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非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(22年9-10月)

アルバイトにおける企業の求人ニーズ・個人の求職ニーズはともに前年比で増加
スポットワーカーの採用意向がある企業は約4割。理由は「即戦力人材獲得」「人件費削減」が上位

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の企業、個人それぞれを対象に実施した、「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(22年9-10月)」の結果を発表しました。 ※非正規雇用:アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託社員

◆ 調査概要

調査名 非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(22年9-10月)
調査期間 企業:2022年11月1日(火)~11月2日(水)
個人:2022年11月1日(火)~11月7日(月)
調査対象 <企業>
スクリーニング調査:従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人
本調査対象:上記のうち、自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握しており、直近2カ月以内に採用活動を行った又は新規採用を行った人
<個人>
スクリーニング調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)
本調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、直近2カ月以内に非正規雇用の仕事探しをした人
調査方法 外部パネルによるインターネット調査
<調査機関:自社調べ>
※本レポートは、・「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(22年9-10月)」
・「非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(22年9-10月)」2つの調査をもとに構成されている。
有効回答数 企業…スクリーニング調査:16,500名 本調査:959名
個人…スクリーニング調査:15,942名 本調査:1,646名

◆ 引用元調査

非正規雇用に関する企業の採用状況調査(22年9-10月)

  1. 採用活動の実施状況
  2. 新規採用の状況
  3. 過不足感
  4. 雇用調整状況
  5. スポットワーカーの採用状況と今後の採用意向     
  6. スポットワーカーの採用理由                       
  7. 雇用形態ごとの直近の求人時給
  8. 直近の求人時給と最低賃金の妥当性
  9. 2022年11月~12月の求人時給変更予定
  10. エリア別・企業規模別集計
  11. 業種・職種区分について

非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(22年9-10月)

  1. 求職状況
  2. 今後の求職予定
  3. 新規就業状況
  4. 非正規雇用の仕事探しにおける、こだわりの希望条件と条件妥協の程度
  5. 現在のアルバイト時給/アルバイトの希望下限時給/新規就業したアルバイトの時給など
  6. 本業とは別に掛け持ちで行う[副業・兼業]の経験と今後の意向
  7. 非正規雇用求人の掲載時給・新規就業時給の満足度/新規就業時給に満足な理由・不満の理由
  8. エリア別集計
  9. 職種区分について

◆ TOPICS

  • アルバイトにおける企業の求人ニーズ・個人の求職ニーズはともに前年比で増加。年末に向けて求人活動・求職活動ともに活発化【図1、2】
  • アルバイト求職者の希望下限時給の平均は1,091円。一方で、募集時給の平均は1,082円で求職者の希望下限時給以下に。特に[飲食・フード]でギャップは大きい【図3】
  • 今後スポットワーカーの採用意向がある企業は約4割。採用したい理由は即戦力人材獲得・人件費削減のためが上位【図4、5】

◆ 調査詳細

<求人ニーズ・求職ニーズ>
企業の求人ニーズ(次月以降にアルバイトの採用活動の予定がある企業の割合)は23.0%(21年9-10月比:+2.5pt)、また、個人の求職ニーズ(次月以降の新しいアルバイトをすでに探している+探すことを検討中の求職者の割合)は18.4%(21年9-10月比:+0.7pt)となり、年末に向けアルバイトの採用活動・求職活動が活発化する様子がうかがえる。【図1】

【図1】企業の次月以降の求人ニーズ/個人の次月以降の求職ニーズ

企業の次月以降の求人ニーズ・個人の次月以降の求職ニーズ/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(22年9-10月)」

企業の求人ニーズが高い職種は、[オフィスワーク]が26.7%で最も高く、次いで[工場・倉庫・建築・土木]が22.3%。一方で、個人の求職ニーズの高い職種では、[オフィスワーク]が20.4%で最も高く、次いで[販売・接客・サービス]が17.2%となった。
企業の求人ニーズと、個人の求職ニーズで乖離が最も大きい職種は[工場・倉庫・建築・土木]で16.3pt差、次に[医療・介護・保育]で14.9pt差で、どちらも求人ニーズが求職ニーズを上回る結果となった。【図2】
年末に向け、アルバイト市場が活発化することが予想されるが、職種により求人・求職のニーズが上手くマッチせず、人手確保に苦戦するであろう職種が見て取れる結果となった。

【図2】<職種別>次月以降のアルバイト求人ニーズ/次月以降のアルバイト求職ニーズ

<職種別>次月以降のアルバイト求人ニーズ・次月以降のアルバイト求職ニーズ/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(22年9-10月)」

<企業のアルバイト募集時給とアルバイト求職者の希望下限時給>
22年9-10月にアルバイトの仕事を探した個人の希望下限時給の平均は1,091円、一方で、企業のアルバイト募集時給の平均は1,082円となり、9円ほど求職者の時給ニーズを満たしていない結果となった。
職種別で比較すると、企業の募集時給より、個人の希望下限時給が高いのは、[飲食・フード]で+59円、次いで[オフィスワーク]で+6円となった。【図3】
飲食業界では人材確保が難しい状況が続いているが、アルバイト求職者の希望下限時給に満たない募集時給となっていることも一因と考えられる。

【図3】企業の募集時給と個人の希望下限時給の比較(数値回答)

企業の募集時給と個人の希望下限時給の比較/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(22年9-10月)」

<企業におけるスポットワーカーの採用実績と今後の採用意向>
現在スポットワーカー(数時間単位の超短期雇用者)を採用している企業は16.9%、業種別では[ソフトウェア・通信]が28.8%で最も高く、次いで[飲食・宿泊]で23.8%となった。
また、今後の採用意向がある企業は38.2%で、業種別では[ソフトウェア・通信]が44.2%で最も高く、次いで[飲食・宿泊]で42.9%となり、現在の採用率が高い業種で今後の採用意向も高い結果となった。

【図4】スポットワーカーの採用実績と今後の採用意向(単一回答)

スポットワーカーの採用実績と今後の採用意向/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(22年9-10月)」
※ネットで単発の仕事を請け負う料理宅配員など「ギグワーカー」の多くが業務委託なのに対して、「スポットワーカー」は受け入れ企業との間に雇用関係がある点が特徴。

スポットワーカーを採用したい理由としては、「即戦力人材獲得のため」が37.4%で最も高く、次いで「人件費削減のため」が34.2%、「突発的な欠員に対応するため」が29.5%となった。【図4,5】
業務の繁閑差対応や急な勤務シフトの変更などによる人手不足を補いたい企業は、スポットワーカーに即戦力としてのスキルを期待している様子が見受けられる。

【図5】今後、スポットワーカーを採用したい理由

今後、スポットワーカーを採用したい理由/マイナビ「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(22年9-10月)」

◆ INDEX

  1. 非正規雇用市場の需給バランス
  2. 非正規雇用市場の新規採用・新規就業の状況
  3. 非正規雇用市場の今後の予定
  4. 企業の募集時給と個人の希望下限時給について
  5. スポットワーカーの採用について
  6. 個人の仕事探しのこだわり条件と条件妥協について

詳しくはPDFデータをご覧ください

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