採用予定数は「前年並み」が最多、企業は「質」にこだわる傾向が強まる
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)は、「2022年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」を発表しました。本調査は、企業の新卒採用に対する意識や採用活動全体の動向を把握することを目的に、2001年(2002年卒)以来、毎年実施しています。調査結果の概要は以下の通りです。
調査概要
内容 | 2022年卒マイナビ企業新卒採用予定調査 |
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調査期間 | 2021年2月1日~2月20日 |
調査方法 | ・採用・研修担当者のための新卒採用支援情報サイト「新卒採用サポネット」掲載のWEBフォームへ入力 ・回答用紙をFAXにて返送 |
有効回答数 | 2,142名 |
目次
TOPICS
■WEB活用が広がりコロナ禍であっても採用活動を予定通り実施できるため、採用スケジュールは2021年卒より早くなる見込み
各フェーズの開始時期を聞いたところ、22年卒では「エントリー受付」~「面接」まで3月が最多となり、「内々定出し」の開始時期は他のフェーズより分散しているものの4月が最多となっている。このスケジュールはコロナ禍前の20年卒のスケジュールと同様の傾向を示している。新型コロナウイルスはいまだ収束していない状況だが、予めWEB活用の準備が可能であった22年卒では多くの企業がWEB活用を予定している。依然、状況は不透明であるものの、特に4~5月の緊急事態宣言の影響で採用活動が中止・延期となった21年卒と比べると同時期の進捗は早くなると考えられる。【図1,2】
※「採用スケジュール」についての詳細はP.45~74参照



WEB活用の拡大と目的に応じた使い分け
WEB活用については2022年卒に関しては、2021年卒での経験を踏まえて、より拡大した一方で、目的・状況に応じて、WEBか対面か、その目的にふさわしい手段を選ぶようになると考えられる。【図3】
新卒採用の各フェーズにおけるWEB活用予定を聞いたところ、部分的に利用する(「どちらかというと」+「半々」)も含めると、「合同企業セミナー」「個別企業セミナー」「1次面接」では多くがWEB活用を予定していることがわかる。一方で、「最終面接」では『すべて対面』との回答が63.4%となっており、WEBの利便性を認めつつも、目的によっては「対面」を選ぶようだ。
またWEB上のコミュニケーションにおいて求めるスキルは「相手の話を聞力」が最多で、次いで「デジタルリテラシー」となった。WEBでは対面よりも非言語的な情報が少なくなるといわれており、より注意深く相手の話を聞く力が求められるのは想像に難くない。面接等においてもこうしたスキルが重視されると思われる。【図4】

※「WEBの活用状況」についての詳細はP.80~81参照
採用予定数は「前年並み」が最多だが、「質」にこだわる傾向が強まる
新型コロナウイルス影響で経済状況は依然不透明な部分もあり、新卒採用を中止する企業は一定数存在するものの、その割合は小さく、採用予定数については「前年並み」との回答がいずれの属性でも最多となっている。【図5】

新卒採用を実施する理由としては経営状況よりも「組織の存続と強化(活性化)」「年齢など人員構成の適正化」との回答割合が高く、現時点の経営状況よりも、数年先の将来を見越したうえで新卒採用を実施する必要性を感じていると思われる。ただし、その分「質」にこだわる傾向は高まっているようだ。【図6,7】


※「人材の質」についての詳細はP.31~35参照
(社会人基礎力、人材を見極める際に重視すること、面接時に特に注視すること、学業成績をどの程度考慮するか)
ジョブ型雇用の導入について
新卒採用における「ジョブ型雇用」の導入について聞いたところ、賛成か反対かという問いについては「どちらともいえない」という回答が最多で約6割となり、ジョブ型雇用の導入に関する検討状況については「導入を検討したことがない」という回答が6割を超えていた。まだ議論は深まっておらず態度を決めていない立場が多数であるといえるだろう。【図8,9】
しかしながら、賛成・反対の態度を決めている場合には前向きにとらえている割合が高い。また、導入に向けて検討が始めている割合が1割を超えていることもあり、今後、新卒採用においても「ジョブ型雇用」の導入が現実的に議論されるであろうことは十分考えられるだろうし、それに伴い、新卒採用の在り方が問われることになりそうだ。


有効回答数内訳 | 上場 | 非上場 | 製造 | 非製造 | 総計 |
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人数 | 462 | 1,680/td> | 411 | 1,292 | 2,142 |