非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2021年7-8月)
非正規雇用の採用は、5-6月と比較して微増。即戦力を重視する傾向に。10月の最低賃金改定に伴い、アルバイトの時給を「変更しない」が37.3%
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:中川信行)は、従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人(有効回答数:スクリーニング調査17,000名、本調査927名)を対象に実施した「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(7-8月)」の結果を発表しました。※非正規雇用:アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託
◆ 調査概要
内容 | 非正規雇用に関する企業の採用状況調査(7-8月) |
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調査期間 | 2021年9月1日~9月3日 |
調査対象 | 自社の非正規雇用労働者の採用方針を把握している会社員/会社役員/経営者、かつ、従業員数10名以上の企業に所属している者 |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | スクリーニング調査:17,000名 本調査:927名 |
◆ TOPICS
企業が7-8月に行ったアルバイトの採用実施率は15.2%。5-6月より0.3pt微増となった【図1】。アルバイト採用活動を行った理由で最も高かったのは「人件費の節約のため」で28.9%(5-6月比:+0.5pt)、次いで「即戦力人材の獲得のため」が27.1%(5-6月比:+6.1pt)となった。3月以降「即戦力人材の獲得のため」は顕著に伸びが見られ、アルバイト人材においても即戦力を重視する傾向が強まっているようだ【図2】。
【図1】アルバイト 採用活動実施率と次月以降の予定
【図2】アルバイト 採用活動を実施した理由
アルバイトの7-8月業種別採用実施率で、最も高かったのは[医療・福祉]が最も高く29.7%、次いで[飲食・宿泊]の29.6%となった。慢性的に人手不足となっている[医療・福祉]では5-6月に引き続き上位となった。一方、大きく減少したのは[小売]で5-6月より7.3%減少し23.8%で、全国的な緊急事態宣言の影響を大きく受けていると推測される【図3】。
【図3】雇用形態:アルバイト 業種別 採用活動実施率と次月以降の予定 ※グラフの業種は一部抜粋 ※( )内の回答者数は最新の調査のものを記載
10月からの最低賃金改定では、アルバイトの時給を「変更しない」が37.3%、次いで「変更する(あげる)」が31.7%、「未定」が31.0%となった。「変更する(あげる)」を業種別でみると、[小売]が48.7%(全体比:+17.0pt)と最も高くなった【図4】。
【図4】最低賃金改定に伴うアルバイトの時給を変更について(単一回答) ※( )内は回答数 ※回答数30以上の業種のみ記載
最低賃金があがることでのアルバイト採用への影響について「何かしらの影響がある」は、[飲食・宿泊]で19.4%と最も高くなった。[飲食・宿泊]は新型コロナウイルスの影響に加え、アルバイト雇用割合が高いことからも、最低賃金があがることで他業種と比べて受ける影響が大きいと考えられる【図5】。
【図5】最低賃金改定によるアルバイト採用への影響(単一回答) ※( )内は回答数 ※回答数30以上の業種のみ記載
最低賃金改定に伴うアルバイト採用への影響を自由回答でみると、応募者の増加や従業員のモチベーション向上に期待する一方で、他社も時給をあげることで競争が激しくなり、応募者の減少を懸念する声もあがった。また、今後の雇用については、「人件費が上がるため、柔軟にシフト対応できる方に絞って採用していくことになると思う」「採用基準を上げる必要がある」などの採用基準の見直しについて言及した企業もあった【図6】。
【図6】最低賃金改定によるアルバイト採用への影響(自由回答) ※一部抜粋
◆ INDEX
1,採用活動の実施状況
2,新規採用の状況
3,過不足感
4,雇用調整状況
5,最低賃金の改定による、アルバイト採用の時給変更有無と影響について
6,アルバイトの採用活動を行う際に利用したサービス・手法 7,エリア別・企業規模別集計
8,業種・職種区分について