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非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月) 

[飲食・宿泊]において人手不足を感じている割合は61.5%、調査開始以降で最多。2023年4月の法改正で解禁となる給与のデジタル払いを利用予定の企業が期待することは「パート・アルバイト等の人材確保に有利になる」が約6割でトップ

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人(有効回答数:スクリーニング調査16,500名、本調査975名)を対象に実施した「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(22年11-12月)」の結果を発表しました。※非正規雇用:アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託

◆ 調査概要

内容 非正規雇用に関する企業の採用状況調査(22年11-12月)
調査期間 2023年1月5日~1月6日
調査対象 自社の非正規雇用労働者の採用方針を把握している会社員/会社役員/経営者、かつ、従業員数10名以上の企業に所属している者
調査方法 インターネット調査
有効回答数 スクリーニング調査:16,500名 本調査:975名

◆ TOPICS

<2022年11-12月のアルバイト人手不足感と採用実施率>
22年11-12月のアルバイト人手不足の割合が最も高かった業種は[飲食・宿泊]で61.5%(22年9-10月比:1.0pt増、前年同期比:4.5pt増)となり、飲食・宿泊業の人手不足感は調査開始以降最も高くなった。【図1】【図2】採用活動の実施率も[飲食・宿泊]が46.2%と最も高く、22年9-10月より2.4pt減少、前年同期より7.0pt増加した。【図3】
経済再開により新型コロナウイルス禍で自粛が目立っていた忘年会の増加やインバウンド需要の増加などに対応するために、再び人手不足感が高まり、人員確保のために採用を行う企業が増加したと考えられる。

【図1】業種別 アルバイト 過不足感 ※グラフの業種は一部抜粋

業種別・アルバイトの過不足感/マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月)」

【図2】[飲食・宿泊]不足の数値の推移 ※(  )内は最新の回答数

[飲食・宿泊]不足の数値の推移/マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月)」

【図3】業種別 アルバイト 採用活動実施率 ※業種は上位を一部抜粋

業種別・アルバイト採用活動実施率/マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月)」

インフレ手当の支給状況と支給目的
物価高が続く中、非正規社員に対して金銭面での生活支援を行う必要性を感じている企業は53.1%となった。【図4】非正規社員へのインフレ手当を「すでに支給済み」は11.1%、「これから対応予定」は15.6%、「対応を検討中」は34.0%となった。「すでに対応済み」を業種別でみると、[小売]で18.4%と最も高く、次いで[飲食・宿泊]で16.7%となった。アルバイトや派遣社員の人手不足感が高かった飲食・宿泊業や小売業でインフレ手当の支給率が高かったことがわかった。【図5】インフレ手当の支給目的としては、インフレ手当の支給をすでに対応済みの企業では「従業員の生活が困窮しないようにするため」が72.3%と最も高くなった。一方でインフレ手当の支給をこれから対応予定の企業では「従業員のモチベーションアップのため」が76.9%と最も高くなった。【図6】すでにインフレ手当を支給している企業と今後インフレ手当を支給予定の企業では、支給目的が異なる様子がうかがえる。
※インフレ手当とは、原料高による電気代や食品の値上げなど急激な物価高を受け、 企業が従業員に基本給などに加えて臨時で支給する特別手当としている。

【図4】 物価高が続く中、非正規社員に金銭面での生活支援を行う必要性を感じるか(単一回答)
※回答数:975

物価高が続くなか、非正規社員に金銭面での生活支援を行う必要性を感じるか/マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月)」

【図5】 業種別 非正規社員に対するインフレ手当の支給状況(単一回答)
※ベース「わからない」除く

業種別・非正規社員に対するインフレ手当の支給状況/マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月)」

【図6】インフレ手当の支給目的(複数回答)
※ベース:非正規社員へインフレ手当の支給を「すでに支給済み」「これから対応予定」と回答した人

インフレ手当の支給目的/マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月)」

<給与のデジタル払いの検討状況>
給与のデジタル払いについて2023年4月より労働者の同意を得た上で一定の要件を満たした場合に限り、デジタルマネー(○○ペイなど)による給与の支払いが可能となる。法改正以降、アルバイト従業員の給与支払い方法としてデジタル払いを利用するか聞いたところ、「利用する予定はない」が46.4%と最も高く、次いで「利用を検討している」が18.2%、「これから利用を検討する」が16.3%となり、「利用することが決まっている」は4.9%にとどまった。利用することが決まっている割合が高い業種は、[ソフトウェア・通信]で11.6%、次いで[製造(建設除く)]で8.2%となった。一方で利用する予定はない割合が高い業種は[飲食・宿泊]で53.4%となった。【図7】

【図7】業種別 2023年4月のデジタルマネー(○○ペイなど)による給与の支払い解禁後、アルバイトの給与支払い方法としてデジタル払いを利用するか(単一回答)
※ベース:パート・アルバイトを雇用している人

アルバイトの給与支払い方法としてデジタル払いを利用するか/マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月)」

<給与のデジタル払いへの期待点と懸念点>
給与のデジタル払いを利用することが決まっている企業が給与のデジタル払いに期待することは、「パート・アルバイト等の人材確保に有利になる」が64.3%と最も高く、次いで「支払いにかかる期間が短縮(即時払いへのニーズ対応)できる」が45.2%となった。【図8】
給与のデジタル払いへの懸念点は、給与のデジタル払いを利用することが決まっている企業では、「制度の詳細が不透明」が50.0%と最も高くなった。一方で、給与のデジタル払いを利用する予定はない企業では、「システムエラーやメンテナンスなどでの支払い不具合」が44.5%と最も高くなった。【図9】 マイナビで実施している非正規雇用に関する求職者・新規就業者調査(22年11-12月)ではデジタルマネーで給与を受け取りたい学生(22年11-12月に非正規雇用の仕事を探した学生)は約6割となったことから、人材確保の施策の一つとして有効であると考えられる。

【図8】 給与のデジタル払いへの期待点(複数回答)
※ベース:給与のデジタル払いについて「利用することが決まっている」と回答した人

給与のデジタル払いへの期待点/マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月)」

 【図9】給与のデジタル払いへの懸念点(複数回答)
※ベース:給与のデジタル払いについて「利用することが決まっている」「利用する予定はない」と
回答した人

給与のデジタル払いへの懸念点/マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2022年11-12月)」

◆ INDEX

1,採用活動の実施状況
2,新規採用の状況
3,過不足感
4,雇用調整状況
5.物価高を受けて非正規社員に対する金銭面での生活支援
6.インフレ手当の支給方法と支給目的
7.給与の即時払い実施状況と給与のデジタル払いの検討状況
8.給与のデジタル払いへの期待点と懸念点
9.エリア別・企業規模別集計   
10.業種・職種区分

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