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非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年1-2月)

アルバイトにおける企業の採用活動実施率・個人の求職活動率はともに前年同時期比で増加求職活動を実施する理由は、「生活費のため」が前年比で大きく増加

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の企業、個人それぞれを対象に実施した、「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(23年1-2月)」の結果を発表しました。 ※非正規雇用:アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託社員

◆ 調査概要

調査名 非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(23年1-2月)
調査期間 企業:2023年3月1日(水)~3月2日(木)
個人:2023年3月1日(水)~3月6日(月)
調査対象 <企業>
スクリーニング調査:従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人
本調査対象:上記のうち、自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握しており、直近2カ月以内に採用活動を行った又は新規採用を行った人
<個人>
スクリーニング調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)
本調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、直近2カ月以内に非正規雇用の仕事探しをした人
調査方法 外部パネルによるインターネット調査
<調査機関:自社調べ>
※本レポートは、・「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(23年1-2月)」
・「非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(23年1-2月)」2つの調査をもとに構成されている。
有効回答数 企業…スクリーニング調査:16,000名 本調査:885名
個人…スクリーニング調査:16,399名 本調査:1,638名

◆ 引用元調査

非正規雇用に関する企業の採用状況調査(23年1-2月)

  1. 採用活動の実施状況
  2. 新規採用の状況
  3. 過不足感
  4. 雇用調整状況
  5. リモートワークを活用した遠隔に住む非正規社員の採用状況   
  6. コロナ前(2020年1月以前)と比べた現在の企業の状況(従業員数/時給/シフト数/営業時間/営業日数の増減)                       
  7. 現在と比べたコロナ5類移行後(2023年5月8日~)の企業の対応予定(従業員数/時給/シフト数/営業時間/営業日数の増減)
  8. 新型コロナウイルスの影響による非正規社員の採用職種の増減(コロナ前と現在の比較/現在とコロナ5類移行後の比較)
  9. エリア別・企業規模別集計
  10. 業種・職種区分について

非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(23年1-2月)

  1. 求職状況
  2. 今後の求職予定
  3. 新規就業状況
  4. 移住への興味と関心
  5. 新型コロナウイルスの影響による就業・求職意欲の変化
  6. エリア別集計
  7. 職種区分について

◆ TOPICS

  • アルバイトにおける企業の採用活動実施率・個人の求職活動率はともに前年同時期比で増加。求職活動の理由は、「生活費のため」が前年に比べ大きく増加【図1、2】
  • コロナ5類移行後に就業・求職意欲が増えると回答した人は26.8%。非正規社員の増加予定数が最も多い業種は[飲食・宿泊]で5割強【図3、4、5、6】
  • 求職者が「現在は希望していないが、コロナ5類移行後は希望する」職種は、[警備・清掃・ビル管理]、[軽作業]、[イベント・キャンペーン][教育]の順で多く、コロナ禍により求職意欲が減少していた職種が上位に【図7】

◆ 調査詳細

<求人ニーズ・求職ニーズ>
企業のアルバイト採用活動実施率は78.6%(22年1-2月比:1.3pt増)、また個人のアルバイト求職活動率は86.6%(22年1-2月比:0.5pt増)となり、ともに前年同時期比で増加した。【図1】

【図1】<アルバイト>採用活動実施率/求職活動実施率

<アルバイト>採用活動実施率・求職活動実施率/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年1-2月)」

個人がアルバイトの求職活動をする理由は、「貯金をするため」が46.0%(22年1-2月比:+2.4pt)で最も多く、次いで「自分の生活費のため」が43.5%(22年1-2月比:+5.9pt)、「家族の生活費のため」が28.1%(22年1-2月比:+8.4pt)となり、生活費に関する回答が前年同時期比で大きく増加した。物価高の影響を受けて、生活費を補填する目的でアルバイトを探す人が増加したとみられる。【図2】

