マイナビ キャリアリサーチLab

転職動向調査2024年版(2023年実績)

  • 2023年の転職率は7.5%と依然として高水準が続く
  • 転職して約4割が「年収が上がった」と回答

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、現在正社員として働いており、2023年に転職した20代~50代の男女1,500名を対象に、転職者の傾向や変化を調査した『転職動向調査2024年版』を発表した。調査結果の概要(一部抜粋)は以下の通りとなっている。

トピックス

  • 2023年の正社員転職率は7.5%
    2023年の正社員転職率は7.5%で過去最高水準が続く。転職者のうち、約半数は30~50代のミドル世代男性【図1・2】
  • 転職理由には男女差が
    転職理由は男性が「給与」、女性は「職場の人間関係」が最多。重視するポイントに男女で違いが出る結果となった【図3】
  • 約4割が転職で年収増加
    転職者の約4割が転職して年収が上がったと回答。転職後の平均年収額は489.6万円で転職前の472.5万円から17.1万円増加【図4、5】
  • リスキリング経験の有無で年収差が
    リスキリング経験がある人の転職後の平均年収額は559.3万円。経験のない人は419.5万円で、139.8万円の差【図6】

調査詳細

転職率の推移

  • 2023年の正社員の転職率(※)は7.5%と高水準が続く
  • 転職者のうち、約半数は30~50代のミドル世代男性

2023年の正社員の転職率は7.5%(前年比0.1pt減)で、調査を開始した2016年から約2倍以上と高水準で推移している。【図1】

【図1】正社員の転職率推移/転職動向調査2024年版(2023年実績)
【図1】正社員の転職率推移/転職動向調査2024年版(2023年実績)

性年代比率をみると、男性30代(23.3%)がもっとも多い。2021年以降、30~50代のミドル世代の男性が転職した比率が高まっており、2023年では、47.6%と約半数がミドル世代の男性だった。【図2】

【図2】転職者の性年代比率推移/転職動向調査2024年版(2023年実績)
【図2】転職者の性年代比率推移/転職動向調査2024年版(2023年実績)

※国勢調査における正規雇用者全体の構成比に合わせたスクリーニング全回収数のうち、該当期間(各1年間)に転職したサンプルの割合

転職理由と転職先の決定理由

  • 転職理由は男性が「給与」、女性は「職場の人間関係」が最多
  • 重要視するポイントに男女で違いが出る結果に

転職理由は前年から引き続き、全体では「給与が低かった」が11.5%で最多。男女別にみると、男性は「給与が低かった(12.1%)」、女性は「職場の人間関係が悪かった(13.7%)」がもっとも多かった。

転職先を決めた理由では、全体と男女別ともに「給与が良い」が最多となったが、女性は「休日や残業時間が適正範囲内で生活にゆとりができる(13.3%)」「希望の勤務地である(11.2%)」も比較的高かった。女性は男性と比べ人間関係やプライベートとの両立を考えて転職活動を行う傾向があるようだ。 【図3】

【図3】転職理由と転職先の決定理由/転職動向調査2024年版(2023年実績)
【図3】転職理由と転職先の決定理由/転職動向調査2024年版(2023年実績)

転職と年収

  • 約4割が転職して年収が上がったと回答
  • 転職後の平均年収額は489.6万円で転職前の472.5万円から平均17.1万円増

転職後、年収が上がった割合は39.1%(前年比0.4pt減)。もっとも年収が上がったのは男性40代で、45.4%が転職によって年収が増加した。一方女性は男性に比べて年収が上がった割合が低い傾向にあり、転職理由と転職先決定理由でも給与以外の項目が目立った影響があると考えられる。【図4】

【図4】転職をして年収が上がった割合/転職動向調査2024年版(2023年実績)
【図4】転職をして年収が上がった割合/転職動向調査2024年版(2023年実績)

転職後の平均年収額をみると、489.6万円となり、転職前の平均年収472.5万円より17.1万円増加した。転職後の差額が大きかった性年代は男性40代(+26.5万円)と男性20代(+26.1万円)。一方差額がもっとも低かった性年代は女性20代(+3.3万円)だった。【図5】

【図5】転職前後の年収額/転職動向調査2024年版(2023年実績)
【図5】転職前後の年収額/転職動向調査2024年版(2023年実績)

リスキリングと転職後の年収額

  • リスキリング経験がある人の転職後の平均年収額は559.3万円
  • 経験なしの人は419.5万円で、139.8万円の差

転職後の平均年収額をリスキリング有無別にみると、リスキリング経験がある人は559.3万円、経験がない人は419.5万円で、139.8万円の差があった。男女別にみても、それぞれ100万円以上の大きな差がある。転職前後の年収差をリスキリング有無別にみると、リスキリング経験ありは+25.1万円、経験なしは+8.1万円と差がみられた。【図6】

【図6】リスキリング経験有無別_転職前後の年収額/転職動向調査2024年版(2023年実績)
【図6】リスキリング経験有無別_転職前後の年収額/転職動向調査2024年版(2023年実績)

調査担当者のコメント

2023年に転職をした人の約半数は30代~50代のミドル世代の男性となり、その比率は年々増加傾向にあります。人手不足が続く現在、即戦力となる人材が求められており、『マイナビ転職』に掲載中の求人の初年度年収2023年平均は456.6万円と、調査開始以来増加傾向にあります※1。

今回の調査でも、年収が増加した割合がもっとも高かった性年代は男性40代でした。転職における年齢の壁は消失しつつあることがわかる結果となりました。しかし性別の差は、年収額自体にも転職前後の年収増加額にも表れており、格差がいまだに残る形となっています。

男女における業種の差や職種の差、説明できない賃金差について、今後も調査を続けていきます。

※1:2023年総評「正社員の平均初年度年収推移レポート」と「正社員の求人件数・応募数推移レポート」

調査概要

調査期間スクリーニング調査:2023年12月13日(水)~12月15日(金)
本調査:12月15日(金)~12月18日(月)
調査方法インターネット調査
調査対象正社員として働いている20代~50代の男女のうち、2023年に転職した方
有効回答数  1,500名(男性20代284名、男性30代350名、男性40代238名、男性50代126名、女性20代227名、女性30代130名、女性40代100名、女性50代45名)
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。

レポート内目次

■調査概要・・・P4~
■TOPICS・・・P6~
1.2023年転職の実態・・・P11~
2.前職から現職の変化・・・P28~
3.現職の状況・・・P38~
4.これまでの転職経験・・・P43~
5.仕事や転職に対する意識・関連項目・・・P58~
■Appendix・・・P80~

詳しくは「PDFデータをダウンロードする」をご覧ください

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