マイナビ キャリアリサーチLab

2025年卒大学生のライフスタイル調査
~ Z世代の就活生の“日常”と“将来”を徹底研究! ~

SUMMARY

共働きを希望する割合が70.0%で過去最高に。
物価高の影響でひとり暮らし学生の1割が「貯金を切り崩した」や「大学での食料支援を利用」と回答。

 新卒学生向け就職サイト「マイナビ」の運営をはじめ、各種就職・転職情報サービスを行う株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2025年卒業予定として就職活動を行う予定の大学生・大学院生を対象に「大学生のライフスタイル調査」を実施。「Z世代の就活生の「日常」と「将来」を徹底研究!」をテーマに、ここに調査結果を紹介する。
※当調査は法政大学キャリアデザイン学部との共同調査です。

調査概要

内容 マイナビ 2025年卒 大学生のライフスタイル調査
調査期間 2023年11月28日(火)~2023年12月25日(月)
前年調査(24年卒):2022年11月28日(月)~2022年12月25日(日))
調査対象 マイナビ2025会員のうち「2025年春」に卒業予定の大学生・大学院生
調査方法 2023年11月28日時点のマイナビ2025会員の大学生・大学院生にWEB DMを配信
2023年11月28日に過去のアンケート回答者にWEB DMを配信
有効回答数 2,337名
[内訳:文系男子 366名 理系男子 433名 文系女子 1,029名 理系女子 509名]

目次

TOPICS

学生生活(サークル・部活動、アルバイト)

サークル・部活動の参加率は53.6%(前年比3.0pt増)で増加に転じる。

サークル・部活動への参加率は53.6%で、過去最低値となった24年卒の50.6%から3.0pt増となった。【図1】24年卒の大学入学(2020年4月)は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う第1回目の緊急事態宣言(2020年4月7日)と重なる時期であり、大学構内での活動が制限されたことでサークル・部活動の新入生歓迎イベント等の実施も制限され、結果としてサークル・部活動の参加率が低かったと推測される。25年卒の学生については、コロナ禍2年目というタイミングでの入学であり、大学構内での活動への制限が緩和されたことでサークル・部活動の参加率も前年より増加したと考えられる。

サークル・部活動の参加率/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【図1】サークル・部活動の参加率/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

ただサークル・部活動に参加しなかったと回答した学生にその理由を聞いたところ、最も多かったのは「あまり興味がなかった・興味のあるものがなかった」(42.6%)だったが、次いで多かったのは「新型コロナウイルス感染症の影響(入りたいものがあったが入れなかった、入るタイミングを失った)」(26.6%)であり、コロナ禍の影響が完全になくなるまでにはまだ時間を要すると考えられる。【図2】

サークル・部活動に参加しなかった理由/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【図2】サークル・部活動に参加しなかった理由/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

定期的なアルバイトをしている学生は80.1%(前年比8・0pt増)でコロナ禍前の水準に回復。

定期的にアルバイトをしている割合は全体で80.1%(前年比8・0pt増)と大幅に増加。コロナ禍以降、22年卒、23年卒と2年連続で減少していたが、前年・24年卒で微増し、25年卒ではコロナ禍前の水準にまで回復した。【図3】アルバイトによる定期的な収入(月平均)も全体で36,512円と前年より3,472円増加し、またアルバイト代や親からの仕送りなどのうち自由に使える金額も全体で34,241円と前年より2,892 円増加するなど、いずれも23年卒を底に回復傾向にある。

定期的なアルバイトをしている割合/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【図3】定期的なアルバイトをしている割合/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

「自分にとってのアルバイト先」は「単に収入を得るための仕事場」の回答が最多ながら、「仕事や仲間との時間を楽しむ場所」や「誰かのためになる仕事をする場所」なども多数。

「あなたにとってアルバイト先はどのような場所か」という質問に対して、最も多かったのは「単に収入を得るための仕事場」(66.2%)で、「仕事や仲間との時間を楽しむ場所」(35.0%)、「社会人の練習の場所」(31.4%)、「誰かのためになる仕事をする場所」(24.2%)、「ガクチカを形成するための経験を積む場所」(15.9%)が上位となった。【図4】
特に「社会人の練習の場所」や「ガクチカを形成するための経験を積む場所」といった社会人になってからのキャリアや就職活動を意識した項目も見られ、仕事や仲間との時間に楽しみを見出したり、仕事を通して今後のキャリアを考える場と捉えるなど、経済的な目的以外にも意義を見出している様子も見られたが、基本的には収入に重きを置いていることがわかる。

アルバイト先はどのような場所か/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【図4】アルバイト先はどのような場所か/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

ちなみに【図5】は大学生の就職活動(新卒採用)における就職観を示したものだが、「収入さえあればよい」の項目は比較的に低い一方、「楽しく働きたい」や「人のためになる仕事をしたい」など、アルバイト先における上位項目と近しいものも見られた。回答方法や選択肢の数・表現が異なるため単純には比較できないものの、収入に対する意識はアルバイト先と就職先では大きく異なるが、職場に「楽しさ」や「人の役に立てる」ということも求めるのはアルバイト先でも就職先でも共通しているという傾向を見ることができる。

キャリア(働き方、結婚・育児)

共働き希望率が70.0%で過去最高に。「一方の収入だけでは生活できない」「将来に備えて貯金したい」「一方の収入に頼るのはリスク」などの理由が増加。

結婚後の仕事に関して、共働きを希望するか、どちらかの収入のみで生活することを希望するか、あるいは結婚しないことを希望するか、を聞いたところ、共働きを希望する割合は全体で70.0%(前年比1.8pt増)で調査開始(16年卒)以来過去最高となった。男子では64.1%(前年同値)、女子は73.5%(前年比0.2pt増)で、男女ともに前年同様に高い水準となった。【図6・7】

