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2022年卒企業新卒採用活動調査

22年卒採用はWEB活用で「他エリアからの応募が増えた」割合が37.7%、23年卒も新卒採用を継続する割合は85.7%で、企業の採用意欲は高水準を維持

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)は、「2022年卒マイナビ企業新卒採用活動調査」を発表しました。本調査は、企業の新卒採用に対する意識や採用活動全体の動向を把握することを目的に、毎年実施しています。調査結果の概要は以下の通りです。

調査概要

内容 2020年卒マイナビ企業新卒採用活動調査
調査期間 2021年6月4日~6月21日
調査方法 ・採用・研修担当者のための新卒採用支援情報サイト「新卒採用サポネット」掲載のWEBフォームへ入力
・回答用紙をFAXにて返送
有効回答数 3,440社

TOPICS

2022年卒の採用予定数は前年の入社実績数と比較して「前年並み」が64.5%で最多、「増やした」は21.7%

採用予定数について前年と比較して聞いたところ、前年の「採用予定数」(図1)と「入社実績数」(図2)と比べて、どのように設定したかをそれぞれに聞いたところ、いずれも「前年並み」が最多となった。コロナ禍で採用意欲の減退が懸念されていたが、定期的に新卒採用を行っている企業に関しては、依然として意欲は高いことがわかる。

特に、21年卒の「入社実績数」と比較すると最多は「前年並み」だが、「増やす」との回答が全体で2割を超えている。コロナ禍前から、採用予定数に対する充足率に関してはどちらかというと、100%充足できない状況で終了せざるを得ない状況が続いており、21年卒においては特に、コロナ禍での対応に追われ、人材獲得に苦戦したためだと推察される。

採用予定数の前年比較
(図1,2)

採用選考時のWEB活用はフェーズによって使い分け

 2021年卒(「マイナビ2022年卒新卒採用予定調査」より)と2022年卒の採用活動について、各フェーズのWEB・対面度合いを聞いた(図3)。2021年卒では、どちらかというとコロナ対策として対処的に用いられたWEB活用だったが、その経験から得られた知見をもとに、2022年卒ではフェーズによってWEBと対面を使い分ける傾向がみられた。

情報伝達メインとなる個別企業セミナーではWEBをメインとし、コミュニケーションと見極めが目的となる最終面接においては対面を用いる企業が多くなっている。

採用フェーズ別のWEB活用度合い
(図3)

WEB活用によって応募者属性に変化

コロナ禍前と応募者の居住地分布に変化があったかを聞いたところ、全体で37.7%の企業が「他エリア在住の応募者が増えた」と回答している(図4)。特に甲信越、北陸、中国、四国においてその割合が高くUIターンの母集団獲得につながったと推察される。また、東北、四国は、「同じ都道府県の応募者が増えた」の割合が高い。企業セミナーや面接の一部がWEB化されたことから「他エリア在住の応募者」が増加したようだ。

WEBの利便性もさることながら、コロナ禍で学生の地元志向が向上する傾向にあったことなども影響していると考えられる(図5、「マイナビ2022年卒Uターン&地元就職に関する調査」より)

コロナ禍前と比較した応募者の居住地分布の変化
(図4)
地元就職を希望する割合
(図5)


6月時点での採用充足率は前年より改善した

 調査を実施した6月時点の採用充足率(=採用予定数に対して現在採用が確定している割合)を聞いたところ、全体的に前年よりも改善していた。しかし、企業規模やインターンシップ実施有無によって差は大きく、特にインターンシップを実施していない企業では「0割(*採用が確定している人はいない)」が39.7%となった。(図6)

採用予定数が確定している割合(採用充足率)
(図6)

「学生に一度も会えないまま内々定をだしたこと」があるのは上場企業で半数、全体では2.5割程度

「学生に一度も会えないまま内々定を出したことがあるか」と聞いたところ、全体では24.6%だったが、上場企業では50.2%と半数程度になった(図7)。21年卒採用と同様に、対面実施の可否は社員の出社制限に左右されていると推察され、採用選考においてWEB化が進んだ上場企業で、一度も対面を実現しないまま入社まで至るケースが多いようだ。

また、「コロナ禍だからこそ困ったこと」に関しても、一度も会うことができず人柄の見極めができていないと感じた」との回答が上場企業で特に高くなっている(図8)。WEB化によってスムーズに採用選考を進められた一方で人物の見極めや内定フォローに対する不安や課題を大手企業ほど持っている可能性は高い。

学生に一度も会えないまま内々定を出したか
(図7)
コロナ禍だからこそ困ったこと
(図8)

23年卒向けのインターンシッププログラムはWEBと対面で使い分ける傾向に

22年卒採用はインターンシップにWEB化が導入された初めての年だったこともあり、試行錯誤をしながらの実施となった。22年卒ではコロナ禍でも実施しやすかったと思われる「グループワーク」「人事や社員の講義・レクチャー」「若手社員との交流会」の割合が高かった(図9)。

一方、23年卒の予定を見ると対面実施も含め「会社見学・工場見学・職場見学」「実際の現場での仕事体験」の割合が高くなっている。また、それぞれにおいて「この形式では実施しない」との回答は対面で3.1%、WEBで9.1%とわずかである。インターンシップ実施形式を直接的に問う質問ではないため、あくまでそう読み取れるという話になるが、おそらくどちらかを選ぶというより、対面とWEBそれぞれにふさわしい内容で使い分けていこうとする姿勢が読み取れる(図9)。

実施形式別のインターンシップ内容
(図9)

23年卒も新卒採用を継続することが決まっている企業は85.7%

22年卒採用実施企業に対して23年卒計画を聞いたところ、85.7%が継続して実施すると回答、上場企業では94.4%となった(図10)。引き続き、定期的に新卒採用を実施している企業は23年卒も継続していくようだ。

また、「コロナが収束すると仮定」として聞いた採用活動の実施方法では「全てWEBで実施」は1.1%と少数派になったが、注目すべきは「全て対面で実施」についても21.4%となった点である(図11)。21年卒、22年卒の経験のなか、対面の価値と同時にWEBの利便性についても一定の評価があると思われる。今後は、対面とWEBのそれぞれの特徴や状況に合わせて、効果的に使い分けることが一般的になりそうだ。

23年卒の新卒採用予定
(図10)
23年卒の採用選考実施方法
(図11)

関連記事:コラム「夏休み到来、2023年卒学生向けインターンシップ事情

有効回答数内訳 上場 非上場 製造 非製造 総計
人数 354 3,086/td> 1,412 2,028 3,440

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