2023年卒大学生のライフスタイル調査
~今年の就活生のwithコロナ2年目の日常は?~
- 「スマホで動画を見る時間」「自分を『オタク』だと思う」が増加
- 「結婚は望まない」「今のところ子供は欲しくない」も増加
新卒学生向け就職サイト「マイナビ」の運営をはじめ、各種就職・転職情報サービスを行う株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2023年卒業予定として就職活動を行う予定の大学生・大学院生を対象に「大学生のライフスタイル調査」を実施。
「今年の就活生のwithコロナ2年目の日常は?」をテーマに、ここに調査結果を紹介する。
※当調査は法政大学キャリアデザイン学部との共同調査です。
目次
調査詳細
スマートフォンで見る動画の長さ
- 男子はスマホでゲーム実況・配信の動画を楽しみ、女子はSNSで複数アカウントを使い分ける
スマートフォンを使って動画を見る時間は1日平均何分か聞いたところ、全体の平均は73.9分(1時間13分54秒)で、前年より7.5pt増加した。男子は平均80.0分(1時間20分0秒、8.4pt増)、女子は平均70.4分(1時間10分24秒、6.4pt増)だった。
好んで見る動画を聞いたところ、男子は「ゲーム実況、ゲーム配信(48.9%)」の割合が最も高かった。女子は「ミュージックビデオ(アーティスト、歌手)(52.2%)」の割合が最も高いが、「メイク動画(27.7%)」や「美容情報、コスメ情報(22.8%)」など女子ならではの動画を見る割合も高い。また、アイドル関連の「ミュージックビデオ(34.0%)」や「コンサート映像(24.9%)」も女子の方がかなり割合が高かった。
→ 「スマートフォンで好んで見る動画」男女別TOP10については、PDFの詳細資料 でご覧ください。
SNSのアカウント保有状況
TwitterやInstagramのアカウントをいくつ持っているか聞いたところ、2つ以上持っているのはTwitterが男子 47.1%、女子 63.8%、Instagramが男子 25.6%、女子 59.3%だった。
特に女子で複数アカウントを使い分ける傾向があった。TwitterとInstagramの両方で複数アカウントを持っている学生の割合は男子 18.7%、女子 45.2%で、圧倒的に女子の方が多かった。
自分を「オタク」だと思う学生の割合
- 自分を「オタク」だと思う学生の割合が2年連続大幅に増加
自分を「オタク」だと思うか聞いたところ、「はい」と回答したのは49.4%(前年比6.0pt増)で2年連続で大きく増加し、約半数の学生が「オタク」を自覚していた。男子が44.4%(前年比4.7pt増)だったのに対し、女子は55.6%(前年比7.7pt増)とより高い割合で半数を大きく超え、増加幅も男子より大きい。
コロナ禍での「ステイホーム」の学生生活で家にいる時間が増え、ひとりで自分が好きなものを追求する時間も増えたことが、「オタク」である学生の割合の増加につながったと考えられそうだ。また、約半数の学生が「オタク」であるという状況により、自分自身が「オタク」であることをより肯定的に捉えられるようになったことも「オタク」を自認する割合の増加につながっていると考えられる。
自分は何の「オタク」かと聞いたところ、男子は1位「アニメ(49.1%、前年比0.3pt減)」、2位「ゲーム(40.7%、前年比7.5pt増)」、3位「マンガ(27.8%、前年比増減なし)」で、「ゲームオタク」が大きく増加していた。
よく見ている動画の男子1位が「ゲーム実況、ゲーム配信」であることと関連がありそうだ。ほかに男子に多いオタクのジャンルには「スポーツ(観戦系)(11.8%)」「鉄道(5.8%)」がある。一方、女子は1位「アイドル(40.9%、前年比0.5pt減)」、2位「アニメ(36.6%、前年比0.1pt増)」、3位「マンガ(27.3%、前年比0.1pt増)」となっており、「アイドルオタク」の割合が男子(17.6%)に比べ圧倒的に高かった。
よく見ている動画でも、女子は男子に比べ「ミュージックビデオ(アイドル)」「コンサート映像(アイドル)」といったアイドル関連の動画を見る割合が高かった。ほかに女子に多いオタクのジャンルとしては「演劇、舞台、俳優(7.6%)」「美容・コスメ(6.5%)」「キャラクター(5.6%)」がある。