結婚後の仕事について&共働き希望の推移/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【左・図6】結婚後の仕事について 【右・図7】共働き希望の推移/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

共働きを希望する理由としては、全体では「一方の収入だけでは生活できないから」(14.8%)が最も多く、前年より1.3pt増となった。男女別でも男子で2番目(16.5%)、女子でも3番目(14.0%)と高い割合となっている。【図8】その他「将来に備えて貯金がしたいから」や「一方の収入に頼るのはリスクがあるから」といった収入に関する項目が微増となった。

共働き希望の理由/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【図8】共働き希望の理由/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

「育児休業を取って子育てをしたい」という学生は59.6%で、男子も59.5%が育休取得を希望。一方で、「今のところあまり子供は欲しくない」は増加し過去最大に。

子育てについての考えを聞くと、「育児休業を取って子育てしたい」という回答が59.6%で最多で、男子でも59.5%、女子でも59.7%となり男女差は0.2%と過去最少となった。【図9】一方「育児休業を取って子育てしたい」は全体・男子・女子ともに前年比微減となっており、「今のところあまり子供は欲しくない」や「子育てのことなど考えたこともない」が前年より増加する結果となった。
「子供が欲しくない理由」を聞いたところ、全体で最も多かったのは「うまく育てられる自信がない」(57.4%)で、「自分の時間がなくなる」(51.5%)、「経済的に不安」(51.0%)などが続いた。男子で最も多かったのは「経済的に不安」(58.4%)で、女子では「うまく育てられる自信がない」(61.0%)が最多となった。【図10】

子育てについて/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【図9】子育てについて/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
今のところ子供は欲しくない理由/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【図10】今のところ子供は欲しくない理由/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

日常生活と価値観(物価高の影響、推し活)

物価高によって半数の学生が「食費が上がった」と回答。「学食・生協の値段が上がった」「飲み会や外食などを控えるようになった」「100円朝食、食料配布などを利用」などの学生も。

物価高によって私生活・大学生活にうけた影響として、最も多かったのは「食費が上がった」(50.7%)で、半数超の学生が食料品の値上がりによる食費の増加を感じていることがわかった。食料品関連では、その他「学食・生協の値段が上がった」(28.3%)、「交際(飲み会や外食・レジャー)を控えるようになった」(13.7%)、「食費や水道光熱費を節約・見直した」(12.8%)、「大学による食料品支援(100円朝食、割引学食、食料配布など)を利用した」(9.1%)などがあり、食料品の値上げが大学生活、私生活の交遊などにも影響を与えている様子がうかがえる。そうした状況に際して、100円朝食や食料配布といった大学による食料品支援を利用した学生が約1割、また「貯金を切り崩した」(9.9%)、「アルバイトを増やした」(10.7%)という学生が約1割いた。【図11】

特に、「一人暮らし」の学生では影響はより顕著となり、「食費が上がった」は64.7%、「水道光熱費が上がった」は47.3%、「大学による食料品支援(100円朝食、割引学食、食料配布など)を利用した」は12.7%、「貯金を切り崩した」は11.7%など、いずれも全体数値を超える結果となった。「両親・保護者からの仕送りが減った」の回答も3.8%となるなど、単身で住んでいる学生ほど現在の物価高の影響を強く受けており、支援を求めてる学生が少なからず存在している可能性がある。

物価高の影響/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【図11】物価高の影響/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

「推しがいる」という学生は前年より増加。推し活によって「活動範囲・交友範囲が広がった」「お金の使い方・購買意識が変わった」という学生が多数。

人に薦めたいと思うほどに強い好感を持っている人物・対象を指す「推し」に関して、「推しがいる」と回答した学生は全体で67.5%で、前年より6.2pt増加した。【図13】

推しに会ったり応援する活動を指す「推し活」にかかる費用について、大学生になってから推し活に使った支出の累計額は全体平均で16万8,590円で、男子が12万239円、女子が18万5,311円となり、男女で6万5,072円の差が見られ、女子の方がより推し活にかける費用が多いことがわかった。【図14】

「推し」がいるか&これまで「推し」のために使ってきたお金/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査
【左・図13】「推し」がいるか 【右・図14】これまで「推し」のために使ってきたお金/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

推し活をすることで自分自身に対してどのような影響があったかを聞いたところ、「活動範囲が広がった」(56.1%)が最も多く、次いで多かったのは「交友範囲が広がった」(32.7%)、「お金の使い方に対する意識が変わった」(32.7%)などで、ポジティブな影響を示す項目が多い。【図15】また「美容や身だしなみに対する意識が変わった 」(30.1%)、「購買意識(商品選択など)が変わった」(28.3%)など、推し活とは直接的には関係のない周辺領域への影響も見られた。価値観への影響としては「就職観や働き方に関する価値観が変わった」という回答が10.5%あり、仕事や自身の将来像などにもわずかながら影響があるということがわかる。

「推し活」によって受けた影響
【図15】「推し活」によって受けた影響/マイナビ 2025年卒大学生のライフスタイル調査

【調査担当者コメント】
前年の24卒の調査で減少が見られたサークル・部活動、アルバイトなどの活動量は、25卒では回復の兆しが見えました。また「推し活」によって活動や交友の範囲を広げているなど、学生時代の経験の幅がより広く、多様になっている様子がうかがえました。共働き希望の割合は過去最高で、育休取得希望の割合も男女ともに高水準となった一方、その背景に将来に対する経済面での不安が垣間見える結果となりました。大学生活を物価高の進行とともに過ごしている世代でもあり、経済面への不安が人生観・キャリア観に影響を与えている可能性も考えられます。

詳細は下記よりPDFにてご覧ください。

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