非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年5-6月)
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の企業、個人それぞれを対象に実施した、「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年5-6月)」の結果を発表しました。
目次
トピックス
- 非正規雇用の企業の求人ニーズ・個人の求職ニーズはともに2023年3-4月比・2022年5-6月比でいずれも増加【図1-1、1-2】
- 職場の服装や身だしなみの自由化に対して「賛成」の割合は若年層を中心に高く10代で5割以上となり、理由は「自分らしく働けるため」が最多【図2、3、4、5】
- 直近5年間でアルバイト従業員の服装や身だしなみの規定を緩和した企業は36.7%。緩和のメリットは、「従業員のモチベーション維持に繋がる」「応募者が増える」が上位に【図6、7】
調査詳細
求人ニーズ・求職ニーズ
企業の求人ニーズ(2023年5-6月に非正規雇用者の採用活動を行った企業の割合)は26.8%(2023年3-4月比:+2.6pt、2022年5-6月比:+4.6pt)で調査開始以来過去最高となった。
個人の求職ニーズ(2023年5-6月に非正規雇用の求職活動を行った個人の割合)も17.4%(2023年3-4月比:+0.1pt、2022年5-6月比:+1.2pt)となり、非正規雇用の採用活動・求職活動ともに増加した。
特に企業の採用ニーズは高まっている様子がうかがえる。【図1-1、1-2】
【図1-1】企業の求人ニーズ/個人の求職ニーズ
【図1-2】企業の求人ニーズの推移
服装・身だしなみについて働き手の意識
アルバイトとして新しく働き始めた人で、現在の職場で服装や身だしなみに決まりが設けられている割合は61.9%だった。一方で、職場の服装や身だしなみの自由化に対する賛否を聞いたところ、「どちらかというと賛成」が50.5%と最も高く、次いで「賛成」が33.7%となり、賛成派が8割を超えた。【図2】
【図2】現在の職場で服装や身だしなみに決まりは設けられているか(単一回答)
※回答ベース:2023年5-6月に新しくアルバイトの仕事に就いた人(n=299)
年代別では、10代で「賛成」が54.5%と最も高く、次いで20代で43.6%となり、若年層を中心に賛成派が多いことがわかった。【図3】
【図3】職場の服装や身だしなみについて働く人の自由が認められることに対する賛否(単一回答)
※回答ベース:2023年5-6月にアルバイトの仕事を探した人、または新しくアルバイトの仕事に就いた人
また、理由を聞いたところ、「自分らしく働けるため」が58.0%で最も高く、次いで「前向きな気持ちで仕事ができるため」が37.2%となった。【図4】
【図4】服装・身だしなみ自由化に賛成の理由(複数回答)
服装・身だしなみの自由化により仕事探しや働く意識に影響があるかを聞くと、「仕事探し時に、応募意欲が上がると思う」は55.7%「長く働きたいと思う」は57.5%となった。【図5】
【図5】服装・身だしなみ自由化が仕事探し・働き方に与える影響(単一回答)※回答ベース:2023年5-6月にアルバイトの仕事を探した人、または新しくアルバイトの仕事に就いた人
服装・身だしなみの規定について企業の緩和状況と自由化のメリット・懸念点
直近5年間でアルバイトの職場での服装や身だしなみの規定について緩和状況を聞いたところ、「直近5年間で緩和済み」は36.7%となった。【図6】
【図6】直近5年間のアルバイト従業員の職場での服装や身だしなみについての規定緩和状況(単一回答)
※回答ベース:アルバイト雇用をしている人で、「もとから規定がない」を除く(n=559)
また、緩和済み企業にメリットを聞いたところ、「従業員のモチベーション維持に繋がる」が33.7%と最も高く、次いで「応募者が増える」が30.2%、「個性を活かして働いてもらえる」が29.8%となった。
一方で、緩和をしていない企業に懸念点を聞いたところ、「お客さんに不快感を与えてしまう・印象が悪い」が54.0%と最も高く、次いで「清潔感や衛生面」が45.5%となった。【図7】
【図7】服装・身だしなみ自由化のメリット・懸念点(複数回答)
働き手の服装・身だしなみの自由を認めることは、働き手が個性を活かして生き生きと働ける環境づくりに繋がるだけでなく、働き手の活躍や人材の確保・定着に期待する企業が多い。しかし、業態によっては、顧客への配慮や衛生面の観点から規定緩和が難しい企業があることがわかった。
調査担当者からのコメント
職場での服装や身だしなみの規定について、自由化に賛成する割合は10代で最も多く5割以上となり、多様な価値観を大切にするZ世代の「自分らしさ」や「個性」を尊重する傾向がみられました。
一方で4割の企業が直近5年間で服装や身だしなみの規定を緩和しており、時代の変化により、ジェンダーフリーや多様性の受容が重要視されるようになったことが影響していることが考えられます。企業の成長や人材の確保には、働き手が働きやすい環境を整備することが求められます。
衛生面や安全面などに配慮しつつも、改革の施策のひとつとして、服装や身だしなみの規定を見直す企業はこれからも増えていく可能性が考えられます。
キャリアリサーチラボ 研究員 三輪希実
調査概要
調査名 | 非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年5-6月) |
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調査期間 | 企業:2023年7月1日(土)~7月3日(月) 個人:2023年7月1日(土)~7月4日(火) |
調査対象 | <企業> スクリーニング調査:従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人 本調査対象:上記のうち、自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握しており、直近2カ月以内に採用活動を行った又は新規採用を行った人 <個人> スクリーニング調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く) 本調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、直近2カ月以内に非正規雇用の仕事探しをした人 |
調査方法 | 外部パネルによるインターネット調査 <調査機関:自社調べ> ※本レポートは、・「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2023年5-6月)」 ・「非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(2023年5-6月)」2つの調査をもとに構成されている。 |
有効回答数 | 企業…スクリーニング調査:17,000名 本調査:1,038名 個人…スクリーニング調査:16,472名 本調査:1,609名 |
引用元調査
- 採用活動の実施状況
- 新規採用の状況
- 過不足感
- 雇用調整状況
- 直近5年間の職場での服装や身だしなみの規定について緩和状況
- 今後の職場での服装や身だしなみの規定について緩和予定
- 職場での服装や身だしなみについての自由を認めることのメリットと懸念点
- 最低賃金額で働くアルバイト従業員の有無
- 最低賃金引上げ後の実施施策と必要だと思う施策
- エリア別・企業規模別集計
- 業種・職種区分について
非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(2023年5-6月)
- 求職状況
- 今後の求職予定
- 新規就業状況
- 服装・身だしなみ自由化に対する求職者意識
- 服装・身だしなみ自由化が仕事探しや働く意識・働き方に与える影響
- アルバイトの仕事で[高時給だが高い能力を求められる仕事][高時給ではないが高い能力は求められない仕事]どちらを望むか
- エリア別集計
- 職種区分について
レポート内目次
- 非正規雇用市場の需給バランス
- 非正規雇用市場の新規採用・新規就業の状況
- 非正規雇用市場の今後の予定
- アルバイトの服装・身だしなみの規定について
詳しくはPDFデータをご覧ください