マイナビ キャリアリサーチLab

非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月) 

企業のアルバイト不足感は4割、飲食・宿泊業では約6割がアルバイトの人手不足感があると回答
限定正社員制度について必要性を感じている企業は半数を超えたものの、制度を設けている割合は3割にとどまった

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人(有効回答数:スクリーニング調査17,000名、本調査973名)を対象に実施した「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)」の結果を発表しました。※非正規雇用:アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託

◆ 調査概要

内容 非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)
調査期間 2023年11月1日~11月3日
調査対象 自社の非正規雇用労働者の採用方針を把握している会社員/会社役員/経営者、かつ、従業員数10名以上の企業に所属している者
調査方法 インターネット調査
有効回答数 スクリーニング調査:17,000名 本調査:973名

◆ TOPICS

<2023年9-10月のアルバイトの人手不足感>

アルバイトで人手不足を感じた割合は38.7%(23年7-8月比:-1.0pt、22年9-10月比:-1.3pt)で、業種別で最も高かったのは[飲食・宿泊]で59.2%(23年7-8月比:+7.2pt、22年9-10月比:-1.3pt)、次いで[小売]で51.1%(23年7-8月比:+0.7pt、22年9-10月比:-1.3pt)となり、昨年来より企業のアルバイト不足感は改善されておらず、特に飲食・宿泊、小売での不足感が深刻な様子がうかがえる。【図1】【図2】

【図1】アルバイト 人手不足を感じた割合

アルバイト 人手不足を感じた割合/ マイナビ非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)」

【図2】アルバイト 「不足」上位の業種 

アルバイト 「不足」上位の業種 / マイナビ非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)」

<2023年9-10月のアルバイトの採用実施率>

アルバイトの採用活動実施率は20.0%(23年7-8月比:+0.1pt、22年9-10月比:+1.5pt)で、業種別で最も高かったのは[飲食・宿泊]で46.8%(23年7-8月比:+0.1pt、22年9-10月:-1.8pt)、次いで[小売]で31.8%(23年7-8月比:+1.3pt、22年9-10月比:+0.1pt)となった。【図3】また、アルバイトの採用活動を実施した理由で最も多かったのは、「正規社員の採用ができないため」で30.5%となった。正社員の採用ができないことを理由にアルバイトの採用を行っている企業が多く、雇用形態に関わらず、人材の確保に苦戦している様子がある。【図4】

【図3】アルバイト 業種別 採用活動実施率の上位

アルバイト 業種別 採用活動実施率の上位 / マイナビ非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)」

【図4】アルバイトの採用活動実施理由(複数回答)

アルバイトの採用活動実施理由(複数回答) / マイナビ非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)」

<限定正社員制度の導入状況・種類>

非正規雇用の採用を行っている企業で、限定正社員制度を設けている割合は30.8%にとどまった。制度を導入している業種で最も高かったのは[建設]で44.0%、次いで[ソフトウェア・通信]で32.6%となった。建設業では、2024年問題における働き方の改革の必要性、ソフトウェア・通信業ではIT技術者不足の課題感などにより、他の業種より導入が進んでいるものと推察される【図5】さらに、現在設けている限定正社員の種類をみると、「転居を伴う転勤がない正社員」で46.7%、次いで「フルタイム正社員より一週間の所定労働時間が短い正社員」が33.0%となり、勤務地や勤務時間を限定した制度を設けている企業が多い様子がうかがえる【図6】

【図5】限定正社員制度の必要性と実施状況(単一回答)※回答数30以上の業種を抜粋
※限定正社員制度とは、仕事の範囲・労働時間・勤務地などの「働き方の限定」がされる雇用形態

限定正社員制度の必要性と実施状況(単一回答)※回答数30以上の業種を抜粋※限定正社員制度とは、仕事の範囲・労働時間・勤務地などの「働き方の限定」がされる雇用形態/ マイナビ非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)」

【図6】現在設けている限定正社員の種類(複数回答)
※ベース:現在限定正社員制度を設けている人

現在設けている限定正社員の種類(複数回答)※ベース:現在限定正社員制度を設けている人/ マイナビ非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)」

<企業における非正規社員から限定正社員への転換実績・転換のきっかけ>

非正規社員から限定正社員への転換状況について聞いたところ、転換制度がある割合は57.7%、転換実績がある割合は43.0%となり、限定正社員制度を設けている企業の4割で非正規社員からの雇用形態の転換実績があることがわかった。(これまでに最も経験したことのある)雇用形態転換のきっかけについては、「非正規社員に限定正社員転換の誘いをして、限定正社員化した」が47.0%と最も高くなった一方で、非正規社員から申し出を受けた割合は11.4%と一定数あり、そのうち限定正社員化した割合は58.8%となった。【図7】【図8】企業から非正規社員に限定正社員化の働きかけを行うことで、限定正社員化に繋がったケースが多い様子がうかがえた。

【図7】非正規社員から限定正社員への転換制度有無と転換実績(単一回答)
※ベース:現在限定正社員制度を設けている企業、※回答数300

非正規社員から限定正社員への転換制度有無と転換実績(単一回答)
※ベース:現在限定正社員制度を設けている企業、※回答数300/ マイナビ非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)」

【図8】非正規社員の限定正社員化のきっかけ(単一回答)
※ベース:現在限定正社員制度を設けている企業、※回答数300

現在設けている限定正社員の種類(複数回答)※ベース:現在限定正社員制度を設けている人/ マイナビ非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年9-10月)」

◆ INDEX

1,採用活動の実施状況
2,新規採用の状況
3,過不足感
4,雇用調整状況
5,スポットワーカーの採用状況と今後の採用意向
6,スポットワーカーの採用理由
7,限定正社員制度の導入状況と導入理由
8,非正規社員から限定正社員への雇用形態の転換制度と転換実績
9.非正規社員から正社員への雇用形態の転換制度と転換実績
10.非正規社員に正社員化の誘いを断られた理由
11,企業における雇用転換の必須条件
12.エリア別・企業規模別集計
13.業種・職種区分について

同一調査一覧

同カテゴリの調査一覧