→ 「自分は何のオタクか」男女別TOP10については、PDFの詳細資料 でご覧ください。
オタクのジャンル
- オタクのジャンルは「マンガ・アニメ・ゲーム」から「多様化」の時代へ
なお、オタクのジャンルについては、前年「その他」の割合が全体で7.7%と高かったため、今年は「ドラマ(3.4%)」「小説(4.3%)」「飛行機(1.3%)」「ミリタリー(1.3%)」「地理、地図(1.4%)」「昆虫(0.5%)」「クラシック音楽(0.6%)」「カメラ(1.2%)」と8つのジャンルを増やし、男子の「小説オタク(4.6%)」「ミリタリーオタク(2.6%)」「地理、地図オタク(2.7%)」、女子の「ドラマオタク(4.7%)」などがある程度存在することがわかった。しかしそれでも、その他は全体で6.5%とほとんど減らず、「テーマパーク(5人)」「特撮(4人)」といったもののほか、「VTuber(7人)」「ゲーム実況者(3人)」「VOCALOID(2人)」など新しいジャンルも出現しており「オタクの多様化」が進んでいると言えそうだ。
結婚後の仕事に関してどのように考えているか
- 専業主婦希望が男女とも過去最低
- 結婚を望まない割合は男女とも初めて1割を超える
結婚後の仕事に関しての考えを聞いたところ、「夫婦共働き」を希望する割合は、男子 59.9%(前年比1.0pt増)、女子 74.5%(前年比0.8pt減)だった。男子は16年卒の調査開始以来最も高い割合で、男女差の14.6ptは調査開始以来最も少なくなった。
男子の「主に自分の収入のみで生活するのが望ましい」と女子の「主に相手の収入のみで生活するのが望ましい」を「専業主婦」希望として定義すると、男子 27.6%(前年比4.8pt減)、女子 12.4%(前年比1.7pt減)で、ともに16年卒の調査開始以来最も低い割合だった。
特に最近3年間は減少幅が大きく、3年前の20年卒の結果と比べると男子で13.8pt減、女子で8.5pt減となった。女子でこれまでで最も高い割合だった18年卒(25.0%)と比較すると、専業主婦志向が半分以下に減ったことになる。
なお、「専業主夫」希望は、男子の「主に相手の収入のみで生活するのが望ましい」が1.8%、女子の「主に自分の収入のみで生活するのが望ましい」が1.6%だった。
→ 「共働き希望」「専業主婦希望」の理由などについては、PDFの詳細資料 でご覧ください。
また結婚自体に前向きでない「結婚せず自分の収入のみで生活するのが望ましい」を選んだ割合が、男女とも調査開始以来最も高い割合となり、初めて1割を超えた(男子 10.6%、女子 11.6%)。
子育てについて考えに近いもの
- 「今のところ子供は欲しくない」学生の割合が調査開始以来最高
- 欲しい子供の数が3人以上の割合は最低
子育てについての考えを聞いたところ、「育児休業を取って積極的に子育てしたい」と回答した割合は、男子は59.9%(前年比3.4pt増)、女子は68.0%(前年比1.9pt減)だった。男子で7年連続の増加となり、14年卒の調査開始以来の最高値を4年連続で更新した。一方、女子は2年連続の減少となった。
女子の「子供ができたら仕事をやめて子育てに専念したい」は5.2%(前年比1.2pt減)で調査開始以来最低の割合だった。最も割合が高かった18年卒の14.7%と比べると約3分の1に減少している。なお、男子は1.8%(前年比0.5pt増)とわずかだが、調査開始以来最高の割合だった。
また、「今のところあまり子供は欲しくない」の割合は、男子が7.5%(前年比2.0pt増)、女子が14.5%(前年比2.9pt増)で、いずれも調査開始以来最高となった。男女差の7.0ptも調査開始以来最高で、特に女子で「子供は欲しくない」という回答の増加幅が大きい。
子育てについて前向きな回答をした学生に、子供は何人欲しいか聞いたところ、男子の平均は2.21人(前年比0.05pt増)、女子の平均は2.03人(前年比0.06pt減)で、女子は17年卒の調査開始以来最低となった。人口増につながる「3人」以上の数を回答した割合は、男子 19.1%(前年比1.3pt減)、女子 16.2%(前年比3.2pt減)で、ともに調査開始以来最低だった。
→ 「育児休業を取って積極的に子育てしたい」理由などについては、PDFの詳細資料 でご覧ください。
理想の将来像
- 理想の将来像、男子で初めて「安定した仕事」が「愛する人と結婚」を上回る
