2023年卒大学生就職意識調査
- 企業選択のポイントは「安定している」が43.9%で最多。前年比1.1pt増で、2年連続の上昇。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は「マイナビ 2023年卒大学生就職意識調査」の結果を発表しました。本調査は、学生の就職意識や就職活動全体の動向を把握することを目的に、1979年卒より毎年実施しています。調査結果の概要は以下の通りです。
調査詳細
就職観
- 2023年卒学生の就職観は「楽しく働きたい」が最多で37.6%
- 3年ぶりに上昇
就職観はこれまでと同様に「楽しく働きたい」が最多で37.6%(対前年2.8pt増)となった。2020年卒以降、減少傾向であったが、3年ぶりに上昇に転じた【図1】。
ここ十数年間で上位3項目(「楽しく働きたい」「個人の生活と仕事を両立させたい」「人のためになる仕事をしたい」)は同じで、大きな傾向は変わっていないが、前年である2022年卒から2020年卒までの3か年で「楽しく働きたい」は3.8pt減少してきた。
経済状況の悪化や大きな災害等が起きた際は同項目が減少する傾向にあるが、新型コロナウイルス感染症の観点で見ると、昨年を通してワクチン接種が進んだほか、各種行動制限の緩和などが進んだ。そうした状況のなか、学生にとっても社会に対する不安が軽減されたことが、3年ぶりの数値上昇の背景となった可能性も考えられる。
大手企業志向
- 大手企業志向が48.5%と半数を割る
- 中堅・中小志向は47.8%で前年比2.9pt増
大手企業志向は48.5%で前年比2.6pt減となり、21年卒調査で過去最高値となってから2年連続で減少した。対する「中堅・中小志向」は前年比2.9pt増の47.8%となり、両者の数値は17年卒調査以来、最も近づきつつある。【図2】
多くの学生はその会社でやりがいのある仕事ができることを重要視し、それが実現できるのであれば大手企業であることにこだわらないという傾向が読み取れる。
企業選択のポイント
- 企業選択のポイントは「安定している」が最多で43.9%
企業を選択する場合にどのような企業がよいか(あてはまると思う項目を2つまで選択)を聞いたところ、「安定している」が43.9%(対前年1.1pt増)と最多となった。
「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が32.8%で前年比1.8pt減、「給料のよい」が19.1%で前年1.6pt増となり、前年同様トップ3の項目となった「給料のよい」は16年卒調査以来毎年上昇していたが、前年22年年卒で2.3pt減少。今年は1.6pt増加となった。
その他、「休日、休暇の多い会社」が前年比0.8pt増、「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」が前年比0.4pt増となるなど、安心して働ける環境(制度面や待遇)や、ワークライフバランス(休み)に関する項目も増加している。【図3】
ちなみに「マイナビ 2023年卒大学生活動実態調査(3月)」(調査期間:2022年3月25日~30日)で「企業に安定性を感じるポイント」を複数回答してもらったところ、「福利厚生が充実している」「安心して働ける環境である」「売上高」が上位3つにあがった。【図4】
いずれも、安心して働ける制度が整っていることや、企業の業績が良好かどうかといった、働く環境として安心できることに対して安定性を感じ、そうしたポイントを企業選択において重視している傾向が見えてくる。
学生が持つ「安定性」のイメージが、単に「上場企業である」ことや「知名度がある」ことではなく、自身が安心して働くことができる環境かどうかということを軸に、複合的に構成されていることが読み取れる。
学生が行きたくない会社
- 学生が行きたくない会社は「ノルマのきつそうな会社」が最多
行きたくない会社(あてはまる項目を2つ選択)を聞いたところ、「ノルマのきつそうな会社」が前年に続き最多で37.4%(対前年1.6pt増)、次いで「暗い雰囲気の会社」で27.1%(対前年1.8pt減)となった。【図5】
上位2項目は2008年卒以来変わっていないが、2022年卒で上位3項目に浮上してきた「転勤の多い会社」か今年も3位となり、前年比1.7pt増の26.6%となった。
「マイナビ 2023年卒大学生のライフスタイル調査」(調査期間:2021年11月26日~12月22日)によれば、結婚後の仕事に関してどのように考えているかという質問に対して、男子学生で約6割、女子学生で7割超が「夫婦共働きが望ましい」と回答している。【図6】
また同調査の「専業主婦志向の推移」では、専業主婦を希望する割合は男女ともに調査開始以来(16年卒調査以来)過去最低となった。【図7】
専業主婦志向が薄まり、男女ともに結婚後も仕事を持つという意識が高まったことにより、これまで一般的とされてきた「夫婦一方の転勤に専業主婦である側の配偶者が付いていく」というスタイルではなく、パートナーとともに仕事を続けていくために転勤は積極的には希望しない、という傾向も見えてくる。在宅勤務やリモートワークの浸透といった社会的背景とともに、こうしたライフスタイルに関する変化も背景にあるものと考えられる。
有効回答数内訳 | 文系男子 | 文系女子 | 理系男子 | 理系女子 | 総計 |
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人数 | 11,180 | 14,661 | 5,840 | 3,862 | 35,543 |
調査概要
内容 | マイナビ 2023年卒大学生就職意識調査 |
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調査期間 | 2021年12月1日~2022年3月20日 |
調査対象 | 2023年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生(調査開始時点) |
調査方法 | WEB入力フォームによる回収 |
有効回答数 | 35,543名 |
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