【図2】<アルバイト>個人が求職活動を実施した理由 ※上位抜粋

個人が求職活動を実施した理由/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年1-2月)」

<コロナ5類移行後の働き手の就業・求職意欲の増減>
新型コロナウイルスの感染法上の分類が「5類」に移行した後(2023年5月8日以降)、現在と比較して就業・求職意欲が増えると回答した割合は26.8%となった。【図3】その理由を聞いたところ、「活動制限も緩和され、より幅広い働き方ができると思ったから」や「感染しても長い間休まなくてよいから」「コロナの不安が減りオフィスワーク以外も関心が出てくる可能性がある」などが挙がった。【図4】規制緩和により、幅広い働き方やコロナ禍で消極的になっていた職種への関心が高まり、働き手の動きが活発化することが考えられる。

【図3】<非正規雇用全体>コロナ5類移行後の就業・求職意欲の増減(単一回答)※回答数:1,638

コロナ5類移行後の就業・求職意欲の増減/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年1-2月)」

【図4】<非正規雇用全体>コロナ5類移行後に就業意欲や求職意欲が「増える」とした理由
(自由回答)

コロナ5類移行後に就業意欲や求職意欲が「増える」とした理由/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年1-2月)」

<コロナ5類移行後の企業の従業員数と時給の増減予定>
コロナ5類移行後に非正規社員数を増やす予定の企業は31.0%で、業種別では[飲食・宿泊]が最も多く54.7%となった。【図5】また、飲食・宿泊業では、コロナ前(2020年1月以前)より非正規社員の時給を上げた企業が46.5%と小売業(50.9%)に次いで高く、コロナ5類移行後に時給を上げる予定の企業も28.8%と業種別で最多なった。給与改定に取り組む企業の様子がうかがえ、人手確保の競争はさらに加速しそうだ。【図6】※2023年5月8日~新型コロナウイルスの感染法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられる。

【図5】<非正規雇用全体>コロナ5類移行後の非正規社員数の増減予定(単一回答)

コロナ5類移行後の非正規社員数の増減予定/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年1-2月)」

【図6】<非正規雇用全体>新型コロナウイルスの影響による非正規社員の時給の増減(単一回答)

新型コロナウイルスの影響による非正規社員の時給の増減/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年1-2月)」

新型コロナウイルスの影響による希望職種の変化
コロナ前(2020年1月以前)にも仕事・仕事探しをしていた人に、現在とコロナ前の希望職種に変化があったかを聞いたところ、「コロナ前は希望していたが、現在は希望していない」職種は[医療・介護・福祉]が最も多く21.4%、次いで[教育][警備・清掃・ビル管理]が21.3%となり、その他[イベント・キャンペーン][飲食・フード][軽作業]も2割を超えた。
一方で、現在とコロナ5類移行後(2023年5月8日以降)で、希望職種に変化があるかを聞いたところ、「現在は希望していないが、コロナ5類移行後は希望する」職種は、[警備・清掃・ビル管理]が最も多く14.4%、次いで[軽作業]が14.3%、[イベント・キャンペーン][教育]で13.7%となり、コロナ禍によって求職意欲が減少していた職種が上位となった。規制緩和により、コロナ禍では避けられていた対面業務が多い職種においても、求職意欲が回復していくことが予想される。【図7】

【図7】<非正規雇用全体>新型コロナウイルスの影響による希望職種の変化(単一回答) 

新型コロナウイルスの影響による希望職種の変化/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年1-2月)」

◆ INDEX

  1. 非正規雇用市場の需給バランス
  2. 非正規雇用市場の新規採用・新規就業の状況
  3. 非正規雇用市場の今後の予定
  4. 企業の募集時給と個人の希望下限時給について
  5. リモートワークと地方移住/コロナ前と現在の比較/コロナ5類移行後と現在の比較/コロナの影響による採用・希望職種の変化

詳しくはPDFデータをご覧ください

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