- 女子は8年連続で「愛する人と結婚」がトップ
「理想とする『将来の自分』像」を17の項目から選択してもらったところ、男子では2016年卒の調査開始以来7年連続で1位だった「愛する人と結婚して子供ができ幸せに暮らす(20.5%、前年比5.3pt減)」が2位になり、代わって「一生食べていける安定した仕事を持つ(23.6%、前年比3.0pt増)」が1位となった。
「安定した仕事」を理想だという男子が「愛する人と結婚」を理想だという男子を初めて上回ったことになる。3位は7年連続で「自分の好きな仕事を一生続ける(14.0%、前年比0.9pt減)」だった。また、「理想とする『将来の自分』像は存在しない(6.0%、前年比1.3pt増)」が5位となり、調査開始以来最も高い割合となった。
女子では8年連続で「愛する人と結婚して子供ができ幸せに暮らす(29.9%、前年比5.0pt減)」が1位だったが、前年より割合は減少し、16年卒の調査開始以来初めて3割を切った。2位は5年連続で「一生食べていける安定した仕事を持つ(24.1%、前年比3.1pt増)」、3位も5年連続で「自分の好きな仕事を一生続ける(19.0%、前年比0.2pt増)」だった。
また、4位に入った「家で自分の好きなことだけをして暮らす(5.2%、前年比0.2pt増)」は調査開始以来最高の割合で、自分が「オタク」だと思う割合の高さを連想させる結果となった。
→ 男女別の理想とする「将来の自分」像トップ10は、PDFの詳細資料 でご覧ください。
興味のある社会問題
- 興味のある社会問題では「伝染病・感染症対策」が半減
- トップは「少子化・働く女性支援」で、女子の4割以上が関心を寄せる
26の社会問題の中から興味のあるものをすべて選択してもらった。全体で前年1位だった「伝染病・感染症対策」(24.7%、全体8位、前年比27.4pt減)は、興味がある割合が前年の半分以下となった。長引くコロナ禍で日常のこととなり、関心が薄まったようだ。理系男子で3位(27.2%、前年比27.2pt減)、理系女子で5位(30.3%、前年比26.6pt減)と、ある程度専門知識がある理系学生はまだ比較的興味を持っているようだ 。
代わって全体で1位となったのは「少子化・働く女性支援(33.2%、前年比7.3pt減)」で、文系女子では前年まで6年連続で1位だったが今年は2位(46.7%、前年比11.6pt減)、理系女子では1位(42.7%、前年比11.5pt減)だが、いずれも大きく割合が減った。
これは新たな選択肢として、全体で同率2位に入った「ジェンダー平等・社会的性差(30.5%)」を追加した影響のようだ。この「ジェンダー平等・社会的性差」は、文系女子で1位(48.9%)、理系女子で2位(35.3%)となり、文系女子では半数近くが興味があると回答した。
全体の同率2位のもう一方は「いじめ・教育問題(30.5%、前年比2.5pt減)」だった。文系男子で2位(33.2%、2.6pt増)、文系女子で4位(36.5%、前年比4.8pt減)と特に文系で高い関心を集めている。
文理男女で見ると、今年はすべて1位が違うという結果になった。文系男子の「格差社会(33.6%、前年比0.1pt増)」は初の1位となった。一方、理系男子では「地球温暖化(36.0%、前年比5.9pt減)」が1位に返り咲いた。前年は「伝染病・感染症対策」に1位を譲っていたが、それまでは「地球温暖化」が6年連続で1位で、通常の順位に戻ったと言える。
23年卒 | 22年卒 | 21年卒 | ||
文系男子 | ||||
1位 | 格差社会 | 33.6% | 33.5% | 31.6% |
2位 | いじめ・教育問題 | 33.2% | 30.6% | 35.8% |
3位 | 高齢化社会・介護問題 | 28.7% | 36.9% | 37.8% |
4位 | 地球温暖化 | 26.8% | 31.7% | 30.9% |
5位 | 少子化・働く女性支援 | 25.9% | 29.8% | 31.6% |
理系男子 | ||||
1位 | 地球温暖化 | 36.0% | 41.9% | 41.5% |
2位 | デジタル化・DX* | 28.6% | – | – |
3位 | 伝染病・感染症対策 | 27.2% | 54.4% | 11.4% |
4位 | 高齢化社会・介護問題 | 23.5% | 31.1% | 36.9% |
