マイナビ キャリアリサーチLab

2022年卒企業新卒内定状況調査

22年卒採用の採用充足率は83.6%、「質」の満足は73.7%
コロナ禍でもスムーズに採用活動ができた一方で、「辞退」の増加が大きな課題に

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)は、国内企業2,279社を対象に調査を実施し、2022年卒採用の内定状況と2023年卒採用の見通しなどをまとめた「マイナビ 2022年卒企業新卒内定状況調査」の結果を発表しました。概要は以下の通りです。

調査概要

内容 2022年卒マイナビ企業新卒内定状況調査
調査期間 2021年9月6日~10月5日
調査方法 ・経営と人材をつなげるビジネスメディア「HCサポネット」掲載のWEBフォームへ入力
有効回答数 2,279社

TOPICS

22年卒の採用充足率は83.6%(対前年1.3pt増)と直近3ヵ年で上昇傾向
内定者の「質」に対する満足度は高い

22年卒の採用充足率は83.6%(対前年1.3pt増)とここ3年は上昇傾向にある。また、内定者の「質」は、「量・質ともに満足」が36.5%、「質は満足・量は不満」37.2%、合算して73.7%となっており、高い傾向を維持している(図1)。

採用充足率と内定者満足度

採用活動の期間は「前年並み」が最多だが、活動開始時からWEB導入が進み、比較的スムーズに実施できたため、「短期化する(した)」の割合が前年より増加している(図2)。また、採用活動の印象については、売り手市場といわれていた20年卒と比べると、「厳しかった」割合は減少しているが、22年卒では「前年並みに厳しかった(49.8%)」と「前年より厳しかった(28.0%)」を合わせると77.8%だった。依然として企業側にとって採用しづらい厳しい状況が続いているようだ(図3)。

採用活動の期間と印象

WEB活用が進み、コロナ禍でもスムーズに採用活動ができた一方で「辞退」の増加が課題に

採用活動の印象を「厳しかった」と回答した企業にその理由を聞いたところ、前年に引き続き最多だったのは「母集団の確保」だが、前年より7.2pt減少していた。また、前年調査で高い割合だった「新型コロナウイルス感染防止対策」「採用スケジュール見直しへの対応」「WEBツール導入の対応」は前年を大きく下回っていた。緊急の対策が求められた前年と異なり、22年卒は予め準備を行うことができたと考えられる。一方、「辞退の増加」が前年から15.9ptと大きく増加した(図4)。特に上場企業では、「辞退の増加」が55.9%と「母集団の確保」より高く、最多だった。

2021年6月に実施した「企業新卒採用活動調査」の結果より、上場企業では各フェーズでのWEB化割合が高く(図5)、また半数が「一度も会わないまま内定を出したことがある」と回答しており(図6)、内定者と直接会う機会が少なかったことがわかっている。

採用活動が厳しかった理由
上場企業のWEB活用の度合い
「2022年卒企業新卒採用活動調査」(2021年6月実施)より
一度も学生と対面で会えないまま内定を出したことがあるか

新型コロナウイルスの対策として導入されたWEB化は、その利便性により応募者は増やしたが、そのために、もともとの志望度や応募後の”惹きつけ”が例年よりも高めることが難しかったと推察される。

入社後の配属先のうち「職務内容」を入社前のタイミングで伝える割合は5割を超える

22年卒入社予定者の配属先告知について「職務内容」と「勤務地」についてそれぞれ聞いたところ、告知のタイミングとして最も多いのはいずれも「入社後に伝える*入社前の確約なし」だった。

一方で、告知内容の程度は様々であるが、入社より前に告知する場合も5割程度あるようだ(図7)。入社前のタイミングで告知する企業に限定して、どの程度の情報を伝えるかを聞いたところ、引っ越しの準備などもあり「勤務地」は「明確に伝える」割合が65.8%と特に高かった(図8)。

また配属先を伝えるメリットを聞いたところ、「内定者の「わからないこと」への不安を払拭することができる」が最多で68.3%、「入社後の具体的なイメージができるので入社意欲を高めることができる」が次いで50.2%となっていた(図9)。

新卒採用は中途入社と異なり、内定出しから入社前で半年以上も期間が空くケースが多く、また辞退される可能性もあるため、入社後の配属を決めづらい。新卒採用独特の事情はあるものの、内定ブルーの原因にもなっている「わからないこと」への不安を少しでも解消しようとする企業側の努力が見える結果となった。

配属先の告知について
配属先をどの程度告知するか
配属先を入社前に告知するメリット

23年卒向けインターンシップ・ワンデー仕事体験を実施した(実施予定)の割合は60.8%と前年より5.3pt増加

2023年卒向けのインターンシップ・ワンデー仕事体験の実施状況(実施予定)について聞いたところ、「実施した(「今年初めて実施した」と「これまでも実績があるので実施した」の合算)」割合は60.8%(対前年5.3pt増)となった。しかし、「今年初めて実施した」に限定すると、8.5%と前年よりは1.6pt増加しているが、21年卒以前の状況と比べると少ない。コロナ禍という特殊な状況で、インターンシップ実施経験のない企業が新たに取り組むのは困難な状態が続いていると推察される(図10)。

 また、コロナ禍におけるインターンシップ実施に関して困っていることを聞いたところ、前年と同様に「インターンシップを実施する場所の新型コロナウイルス感染防止対策」、次いで「都道府県をまたぐ移動への対応」が続く。まだ予断を許さない状況ではあるものの、全体的に前年より減少傾向にあり、前年の経験で培ったノウハウをもとに23年卒のインターンシップ・ワンデー仕事体験に取り組んでいる様子がうかがえる(図11)。

23年卒のインターンシップ実施予定
コロナ禍のインターンシップ実施で困っていること

2023年卒採用は78.8%が実施する予定と回答

2023年卒向け採用計画の策定状況を聞いたところ、採用予定数が決まっていない状態も含めると78.8%が実施すると回答している。昨年は新型コロナウイルスの影響で採用活動が遅れ、次年度の採用予定策定も遅れる傾向にあったが、本年は「検討が遅れている(「22年卒の採用計画が遅れており~」+「例年より検討が遅れていて~」)」の回答割合は減少しており、おおむね順調に23年卒の採用予定の検討が進んでいるようだ(図12)。

2023年卒採用計画の策定状況
有効回答数内訳 上場 非上場 製造 非製造 総計
人数 250 2,029 860 1,419 2,279

<参考>
22年卒の採用活動については、以下に総括がまとまっています。
「2021年度(22年卒版)新卒採用・就職戦線総括」はこちら


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