県
九州・沖縄:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

TOPICS

  • 2023年7‐9月の平均初年度年収は455.5万円。求人掲載数は2019年比149.7%と、企業の人材獲得意欲は引き続き高い状態で推移【図1、2、3】

  • 「IT・通信・インターネット」が全業種で最も初年度年収が高く511.4万円となり、2019年比では14.2万円増。また未経験者求人の割合は46.7%と全業種で最も少ない結果に【図4、5、6】

2023年7-9月 全体の傾向

正社員の平均初年度年収は455.5万円(未経験者求人:427.1万円、経験者求人:513.2万円)。コロナ影響前の2019年平均と比較すると、全体では17.9万円増、未経験者求人は8.0万円増、経験者求人は16.9万円増となった。前回の2023年4-6月と比較すると、全体では2.2万円減、未経験者求人は0.1万円減、経験者求人は6.5万円減となった。【図1】

【図1】正社員の平均初年度年収

初年度年収推移_2023年7-9月総評

求人件数は2019年平均比149.7%で、前年同時期の2022年7-9月平均から15.9pt増加した。3カ月ごとでみると、前回の2023年4-6月の142.6%から7.1pt増加し、企業の人手不足感はさらに高まっている。【図2】

【図2】2019年の年間平均を100%とした求人件数推移

求人件数推移_2023年7-9月総評

求人の経験者・未経験者の募集比率は、未経験者求人が66.9%、経験者求人が33.1%だった。今回は前回の2023年4-6月(未経験者:66.7%、経験者:33.3%)とほぼ変わらず、2022年平均(未経験者:66.3%、経験者:33.7%)と比較しても同程度の数値となった。【図3】

【図3】求人の募集条件比率推移

募集条件比率推移_2023年7-9月総評

2023年7-9月 業種別の傾向

正社員の平均初年度年収を業種別にみると、「IT・通信・インターネット」が最も高く511.4万円、次いで「金融・保険」が510.5万円、「コンサルティング」が496.6万円となった。
コロナ影響前の2019年平均と比較すると全12業種中11業種で増加しており、特に「金融・保険」は45.5万円増と最も増加額が大きい。また、平均初年度年収が最も高い「IT・通信・インターネット」は14.2万円増となった。前年同時期と比較すると、全12業種中8業種が増加。最も増加額が多かったのは「コンサルティング」で18.1万円増、次いで「公的機関・その他」が10.7万円増、「流通・小売・フード」は8.0万円増となった。【図4】

【図4】業種別 正社員の平均初年度年収

業種別初年度年収_2023年7-9月総評

求人件数は、2019年平均からすべての業種が増加した。最も増加している業種は「公的機関・その他」で209.4%、次いで「環境・エネルギー」で183.7%、「商社」で182.3%だった。前年同時期と比較すると、全12業種中11業種で増加しており、引き続き企業の採用活動が活発な様子がうかがえる。【図5】

【図5】業種別 2018年の年間平均を100%とした求人件数推移

業種別求人件数_2023年7-9月総評

求人割合を業種別にみると、全12業種中11業種で未経験者求人の割合が半数以上だった。そのうち、特に未経験者求人の割合が高い業種は「運輸・交通・物流・倉庫」で85.1%、「環境・エネルギー」が82.4%、「サービス・レジャー」が81.8%と8割を超える結果となった。一方、少ない業種は「IT・通信・インターネット(46.7%)」「メーカー(59.4%)」だった。
2019年平均と比較すると、コロナの影響で経験者求人比率が増加した影響が残っており、すべての業種で未経験者求人の比率が減少している。特に「金融・保険」「メーカー」「IT・通信・インターネット」では未経験者求人比率の減少が顕著にみられる。

コロナ影響前から人手不足感が強く未経験求人が増加していたが、コロナの影響により事業が不安定になる企業が増加した。人材は欲しいが余裕はない、という状況から未経験者の募集を控える企業が増えたと考えられ、経験者求人の比率が増加した。またテレワークやWEB会議の浸透、AI技術が急速に進歩するなど、特に「IT・通信・インターネット」で事業の変化スピードが速まっている影響で、より経験者を求める動きが強まったと考えられる。少しずつ未経験求人は増加しているものの、コロナ前と比較すると経験者を求める傾向は続いているようだ。【図6】

【図6】業種別 正社員求人の未経験募集割合

業種別未経験募集割合_2023年7-9月総評

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