5位 | 格差社会 | 21.5% | 21.5% | 24.4% |
文系女子 | ||||
1位 | ジェンダー平等・社会的性差* | 48.9% | – | – |
2位 | 少子化・働く女性支援 | 46.7% | 58.3% | 60.1% |
3位 | LGBTQ+ | 42.2% | 47.6% | 40.1% |
4位 | いじめ・教育問題 | 36.5% | 41.3% | 46.9% |
5位 | 格差社会 | 31.1% | 34.8% | 33.2% |
理系女子 | ||||
1位 | 少子化・働く女性支援 | 42.7% | 54.2% | 52.1% |
2位 | ジェンダー平等・社会的性差* | 35.3% | – | – |
3位 | 地球温暖化 | 34.9% | 36.5% | 39.2% |
4位 | LGBTQ+ | 31.2% | 31.6% | 23.6% |
5位 | 伝染病・感染症対策 | 30.3% | 56.9% | 15.1% |
選挙で投票したことはあるか
- 選挙で投票したことがあるのは約8割
- 投票に行かない理由は「地元に帰らないと投票できない」
これまでに選挙で投票したことがあるか聞いたところ、約8割(79.2%)が「はい」と回答した。投票率が低いと言われる若年層ではあるが、多くの学生が投票経験はあることがわかった。
初めて投票に行った時の最大のきっかけを聞いたところ、1位は「投票できる年齢になったこと(28.4%)」で、2位は「親・保護者(25.7%)」だった。自主的に、または親の影響で投票に行く様子がうかがえる。一方、候補者や政党、選挙公報など、選挙運動や公約などがきっかけとなった割合は全体で16.4%で、あまり高いとは言えなかった。
→ 「初めて投票に行った時の最大のきっかけ」トップ10は、PDFの詳細資料 でご覧ください。
投票に行かない最大の理由
投票に行ったことがない人に行かない最大の理由を聞いたところ、1位は「地元に帰らないと投票できないから(22.7%)」で、理系では30.5%と高い割合だった。よって、投票率アップのためには、住民票の移転を促したり、不在者投票の利用を勧めたりすることが有効だと考えられる。
順位 | 理 由 | 全体 | 文系計 | 理系計 |
1位 | 地元に帰らないと投票できないから | 22.7% | 17.8% | 30.5% |
2位 | 投票に行くきっかけがないから | 15.1% | 14.9% | 15.4% |
3位 | 誰に投票したらいいのかわからないから | 13.3% | 13.9% | 12.4% |
4位 | 投票したい候補者がいないから | 12.2% | 12.4% | 11.9% |
5位 | 投票に行くことにまったく関心がないから | 7.9% | 8.1% | 7.5% |
6位 | よくわかってないのに投票してよいのかと思うから | 7.6% | 8.6% | 6.1% |
7位 | 投票所に行くのが面倒だから ネットで投票できればする |
5.7% | 6.1% | 5.2% |
8位 | 投票に行っても何も変わらないと思うから | 4.1% | 4.3% | 3.7% |
9位 | 政治家はみんな信用できないと思うから | 3.3% | 4.3% | 1.8% |
10位 | 投票するための情報収集の方法が分からないから | 1.4% | 2.2% | 0.2% |
調査概要
内容 | マイナビ 2023年卒 大学生のライフスタイル調査 |
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調査期間 | 2021年11月26日(金)~2021年12月22日(水) (前年調査(22年卒):2020年11月26日(木)~2020年12月23日(水)) |
調査対象 | マイナビ2023会員のうち「2023年春」に卒業予定の大学生・大学院生 |
調査方法 | 2021年11月29日時点のマイナビ2023会員の大学生・大学院生にWEB DMを配信 2021年11月26日に過去のアンケート回答者にWEB DMを配信 |
有効回答数 | 3,756名 [内訳:文系男子 663名 理系男子 688名 文系女子 1,609名 理系女子 796名] |
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