非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年1-2月)
[飲食・宿泊]において人手不足を感じている割合は57.5%、調査開始以降で最多。コロナ前と比べてアルバイト従業員数が変わらない・増えた企業でも人手不足感は5~6割、減った企業では8割に迫る
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人(有効回答数:スクリーニング調査16,000名、本調査885名)を対象に実施した「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(23年1-2月)」の結果を発表しました。※非正規雇用:アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託
◆ 調査概要
内容 | 非正規雇用に関する企業の採用状況調査(23年1-2月) |
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調査期間 | 2023年3月1日~3月2日 |
調査対象 | 自社の非正規雇用労働者の採用方針を把握している会社員/会社役員/経営者、かつ、従業員数10名以上の企業に所属している者 |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | スクリーニング調査:16,000名 本調査:885名 |
目次
◆ TOPICS
<2023年1-2月のアルバイト人手不足感と採用実施率>
23年1-2月のアルバイト人手不足の割合が最も高かった業種は[飲食・宿泊]で57.5%で、前年同期比で6.8pt増となり、飲食・宿泊業の人手不足感は増加した。【図1】【図2】
採用活動の実施率も[飲食・宿泊]が54.0%と最も高く、前年同時期比で9.2pt増加した。【図3】
経済再開によりインバウンド需要の増加などに対応するために、人手不足感が高まり、人員確保のために採用を行う企業が増加したと考えられる。
【図1】業種別 アルバイト 過不足感 ※グラフの業種は一部抜粋
【図2】[飲食・宿泊]不足の数値 ※( )内は回答数
【図3】業種別 アルバイト 採用活動実施率 ※業種は上位を一部抜粋
<コロナ前と比べた現在のアルバイト従業員数増減と過不足感>
コロナ前よりアルバイト従業員数が増えた企業は14.4%、変わらない企業は65.4%、減った企業は20.2%で、減少率が最も高かった業種は「飲食・宿泊」で33.8%となった。人手不足が深刻化している飲食・宿泊業において、アルバイト従業員数はコロナ前の水準には回復していない様子がうかがえる。【図4】アルバイトの人手不足を感じている割合は、コロナ前よりアルバイト従業員数が増えた企業では56.2%、変わらない企業では50.1%、減った企業では78.2%となった。コロナ前と比べてアルバイト従業員数が「増えた」企業においても約6割の企業が人手不足を感じていることがわかった。【図5】
【図4】 コロナ前(2020年1月以前)と比べた現在のアルバイト従業員数の増減(単一回答)
【図5】 コロナ前(2020年1月以前)と比べた現在のアルバイト従業員数増減別
2023年1-2月のアルバイト過不足感 (単一回答)
<現在と比べたコロナ5類移行後のアルバイト従業員数と営業時間の増減予定>
コロナ5類移行後にアルバイト従業員数を増やす予定は28.2%、変わらない予定は48.7%、減らす予定は5.7%で、増加予定率が最も高かった業種は「飲食・宿泊」で57.3%となった。飲食・宿泊業の6割がアルバイト従業員数を増やす予定となり、コロナ5類移行がきっかけとなり人手確保の競争はさらに加速しそうだ。【図6】飲食・宿泊業では、コロナ前より現在営業時間を短縮している企業が31.9%と業種別で最も高かったが、コロナ5類移行後の対応では、「変わらない予定」が73.3%と最も高く、次いで「増やす予定」が14.7%。コロナ禍での自粛生活で生活様式が変化し、営業時間の短縮を継続する企業もあるようだ。【図7】【図8】
【図6】現在と比べたコロナ5類移行後(2023年5月8日~)のアルバイト従業員数の増減予定
(単一回答)
【図7】業種別 コロナ前(2020年1月以前)と比べた現在の営業時間増減(単一回答)
※ベース:「わからない」除く、回答数30以上の業種を抜粋
【図8】業種別 現在と比べたコロナ5類移行後(2023年5月8日~)の営業時間増減(単一回答)
※回答数30以上の業種を抜粋
<新型コロナウイルスの影響による非正規社員の採用職種の増減>
コロナ前より非正規社員の採用数が増えた職種は、[飲食・フード]で33.3%と最も高く、次いで[クリエイティブ・編集]で32.7%、[軽作業]で22.6%、[エンジニア・サポート・保守]で22.4%、[イベント・キャンペーン]で22.0%となった。【図9】一方、コロナ5類移行後に非正規社員の採用数を増やす予定の職種は、[営業]で44.4%と最も高く、次いで[医療・介護・福祉]で43.1%となった。【図10】コロナ5類移行後では、マイナビの中途採用状況調査(2023年)の調査で、正社員の人手不足を感じている割合が高い傾向にある営業や中途採用募集平均人数が多かった営業や医療・福祉で採用意欲が高い様子がみられた。
【図9】 職種別 コロナ前(2020年1月以前)と比べた現在の非正規社員の採用数増減(単一回答)
※ベース:「わからない」除く、回答数30未満は参考値とする
【図10】職種別 現在と比べたコロナ5類移行後(2023年5月8日~)の非正規社員の採用予定数増減(単一回答)
◆ INDEX
1,採用活動の実施状況 2,新規採用の状況 3,過不足感 4,雇用調整状況 5.リモートワークを活用した遠隔に住む非正規社員の採用状況 6.コロナ前(2020年1月以前)と比べた現在の企業の状況(従業員数/時給/シフト数/営業時間/営業日数の増減) 7.現在と比べたコロナ5類移行後(2023年5月8日~)の企業の対応予定(従業員数/時給/シフト数/営業時間/営業日数の増減) 8.新型コロナウイルスの影響による非正規社員の採用職種の増減(コロナ前と現在の比較/現在とコロナ5類移行後の比較) 9.エリア別・企業規模別集計 10.業種・職種区分