早期離職とは、入社した社員が3年以内に離職することを指す。早期離職で生じる企業の問題点は、採用や育成にかけた金銭的なコスト、現場や人事の時間的なコストなどの損失である。
そのため、企業にとって、社員が早期に退職をしてしまうことは、大きな痛手となってしまう。早期退職を防ぐ対策として、入社前に仕事内容の詳細を具体的に説明し、働くうえでの価値観のすり合わせを行うなど、採用段階でのコミュニケーションが大切である。もちろん、入社後も社員が定着できるような環境づくりも必要だ。新人研修やOJTなどでは補いきれない、企業内での情報や価値観の共有などの心理的ケアを重きに置いたオンボーディングなどを行い、ギャップを埋めていくことで、社員が納得して働ける環境づくりを行うことができる。その後は、社員が戦力として長期的に活躍し、個々がキャリアを築いていけるように、成果に見合った公平な待遇を用意していく。このような育成、コミュニケーション、待遇の改善施策を講じていくことで、早期離職を削減する可能性を高めることができる。
すべての社員を定着させることは難しいかもしれないが、以上のような取り組みが、早期退職による、次世代のリーダーを見つける機会的損失や企業のイメージ悪化、時間・金銭コストの増加などを予防し、企業の健全な成長をもたらすことが期待できるのである。